オープン技術を活用した、エコで災害に強い仮想化基盤を実現 ~OpenStack/OpenFlowなどの技術を活用したフルオープン仮想化基盤を開発~

ニュースリリース/NTTデータ

2012年10月2日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、OpenStack/OpenFlowによる仮想化のオープン技術を集結し、災害に強く、省電力で運用できる仮想化基盤を構築するソリューションを「フルオープン仮想化基盤構築ソリューション」として2012年度内に提供します。

本ソリューションではオープンソースソフトウエア(以下、OSS)の利点である、初期導入費用を抑えることに加え、障害時、災害時の自動復旧や不使用ノード(サーバー、スイッチ機器)の電力節電により高信頼かつランニングコストを抑えたシステムの実現が可能となります。また、お客さまのご要望に応じてカスタマイズが可能であり、NTTデータグループにおける長年のOSS活用の実績・ノウハウを生かしたサポートにより安心してお使いいただくことができます。

NTTデータでは、フルオープン仮想化基盤構築ソリューションについて、2013年度30億円の売り上げを目指します。

背景

近年、企業内のシステムは、仮想化技術やクラウドに代表されるように、ビジネスの変化や拡大に対する柔軟かつ迅速な対応が求められています。特に、東日本大震災以降、災害発生時の事業継続が注目を浴びており、ディザスターリカバリーへのニーズが高まっています。また、従来の仮想化基盤では、コンピューティングリソースの提供が主で大規模ストレージやネットワークサービスは個別に提供されており、統合的な基盤を構築する場合、それらを組み合わせて利用する必要がありました。

そこで、NTTデータでは、コンピューティングリソースと大規模ストレージの提供を実現するOpenStackと、ネットワークの物理設定を不要とするOpenFlowなどのオープン技術を活用し、システムの自動運用や統合管理を行うことで、すばやい導入、ディザスターリカバリー、省電力、運用自動化などに特長を持つ仮想化基盤を構築・提供します。

概要および特長

素早く導入・拡張できるリーン・スタートアップ注1を実現

仮想化基盤の運用開始後、リソース利用量が増加した場合、仮想化基盤の拡張が必要になってきますが、本ソリューションでは、ノード増設を簡易化することにより、ニーズに合わせた拡張が簡単にできるようにしました。その結果、従来に比べシステムの拡張のコストを大幅に削減できるとともに工期も短縮することができます。また、革新的なビジネスを立ち上げる方法論として最近注目を集めるリーン・スタートアップをはじめ、ビジネスの規模に応じた仮想化基盤の素早い構築が可能です。

自動運用による障害・災害時の信頼性の向上

ノードに障害が発生した場合、自動的にそのノードを切り離し、ノード交換時に自動的にノードの復旧設定を自動で行います。障害発生時にオペレーターのミスにより思わぬデータ喪失につながることもありますが、仮想マシンの運用や障害時のフェールオーバー注2・復旧を自動化することで、手動によるオペレーターミスのリスクを減らし、障害時の信頼性を高めています。

また、災害などによりデータセンターで障害が発生した場合でも、ディザスターリカバリー機能によるデータセンターにまたがった冗長化により、他のデータセンターでサービスを継続することができます。

不要なハードウエアの電源を停止することによる省電力と経済性の向上

仮想化基盤の利用状況にかかわらず、ピーク時のリソース消費に備え余剰なサーバーを稼働させたまま待機するため、現在本当に必要なサーバーのみ稼働させた場合に比べ、全体の電力消費量が多くなってしまいます。本ソリューションでは、リソースの利用状況により、不要なハードウエアの電源を自動停止し、システムの利用が増加すると必要な分だけ電源を投入するアイドリングストップ機能により、経済的な仮想化基盤の運用を実現します。

統合マネージメントによる仮想環境の一元管理

OSSを利用した場合、運用や管理についてはそれぞれのOSSで統一されている訳ではないので、従来個別に運用管理方法を検討する必要がありました。本ソリューションは、ネットワーク、コンピューティング、ストレージなどの異なるコンポーネントの運用管理を統合して行いますので、一元的な仮想化環境の管理が可能になります。

品質確保されたOSSの活用によるベンダーロックインの回避が可能

ベンダーの製品を組み合わせて仮想化基盤を構築する場合、それぞれにベンダー固有の技術・APIが利用されており、ベンダーの仕様等に縛られてしまうことがあります(ベンダーロックイン)。本ソリューションは、OSSなどオープンな技術を採用することにより、それを回避し、OSSでお客さまに最適な仮想化環境を提供します。NTTデータの長年のノウハウを生かし使えるOSSを選定し、品質向上を行っているため、お客さまに安心して利用可能です。

【図】

図:システム構成図

今後について

フルオープン仮想化基盤構築ソリューションで、初年度30億の売り上げを目指します。

また、NTTデータは、長年のオープンソースソフトウエア活用実績とノウハウを活かし、OpenStack、OpenFlowといった各種仮想化技術の開発・活用について登場初期から、関連コミュニティーとともに進めてきました。今後も引き続き、コミュニティーへの貢献を行うとともに、オープンな技術を活用したソリューション開発・提供に注力いたします。

参考

イベントのご案内

フルオープン仮想化基盤構築ソリューションの提供に先立ち、ITpro EXPO 2012(主催:日経BP社)NTTデータブースにてデモンストレーションの展示を行います。ぜひNTTデータグループブースにお越しください。

ITproEXPO 2012 NTTデータブースご案内

  • 会期:2012年10月10日~12日
  • 会場:東京ビッグサイト(東4、5、6ホール 小間番号9-28)

注釈

  • 注1リーン・スタートアップ

    エリック・リース氏の提唱する、無駄をなくし新規ビジネスの成功率を高める方法論。

  • 注2フェールオーバー

    障害が発生したときに、その障害を他のノード(サーバー、ネットワーク機器)が引き継ぎサービスを継続すること。

  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
  • フルオープン仮想化基盤構築ソリューションは総務省より委託された高信頼クラウドの研究で得た成果を活用しています。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
田中・風間
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
システム方式技術ビジネスユニット
第三技術統括部
第三技術担当
中村・岡本・永園
TEL:050-5546-2301