訪日外国人旅行者移動実態調査について ~JR東日本とNTTデータの共同調査結果を公表~
2017年4月20日
東日本旅客鉄道株式会社
株式会社NTTデータ
東日本旅客鉄道株式会社(代表取締役社長:冨田 哲郎、本社:東京都渋谷区、以下「JR東日本」)と株式会社NTTデータ(代表取締役社長:岩本 敏男、本社:東京都江東区、以下「NTTデータ」)は、増加が著しい訪日外国人旅行者の鉄道利用をはじめとした国内の移動需要を把握し、各種インバウンド施策に反映させるため、訪日外国人旅行者の移動実態調査を共同で行いました。
本調査の結果について、地域と一体となって訪日外国人旅行者の受入れを進めていく観点から、関係の皆さまとの情報共有を図るべく、主なデータを公表します。
主な調査結果
訪日外国人旅行者における広域移動者の"数"が多いのは関東と近畿からの入国者。また、"割合"は信越・北陸・東海が多い。一方、北海道・沖縄・九州は、狭域のみの移動者が非常に多い。
中国・アメリカ・フランスからの旅行者は、滞在都道府県数が多く広域移動傾向が高い。移動傾向の低い韓国を除き関東が最多滞在区域だが、台湾・香港には地方分散傾向が見られる。
首都圏の狭域移動においては、来日初日から新宿、浅草、銀座などに多くの旅行者が訪れ、来日2日目に舞浜エリアへの移動が急増。
1.訪日外国人旅行者移動実態調査概要
本調査は、世界各国から日本全国に来訪する外国人旅行者の移動実態を調査・分析することを目的とし、以下の3つの手法を採用しています。
なお、日本全体を11の区域注1に分け、区域をまたいだ移動を「広域移動」、区域内移動を「狭域移動」と定義しています。
- 注1北海道、東北、関東、信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄地方
(1)広域移動実態調査
外国人旅行者の「広域移動」について、入国区域別・国別に調査・分析を実施。
利用データ:NTTドコモ「モバイル空間統計」
訪日外国人 約500万台注2の携帯電話運用データ注3から推計された旅行者データを分析
- 注22016年1月~12月、ドコモ独自推計(2016年訪日外国人数約2,400万人)
- 注3携帯電話をいつでも接続可能な状態に保つために必要なデータ
- 2016年6~8月のデータを集計
- 「モバイル空間統計」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
(2)狭域(首都圏)移動実態調査
外国人旅行者の「狭域移動」について、首都圏のみ滞在した旅行者の移動に絞って調査・分析を実施。
利用データ:NTTアド提供の観光アプリ「Japan Travel Guide」のGPSデータ
観光情報やJR東日本の利用案内等を提供する観光アプリ「Japan Travel Guide」のGPSデータから利用者の位置情報を分析
- 2016年6~8月のデータを集計
- アプリ利用者は鉄道パス利用の有無を登録
- JR東日本訪日旅行センター等でダウンロードを推奨注4
- 注4アプリ利用者が鉄道パスを利用している場合、地方の主要駅の観光案内所で「新幹線バッジ」をプレゼント中(~2018年3月)
(3)アンケート調査
訪日中の移動・交通機関の利用状況等について、訪日旅行経験者にWebアンケート調査を実施。
利用データ:Webによるアンケート調査の回答データ
中国、韓国、台湾・香港・アメリカの5か国の訪日旅行経験がある方にWebアンケートを実施
- 2017年2~3月に実施、各国240サンプル 計1,200サンプル
2.訪日外国人旅行者移動実態調査結果(抜粋)
調査結果全体は別添資料をご参照ください
(1)広域移動実態調査
関東地方入国者の広域移動実態(2016年6-8月)
- 同様の分析を11区域すべてで実施
入国区域別分析(11区域)
広域移動者の"数"が多いのは関東と近畿からの入国者。また、"割合"は信越・北陸・東海が多い。一方、北海道・沖縄・九州は、狭域のみの移動者が非常に多い。
中国/入国・滞在・出国区域分析(2016年6-8月)
- 同様の分析を11カ国分行っている
国別分析(11カ国)
中国・アメリカ・フランスからの旅行者は、滞在都道府県数が多く広域移動傾向が高い。移動傾向の低い韓国を除き、関東が最多在区域だが、台湾・香港には地方分散傾向が見られる。
(2)狭域(首都圏)移動実態調査
狭域(首都圏)移動者の滞在状況(2016年6-8月)
- 首都圏のみに滞在した外国人旅行者(936名)の滞在データ
(在来線の個別利用層を適切にとらえるために、鉄道パス未保有者にフォーカスして分析した)
狭域(首都圏)移動者の日別滞在分析
新宿、浅草、銀座などは来日初日から多くの人が訪れるが、来日2日目に舞浜エリアが急増。旅程が短く(平均3.7日)、東京の定番観光地のみを周遊する傾向がうかがえる。
(3)アンケート調査
- 調査期間:2017年2月20日~3月1日
- 回答数:中国、韓国、台湾、香港、アメリカの5か国 各240サンプル 計1,200サンプル
- 回収条件:過去1年以内に訪日旅行経験あり
- (20、30、40代、50代以上の男女:年代均等に60サンプルずつ)
個人旅行(FIT)率(各国240サンプルの比率)
全体的に個人旅行の比率が高いが、中国・台湾は相対的に団体旅行が多い。
交通機関の利用率(各国240サンプルの比率)
中国、アメリカは広域移動の割合が高い。広域移動における飛行機と新幹線、狭域移動における各交通機関の利用率は拮抗している。
新幹線・鉄道パス利用率(各国240サンプルの比率)
8割以上が鉄道を利用(広域・狭域計)、新幹線利用者の7割は鉄道パスを利用している。パスの購入理由のトップは「経済的だから」、非購入のトップは「知らなかったから」。
ICカード(Suica、PASMO等)の利用率(各国240サンプルの比率)
自国もICカードを導入している国が多く認知率は非常に高い。利用率は3割だが、利用しなかった理由は「必要なかった」という回答が多い。
別紙
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
TEL:03-5546-8051