NTT DATA Technology Foresight 2018 を公開 ~技術革新が導くデジタル社会の将来展望をグローバルで策定・展開~
2018年1月25日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、情報社会を取り巻く大きな潮流とITのトレンドを示す「NTT DATA Technology Foresight 2018」を、2018年1月25日に公開しました。
AI(人工知能)を中心に革新を続ける今日のIT技術は、社会のしくみを未来へ前進させるとともに、既存のビジネスモデルをも新たなステージへと導いていきます。デジタル化が進み、社会変革の次なる出発点にある現在において、最適な経営判断を行うには、将来変化を捉え、進むべき道を解き明かすことが重要です。
NTTデータでは、政治・経済・社会・技術の4軸で変化を捉え、そこから導出した将来予見を「情報社会トレンド」と「技術トレンド」の2種類のトレンド情報として2012年から毎年策定・公開しています。「NTT DATA Technology Foresight 2018」では、AIに注目し4つの情報社会トレンドと、8つの技術トレンドを導出しました。
背景
デジタル化が進み、さまざまな形のAI(人工知能)が我々の生活やサービスと密接に関わっていく現状は、社会変革の次なる出発点にあるともいえます。今後は社会生活のあらゆる場面でAIの活用が進み、人々の意思決定や行動をサポートしていくと想定されます。
また、革新的な技術は国境を越えてビジネスを変化させ、その影響は素早く拡散していきます。こうした状況の中でさらに多くのイノベーションを生み出し、革新的なビジネスを創出し続けていくためには、ビジネスパートナーである世界中のお客さまの持つ豊富なアイデアとNTTデータグループが持つ知見やノウハウとを結びつけることが大きな強みになると考えます。
NTTデータでは、先進技術や社会動向の継続的な調査により得た将来変化をトレンド情報として公開しています。このトレンド情報を基に、世界中のお客さまと将来に向けたコミュニケーションを深めていきます。
トレンド情報
NTT DATA Technology Foresightでは、産業の情報化とそれを中心に発展する社会に対し、政治、経済、社会、技術の4軸で現在の動向を捉えた上で、今後3年から10年の間に大きなインパクトを与える将来の変化を「情報社会トレンド」と「技術トレンド」の2つで示しています。
「情報社会トレンド」では、情報社会における情報化の方向性および社会発展の潮流を示し、「技術トレンド」では、情報社会トレンドを牽引する革新的技術の潮流を示しています。
革新的技術の一つであるAIはあらゆる場面への適用が期待される一方で、大量の学習データが必要といった点や、チューニング等に専門知識が必要といった点がAI活用の課題として挙がっています。これらの課題に対応していくための技術として、深層強化学習や転移学習といった少ない学習データでのAI活用を実現するための技術が注目されています。また、ITインフラの領域においては、飛躍的な計算能力の向上が期待される新たなコンピューティングのアーキテクチャとして量子コンピュータが登場し、その実用化に向けて研究が進んでいます。
このような革新的技術の発展を背景に、フィジカルの世界とデジタルの世界が益々融合してきています。社会生活のあらゆる場面でのAIの活用は、それを更に加速させていき、人々の考え方や行動が従来の常識や規範等の枠を越えて、新たな方向へ進んでいきます。
NTT DATA Technology Foresight 2018では、このようなAIなどのブレークスルーの期待が高まっている技術と、それら技術がもたらす社会発展の方向性に着目し、4つの「情報社会トレンド」と、8つの「技術トレンド」を導出しました。
NTT DATA Technology Foresight 2018 『情報社会トレンド』
- 個の影響力拡大が社会の変革を促進する
- オープンな連携が新たな社会のしくみを生み出す
- 情報の持つ価値の活用がビジネス再構築を加速する
- フィジカルとデジタルの融合が意識や行動を変化させる
NTT DATA Technology Foresight 2018 『技術トレンド』
- 人工頭脳の浸透
- 協調志向オートメーション
- 超融合インタフェース
- 持続可能なデータ活用
- 生命課題への挑戦
- サイバーインテリジェンスの結集
- ITインフラの多様な進化
- イノベーションデザイン
- 注トレンドの概要説明は別紙にも記載しています。
トレンドの詳細を記述したパンフレット冊子(PDF)を、2018年3月末にWebサイトにて公開予定です。
NTT DATA Technology Foresightは2012年から毎年公開しており、今回で7回目の公開となります。
NTTデータでは、最新のNTT DATA Technology Foresightのトレンド情報を、その裏づけとなる先進事例を多数交えて解説するプライベートセミナーを個別のお客さま単位で実施しています。また、トレンドがもたらすインパクトを起点に、将来のビジネスや業界の方向性がどう変化していくか等の意見交換も行っています。
2012年以降、6年間にわたり全世界で500件を超えるプライベートセミナーおよび意見交換を実施し、多くのお客さまから今後のIT戦略の検討に役立つとの評価を得ています。
2017年は特に、欧州や米国を中心に、現地のNTTデータグループ会社との連携を強化し、グローバルでの展開を本格化しています。また、今回のNTT DATA Technology Foresight 2018では、グローバルのダイナミズムを反映すべく、各国における技術動向や顧客動向、実際に世界各国でお客さまと連携しイノベーションを生み出しているNTTデータグループの知見が集結しました。これらの知見が社会発展の潮流、革新技術の潮流としてのトレンド情報に強く影響を与えています。
グローバルでの展開
先進技術を活用したグローバルでのアプリケーション共同開発
NTTデータでは、NTT DATA Technology Foresightのトレンドを踏まえ、先進技術を活用したアプリケーションの開発にグローバルで取り組んでいます。
これまでもスペイン最大の病院であるヴィルヘン・デル・ロシオ大学病院での集中治療室向け「スマートアラートソリューション」や中国・貴陽市内における渋滞予測・信号制御を組み合わせた「渋滞予測・信号制御ソリューション」、米国インディカー・シリーズにおける走行時のドライバーの生体情報を取得する実証実験などを実施してきました。
2017年は、NTTデータが協賛する全英オープンゴルフ向けに、デジタル3D地図とAR技術による新たなスタイルのゴルフ観戦アプリケーションを開発しました。また、NTT DATA Italiaがパートナーシップを持つGiPStech(ジップステック)社と地磁気を用いた「触覚を使った屋内ナビゲーション」に関する実証実験を行う等、先進技術を活用したグローバルなチーム体制を築いています。
今後も世界各国の拠点において、お客さまとともに先進的なソリューションを開発・展開し、より革新的なイノベーションの創出に積極的に取り組んでいきます。
図1:全英オープンゴルフ会場でのアプリケーションデモの様子
- ニュースリリース
全英オープンゴルフ試合データをAW3D地図上に再現 - テクノロジーと未来をつなぐウェブメディア「INFORIUM」記事
全英オープンで見た、ARが拓く未来(外部リンク) - ニュースリリース
「触覚を使った屋内ナビゲーション」に関する実証実験を開始 - ニュースリリース
「スペイン医療機関にて合併症予防を目的としたスマートアラートソリューションの実証実験を開始」 - ニュースリリース
「中国・貴陽市でビッグデータを活用した「渋滞予測・信号制御ソリューション」のエリア拡大実験においても渋滞緩和効果を確認」 - ニュースリリース
「インディカーレースでドライバーの生体情報を取得する実証実験を実施」
グローバル拠点でのデモ展示
豊洲イノベーションセンター「INFORIUM(インフォリウム)」にて、トレンドが導く「情報社会の未来の姿」を映像やデモンストレーションで体感できるコンテンツを展示しています。
また海外においても、NTT DATA Servicesが運営するアメリカ テキサス州ダラスの 「Collaboration Center」や、NTT DATA EMEAが運営するドイツ バイエルン州ミュンヘンの「Innovation Lab Enso」にてコンテンツを展開していきます。
図2:グローバルでのデモンストレーション展開
NTTデータが目指す姿
NTT DATA Technology Foresightを用いて世界中のお客さまともに未来像を描き、その未来を実現するために必要となる技術やサービスを開発することで、新しいビジネスの創出や社会の発展に貢献していきます。また、開発した新技術や新サービスの実現性や有効性を確認するため、今後もお客さまと共同で実証実験に取り組んでいきます。
注釈
- 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
別紙
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
大島
TEL:03-5546-8051
内容に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
技術開発本部
企画部
神田、野村、板屋
TEL:050-5546-2308
E-mail:rdhkouhou@kits.nttdata.co.jp