スモールスタートの高速サイクル開発。3ヶ月で成果を出し続ける
新屋が統括するチームは、Salesforceを軸としたコンサルティングから、デリバリー、活用支援まで一貫して取り組み、お客様の顧客接点の変革を目指すことがミッションです。もともとNTTデータは、Salesforceがまだ登場していなかった30年ほど前から、CRMに取り組んできた歴史があります。
その中で、顧客とのオンラインでの広範な接点を、どのように持つかを施策し、CRMを利用するコールセンターの立ち上げやスタッフのためのマニュアルづくりまで、事細かにサポートしてきました。その知見をもとにした、顧客接点に関する課題を解決するコンサル力とITによる実現力、そしてSalesforceの持つ先進性を組み合わせられることが、同チームの強みの一つとなっています。
さらに、同チームは新屋が考案した“伴走型のビジネスモデル”を採用していることも大きな特徴です。従来のSIerの場合、コンサルティングし、要件を出し、システムを完成させるまでに重きが置かれていました。特にBIやCRMなどは、企業の根幹となるシステムのため、長期間の大規模開発となり、導入後に課題が見えてきても、すぐに改修することは難しいのが一般的でした。
私たちは、システムを小さな組織に限定して導入するスモールスタートで、プロジェクトに取り組んでいます。しかも、お客様との契約は3ヶ月。お客様とともに課題を見つめ、プロトタイプをつくりながら、1~2ヶ月で実装し、高速で改善を重ねていきます。
現場での判断を加速するため、エンジニアと営業担当の業務を統合し、メンバー個人に大きな裁量権も持たせました。これによって、契約満了までの短期間で一定の成果を生み、お客様から評価をいただくことで、契約更新とシステム導入の範囲拡大を目指しています。
成果を出すために新屋がこだわっているのは、顧客接点のチャネルをフルカバーすることです。たとえば、SFA(Sales Force Automation)で顧客にアプローチすれば、その顧客が訪れるポータルサイトや、問い合わせを受け付けるコールセンターも必要になります。
顧客に価値が生まれるストーリーが描けるかを重視しています。そのため、Salesforceの機能を段階的に導入するのでは意味がありません。導入を小さな組織に限定しつつも、必要最小限の機能を網羅的に盛り込み、実証実験を重ねるイメージです。
このほか、変革を成し遂げるには、IT以外にも組織設計やプロセス、評価制度など広範な範囲に変更を加えなければなりません。その点、伴走型のビジネスモデルは、企画段階からお客様の課題に寄り添い、ともに解決を目指していけるというメリットがあると新屋は語ります。
この新屋のビジネスモデルは、Salesforce社からも高く評価され、Salesforceのオファリングを開始した2015年に、同社からのInnovation Partner of the yearを受賞しています。以来、個々のお客様との契約も順調に拡大しており、業績を伸ばし続けています。
繰り返している、楽にできていると感じたら、それはアラート
沖縄から上京して一旗揚げたい、新屋はそんな思いでNTTデータに入社しました。そして、新入社員のころに、日本初の複数電子マネーの電文中継サーバの開発プロジェクトに関わるチャンスに恵まれます。やがて、プロジェクトは全国へ拡大展開するフェーズとなり、自身の経験やノウハウを透過して効率よく成果を残す仕事を経験しました。
その後、楽譜のEコマースというニッチなマーケットのプロジェクトにも参画しました。こちらは、事業としての成果が伸び悩みましたが、新屋自身にとっては新たな経験やノウハウの獲得を目指せるチャレンジングな仕事でした。
息子が生まれてからは、子どもに誇れる仕事がしたいと思うようになりました。そうすると、成果を残すだけ、成長できるだけではダメで、両方のバランスをとった仕事を目指すべきだと考えたのです。
特に、成長できる仕事の割合が小さくなりがちなため、そのようなときはあえてチャレンジングな選択をすると言います。
同じことを繰り返して、楽にできているなと感じたら、成長が止まっているアラートだと考えます。私がマネージメントするチームメンバーそれぞれについても個人特性を見ながらストレッチしてもらい、チームに成長意欲と活力が充実した状態を維持するように心がけています。
SIerの未来を模索する実験的な組織で、自由なチャレンジを
伴走型というビジネスモデルは、NTTデータでは新しいチャレンジです。また、エンジニアと営業担当の仕事を統合したのも、NTTデータ内でも類を見ない施策の一つです。メンバーは、システムの仕様も価格も自分で判断する、非常にエキサイティングな経験を積んでいます。これにより、意思決定のスピードも加速しており、業務の効率化が進んでいます。
NTTデータの中でも実験的な組織として見られており、よい意味で挑戦が許されている部署です。というのも、ローコード開発が広まりつつあり、将来インテグレーション自体に優位性がなくなったとき、SIerはお客様とどう向き合っていくのかという課題に直面しているからです。まだ、だれも正解がわからない中、その解を求めて当部署は挑戦しています。そのためには、既存のプロセスを壊してもいいと思っています。
新屋は、NTTデータの変革を推進するワーキングにも参加しています。同部署のビジネスや取り組みの成功は、会社にとっても大きな影響を与える可能性があります。
当部署のポストは、まだまだ当社が十分に獲得できていないケイパビリティが求められるポストです。当社の優秀なメンバーと新しい仲間の個々の経験やスキルから、相互に学ぶことも多いでしょう。また、当社も変革をしている中で、今後このような人財をどの部署でも必要としてくると考えられるため、将来のステップアップには多くの選択肢があると思います。
【参考】コンサルティング&ソリューション事業本部とは?
新屋の所属するデジタルビジネスソリューション事業部は、NTTデータのなかのコンサルティング&ソリューション事業本部に属しています。コンサルティング&ソリューション事業本部は、デジタル変革のためのソリューションやサービスによって、お客様の事業発展を支えるミッションを担う全社横断組織です。さまざまな業界のお客様に対して、ビジネス観点と磨き上げたソリューションで課題解決にアプローチし、お客様と共に、経営環境にイノベーションを起こします。