対外発信に力を入れ、クライアントとの新しい関係を築く
成長と変革にチャレンジする企業の経営層に対して、経営課題と解決策を提言し、4つのケイパビリティ(DDBT:デザイン、データ、ビジネス、テクノロジー)を活用して実現するというミッションを持つコンサルティング事業部。その中で、東谷が部長を務めるビジネスコンサルティング統括部は、クライアントの新規事業創出支援及びDX推進を中心に行っています。
各コンサルタントは、業界や業務の知識、先進テクノロジーおよびデザインシンキング等のノウハウを活用したプロジェクトに参画し、特定のソリューションに寄らず、ベンチャーや国内外グループ会社などの強みを組み合わせて価値提供をリードします。
ベンチャー企業との資本業務提携によるオフライン行動ビッグデータと、NTTデータのSNSデータ活用サービス「なずき®」を組み合わせた「おでかけ混雑マップ」アプリの提供、株式会社デンソーとの協業による車流データと人流データを活用した移動体験変革の実証実験。そして、Food&Wellnessプラットフォームの実現に向けた、株式会社NTTデータSBCとの協業によるフリクションレスIoTデバイス「スマートミラー」による新しい消費者体験の実証実験など、これまで様々なプロジェクトのハブとなり、新たな価値を創出してきました。
クライアントとのコンタクトには2種類のルートがあります。
一つは当社顧客担当営業との連携による提案。もう一つは、コンサルタント自身による対外発信です。
後者は業界の将来像やそれに繋がる多様な事例、更にコラム等の形で市場に情報を発信し、クライアントをイベントやセミナーにリード。その接点からプロジェクトの可能性を見出すべく、2021年7月からThought Leadership(※)として活動を本格化しました。
※Thought Leadershipとは
特定のセグメントや分野における課題やテーマに対して、いわゆる目的とする市場やターゲット顧客に「見通し」、「知見」や「提言」を示唆し、共感と評価を生み出し、議論を持ち掛ける活動。
かつてはクライアント側に明確な課題や要件があり、それらを具現化するためにNTTデータに声をかける、所謂「発注者と受注者の関係」にありました。しかし現在、デジタル化を進める上で何をすべきなのか、課題自体が不透明な状態にあり、経営者やCDO(Chief Digital Officer)は自社の課題(デジタルアジェンダ)の設定から考えなければなりません。NTTデータにはその期待に応えるノウハウやアセットがある。対外発信を行うことにより、クライアントに理解、共感を得たうえで、一緒に課題に向き合うパートナーになれると考えています。
パートナーであるクライアントの経営課題を解決し、マネタイズすることはとても重要です。一方で、我々は2兆円企業であるNTTデータの自社経営課題にも向き合い、そしてその成果をコンサルタントが「自分事」としてクライアントに提供する事で、より大きな価値に繋がると考えています。
「自分事」の取り組みこそがお互いのリスペクトを生み、良好なパートナーシップが築けると、東谷は語ります。
発注者・受注者の関係にとどまっては、良い成果物が生まれない
対等なパートナーの関係を大切にする理由を「パートナーはお互いの足りないピースを補完する関係なので上下は無いはず」と語る東谷。発注者が受注者に一方的にリクエストするだけでは、良い成果は生まれにくいのではないか、若手の頃からそう感じていましたが、クラウドビジネスで国内外の様々なステークホルダーと接する中で確信に変わったと言います。
彼らは私たちを「お客様」ではなく「パートナー」として見ていました。とても毅然としていて、「私たちはパートナーなのだから『お互いに』努力をしなければならない」と言い切るのです。SIerに染まっていた私は、当初面食らいましたが、後になり、自分が理想とする関係だと気づきました。
そしてパートナーというキーワードは、採用にも当てはまります。
人財を採用する=自分の下に配置する、と考える傾向がありますが、私はそうではないと思っています。現在のビジネスにおいては、様々な能力が必要となる時代。採用を通して、私たちを凌駕する能力を持っている人とパートナーになる。そして私たちにはない経験や観点を用いて、一緒に向かう先を決めていく。そのような採用をすることでマーケットをリードする企業でいられると考えています。
そして東谷は、NTTデータがどのようなアセットを持っているかを、パートナーの目で診断してもらいたいと考えています。
本来のアセットに気づかせてくれる「良く映る鏡」になってほしい
「私たちを凌駕する能力」の持ち主とはどのような人財か。東谷は「NTTデータのアセットを使い倒してくれる人」という人財像を挙げます。
ITの世界でもコンサルタントは、言わば「ピン芸人」のような個が強い存在です。そのコンサルタントがNTTデータという大きな組織に帰属する意義は何か。NTTデータのコンサルタントを一言で表現すると何なのか。その答えが「アセットを使い倒す人」だと私は考えます。
ブランド力、資金力、顧客基盤、グループ会社や日本電信電話(株)のR&D部門など。自らが成し遂げたいビジョンを明確に持ち、NTTデータを使って社会にインパクトを与える仕事をしたいと考えている。そんな人財がこれからのNTTデータには必要だと、東谷は語ります。
私を含め、既存の社員は案外自社のアセットを見落としている可能性があります。アセットをアセットと認識できれば、クライアントへの価値提供はもっと広がっていく。それには社外から来た人の視点が不可欠なのです。
NTTデータがどんなアセットを持っているか気づかせてくれる、良く映る鏡。そんな人財とともに本来のアセットを使い倒し、まずNTTデータの経営課題を解決する。そしてパートナーであるクライアントに「自分事」として戦略や成果を語り、価値を提供する。そんな組織を目指しています。
【参考】コンサルティング&ソリューション事業本部とは?
東谷の所属するデジタルビジネスソリューション事業部は、NTTデータのなかのコンサルティング&ソリューション事業本部に属しています。コンサルティング&ソリューション事業本部は、デジタル変革のためのソリューションやサービスによって、クライアントの事業発展を支えるミッションを担う全社横断組織です。さまざまな業界のクライアントに対して、ビジネス観点と磨き上げたソリューションで課題解決にアプローチし、クライアントと共に、経営環境にイノベーションを起こします。