共通言語を持つ強みと、真摯に向き合う姿勢が成長につながる
前職である大手信託銀行で営業として働く中で、「金融業界の抱える課題を解決するためにはITサービスをもっと取り入れることが重要になっていく」と感じていたという小坂。2020年のインタビュー当時、前職の営業時代に感じていた課題から生み出した提案が注目を浴びてサービス企画担当に抜擢され、金融機関向けの新規サービス企画を担当してきました。
私が企画していたのは、金融機関様がご利用になられる、銀行員の目標実績管理を効率化するシステムです。サービス内容や導入効果、営業活動などを自分が主体となって検討させていただきました。
NTTデータが新しいサービスを作り出すからには、一社だけでなく多くの金融機関で使っていただきたい。そのために、汎用的な仕様を意識する必要があります。今あるシステムの制約を守りながら、総論を各論に落とし込んでいくにはどうすればいいのか。周囲の助けも借りながら試行錯誤しました。
システム面から金融業界を変えていきたいと考えていた小坂にとって、企画担当は銀行勤務経験者ならではの知見を活かしながら、金融業界の効率化や変革につながるアプローチができる貴重な経験だったと振り返ります。
前回のインタビューから2年が経ち、現在はアウトソーシング担当に活躍の場を移しましたが、いまも変わらない思いでお客様に向き合っています。
現在は住宅ローンやカードローン、企業への貸出といった融資業務関連のシステムを担当し、機能追加や制度対応のための現行システムを使った業務改善と、更なる効率化や営業強化に繋がる提案活動を並行で行っています。
お客様からご相談を受けたとき「今は業務プロセスのこの部分について話されているのだな」とイメージができることが、前職での業務経験がある私の強みです。そこに企画の経験が加わることで自分が銀行員として現場で感じていた課題を解消するようなご提案ができていること、それが銀行の業務効率化や営業強化につながることにやりがいを感じています。
既存システム改修や新規システム導入といったご依頼に応えることで、お客様にとって「困ったことを相談できる存在」として大きな信頼を寄せられるようになった小坂。お客様との共通言語を持つ強みと、真摯にお客様に向き合う姿勢が成長につながっています。
年次や役職を問わないフラットな組織に支えられてきた
金融機関のシステムは社会を支える重要な役割を持ち、守るべき制約も多くあります。そのため小坂が思い描く課題解決のアイデアをそのまま実現することが難しく、思い悩むことも少なくありませんでした。そんなとき、企画担当当時の事業部長から掛けられた「できない理由を探さずに、どうしたらできるかを考えるように」という言葉を今も大切にしていると言います。
プロジェクトが行き詰まっていたとき、前に進む原動力になった言葉です。アウトソーシング担当となった今も「本当にできるかな」と不安になったときに思い返しています。お客様への提案を練る中で困難があったとしても、さまざまな方の知見を借りながら「どうしたらできるか」と考えて形にしていくことを常に意識しています。
お客様にとってより良い提案を実現するために、小坂自身が社内・グループ会社の間に立ち、多いときは約20名の関係者を巻き込むこともあると言います。その活躍を支えるのは年次や役職に関わらず意見を出しやすく、コミュニケーションが円滑なNTTデータの組織風土です。
入社当時に驚いたことでもあるのですが、当社のコミュニケーションは本当にフラットです。入社時はITの知識や経験が浅かった私の意見にも、当時の上司は耳を傾けてくれていました。上下関係を気にせずに意見を伝えられるのは、NTTデータの特徴だと思います。
また、事業部には金融業界出身の社員も多く、金融業界出身者同士のチャットグループもあります。質問したらフランクに返信してもらえるので、お互い気軽に専門知識を共有できるのが心強いですね。
風通しがよくお互いに助け合うことができる組織環境が、魅力的な提案につながっていると話す小坂。周囲に支えられてきた一方で、「入社当時はITやシステムに詳しくないため、上司や先輩、開発メンバーに頼る場面が多く歯がゆい思いもしていた」と振り返ります。
そこで知識を深めるために猛勉強し、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験に合格するなど、成長意欲を発揮してきました。
私と同じように別業界から経験者採用入社した上長に「こんな勉強をするといい」といった成長のノウハウを教わり、キャッチアップに取り組んできました。まだまだ開発メンバーや先輩に頼ることもありますが、自身で学んだシステムに関する知識も活かせていると感じています。
お客様との関係性に甘えず、常に最善を尽くす
小坂が入社前に感じていたNTTデータの強みは、金融業界におけるシェアが高いこと、充実した顧客基盤があること、そして蓄積してきたノウハウを新しいサービスに活かせることです。
長く関係性を築いてきたお客様だからこそ、業務の中枢に踏み込んだ深い話を伺う機会も少なくありません。また、「次にこのようなシステムを作ろうと考えているのだけれども、どうだろうか」という相談を直接いただくこともあるそうです。小坂はそうした関係性からいただけるご要望をただ叶えるだけではなく、お客様にとって何が最善なのかに常に目を向けています。
新しいことをしたいと考えているお客様に対し、パートナーであるNTTデータだからこその価値提供ができるよう寄り添っています。そのために、お客様にとって良いことや役立つことを真剣に考え、共に歩んでいく。この姿勢は私だけでなく当社の社員全員が持っているものだと感じています。
現状にあぐらをかかず、共に歩むパートナーとして最善を尽くすという組織の強み。それは、小坂が入社当時から抱いていた「NTTデータに蓄積されたノウハウを、業界を変革するような新しいサービスに活かしたい」という想いを実現する原動力のひとつにもなっていると言います。
目の前のお客様が抱えている課題の中には、日本の金融業界全体に共通する課題も含まれています。担当するお客様の業務効率化や営業力強化につながるような企画と提案に取り組むことで、その事例を他の金融機関にも展開し、業界全体を変革することが私の目標です。
小坂が見据えているのは目の前のお客様と、その先にある日本の金融業界の未来です。かつてはお客様の側にいた人財が持つ「ユーザー目線」を武器に、外側から業界の形を変えるべく力を発揮していきます。