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入社後初プロジェクトが日経新聞1面掲載!経験者採用入社のデータサイエンティストと生え抜きコンサルタントの挑戦と今後

DX人財への社会的な期待が高まる昨今、デジタル活用人財の育成は、多くの企業が試行錯誤して取り組んでいる課題だと言えます。この課題に関連して、「DX人財の育成手法探索・整備」というNTTデータの取り組みが日本経済新聞の1面を飾りました。データサイエンティストのファン・タァンクァンはNTTデータに転職後、先輩コンサルタント福岡将と共にこのプロジェクトにアサインされました。挑戦に積極的に取り組む組織風土の中で、先進課題と向き合う姿勢を学び取ったファン。福岡と共に仕事に対する意欲と今後目指すことについて語ります。

目次

受け入れ体制に支えられた専門性の最大発揮

ファンが所属する法人コンサルティング&マーケティング事業部は、主に法人顧客向けにコンサルティングサービスを提供する部署であり、システムにとどまらず顧客業務や顧客経営まで踏み込んでインパクトのある解決策を提示することが求められている。その中には当然、社会的要請の高いDX案件・先進案件も多数含まれる。
全社の受け入れ研修とコンサルティング部門独自研修を経て、「DX人財の育成手法探索・整備」という社内プロジェクトにアサインされた。

福岡
「NTTデータでは、社会的に求められている新規課題に対して、まずは自社から実地検証することがあります。特に人事本部では、本件に限らずデータドリブンで人事の様々な課題解決を目指すピープルアナリティクスの取組を推進しています(#6:GAIA.hr データ活用編 | DATA INSIGHT | NTTデータ (nttdata.com) (外部サイト))。
今回のプロジェクトも、経営戦略の一環でDX人財強化に課題を持つ人事本部と共に、まずは各種データから得られる傾向・示唆を最大限活用して、個人ごとに最適なDX人財育成手法を整備しようというものでした。
『アナリティクスを活用することで、より確度の高い育成手法が導出できるのでは』という期待を何とか形にしようと共に取り組みました。」

ファン
「いきなり前例のない案件だったので荷が重いと、実は不安に感じていました。私が参画したときにはプロジェクトの目標・ゴール、推進体制は既に整っていて、経験者採用で入社したばかりの私がその中で価値発揮できるだろうか、とも思っていました。特に転職直後は社内の人的ネットワークも乏しいため、誰に何を聞いて良いのかわからず最初はすごく不安でした。」

福岡
「いきなり特殊なプロジェクトに巻き込んで申し訳ないかなとは思っていましたよ。でも、研究職での経験とデータサイエンスプログラムの実力を見てファンさんには余計なことに気を遣わずに力量を発揮してほしいと、その状態を作るのに心を配りました。」

ファン
「そうですね。このプロジェクトはもちろん、法人コンサルティング&マーケティング事業部自体が転入者に対して柔軟に受け入れを行う組織文化がありましたね。前職の専門性の地続きで、最大限活躍できるように配慮してもらったと実感しています。」

福岡
「今回のような正解のない初めての取り組みは刺激的で面白いのですが、同時に難しい局面が多いんですよ。
プロジェクト立ち上げの関係者連携から、ゴール設定、合意形成、中長期を見据えたロードマップ化、結果志向での働きかけ等など、全方位的に動いて枠組みを作ったところで、『さあいよいよデータサイエンスに本格的に取り組もう』という時期でした。
元々の予定ではデータサイエンスのプログラムも自分で組み上げるつもりでしたが、ファンさんのようなスペシャリストを引き込めたのは一つの大きなアドバンテージとなりました。
すでにプロトタイプを作っていましたが、効率化や高度化、業務側とのコミュニケーションに基づくプログラムのブラッシュアップなどを一手に引き受けてくれたことで、私は全体統括に集中することができました。さらに、データサイエンス実行の前段階にあたるデータ処理や、後続の解釈・視覚化・洞察といった他のタスクに幅広くサポートに回る余地ができたので、プロジェクト全体として当初想定よりも高い質の成果を出すことができました。」

ファン
「そんな状況だったんですね(笑)。扱う内容の面白さや、最後は経営層に成果提示するという事実に心躍らせながらも、自分が最も貢献できるデータサイエンスのプログラム開発に集中していました。
私自身、チームに対してどのような貢献ができるかわからない不安がありましたが、入社して早々に福岡さんが私の得意分野を見抜き、価値発揮できる環境を用意してくれたので、仕事へのエンゲージメントとチームに対する心理的安全性が高まりました。」

初プロジェクトでストレスなく価値発揮できたファン。ファンというスペシャリストを得て成果水準の引き上げに成功した福岡。
初対面の混成メンバーでも一気にプロジェクト組成し、成功に導くというのはコンサルティング部門の性質によるものが大きいという。

経営層、経営感覚に近いコンサルティング部門だからこそ取り組める刺激的な挑戦

法人コンサルティング&マーケティング事業部では、職務上経営層と直接やり取りすることも多く、ファンの前職とは違った視座が求められるという。ファン自身、初プロジェクトではデータサイエンスプログラミングに集中しつつも、従来型のデータサイエンス活用とは異なると感じたと言う。

ファン
「福岡さんが、”文系出身のデータサイエンティスト”だと聞いていたので、正直ちょっと舐めていたところがありました。でも私の考えは甘かったですね。
NTTデータの経営の求めに応じて新しい挑戦をしていく中で、本質に忠実なアルゴリズム理解と、分析結果の解釈、実務に転換して役立てる論理展開。前職の経験もあって一人前のデータサイエンティストのつもりでいたのですが、実業務に貢献するという意味では全然足りていなかったことを痛感しました。」

福岡
「そういう意味ではこのプロジェクトの参画はファンさんにとって良いものだったと思います。ファンさん自身普段から『数理の世界に浸って溺れるのではなく、その価値を業務や社会に役立てるコンサルタントになりたい。』と言っていますからね。
今回の分析設計自体も人事分野ではあまり使われない複数の手法を転用・構成して使いました。そういった点で違和感を持ったかもしれませんが。」

ファン
「そうですね。データサイエンスは課題解決のための手段であり、使いこなしてこそなんだなということを強く感じました。王道アプローチにこだわっていたら、このプロジェクトも随分つまらなく、良いインサイトが出ていなかっただろうと、いま振り返ると感じます。
エンジニアあるあるですが(そして私自身もそうですが)、クライアントの課題に対応するために技術ドリブンな手法を取ってしまい、課題の本質とかけ離れた提案をしてしまうことがあります。ところが、このプロジェクトでは常にクライアントの価値にフォーカスすることを求められてきましたし、私もその要求に応えられるよう努力し、おかげで今ではデータサイエンティストとして一段階成長できたと考えています。とはいえ、福岡さんの背中はまだ遥か彼方で遠いですが(笑)。」

プロジェクト完遂から3か月を過ぎ、このプロジェクト成果が日本経済新聞の1面に掲載された。部署は沸き立ったが、一方で二人は必ずしも大きく驚いたり浮き足立ったりはしなかったという。

福岡
「もちろん一人のビジネスマンとして、日経新聞の、それも1面に掲載されたのは驚きましたし、嬉しかったです。それでも大きく驚かなかったのは、法人コンサルティング&マーケティング事業部ではこのプロジェクト以外にも、重要な社会課題に対してDXを絡めて解決を試みる取り組みがいくつも存在していますし、同僚がそれぞれの立場から難題に取り組んでいる姿を見ていたので、たまたま掲載されたのがこのプロジェクトだっただけかな、と。」

ファン
「私もうれしいと思うのと同時に、それよりも自分自身が今後どうやって社会的にインパクトのある働きをしていけるか、この部署で何を獲得していくか、そういったことに関心が向くようになりました。NTTデータは若くても実力や意欲がある社員にはきちんと最前線での活躍機会を与えてくれる会社です。私もこの環境で実力を伸ばして積極的に機会を獲得していきたいと思います。」

課題先進国と言われる日本で、その課題に取り組むことに強い意欲を感じるようになったというファン。ベトナム人である自身が日本で先進課題に対応する経験を積み、将来的には母国を含めグローバルに活躍の機会を求めていきたいという。
また福岡もこれまでの多様な経験から、グローバル展開もDX活用も今後ますます踏み込んでいくべき領域だと話す。

外国籍社員の活躍

NTTデータはこの7月のグループ再編で、NTTグループ全体のグローバル領域を統括することになった。
福岡、ファンの所属する法人コンサルティング&マーケティング事業部も、そのグローバル展開の一翼を担う存在であり、実際に二人が所属するチームは6か国からの出身者で構成される多国籍チームである。

福岡
「そうやって出身国の数を数えるのもナンセンスだよね、価値ある仕事を求めたら多くの国の人と働くようになるのは自然なことだよね、という意識にしていきたいと考えています。
実際にデータサイエンスに関しては世界的に実績を持つアメリカのユニコーン企業とも協業してきましたし、デザイン思考の分野や特定業界の強みを持つ外国企業と協業しながら課題に取り組んでいます。
国によっていろいろなギャップがあるのは当然として、それを乗り越えてやっていきたいと思います。」

ファン
「私自身、仕事上で自分がベトナム人であることを意識させられることはありません。
個人的には今後、日本であるとか、ベトナムであるとかどこの国であるとか、そういうことにとらわれずに、広い世界で価値ある仕事をし続けていきたいと考えています。そのために、どこへ行っても通用する能力を自分で見定めて成長していきたいと思っています。」

今後の挑戦

最後に二人に、今後NTTデータで挑戦していきたいことを聞いた。

福岡
「まずはこの『DX人財の育成手法探索・整備』という題材を進化させていくことです。やはり日経新聞の1面に掲載いただいたことで様々な引き合いをいただいており、各企業の課題に対して幅広く取り組んでいきたいです。
詳細は伝えきれませんが、他にも、業界特化の次世代型プロジェクトや、事業創出型の新サービス等、その時々で刺激的な面白い取り組みのチャンスをいただいているので、時機に応じて貪欲に取り組んでいきたいです。
大きく言うとNTTデータで社会の未来を創るということ。挑戦を一つずつ着実に現実のものにしていきたいですし、共感してくれる人、意欲を持ってくれる人にはぜひ仲間になってもらいたいです。」

ファン
「転職してから1年足らずですが、以前はおぼろげに希望していただけの道が今はかなり明確に拓けてきたと感じます。研究職レベルのコアスキルとしてデータサイエンスを大事にしながらも、業務や事業に対する価値発揮、それを導くコンサル能力、グローバル水準での成果発揮に重点を置いていきたいです。NTTデータではこれらの面で機会と選択肢を与えてくれていると感じます。
転職活動をしていた頃のことを考えると、その時点の自分のスキルで活躍できるのかどうかばかり考えていました。しかし、NTTデータでは活躍と同時に、あるいはそれ以上に成長できる環境が整っていると感じています。成長と活躍の機会を求めている人がいたらこの環境をぜひおすすめします。」

経験者採用入社のデータサイエンティストと生え抜きの熟練コンサルタント。効果的な融合を果たし、重要な成果を残した福岡とファン。二人の目線はすでに次の挑戦に向いている。

参考:2022年8月22日夕刊掲載:DX人材、4タイプで育成 NTTデータ: 日本経済新聞 (nikkei.com)(外部サイト)

※掲載記事の内容は、取材当時のものです