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転職者が語る!専門能力を強化するP-CDP ~キャリアの連続性をかなえ、成長の好循環を生み出す~

NTTデータは、「ジェネラリティ(総合能力)とスペシャリティ(専門能力)を高いレベルで兼ね備えた人財」の育成に注力している。中でも、高度な専門性と変化対応力を有するプロフェッショナル人財となることを目的に導入しているのが「Professional Career Development Program」制度(以下P-CDP)だ。経験者採用で入社後、前職の経験を活かしつつ、P-CDPによってさらなるキャリアアップを図っているITサービス&ペイメント事業本部の清水秀大氏と、P-CDPメンタリングを経てP-CDPに挑戦した中国・APAC事業推進部の奥西孝輔氏に本制度の意義・メリットを聞いた。

目次

Profileこの記事に登場する人

P-CDP制度とは

P-CDP制度は、社員の現在の到達レベルの認定や能力開発の方法を分かりやすく提示し、社員1人ひとりの自律的な成長を支援する制度。国内グループ会社への展開も図る。

《14の人財タイプと4段階のレベル》
2022年3月現在、本制度は14の人財タイプと、アソシエイトからプリンシパルまで4段階のレベルを設定し、テクノロジーやビジネスの変化に合わせて人財タイプを制定している(図表参照)。具体的には、四半期に1度上司と面談し、現在の業務で自分の従事する人財タイプと、この先の目指すキャリアから人財タイプについてすり合わせを行う。この四半期に1度の面談や普段の取り組みを通して、自身が認定取得に挑戦したい、または上司が対象者を認定にたる能力の持ち主であると判断した際に、上司の推薦で取得に向けた活動がスタートする。

《同じ人財タイプの『先輩』と面談》
P-CDP制度には「P-CDPメンタリング」という仕組みがある。これは、P-CDP制度の上位認定者が専門性育成のアドバイザー(メンター)となり、これから認定を目指す者(メンティー)に対して専門性の成長を促進する育成施策だ。
メンターは、所属組織に関係なく同じ人財タイプを目指すメンティーにキャリアアップのための成長課題や気づきを与え、知識、経験、技量面での指導・アドバイスを行う。メンティーは、専門性向上に向けた取り組みを行い、自律的な成長サイクルを回しつつ、メンターからのアドバイスを職務の中で遂行し、上司へメンタリング状況や結果を共有する。上司は、育成計画の立案と推進を行い、メンターのアドバイスも参考にしながら、部下に対しての育成、および成長機会となる職務機会を与える。

転職で企画やHRビジネスパートナーへのステップアップを実現

日経転職版・編集部(以下、編集部)
NTTデータのキャリア支援制度の1つ、P-CDP制度を経験した清水さん、奥西さんのお二人に、P-CDP制度を通じて得たもの、制度利用者ならではの気づきなどを伺っていきたいと思います。P-CDP制度の話に入る前に、お二人ともNTTデータに経験者採用で入られたということで、まずはそれぞれ転職した理由をお聞かせください。

清水
私は前職で、ECやPOS関連の自社ソフトの販売とインテグレーション、DX(デジタルトランスフォーメーション)提案等をしていました。ベンチャー企業の営業部長という責任ある立場で実績を積んでいましたが、30代半ばになり、商品・ソリューションを”売る力”に加えて、これからは”生む力(企画力)”を備えたいと転職を決意しました。

奥西
私の場合は、新卒でメーカーに入社しましたが、前職の会社環境の変化をきっかけに、自分の強みを一層伸ばし、市場価値を高めることができる場で働きたいと転職を決意しました。

編集部
転職先として、NTTデータを選んだ理由、決め手は何でしたか。

清水
当社を選んだのは、「大きなスケールのビジネスができる」「経験を活かしてキャリアチェンジを果たせる」「長いスパンで腰を据えて仕事ができる環境がある」「真面目で実直な人が多い」などの魅力を感じたからです。

奥西
私の場合は、前職の人事としてのキャリアを伸ばしながら、得意な語学を活かせる場を探していたところ、”海外×国内IT業界”のリーディングカンパニーである当社に行き着きました。モノありきの製造業と異なり、IT企業にとって人は唯一無二の財産。人事として活躍できるフィールドも広く、他では得難い学びがあると感じたからです。

編集部
お二人とも前職の経験を活かしつつ、キャリアアップしたいという思いを持ってNTTデータに入社されたのですね。清水さんは、実際に前職の経験を今の仕事に活かせていると思いますか。

清水
そうですね。今、私が行っている新規ソリューションを企画・開発する仕事は、的確な市場情報を得ることが重要です。その点において、これまでの経験から一般には得られない情報や、調査する人脈を持っていることなどが役立っています。また、市場ニーズや顧客状況の変化が活発である昨今の情勢に対し、自社ソリューションで完結するだけではなく、他社とのアライアンスを積極的に行っており、前職の経験や人脈を活かせる機会は多いです。

編集部
なるほど。コミュニケーション能力が重視される営業部長時代の経験が活きているのですね。では、奥西さんは前職経験を活かして、希望通りに人事のキャリアを高められていると思いますか。

奥西
はい。私は今、中国やAPAC(アジア太平洋地域)にある現地法人の人事支援業務にあたっています。前職でも海外人事を担当しており、実務面のスキルは活かせていると思います。海外と日本との架け橋として、国境を越えて多様なステークホルダーと協働し、HRビジネスパートナーとしてともにアジア地域のビジネスを盛り上げる今の仕事にとてもやりがいを感じています。

会社が求める人財・キャリアの羅針盤"が理解できた

編集部
清水さんは入社後、比較的早いタイミングでP-CDP制度のシニア認定を取得されたそうですね。取得経緯や理由があれば教えてください。

清水
理由は、”大きなスケールのビジネス”を成すためには、社内外への発信力を高める必要があり、P-CDP制度のシニア認定を受けて自身の価値を示すことが、最短かつ最速の手段だと考えたためです。入社時に、「これまでベンチャー企業で培った経験をもとに当社の新しい風、新しい血となってほしい」と期待されたことも後押しになりました。

編集部
P-CDP制度が清水さん自身にどのような効果をもたらしたと思いますか。

清水
実際にチャレンジしてみて分かったのは、P-CDP制度は職務において自分の能力を発揮できるかどうか確認し、キャリアを伸ばすためにある制度であるとともに、当社が求めている人財像を確認できる制度であるということです。認定までの活動の中で、社内の諸先輩方に”壁打ち”に付き合っていただいたり、面接員の的確なフィードバックなどもあり、自身のこれまでの経験を論理的に細分化し、再整理することができたように思います。このことは「前職までの経験が当社でも通用する」という自信につながりました。転職者にとって、自身の実力が通用するかという不安があるものですが、背中を押されるような感覚を持てたことが大きかったです。認定後は、より意欲を持って能動的に活動できていると感じています。

編集部
では、奥西さんはいかがでしょうか。

奥西
私は、転職した当初「前職で評価されていたことが、当社では評価されないのではないか」「自分の付加価値は何なのか」といったことに悩んだ時期もありました。清水さんのお話にもありましたが、P-CDP制度を受けて、当社が求める人財・力量等が可能な限り見える化できるような工夫がされており、転職者にとっては大きな羅針盤となるものだと感じました。また、周囲のサポートも非常に手厚く、上司・部下の関係性や所属部署の垣根を越えて、人のつながりを大切にし、しっかり育成していこうという社風であることも実感しています。

編集部
奥西さんの場合、P-CDP制度のアソシエイト認定の取得に向けてP-CDPメンタリングも利用されたと伺いました。活用してみて良かった点などはありますか。

奥西
自社内で自分と同じ専門領域のプロフェッショナルに、何でも相談できたことが良かったですね。同じ部署ですと視野が限定的になりやすい場合もありますが、メンタリング施策では日常の仕事上関わりがない他部署の先輩社員と、表面的ではなく踏み込んだ相談ができますので、非常に有益でした。「人事として今後どのようなキャリアを描くか、先輩の話をいろいろ聞いてみたい」「社内のネットワークをより広げたい」「何かあった時の相談先が欲しい」という思いも解消できました。特に転職直後は所属部署や仕事上の関係者だけの交流になりがちですが、メンタリング施策はこういった転職者特有の悩みにも、効果的に働いていると感じています。

P-CDP制度を活用して目指す人財像を更新していく

編集部
奥西さんのお話に転職者目線の話が出ましたが、転職者だから気がついたNTTデータの特徴はありますか。

奥西
前職のメーカーではモノに投資する傾向がありましたが、IT企業、特に当社は人に投資する企業であると強く感じています。それは転職者だからこその気づきかもしれません。転職直後には仕事の進め方などにギャップを感じ、定かでなかった会社としての人財育成の方向性が、今ははっきりと見えています。また、そのギャップを埋めることができたと思っています。P-CDP制度に挑戦するというアクションを起こしたことで、論理的思考、調整力など、社会人として必要なビジネススキルを磨くことができたという実感があります。

清水
私も奥西さんと同意見です。当社では、『より専門性の高い人財とはこういう人だ』というガイドラインが明確化されており、キャリア形成に対する会社からの期待が明示化されていると理解しています。P-CDP制度は、よりプログラムとして体系化されているので、本人次第でモチベーションの向上やキャリア形成の基盤として活用できると思います。

編集部
転職者のお二人だからこそ、既存社員では気づきにくい、NTTデータの社員育成に対する力の入れようと独自性がお分かりになるのですね。それでは最後に、今後のお二人のキャリアプランや目標などを教えてください。

清水
生む力(企画力)を身につけようと思っているので、P-CDP制度の認定取得をこれからの自信に変えて、思いを実現するのが当面の目標です。さらには、P-CDP制度の認定取得を通じて、いろいろなアドバイスをいただいたので、それを日々の業務に活かしつつレベルアップを目指していきたいと思います。

奥西
私は一貫して人事としての専門性を磨いていきたいという思いがあり、そのために3~4年のスパンで人事・人財開発の上位認定を目指そうと思っています。当社は、社員が自律的に「こうしたい」「こうなりたい」と思う気持ちをきちんと聞いてくれるカルチャーなので、無理なく目指せるのではないかと思います。

編集部
お二人とも、転職前に描いていたキャリアプランがP-CDP制度によってより明確になっている気がします。さらなる自己実現に向かって頑張ってください!

人財開発担当より

コーポレート統括本部 人事統括部 人財開発担当
写真右:課長代理 和泉 周祐
写真左:勤務 芳賀 有璃菜

ビジネス環境が日々変化する中、当社では社員のみなさんに高い専門性と柔軟な対応力を持った「プロフェッショナルな人財」になってほしいと考えています。自身でキャリアを考えながら、専門性と対応力を伸ばす仕組みがP-CDP制度です。この制度では、自分の専門性に合った人財タイプを目指すべき人財像として選択します。

レベルの向上にあたっては、OJTや研修だけでなく、自身の目指す人財タイプの有識者からノウハウや助言をもらうとともに、自らも後進へ伝承すること、プロ同士で高めあうことが非常に有効と我々は考えています。またP-CDP制度が知識・スキルの棚卸しや目標の再設定を行う機会にもなり、長く仕事をしていく上での達成感や自信にもつながっています。

同じ人財タイプの社員が集まるコミュニティでは、部署などを超えて最新技術や事例共有を行っています。このコミュニティはグループ全社員が対象で、多様な社員と関わる貴重な機会です。経験者採用の方には、社外で得たスキルを広め、またグループに内在する知見を吸収する場として活用いただけると考えています。

そのほかに「P-CDPメンタリング」として、1対1でキャリアや業務上での悩みを相談する場があります。自身が目指す専門領域の有識者をメンターとし、現場のリアルな声を聴く貴重な場です。こうした学び合う文化の中で、社員同士のつながりも育まれます。

このように、当社には個人に合わせてキャリアを考え、スキルアップができる場があります。自身が目指す専門領域を軸に、社員同士のつながりを見つけ、共に成長していきましょう。

編集部より

社員1人ひとりが能力を最大限に発揮するためには、企業の「後押し」が重要といえる。NTTデータは、社員が自発的に目標を持って「学び、成長したい」と考えることに重きを置いている。その中で、専門能力の強化の方向性を示し、より高度な専門性と変化対応力を育もうというP-CDP制度の役割は極めて大きい。転職者にとっても、安心してキャリア構築できる環境が整っていることを、P-CDP制度が示してくれる。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです