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NTTデータなら、伸ばしたい技術を極めることができる。

NTTデータが向き合う幅広い課題のなかで、技術的に難度の高いプロジェクトを一手に担う技術革新統括本部。その技術力を育み、次世代を担うリーダーを輩出するべく生まれたのが「技統本塾」です。従来のセミナーや研修とは異なる技統本塾が取り組む独自の人材育成や、そこから得られる価値とは。そして同塾が描く、今後の展望とは。同塾の運営担当者、塾長、塾生それぞれの立場からお話を伺いました。
出典:ビズリーチ 公募ページ「株式会社NTTデータ」(2023年5月18日公開)より転載

目次

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自らが提起した課題を起点に、トップ技術者から直接学ぶ技統本塾

──はじめに、「技統本塾」の存在意義や概要について教えてください。

技術革新統括本部は、NTTデータの全事業部門を「技術」で支える組織です。NTTデータの組織体制は公共・金融・法人といった業界ごとにお客様と向き合う事業部門と、その事業部門をサポートまたはリードする全社横断型の部門とで構成されています。

技術革新統括本部は後者にあたり、事業部門が展開するプロジェクトのうち、特に難度が高い重要案件に参画します。技術力により各事業部門を支え、プロジェクトを推進することで、お客様により高い価値を提供することが私たちのミッションです。

2017年、この技術革新統括本部で「技統本塾」という新たな取り組みを始めました。NTTデータでは、これまでにも社内セミナーや研修を積極的に開催してきましたが、実践に生かせるような深い技術力の習得にはやや不足がありました。

その課題意識から生まれた技統本塾は、社内を代表するトップエンジニアが「塾長」として、塾生が自ら設定した先進的テーマをもとに直接指導することで、より一層高い技術力や実践力を磨けるよう設計されています。

──どのような方が技統本塾で学んでいるのでしょうか。

当塾にはスキルも年齢も異なるメンバーが学びを求めてやってきます。取り組みたい課題と学ぶ意欲さえあれば、誰でも入塾可能です。また、入塾希望者は塾長との事前面談を通じ、自身にとって塾への挑戦が良い選択かを検討することができます。

塾生は技術力の向上をめざして課題に取り組みますが、そのほかにも学ぶことは多くあります。例えば、塾生同士が教え合って切磋琢磨したり、技術者として課題解決に挑む姿勢そのものを塾長から学んだりと、マインド面に影響を与える経験を積めることも技統本塾の魅力です。

また、社内では、技統本塾が次世代のリーダーを育む場となることも期待されています。次々と新技術を使ったプロジェクトが立ち上げられるなか、高い技術力を持ち新しい価値を生み出す次世代のリーダーを育てる役割を担うことは、NTTデータにとっても大きな意味を持ちます。

──一般的な研修制度や人材育成のプログラムと比較して、技統本塾にはどのような特徴がありますか。

あらかじめ決まったカリキュラムがないことが、技統本塾の最大の特徴です。塾生が持ち寄った課題を起点として、その技術領域を専門とする塾長と議論したり、塾生同士で意見交換をしたりしながら半年間スキルを磨いていきます。少人数制が基本ですが、テーマによって参加塾生の人数は異なり、1対1で進める場合も、5~6人のチームを組んで取り組む場合もあります。

塾長を務めるのは「AWS Ambassadors」や「Microsoft MVP」に選出され社外からも高い評価を得ているメンバーや、社内でも高い技術力を評価されているメンバーなど、トップエンジニアばかりです。

──2017年の開講以降、どのような成果を挙げられましたか。また、今後どのように技統本塾を成長させていきたいですか。

2023年現在、卒塾生は累計300名以上にのぼります。卒塾生を対象としたアンケートでは「新技術を導入したシステム開発をリードするなど、経験の幅が広がっている」「スキルに自信を持てるようになり、挑戦に対して前向きな気持ちになれる」といった声をよく聞きます。

今後の展開としては、塾生同士のコミュニティの強化に注力したいです。現在も塾生向けのチャット・コミュニティを開設してはいますが、より塾生同士が技術者として互いのつながりを感じ、助け合えるような環境を整えていきたいと考えています。

その先には、卒塾生が次世代の塾長を務めたり、その前段階となるTA(ティーチング・アシスタント)の役割を担ったりと良いサイクルを築いていきたいと思っています。ただし、こうした展望は私たちが主導するというより、塾生が主体的に塾という場を活用するなかで自然と文化が育まれていくほうが望ましいと思います。

──それでは最後に、NTTデータへの応募を検討している方にメッセージをお願いします。

キャリア採用を強化するなかで、転職してすぐ技統本塾に入塾する方も増えてきました。技術に興味のある者同士が垣根を越えて集える場は、自身が所属する部署外で仲間ができるという観点でも、メリットを感じられるはずです。

また、NTTデータは人材育成を重視する会社です。特に近年はトップエンジニアの育成に注力しており、技統本塾はその方針を体現する取り組みでもあります。これまで培ってきた技術をさらに極めていきたい、より高い技術力をお客様に提供していきたい。そうした思いを持つ方にとっては最適な環境だと自負していますので、ぜひご応募いただきたいと思います。

Javaを軸に重ねてきたキャリアと、塾長として技統本塾にかける思い

──はじめに、阪田さんのこれまでの経歴や、NTTデータへ転職した経緯を教えてください。

複数の企業を経験する中で、業務システム開発やWeb系サービスのバックエンドなど多岐にわたるアプリケーション開発・運用をしました。同時に一技術者として技術書の執筆や講演といった活動も長く続けてきました。

転職のきっかけは、尊敬していたエンジニアから声をかけてもらったことです。私は以前からその人が登壇する場にはどこへでも聞きに行っていました。そのうちに実際に話したり私が書いた技術ブログにコメントをもらったりするようになりました。その縁で声をかけてもらったわけです。そして、その人が勤めていたのがNTTデータだったのです。入社後「一緒に働きたいのが誰か考えたとき、阪田さんの顔が浮かんだ」と言ってもらったことに非常に驚きました。

当時私自身も今後のキャリアについて考えていました。それまでJavaアプリケーションを開発・運用してきましたが、Javaそのものに対する興味が年々大きくなっていました。Javaで開発することとJavaそのものを開発することには大きな隔たりがあります。先ほど話した人は、このJava開発に携わる日本有数の技術者でした。私もその領域に挑戦したいという思いを抑えきれないというタイミングでの声がけだったので、二度とこんなチャンスはないと思い、NTTデータへの転職を決めました。

──現在の業務内容と技統本塾の塾長になった経緯について教えてください。

業務では、Javaのオープンソース実装であるOpenJDKに対してNTTデータとして意見を出せるようOpenJDKの開発もしています。当社にはJavaを使ったシステムが多数あるため、Javaの今後に関われるようになっておく必要があります。また、これらJavaシステムの技術サポートやトラブルシューティングも担当しています。

技統本塾の塾長になったきっかけは、塾の運営事務局からアプローチを受けたことです。塾の存在は以前から知っていたものの、まさか自分が塾長になるとは思っていませんでした。塾長はトップエンジニアが務めるものとされていますが、社外や海外へと視点を広げれば、私よりも優秀なエンジニアはたくさんいますから驚きもありました。

一方で、何か相談されれば自分の考えは伝えたいという気持ちもあります。私の塾はJavaに惹かれる者が集う場所とすることを方針にしています。自分が一方的に何かを教えるというよりも、同じ技術が好きな仲間として塾生の皆さんに向き合っています。

──技統本塾での具体的な取り組みや、塾生の方がこの場を活用する意義について教えてください。

私の塾は少しでもJavaが関わっていればどんなテーマにしてもよいことにしています。例えば、ある処理についてオープンソースで提供されるライブラリと標準技術との違いを調査する、あるいは新技術に対するトラブルシューティングの方法を検討するなど、その内容はさまざまです。扱うテーマの範囲が広いので、私自身も未知の領域を学ぶ機会を得られています。

技統本塾は、同じ技術領域に興味を持つ人と出会える貴重な場でもあります。好きな技術について語り合い、刺激を与えてくれる人と社内で出会えることは、技術者にとって大きな意味があることです。

一方で、技統本塾に通う短い期間で誰もが明確な「技術力」を習得できるとは思いません。人の成長は段階的なものなので、技統本塾だけでなく、日々の積み重ねがあって初めて次のステップに到達すると考えています。そのための場は提供しますが、塾生自身が主体的に取り組むからこそ大きな実りにつながります。

──最後に、阪田さんが塾長として大事にされている価値観について教えてください。

以前所属した会社で当時の上司がよく言っていた「エンジニアは職業ではなく生き方である」という言葉は、直接この言葉を塾生に述べることはないものの塾運営のテーマにしています。公私を問わず学び続ける生き方が、この塾を通じて魅力的に伝わるよう意識しています。これに加え、自分で調べて物事を進める力も身につけてほしいと願っています。

そういった力を身につけるためには、コンフォートゾーンから抜け出す機会を作ることが大切です。私の塾では、卒塾前に学んだ内容を社外で発表する手はずをつけることを義務づけています。これは「誰かに説明できて初めて内容を理解できている」という考えに基づいたもので、チャレンジするよう塾生に促しています。あえて社内ではなく社外のコミュニティでの発表とすることでコンフォートゾーンからずらしています。

NTTデータには幅広いポジションがあるので、自ら学ぶ意欲のある方であればどなたでも活躍の場が見つかりますし、自分にとって楽しくかつ没頭できる仕事というものが、必ずあるはずです。自ら動くことができる方は、必ず能力を発揮できる会社です。

未経験の技術領域を開拓すべく転職、技統本塾には入社した1年目で入塾

──はじめに、小田桐さんの簡単な経歴やNTTデータへ転職した経緯を教えてください。

前職は金融グループ内のSIerに勤めており、メガバンクの基幹システムのインフラを担当していました。お客様や扱う技術が固定されていることで、キャリアを広げていくのが難しいのではないか、と考えて転職活動を始めました。また、パブリッククラウドに挑戦して技術領域を広げたいという思いがありましたので、その点も転職活動の軸にしていました。

幅広く転職先を検討するなかで、NTTデータに引かれた理由はいくつかありました。まず相対するお客様が幅広いこと、そして人材育成に力を入れていることです。技統本塾については入社前に知る機会があり、素晴らしい取り組みだと感じていました。

最終的に、入社の決め手となったのは、社員の人柄が魅力的に感じられたことです。採用面接中に出会った社員の雰囲気が良く、取り繕うことなく自然に話してくれたことが好印象でした。

──現在の業務内容と、技統本塾に入塾した経緯を教えてください。

現在は、先進領域のクラウドサービスのリサーチを担当しています。各プロバイダーが提供する新しいサービスをお客様にご活用いただけるよう、技術に関する情報をまとめるのが主な役割です。また、SREエンジニアとしてNTTデータが提供するシステムの開発・運用支援を行っています。

2022年の春にNTTデータに転職したばかりですが、同年下期の募集で技統本塾への入塾を決めました。8月に自身の取り組むテーマを決定し、塾長との面談などを経て10月に入塾しました。

私が選んだテーマは「Ansible Communityへの貢献」です。Ansibleとは、オープンソースのソフトウエアです。コミュニティには、利益を目的とせず、誰かのためになる改善に対して熱意を燃やすユーザーが集まっており、そんなオープンソースの文化をかっこいいと感じて憧れていました。そこで、技統本塾という機会を利用させていただき、世界中のユーザーが集うコミュニティに参加し、自ら開発に携わるという目標を掲げて活動を行いました。

──実業務と技統本塾の取り組みは、どのように両立されていたのでしょうか。

まず、実業務の上司には入塾について事前に相談し、快く受け入れてもらったうえで活動を始めています。私の場合は毎週火曜日の夕方に技統本塾のスケジュールを入れたため、その日の午前中はできるだけ業務の予定が入らないよう調整し、活動の準備をしていました。1週間のうち1営業日弱を技統本塾の活動に充てているようなイメージです。

時間をつくるための工夫は必要ですが、それが苦だと感じたことはありません。むしろ「やりたいことができる」という気持ちが原動力となり、メリハリをつけて実業務にも取り組めたと感じています。

──技統本塾での活動を通じて、どのような学びや経験を得られましたか。

技術を使うだけの立場から一歩踏み込み、より高品質なものをめざして自分がつくったものを世界に向けて公開するためには、他のユーザーからの承認を得なければなりません。どうすれば承認されるのかといった課題に向き合うなかで、オープンソースコミュニティにおけるふるまい方を学べたことは、自身にとって大きな実りでした。

私が参加したOS Linux塾の塾長は、かつてカーネルのコミュニティで同様の活動を経験していたので、私の気持ちをくみ取りながら丁寧に相談に乗ってくれました。やってもやらなくてもいい活動というものは、忙しい日々のなかでは優先順位が下がってしまいがちです。それでも、塾長の存在に支えられながら自身のやりたい活動に真剣に取り組めたことは、私にとってかけがえのない経験となりました。

──最後に、小田桐さんがNTTデータで働いて感じる魅力を教えてください。

「キャリアは書き直せるもの」ということを、NTTデータに入社して感じました。希望通り、未経験からパブリッククラウドに挑戦することができていますが、もしもこの技術領域が自分に向いていないと感じる日が来たとしても、社内にはそのほかに多くの選択肢があります。自身のキャリアを軌道修正しながら働き続けられる広いフィールドがあることは、改めて魅力的だと感じました。

また、全社的に人材育成を重視している環境も素晴らしいと感じています。今回私が経験したように、技統本塾で学びたいという個人の思いを組織が前向きに受け入れ、その時間を捻出できたということが、NTTデータの姿勢を体現していると感じています。今後入社する方とは、広い技術領域をカバーする当社で、共に学び合い、刺激を与え合えるような関係性を築きたいと思っています。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです