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モビリティ×デジタルの新組織が、業界変革をリードする

2017年よりトヨタ自動車とコネクティッドカー基盤に関するR&D協業を開始するなど、モビリティ領域で存在感を増すNTTデータ。「CASE」に代表される自動車業界の大変革期においてさらなる貢献をすべく、2023年4月に新組織「自動車開発統括部」を立ち上げました。同部が実現しようとする世界観や独自のカルチャー、仕事のやりがいについて、最前線で活躍する3名の社員に伺いました。

目次

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自動車業界の「100年に一度の大変革期」成功に導く3つの「X」

──まず、NTTデータにおける自動車開発統括部が担う役割と、事業概要について教えてください。

そもそもNTTデータは、情報技術で新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献するべく、公共、金融をはじめさまざまな業界向けに事業を展開しています。そのうち法人分野において自動車業界を担当しているのが、私たち自動車開発統括部です。

「100年に一度の大変革期」を迎えているといわれる自動車業界を包括的に支援できるよう、当部はCX(顧客接点領域における新たなカスタマージャーニーの創出)、MX(コネクティッドデータを活用した社会課題解決・新たな価値創出)、EX(EV普及、カーボンニュートラルな社会に向けた貢献)という3つの戦略領域を策定し、それぞれチームに分かれて最適なソリューションを提供しています。

CXならエンドユーザーの意思決定において重要な要素がモノから体験にシフトしていくなかで最適な購買や保有、利用体験を提供できるサービスの提供からそれを下支えする顧客基盤、データ分析の仕組みづくりまでを担っています。

MX領域でいえば、クルマの競争力がハードウエアからソフトウエアの質に左右されてくるなかで競争力の高いクルマ作りをソフトの面で支援するようなプロジェクトを中心に取り組んでいます。例えば、クルマに搭載されたセンサーのみでは検知できない死角に隠れた歩行者やその他の状況を、コネクティッドカーから得られる情報や周辺インフラの持つ情報と連動しながら自動運転を実現する「インフラ協調型自動運転」の技術開発も進めています。

EX領域については、EVシフトが進むなかで生じるさまざまな課題、例えば電欠リスクやインフラ不足、バッテリートレーサビリティの問題などに取り組むプロジェクトを行っています。

──2023年4月から新体制となりましたが、事業戦略や展望についてお聞かせください。

従来は、お客様から依頼される要件に対しQCD(品質・コスト・納期)を重視してシステム開発をすることが主流でしたが、最近では、デジタル化や事業変革の潮流から、お客様のビジネスパートナーとしての役割をより一層強く求められています。

これは自動車業界を担う私たちも同様で、以前のOEMごとに部門を分けた縦割り組織から、業界全体の視野と知見をもってお客様の抽象的かつ高度な課題に向き合える体制へと移行しました。お客様のビジネスパートナーとして、どこにデジタル化が求められるのか、どのようなデジタル戦略を描くべきかなど上流工程から入り、システムの実装、運用まで一貫して支援しています。

今後はお客様の課題解決に加え、一事業者として新しい自動車関連サービスを自ら生み出すことにも挑戦したいと考えています。また、NTTグループが保有するビッグデータを活用してお客様の事業創生やマーケティングに資するソリューションを提供するなど、ダイナミックな提案もしていきたいですね。こうした取り組みを通じ、自動車業界の変革を力強く後押ししていきます。

大手IT企業のプロダクトマネージャーが、なぜNTTデータへ

──小宮さんは、大手IT企業からNTTデータに転職されています。転職の経緯や入社の決め手について教えてください。

前職では約10年間、プロダクトマネージャーとして新規Webサービスの立ち上げや既存サービスのグロースなどに従事しました。転職のきっかけは子どもの誕生です。日常的に自動車を使うようになり、その利便性を実感する一方で、周辺サービスに未開拓の領域が多いと感じました。

自動車業界で新しいサービスを作りたいと考えて転職活動をするなかで、自動車メーカーのビジネスパートナーとしてさまざまなDXに挑戦するNTTデータに興味を持ちました。NTTデータなら自動車業界に広く関わり、社会的インパクトのあるサービスを生み出せる、そう考えたのが入社の決め手です。

──現在はどういった業務を担当していますか。

現在の主たる業務は、大手自動車メーカーの販売・マーケティングにおけるCX支援です。例えば、お客様がエンドユーザーに提供するサービスのパーソナライズ化、Web3の技術を用いた新たな顧客獲得の手法開拓などのプロジェクトを担当しています。

加えて、当社発の事業創出にもチャレンジしています。現在着目しているのはディーラー業務で、次世代にあるべきディーラー像を構想し、そこから逆算して業務のデジタル化を実現するシステムの開発・提供を模索しています。こうした事業創発プロジェクトには、私の前職におけるWebサービスの立ち上げ経験が大いに役立っていると感じます。

──どんな方と一緒に働きたいですか。また、自動車開発統括部に今参画するメリットについてもお聞かせください。

NTTデータは2023年7月に大きな組織改革を遂げ、コンサルティングとテクノロジーを融合させた新しい価値を提案、実行できる組織を目指しています。こうした事業環境だからこそ、自ら主体性を持って行動し、時には組織を超えて動き回りながら、新しい価値を生み出していける方を求めています。

一方、業界経験は問いません。私自身も未経験でしたが、自動車業界特有の知識は入社後でも十分身につけられます。むしろCX領域については、他業界の先進事例などの知見が大いに生きるでしょう。

自動車業界は今大きな変革の真っただ中にあり、それに伴い課題が山積みです。これはすなわちビジネスチャンスであり、伸びしろの大きいフロンティアだと、私は捉えています。このやりがいあふれた領域にともにチャレンジしていきませんか。

組み込み系からクラウドエンジニアへ。先端技術でR&D事業を推進

──菅沼さんは、自動車業界を経て2020年にNTTデータに入社されています。転職の経緯や入社の決め手を教えてください。

私は新卒で自動車部品のサプライヤーに入り、電動パワーステアリングシステムや横滑り防止装置、電動ブレーキなど自動車制御部品のリアルタイムOS設計などを担当しました。やがて自動車全体の開発を手掛けたいと思うようになり、大手自動車メーカーに転職。そこでは次世代E/Eアーキテクチャ向けSWプラットフォームの設計などを手掛けました。

自動車業界の組み込みエンジニアとして働くなかで、今後はコネクティッドカーにおけるユーザー体験設計やそれに伴うデータ分析の重要性が高まると感じ、クラウド技術を身に付けられる環境に身を置きたいと思うようになりました。なかでも、長年にわたり大手自動車メーカーとR&D事業を進めているNTTデータであれば、自動車業界全体の変革を牽引できるだろうと考え、入社を決めました。

──現在の担当業務と、これまで担当したなかで特に印象的なプロジェクトについて教えてください。

現在の業務は、ある大手自動車メーカーのコネクティッドカープラットフォームに関わるR&D領域の支援です。

特に印象に残っているのは、車両から取得した走行速度や位置情報などのビッグデータをクラウド上でリアルタイム分析するための基盤を構築するプロジェクトです。このうち私はストリーミング処理基盤や動画像処理基盤の構築を担ったのですが、数百万台を超えるコネクティッドカーのトラフィックに耐えられるような高いスループットと、朝のラッシュのような急激なトラフィック増加に追従したスケーリングができるような高度な基盤が不可欠です。

これほどの負荷があると一つのエラーから複雑な事象に発展することが多く、原因解明にも苦労しましたが、最小のレイテンシとコストの両立が図れる手法を開発することができました。難度が高いぶん、大きな達成感を味わったプロジェクトでした。

当部が手掛けるR&Dプロジェクトは幅広く、各人が2、3個の複数プロジェクトを同時に推進しています。私が担当したことがあるのは、上記のほか、収集したデータをリアルタイムで車両に配信して新しいサービスに活用する取り組みや、お客様が作ったデータ処理アルゴリズムに対して並列分散処理技術を用いることで数百万台の車両に対応させる仕組みの構築など、本当にさまざまです。

3カ月ごとに新たなR&Dを手掛け、日本の基幹産業をアップデート

──仕事を通じて感じるやりがい、醍醐味を教えてください。

私はこれまで一貫して自動車業界に携わってきましたが、自動車はまぎれもなく日本の基幹産業であり、社会に大きなインパクトを与えられる実感を持って働けることに大きなやりがいを感じています。

また、プロジェクトのスピード感も醍醐味の一つです。前職の自動車メーカーでは、新しい製品開発に3~5年といった長い期間を要しましたが、現在のR&Dプロジェクトは3カ月~1年間程度となっています。私は3カ月間の短期プロジェクトを担当することが多く、短期間で企画から提案、フィジビリまでをやり遂げます。

プロジェクトごとにテーマも技術領域もまったく異なりますし、時代の先端をいく技術にも積極的に取り込むため、仕事に飽きることがないです。プロジェクトには、自身の専門性や興味関心が加味されたうえでアサインされるので、興味も尽きません。技術者にとって、日々学びにあふれた魅力的な環境だと思います。

──NTTデータに入社してから、どういった成長実感がありますか。

前職の自動車メーカーでは特定の部門内で業務が完結することが多かったですが、現在は、お客様はもちろん社内外の多様なステークホルダーとコミュニケーションを取る場面があるため、視野が広がるとともに自身の成長につながっていると感じます。

技術的な面では、リアルタイムのデータ処理技術について多数の取り組みを進めてきたため、専門性を培えています。こうした知見を他の自動車メーカーに横展開するなど、自動車業界全体に貢献できるビジネスへと昇華させたいと考えています。その先にいるエンドユーザーに提供するサービスの付加価値向上を意識しながら、今後もさまざまな挑戦をし続けます。

DevOpsチームを立ち上げ、より高度な運用・保守体制を実現

──2016年にNTTデータに入社されていますが、ご経歴と、自動車開発統括部に異動した経緯を教えてください。

私はNTTデータに新卒入社し、まず公共分野で大手電力会社のエンドユーザー向けWebサービスの開発業務に従事しました。そこで、当時お客様業界ではメジャーではなかったアジャイル開発の手法を取り入れ開発を遂行できたことがきっかけで、アジャイル開発の有識者としてのキャリアをスタートさせました。

その後、パートナーの勤務地に合わせて名古屋拠点のあるNTTデータグループに出向したのですが、そこでNTTデータの法人分野が手掛ける自動車関連事業に携わることになり、私は大手自動車メーカーのカーナビ基盤の開発を担当しました。そうして出向から復帰するタイミングで現職に異動し、現在は愛知県に在住しながらリモートワークで業務をしています。

──現在の担当業務と、これまで担当したなかで特に印象的なプロジェクトについて教えてください。

現在は、ある大手自動車メーカーが2021年に新たに商用化したカーナビシステムの通信先サーバーの保守・運用を担当しています。これは、お客様がこれまで複数のベンダーを管理しながら保守・運用していたものを、NTTデータがすべてを一気通貫で引き受けることでプロセスやコストの効率化を図ったものです。アジャイル手法を取り入れているのが特徴的で、DevOpsによるスクラムチームを立ち上げ、機能検証・改善をクイックに行いながら遂行しています。

このプロジェクトでは、お客様の組織内だけでも膨大なステークホルダーがいます。多方面から寄せられる要望に対し、適切な優先順位を付けて計画を立案する必要がありますし、全ステークホルダーに納得してもらうための説明が欠かせません。当初は簡単なことではありませんでしたが、お客様の要望をそのまま具現化するのではなく、本質的な課題を深掘り、その解決に向けたよりよい提案を重ねるうちに、その提案力を高く評価してもらい徐々に信頼関係を築けました。

年次、役職を問わず、誰もが裁量と責任を持って働くカルチャー

──仕事を通じて感じるやりがいや醍醐味を教えてください。

まず、自分が手掛けた仕事をお客様に評価していただくことが、私にとって何よりのやりがいです。

さらに自動車開発統括部での業務は、自分たちが作り出すサービスが、車両を通し非常に多くのエンドユーザーに使われるという特徴があります。自分の仕事が世の中に役立っていることを肌身で感じられるのは、当部ならではの醍醐味だと思います。

菅沼が所属するチームであればR&D事業によって100年に一度の大変革期に直接貢献している実感を得られるでしょう。一方、私たちのチームはすでに世に出ているサービスの運用や改善となりますが、それらをエンドユーザーに届けることを常に意識しており、社会の交通インフラを基盤から支えているという自負を持って取り組んでいます。

──自動車開発統括部ならではの組織カルチャーについてもお聞かせください。

公共分野や金融分野が手掛けるプロジェクトと比較すると、当部が手掛けるものは小規模かつ短納期のものが多い印象があります。そのため社員一人一人の裁量が非常に大きく、年次や役職を問わず、誰もが主導権と責任感を持ってプロジェクトを推進しています。

私自身、チームリーダーとしてプロジェクトを1から立ち上げる経験をしてきました。現在はそれらのプロジェクトをより若手の社員に任せるなどして、人材育成にも注力しています。

こうした組織カルチャーなので、当部では自分で考えて自分の意思で行動したい方、裁量を持って働きたい方には非常にマッチすると思います。そしてもちろん、自動車が好きな方、自動車事業を通して社会に貢献したい方にもピッタリです。

さまざまなバックグラウンドと知見を持つキャリア入社者の方から、NTTデータ内にはなかった新たな視点や気づきをもらえることを楽しみにしています。皆様のご応募をお待ちしています。

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※掲載記事の内容は、取材当時のものです