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公共を起点に業界の枠を超え、社会課題の解決に挑む専門家集団

幅広い課題をIT技術によって解決し、長年の歴史と技術力からグローバルにおいても高く評価されているNTTデータ。社会インフラである行政の課題を扱う同社の公共・社会基盤分野は、社会課題の解決という視点から国民一人一人に価値を提供することを目指し、採用強化に取り組んでいます。同分野のビジョンやそこで働く魅力について、事業推進部長の上田健氏にお話を伺いました。

目次

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公共・社会基盤を支え、その先の社会をデザインする

──はじめに、NTTデータにおける公共・社会基盤分野の役割について教えてください。

NTTデータの国内事業は、公共・社会基盤、金融、法人、テクノロジーコンサルティング&ソリューションという4つの分野に分かれています。そのなかで私たちが担当している公共・社会基盤分野は、官公庁や地方自治体など、社会のインフラに近い公共分野のお客様を対象としたシステムやサービスを提供しています。

私たちは現在、公共・社会基盤を支える立場から、国民の皆さんの役に立つ仕組みをつくることに注力しています。年金、税、引っ越しや子育て支援など、公共分野には人々の暮らしに関わるさまざまなサービスがありますが、その内部を支えるシステムについては外部からは見えにくいものです。

近年では、行政の分野においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が急務となっており、行政内の業務効率化に資するデジタル化やシステムの見直しが進んでいます。それと並行して、エンドユーザーである国民の皆さんへのサービスも向上させていく必要があります。

こうした背景を踏まえ、私たちは国民の皆さんがより暮らしやすい社会の実現を目指し、お客様と共にその解決の糸口となる仕組みを模索しています。既存のシステムにとらわれず新たな社会システムを築いていく姿勢は、中期事業方針に掲げられている「社会システムの創出」「主要顧客ビジネスの深化」にも表れています。

また、現代社会が抱える課題のなかには、エネルギー問題、少子高齢化、高頻度な自然災害など、行政の機能だけでは対応が難しいものも多々あります。私たちはそれらの社会課題を解決するために、先に挙げた4つの分野の垣根を越え、民間企業や金融機関のお客様、そしてNTTデータのグローバルの拠点を含む約19万人の仲間たちと共に、地球のために必要な仕組みとは何かという問いにも向き合っています。

自社の強みと社会要請の交点から、社会の仕組みをデザインする

──公共・社会基盤分野では、具体的にどのような領域に注力しているのでしょうか。

公共・社会基盤分野には、「官民デジタル改革」「レジリエンス」「デジタルヘルスケア」「NTTグループビジネス」「グリーン」「スマートシティ」という6つの注力領域があります。

例えば、「デジタルヘルスケア」については、少子高齢化や人口減少といった問題を抱えるなかで、私たちがヘルスケア領域から解決できる課題は多くあると考えています。また、「レジリエンス」は「強靱化」を意味する言葉で、災害情報の利活用などによってイノベーションを起こそうとしている領域です。昨今は高頻度な自然災害やウクライナ戦争に端を発した物価高騰といった問題が、経済に大きな影響をもたらしています。こうした危機に対して強い社会、つまり社会全体の標準化といったテーマに私たちは注力しています。

──6つの注力領域に取り組みながら、公共・社会基盤分野ではどのようなビジョンを実現しようとしているのでしょうか。

先に挙げた6つの注力領域は、数ある社会課題のなかで特に優先度の高い課題であり、同時にNTTデータの強みを生かせるからこそ選ばれた領域でもあります。

これらの注力領域が可視化されたことで、私たちは自社の強みをより生かしやすくなっただけでなく、社会課題解決への思いや取り組みに共感してくれた外部のステークホルダーと協業し、社会の要請により応えられるようになりました。

私たちはこれまでシステム開発を通じてインフラを支えることに誇りを持ち、真摯にお客様の期待に応えてきました。その姿勢やマインドは維持しつつ、これからはまだない価値を創出し、社会や未来をデザインする存在になりたいと考えています。

「超上流」から携わり、お客様と社会の課題を解決する醍醐味

──現在は公共・社会基盤分野に携わるエンジニアの採用を強化されているそうですが、エンジニアが今この分野に参画する魅力は何だと思いますか。

NTTデータが長年にわたって培ってきたお客様との信頼関係をもとに、課題の奥深くまで入り込み、かつ非常に近い距離感で支援できることが魅力です。そもそも信頼関係がなければ、重要度の高いご相談をいただくことはできません。お客様のパートナーとして、いわゆる「超上流」ともいわれる、抽象度の高い課題意識を共有していただくところからシステム開発を含めて一貫して案件に携われることが、NTTデータの独自性であり、仕事の醍醐味でもあると感じています。

例えば、私たちが開発したサービスの一つに、行政機関と金融機関をつなぎ、統一フォーマットの電子データによる預貯金照会などを実現する「pipitLINQ(R)」があります。このサービスは、両機関の間で発生する保険や国民年金の支払いなどがほとんど紙ベースで管理されている状況を解消したいという業界共通の課題感に端を発したものです。結果として、サービスのリリースによって、問い合わせや郵送といった業務にかかるコストと手間を大幅に削減することに成功しました。

また、直近では新型コロナウイルス感染症という極めて突発的な災害が世界を襲いました。私たちはこの緊急事態を受けて、感染者数の把握や病院との連携などを実現するシステムの立ち上げを短期間で行いました。

このほか、マイナンバーと連携することで引っ越しの際に必要な住所変更の手続きを一元化するシステムなど、国民の皆さんがより暮らしやすくなるサービスの開発・提供も行っています。

お客様の課題解決と同時に社会課題の解決にも寄与できるのは、NTTデータの公共・社会基盤分野ならではだと思います。

公共・社会基盤分野での経験と先端技術の習得から広がるキャリア

──公共・社会基盤分野のエンジニアには、どのようなキャリアパスがありますか。

プロジェクト事例からもわかるように、私たちが扱う課題は3~5年の期間を要する大規模なものから、コロナ禍のような危機に対応するための短期的かつスピードが求められるものまで、さまざまです。

多岐にわたるお客様の要望に応え、多彩な案件に携われることは、公共・社会基盤分野のエンジニアだからこそ得られる経験だと思います。また、定められた納期やコストといった条件を守りつつ期待される品質を担保することだけでなく、何もないところからサービスを立ち上げる経験ができることも魅力の一つですね。運用保守の観点でもその過程で触れることができるお客様の新たなご要望や課題に対し追加提案や次期リプレースへの提言を行う等、貴重な経験が得られるでしょう。

具体的なキャリアパスとしては、アプリケーション開発を主導する専門家として多種多様なプロジェクトに参画し、課題解決に導くアプリケーション・リードアーキテクトをはじめ、プロジェクトの現場で技術力を磨くアプリケーションエンジニアや運用エンジニアを入り口に、プロジェクトマネージャーやITアーキテクトなどを目指す道もあります。経験を積みながら、多彩な選択肢のなかから自身に合ったキャリアを歩める環境です。

豊富なキャリアパスのみならず、NTTデータでは社員が高度な専門性と変化対応力を有するプロフェッショナル人財となることを目的に、「プロフェッショナルCDP(Career Development Program)」という人財育成の仕組みを導入しています。「プロフェッショナルCDP」は、社員の現在の到達レベルの認定や能力開発の方法をわかりやすく社員に提示し、社員一人一人の自律的な成長を支援するもので、国内グループ会社へも展開を図っています。目指せるキャリアやそのポジションに必要なスキルが明確にわかるので、キャリアの指針になると思います。

──技術の習得についての取り組みなどはありますか。

プロフェッショナルCDPやそれに関連する研修は、NTTデータのグループの一員である専門会社が独自に開発しているもので、日々内容がアップデートされています。昨今は「ChatGPT」をはじめとした新しい領域の技術が目覚ましく進化していますが、注力技術領域(Cloud、D&I、Cyber Security、ADM)の最先端技術を集中的に習得するOff-JTプログラムや、一定期間最先端技術を扱う組織に異動させ実務経験を通じたOJTを実施し、デジタルプロジェクトをリードできる人材を輩出するプログラム等を提供しています。当社は業界における標準的かつ重要度の高い技術を学べるうえ、グローバルにもネットワークを持っていることから、海外の先端技術の活用事例などに迅速にキャッチアップできる強みもあります。

一方で、ただ技術を追求することはせず、それ以上に大事にしているのは「どう成長していきたいか」というメンバーのWill、こうなりたいという思いやビジョンです。当社はWillを持つ人を支援する制度・体制が整っており、自身の目標に向かって主体的に動ける方や成長意欲の高い方に向いていると思います。

アプリケーション開発を変革する人財が求められる理由

──現在、どのようなポジションで人財採用を強化されていますか。

公共・社会基盤分野では中長期事業戦略の実行・実現において必要となる、7つの「スペシャリティ人財」を定義したうえで、これらの人財を確保していくために、社員の育成と経験者採用に力を入れています。

7つの人財とは
(1)市場創造・新ビジ人財(社会課題から市場を想像し、顧客への提供価値を定め、新規ビジネスを事業化できる人財)
(2)業務変革人財(顧客の事業のあるべき姿を描き、最適化した業務に変革できる人財)
(3)コーディネート人財(業務を知り全体をコーディネートできる人財)
(4)デジタル開発習熟人財(デジタルに適した開発手法を習熟した人財)
(5)デジタル技術活用人財(デジタル技術を用いて最適なサービスを選択し実装・運用できる人財)
(6)大規模開発人財(既存システム再改等の大規模開発を確実に完遂する人財)
(7)安定運用人財(既存システムの確実なサービスレベル管理による運用保守を実施する人財)
です。

そのなかで、分野推進部では(5)に該当するアプリケーション開発の最前線から開発を支援し、あらゆるプロジェクトを成功に導くアプリケーション・リードアーキテクトの採用を強化しています。同時に、これまでに培った経験や技術力をプロジェクトの各工程で発揮していただくアプリケーションエンジニアや運用エンジニア、プロジェクトマネージャーといったソフトウェア開発人財も求めています。

あらゆる社会課題が山積するなかで、IT業界ではテクノロジーによってその解決を試みていますが、技術力を持つIT人財の不足が業界全体の問題になりつつあります。そこで私たちは、社会課題解決の基盤となるシステム開発の近代化・高度化を目指す「公共技術戦略アプリケーションスペシャリスト(以下、公共技戦APSP)チーム」という新たな組織をつくりました。

アプリケーション・リードアーキテクトには、まさにこの公共技戦APSPチームの一員として活躍していただくことを期待しています。同チームは、大規模業務系インフラシステムの開発技術の専門家としてプロジェクトに参画するだけでなく、開発の効率性や技術の最新トレンドにも対応し、アプリケーションの開発文化そのものをアップデートしていくことを目指しています。

──求める人財のスキルやマインドについて教えてください。

いずれのポジションにも共通して求めるのは、経験や技術力だけでなく、より良い社会を実現するためにエンジニアとして力を発揮することで、世の中が変わっていくことを実感したいという気持ちを持っていることです。

また、現状のNTTデータは品質の高いシステムを確実に開発する能力には長けていますが、一方でスピード感を持って成果を出していくことに関しては、まだ伸びしろがあると感じています。「どれだけ高品質のシステムを開発するか」だけではなく、「お客様の課題をどう解決するか」という観点で成果を考え、お客様の体験への満足度をより高めていけるような方に来ていただけるとうれしいです。

多彩な視点を持つメンバーが集い、社会をデザインする組織へ

──NTTデータのカルチャーや働く環境についても教えてください。

私たちは個人のWillを尊重することを大切にしており、キャリア採用で入社される方にとっても、NTTデータのルールや慣習にとらわれることなく思いや考えを発信し実現できる環境だと思います。現在活躍しているメンバーも、自身のWillを持ちながらそれを積極的に発信している姿が目立ちます。Willは案件のアサインにも反映され、個人が望むキャリアパスと長期的な視野で見据えた育成の視点との両面から適切だと考えられる案件を提示しています。

チームワークを非常に大切にする組織であるのも、NTTデータの特徴の一つです。難度の高い問題に立ち向かうとき、どんなに技術力の高い方であっても、それを一人で解決することは難しいでしょう。公共・社会基盤分野以外の各部門との連携はもちろん、社外にもネットワークを持ちながら、そのチームワークを生かして課題解決に臨める方に向いていると思います。

──最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

公共・社会基盤分野では、IT業界に限らず、官公庁や自治体、金融機関、事業会社といった多彩なバックグラウンドを持つメンバーが活躍しています。それぞれが重ねてきたキャリアや経験を生かしていただくからこそ、チームのなかには新たな視点や知恵が芽生え、そこからお客様への価値提供や社会貢献につなげられると考えています。

ぜひこれまでのバックグラウンドを生かしていただき、「まだない価値を創出し、社会や未来をデザインする存在になる」というビジョンを共に実現しましょう。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです