柔軟に働ける環境で、人事の専門性をより追求できるように
私たちは同じ2022年の入社ですが、これまでお互いについて改めて話す機会はありませんでしたよね。出身業界は全員バラバラですが、そもそも転職理由はどんなものだったのですか?
私は前職でシステム導入を経験したことから、IT業界にはもともと興味がありました。NTTデータが柔軟な働き方を推進しているという話も聞いていて、調べてみると「プロフェッショナルCDP(Career Development Program)」やADP制度などの先進的な取り組みも豊富で、人事としてさらに経験を積めそうだと感じたことが転職理由です。
また、前職では長時間労働が続いていたので、働き方を見直したいという思いもありました。リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方ができる環境で、家族との時間を大切にできる生活とキャリアアップを両立させることも転職の目的の一つでした。
私の場合は、人事のスペシャリストを目指したかったことが大きな転職理由です。前職では「総合職をゼネラリストとして育成していく」という方針に基づき、数年おきに部署異動が行われていました。幅広い経験を積めるというメリットがある一方、一つの分野を極めていくことは難しい状況だったのです。子どもがいることもあり、「転勤の辞令が出たらどうしよう」という不安もありました。
NTTデータへの入社の決め手になったのは、そうした課題をクリアできる点に加え、「人財確保と育成は競争力の源泉」だと発信していたことです。世界的にIT人材が不足している昨今、こうした会社の採用業務を担うことは、大きな成長につながると確信しました。
浅野さんの場合はいかがですか?
私も前職で転勤を経験したので、酒徳さんの気持ちはすごくよくわかります。工場勤務時代には片道2時間かけて通勤していました。子どもが生まれ、家を買ってふと将来を考えたとき、「もっとワークライフバランスを大切にして生きていきたい」という考えが芽生えたんです。
実はIT業界に関する知識はほとんどありませんでしたが、これまでの経験を活かせそうな人事のポストであることと、仕事と家庭を両立した理想的な働き方ができると感じたため、NTTデータに入社しました。
こうしてみると、ワークライフバランスや柔軟な働き方を求めていたという点ではみなさん共通していますね。実際に働いてみていかがでしたか?
フレックスで勤務できることがとてもありがたいです。柔軟に勤務時間を調整できるので、保育園の送迎や行事に応じて、効率的に仕事と育児の両立を叶えることができています。趣味や習い事などに活用している人も多く、リフレッシュや自己研鑽にも役立っていると思います。
前職にもフレックスタイム制度自体はあったものの、私の周りでは実際に活用している人はほとんどいませんでした。私自身も日常的にフレックスを活用するようになったのはNTTデータに入社してからが初めてなんです。業務に集中して退勤が遅くなった翌日は10時出社にしたり、趣味である剣道の稽古がある日は17時前に退社したりしています。
フレックスタイム制の恩恵は、私もしっかり受けていますね。飲み会がある日は早めに仕事を終えて、気合を入れて臨んでいます(笑)。
業務面では前職と比べてどのような変化がありましたか? 私の場合、前職では担当工場の人事業務だったのに対し、NTTデータでは全社の人事業務を扱うようになったことが大きな変化です。また全社表彰や株主総会など、コーポレートスタッフとして経営層に近い立場で仕事をすることができるので、幹部の視点や考え方を間近に感じることができています。
NTTデータマネジメントサービスやNTTデータだいちなどのグループ会社とも連携・協業して、担当部署という枠組みを超えた一つのチームとして業務にあたることが新鮮でした。おかげで自分の役割に専念することができていますし、一つひとつの施策にしっかり向き合うことができるようになったと感じています。
私がいる採用チームも、マネジメントサービス社をはじめとした協働者の方々にサポートしてもらっています。前職はほぼプロパー社員だけで業務を回していたので、NTTデータ入社直後はBPOなどの協働者が多い点が新鮮でした。松本さんの言うように、一つひとつの施策にしっかり向き合うことができていると感じます。
「外の世界を知る目でNTTデータを変えてほしい」
職場の雰囲気や一緒に働く人たちについて、前職との違いは感じますか?
NTTデータに入社して最初に感じたのは、“多様性”でした。どの部署、どの役職を見ても、性別、年齢、新卒入社・経験者入社などに関係なく、いろんな人が活躍されていることが新鮮で。そういう土壌があるからこそだと思うのですが、経験者採用で入社しても、本当にすんなり受け入れてもらえました。みんな人柄がいいですよね。
優しい人が多いというのは私も感じています。日々の業務では、チームワークの良さも実感しています。例えば春闘のような、限られた時間の中で刻一刻と状況が変化するような複雑な業務では、一つのゴールに向けて部署を横断し、経営幹部も巻き込んで、まさにチーム一丸となって対応しています。
確かに一体感がありますね。プロジェクト単位でのビジネス文化が影響しているのかもしれません。「一つの目標に向かってみんなで頑張る」という点は、NTTデータらしさでもあるし、強みでもあると思います。
長期的なキャリア形成を大切にする風土も、特徴の一つだと思うんです。例えばライフイベントなどによって今まで通り働けない時期があったとしても、長期的な視点でパフォーマンスを最大限発揮できるように支援してくれる制度や風土があります。浅野さんも育児休暇を取得されていますよね?
そうですね。第二子が産まれたときに、2カ月間の育休を取りました。子どもができたという報告をしたその場で、上司から「育休取らないの?」と聞いてくれました。男性の育休取得にあたっては、言い出しづらいと感じる人もいるかもしれませんが、このように上司のほうから聞いてくれることで心理的なハードルはかなり下がると思います。このときは上の子がまだ小さく手のかかる時期だったので、もし育休を取っていなかったとしたら、家庭が回っていなかったと思います(笑)。
すごく想像できます(笑)。実際、育休を取りやすい雰囲気というのは大事ですね。
育休やフレックスなどの制度が「存在する」のと「使える」のとは、同じじゃないんですよね。NTTデータは制度を活用することを、周りが理解・後押ししてくれることが大きい。転勤や勤務時間帯、育休取得など、働く環境についての不安がないことが、自分自身のキャリアにしっかり向き合えることにつながっていると思います。
ちなみにみなさん、同僚や上司とのコミュニケーションで、印象に残っている言葉やエピソードはありますか?
人事本部で決定された施策を各部署へ展開するという業務で、従来のやり方とは異なる方法を上司に提案し、受け入れてもらったことがありました。さまざまな場面で「前職ではどうだった?」と聞かれる機会も多く、社歴に関係なく経験者としての知見を求められているのが嬉しかったですね。
私も入社初日に部長から、「私を含め、プロパー社員はNTTデータという世界から出たことがない。外の景色を知っている立場として、気づいたことは遠慮なく教えてほしい」と言われたことが印象に残っています。しかもただ意見を聞くだけでなく、いいアイデアはちゃんと反映もされています。身近な例ですと、私のチームの進捗管理方法なども経験者採用で入社した社員の提案で変わったりもしました。
このようなことも含め、従来のやり方に固執しない柔軟な姿勢は、業務のあらゆるところで実感しています。
私も入社初日に上司から、「うちの採用サイトを見て、どう感じた?」と聞かれました。直前まで私も一転職希望者として採用サイトを閲覧していたので、サイト構成に関して感じた課題点を率直に答えました。私以外の経験者入社者にも同様の感想をもった人がいたことから、目的に合わせた情報収集がしやすい現在の形への改修へとつながりました。
社内にいると気づかないこともあります。だからこそ、外から見た課題感や率直な意見が大切にされているのだと思います。
先輩の活躍を見て、自身のキャリアも柔軟に考えられるようになった
私たち3人は、企画、採用、労務と、同じ人事本部内でも異なる担当部署に所属しているわけですが、それぞれの担当部署で現在目指していることはありますか?
企画担当では、人的資本開示の一環として、人事施策の社外発信に力を入れています。プレスリリースやサイトへの掲載といった方法で、株主や投資家、入社を検討中の方といったステークホルダーに対し、人事関連の情報を発信しています。
人的資本開示は近年特に注目されており、当然他社も取り組んでいます。人事施策は、その会社がどんな思いで、どんな社会貢献をしていくかを示すものだと言えるので、広報やIR、酒徳さんの採用担当部門とも連携し、NTTデータらしさを発信してきたいと思っています。
私たち人事本部の採用担当以外にも、各ビジネス分野に採用部署があり、それぞれで採用活動が行われています。そうした中で私たちに求められるのは、全社横断的な視点で採用力を強化することです。私が担当する経験者採用ブランディング観点では、潜在層向けのアプローチも重要なので、経営視点やコーポレートブランディングを意識した発信を心がけています。また、リファラル採用を推進させるため、インナーブランディングの強化にも力を入れていて、社員自身で組織を強くしていけるような状態を目指しています。
労務担当では、会社と労働組合の双方にとって、より良い労使関係の在り方を常に模索しています。例えば春闘は、回答指定日ギリギリまで交渉が行われるのが慣例ですが、最近では回答指定日よりずいぶん前に会社側が回答するというケースも他の業界ではあるようです。春闘はあくまで身近な例として挙げさせていただきましたが、より良い労使関係を築いていく上でどのような手段があるか、日頃の対話も含め引き続き考えていきたいです。
労務と制度設計の両方を一つの部署で担う会社も多い中、NTTデータには労務担当という独立した部署が存在します。このことは、労働組合との関係性を大切にするという、会社のスタンスが表れているのだと思います。実際、私のこれまでの経験と比べても、労働組合との対話を丁寧に行っていると感じます。
松本さん自身は、今後のキャリアについてどう考えているのですか?
人事全般での専門性を磨いて、CoEポジションとして活躍することです。NTTデータに入社して、キャリアについての視野が広がったと感じています。入社以前の私は、「自分はこの先もずっと人事をやっていくんだろうな」と、漠然と考えておりました。ところがNTTデータには、経営企画や広報など、他の職種を経験してから人事に戻ってきたという人が何人もいます。そんな先輩たちが他職種での経験を活かし、人事としてより一層活躍されている姿を見て、自分自身のキャリアについても柔軟に考えられるようになりましたね。
確かに、公募制度などを活用して、多様なキャリアを描いている事例は本当に多いですね。私も松本さんと同じく、人財育成やDEIなど、採用以外の人事業務も経験して、人事全般に精通した存在になることが目標です。ただその過程で、特定の業務に特化したエキスパートになりたいと思うこともあるかもしれないので、もしそのときが来たら柔軟に考えようかなと思っています。
人事本部内だけでも色々な担当がありますしね。私は企画担当としての業務を通じて、どの担当がどんな業務をしているかを広く知ることはできてきたので、次は酒徳さんの言うように色々な担当を経験して、それぞれの業務をより深く知りたいと思っています。人事としてのキャリアを考えたときに、間違いなくプラスになると思うんですよね。運用中心の業務から、制度設計などの施策を考える側の業務を人事本部内で幅広く経験をして、人事としてのキャリアを磨いていくことが現在の私の目標です。
当社はキャリアについて考える機会もたくさんありますよね。私は先日、有志の管理職が立ち上げたメンタリングに参加して、異なる部署の何名かの女性部長と面談をさせてもらいました。実際に話をしてみると、「こんなキャリアの描き方もあるんだ」と勉強になりました。
社員一人ひとりがフレキシブルに働ける制度は整っているし、画一的でなく自分に合ったキャリア形成を実現できる環境でもあるので、私にとってNTTデータは、間違いなく“Best place to work”と言えますね。