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変わらぬ社会課題解決への思いを胸に、スマート納税の未来を創っていく

事業の成長とともに、個人の成長曲線も着実に描いていける。今回紹介するのは、行政サービスのデジタル化に取り組むデジタルコミュニティ事業部で、地方税のDX推進に携わってきた蓑谷 彩香。現在は、多様なメンバーを束ねるリーダーとして、スマート納税社会の実現に向けた一大プロジェクトをけん引しています。新卒でNTTデータに入社し、地方税のポータルシステムの発展に欠かせないキーパーソンへと成長を遂げた彼女の軌跡について、お届けします。

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仕事への誇りと、社員の人柄の良さに惹かれて

大学では情報工学を専攻し、製品の取扱説明書を、ユーザー目線でより読みやすくするためのシステム開発に関わっていたという蓑谷。社会課題解決への思いは、学生時代から抱いていたそうです。

私は子どものころから人が喜ぶ姿を見るのが好きで、学生時代は個別指導塾の先生のアルバイトをしていました。志望校に合格して喜んでいる生徒の姿を見ると私も嬉しくなり、在学中から自然と「将来は人の役に立つ仕事がしたい」「社会課題の解決につながるシステムをお客様目線で開発したい」と考えるようになりました。

就職活動中、NTTデータのプロジェクト型インターンシップに参加したことが、入社の大きなきっかけになったと蓑谷は語ります。

業界大手であることと、インターンシップのコンセプトに惹かれたこともあって参加を決めました。学生も社員と同じように座席を用意してもらい、業務を実体験できるのは魅力的でした。

インターンシップでは複数のプロジェクト候補がある中、蓑谷が偶然第一希望として選択したのが、入社以降携わることになる「地方税のポータルシステムプロジェクト」でした。10日間のインターンシップで蓑谷は、プロジェクトメンバーの一員として、資料作成や試験消化などの実業務を経験。現場社員に話を聞く機会もあり、入社意欲は日に日に増していったのだそうです。

当時驚いたのは、社員の皆さんが共通して、仕事に「誇り」を持っていたこと。このポータルシステムの10年後、20年後の未来を見据えて、生き生きと仕事のミッションについて語っていて、とても輝いて見えました。

また、社員の人柄の良さも印象に残っていると蓑谷は話します。

期間中ランチに連れて行ってくれたり、最終日にお別れの会を開いてくれたり。プロジェクトで忙しい中で多くの時間を割いてもらい、社員と同じように接してくれました。「社会課題の解決につながるシステムをお客様目線で開発する」という夢の実現に向け、この方々と一緒に働きたい!という思いが募り、NTTデータへの入社を決めたのです。

2018年にNTTデータに入社した蓑谷は、1年目から地方税のポータルシステムの更改プロジェクトを担当することになります。

成果が目に見える嬉しさと、社会に貢献しているという手ごたえ

入社1・2年目で、自宅やオフィスのインターネット環境から、地方税の納付手続きを電子的に行う「共通納税」のシステム更改・機能改善プロジェクトを担当。仕事のやりがいを感じる機会は多かったと蓑谷は振り返ります。

リリース以降、窓口に出向かなくてもポータルシステムを通して全国1,788の地方団体に対する地方税の納付が可能になりました。より便利に地方税を納める仕組みを構築できたことで、自分の仕事が「社会課題解決の一翼を担っている」実感は、割と早いタイミングで持てていましたね。

入社4年目で蓑谷は、QRコードを利用した地方税納付対応プロジェクトの業務グループのサブリーダーに抜擢されます。それまでの担当プロジェクトはいずれも小・中規模で、長期にわたる大規模案件のシステム開発を担当するのは本プロジェクトが初。業務の難しさに直面することも多かったそうです。

各サブシステムや対外事業者の「要」の存在であるサーバ側のサブシステムを担当していたので、多数の関係者と綿密に調整を進める必要がありました。関係各所の特性を踏まえた調整や、不備があった際のリカバリ、設計開発工程以降での追加機能要望への対応など、さまざまな壁にぶつかりながらプロジェクトを進めていきました。

蓑谷はサービス開始前のお客様の最重要イベントである受入試験の窓口を担当。お客様に充分ご確認、ご納得いただけるかどうか次第でサービス開始に影響を及ぼすリスクがあったことから、「自分がサービス開始の条件の一つを握っている」という意識でお客様および社内調整に奔走しました。無事に予定通りサービス開始できたことは、確かな自信につながったと語ります。

サービス開始の瞬間は、お客様、プロジェクトメンバーと一緒に見守りました。何の問題もなくサービスを開始でき、QRコードでの納付件数は順調に拡大。クレジットカードやキャッシュレス決済アプリなど、新たに導入した支払いチャネルでの納付を確認するたびに、お客様、プロジェクトチームで喜び合ったのは良い思い出です。

システムの利用者がより増えたことで、「社会課題を解決している」実感はさらに強まっていきます。

自宅に届いた納付書を自分が開発したシステムで支払うことができるようになったり、友人から「QRで払ったよ!」と連絡をもらったり。SNSでユーザーの声を確認することもありました。

「初めてやってみたけど簡単に支払えた」や「新しい税目に対応しているのを初めて知った」といった声に触れると、実際に多くの人に使っていただけているんだ!といった実感が湧き、当時を振り返るといまでも嬉しい気持ちになります。

システムが安定運用を続ける中、蓑谷に新たな挑戦の機会が訪れます。

「あたり前を大切に」。その自分らしさを武器に、成長していく

2024年夏、QR納付の仕組みを活用し、国民健康保険料や水道料金などの税以外の公金を支払えるようにする、「公金対応プロジェクト」を受託。蓑谷は現在、約30名のプロジェクトメンバーをまとめるリーダーとして活躍する中、これまでにない難しさを感じているそうです。

もともとこのポータルシステムは地方税のみを対象として作られたシステムなので、公金対応に向けた新システムはどのように公金に対応するかを1つ1つ検討する必要があり、プロジェクトは難易度が高いです。

難易度の高いプロジェクトを遂行できる背景には何があるのか。その問いに蓑谷は、NTTデータの「人」を大切にする文化とチームワークの強さがあると即答します。

自分が不得意なことは得意な人に任せたり、誰かがピンチな際はチームや組織を越えて手を差し伸べたり、一人ひとりの「人」を尊重しチームで高め合い、プロジェクトを前に進めていけるのは、NTTデータの特徴であり魅力だと考えています。さまざまな考え方やスキルを持つメンバーが助け合いながらプロジェクトを前に進めていくことで、自分にない発想や知見を吸収でき、人間的にも技術的にも成長していけるのです。

お客様との調整が得意な「人」、チームの雰囲気作りが上手な「人」など、自分にない強みを持ち、目指したいと思える社員が周りにたくさんいる環境は、働きやすさや将来への安心感に直結していると話す蓑谷。自身の強みについては、どのように考えているのか。蓑谷の自己分析は明快です。

「小さいこと、あたり前のことを疎かにしない」対応は、誰にも負けない自分の強みだと思っています。私は子どものころから何事にもコツコツ真剣に取り組む性格で、夏休みの宿題も早め早めに終わらせていました。私の得意領域は、ミスの早期発見など現在の仕事にとても活きています。

あとは、「責任感」でしょうか。「このままプロジェクトが進むと後々誰かが困ってしまうのでは?」という考えから、機能決定に至ったお客様との議事録は常に詳細に作成しデータに保管。プロジェクトで身に付けたノウハウも、メンバーに漏れなく伝えるようにしています。

最後にこのシステムの発展に欠かせないキーパーソンに成長した蓑谷に、今後の目標を聞いてみました。

2年後には公金対応プロジェクトのサービス開始を予定しています。システム利用者は今後も増加が見込まれていますので、できるだけ多くの方の生活を変革する手助けをしたいですね。また、将来はこれまでに培った経験を活かし、別のプロジェクトにも積極的に挑戦したいと考えています。

「社会課題の解決につながるシステムをお客様目線で開発したい」、入社前に掲げた夢は現実のものとなり、キャリアの可能性は大きな広がりを見せています。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです