お客様の熱意を汲み、想いを込めてシステム開発に取り組みたいと思うように
2011年にNTTデータへ入社した近藤は、現在マイナンバー関連のシステム開発に取り組んでいます。
学生時代は理学部で学び、博士課程への進学も考えていましたが、世の中を支える仕組みを作るITの分野に興味を持ち、NTTデータへの入社を決めました。
理学は普遍的な法則を見つける活動ですが、ITは社会や暮らしのベースとなる仕組みを作ることができ、それは社会生活の法則と呼べるものであって、ITに関わって普遍的なものを生みだしてみたいと思ったんです。
最初に配属されたのは、技術開発本部(現在の技術革新統括本部)です。当時、社会に広まりつつあったクラウド技術を活用して、社内プロジェクト管理システムの研究開発や維持運用に携わっていました。上司や同僚に高い技術力を持つ人が多く、プロジェクト支援に入るとまるでスーパーマンのように問題を解決していく姿に感銘を受けました。
一方で、そういった優れた技術力を持つ人たちを見ていると、私がNTTデータで実現したいことは、技術職を突き詰めることとは別にあるのかもしれないと感じるようになりました。
その後、近藤は上司と相談を重ねて2013年から法人分野の部署に所属することになります。
まだ社内向けのプロジェクトしか経験したことがなかったので、お客様先の現場を見てみたいという思いもありました。ありがたいことにご縁があり、上司からも法人分野で修行してくるように激励されて異動しました。
新しい部署では、飲料業界や医薬業界、家電業界や自動車業界などのアプリケーション開発に従事した近藤。お客様先に常駐するケースが多く、大変だったけれど楽しさも感じられたと当時を振り返ります。
常駐先では、お客様の仕事に対する熱意を直に感じられる機会が多く、刺激を受けました。あるお客様先に常駐していた際、新商品お披露目会で研究開発を担当していた方が、新商品について熱心に語っている姿を見て、想いを込めるとモノではなく作品になる。熱い想いは、人の心をつかむのだなと感じたことを覚えています。
お客様先での経験を通して、想いを込めてシステム開発に取り組み、世の中の役に立ちたいと考えるようになった近藤。2022年には、現在も携わっている公共分野へ異動します。
お客様と共にアイデアを出しながら取り組んだ、新たな挑戦に手応え
「公共・社会基盤分野で新しいチャレンジをしてみないか」と上司から声をかけてもらい、おもしろそうだと思って手を挙げました。配属されてからは、ずっと中央省庁のお客様と向き合っており、今はマイナンバー関連システムのアプリケーション開発における機能追加開発に携わっています。
私が担っているのは、顧客折衝やステークホルダーの調整、チーム内の管理や統括などの業務です。
チームは多い時で15人ほど。ほとんどのメンバーがビジネスパートナーで構成されていることもあり、そこにはステークホルダーが多いがゆえの苦労もあります。
各ステークホルダーを調整する役回りとして、お客様や上司の言葉を咀嚼してメンバーへ伝えたり、逆にメンバーの言葉をうまくまとめてお客様や上司へ伝えたりする難しさがあります。でも、うまく調整できた時はうれしいですし、大きな達成感を覚えますね。
また、何もかも相談していては業務が滞ってしまうので、ある程度私が指針を決め、それを踏まえて周囲の意見を聞きながら、「このシステムを使って何がしたいのか」という点を常に意識して業務を進めています。
公共・社会基盤分野という新しいフィールドで挑戦を続ける近藤。中でも、お客様と共に新たな機能を作り上げたことはチャレンジングな経験でした。
機能の仕組みや想定される使い方など、ゼロベースからお客様と一緒になって考え、法律を参照したり、ユースケースをいくつも挙げたりしながら取り組みました。業務を洗い出して業務用件を固め、システム要件に落とし込んでシステムを作るという流れをお客様と共に取り組めたのはとても新鮮で、自らの成長にもつながる経験になったと思います。
上司の言葉である「守る」の意味を模索し、たどり着いた自分なりの答え
公共・社会基盤分野に異動してからは、以前に比べてチームとしてしっかりとスクラムを組むことが増えたと振り返る近藤。この環境の変化は、仕事に対する自らの価値観に変化をもたらしました。
法人分野にいた時、当時の上司から「ビジネスパートナーがあってのNTTデータだ」ということを口すっぱく聞かされていました。ビジネスパートナーをはじめ、一緒に仕事をする人たちにリスペクトの気持ちを持ちなさいという意図だったと思うのですが、その際に上司はよく「守る」というキーワードを使っていたんです。でも、当時の私には「守る」が具体的にどういった意味なのかがわからず、その本質を模索していました。
そして、公共・社会基盤分野へ異動し、チームリーダーとしてビジネスパートナーを含めどんなチームを作るべきかと考えた時に、近藤なりの「守る」の答えが見えてきました。
まずは、チームの体制と役割分担の明確化です。責任範囲を明らかにすることで、与えた役割については信頼して任せるという意思表示にもなりますし、「このタスクはどちらがやるんだっけ?」といった “お見合い”を減らすことができ、お互いに気持ちよく仕事ができる。これは、ひとつの「守る」形だと思っています。
もうひとつは、私が少しだけカバーすることです。役割分担は明確に区切るものの、私が仕事をする際には少しだけビジネスパートナーの仕事をサポートする。それが積み重なることで、持ちつ持たれつの信頼関係が生まれ、こちらから少し無理のあるお願いをするときにも前向きに引き受けてくださることにつながる。それが結果としてチームを守り、ひいてはビジネスパートナーを守ることにもつながると考えているんです。
この答えがまだベストだとは思っていないものの、今の時点ではベターだという近藤。今後変わるかもしれないが、今のやり方は間違ってはいないはずだと力を込めます。また、近藤が大切にしているもうひとつの価値観は、想いを込めて仕事をすることです。
どんな想いで仕事に取り組んでいるのか、思っているだけでは伝わりません。自分の考えや周囲への期待などを自分の言葉にしてメンバーに伝えることを意識しています。その意識が、お互いの気持ちをひとつにして取り組んでいくことにつながると信じています。
経験はどこで役立つか分からないから、少しでも興味があることはチャレンジしてみる
入社以来、分野の壁を超えて活躍してきた近藤が感じているNTTデータの魅力は、会社全体にチャレンジしやすい環境があることです。
自ら手を挙げれば上司は話を聞いてくれて、希望を叶えられるように動いてくれます。私も、希望を出していろんな案件に携わり、その都度新しいことにチャレンジさせてもらいました。
また、失敗した場合でも上司がしっかりとカバーしてくれるので、致命傷になることはありません。声を上げれば助けてくれますし、組織全体で守ってくれていると感じられる環境です。
そういった環境だからこそ、近藤は前向きにチャレンジすることを大事にしています。
一見すると無駄に思えるチャレンジでも、どこかで役立つことがあるかもしれません。法人分野にいたころ、ある業界の国際規約の文章を苦労して読み込んだ経験があるのですが、今、公共・社会基盤分野で法律に向き合う機会が増え、当時の経験が生きています。少しでも興味のあることには“とりあえず手を挙げてみる精神”でいたいと思っています。
もちろん、チャレンジがすべて成功につながっているわけではありません。たくさんの失敗を重ねた上で今があると近藤は感じています。
うまくいかないことはたくさんありましたが、次のチャレンジで前回の失敗を克服し、成長につなげてきました。
先輩から厳しいフィードバックをもらったこともあります。過去に私が担当した打ち合わせについて、「あの打ち合わせは0点だった」とストレートな言葉をもらって落ち込みましたが、確かに出来の悪い打ち合わせだったという自覚もあって、その言葉が次への原動力になりました。
くじけそうになる時は、これまでの経験を思い出し「あの人だったらこうやって乗り切るはず」と考えて、自分を奮い立たせています。
どんな経験も糧とし、次のステージへ上がっていくための燃料としていく近藤。今後のキャリアパスはまだ悩み中だと話すものの、どの道へ進むにせよ新しいことにチャレンジしたいと意気込んでいます。
失敗を恐れずに立ち向かっていく近藤の行く先には、社会とNTTデータの明るい未来が開けているはずです。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2024年3月19日公開)より転載