入社して以来、一貫して顧客営業を務めてきたから見えてきたもの
2015年にNTTデータへ入社した平野は、現在テレコムユーティリティ事業部に所属。入社以来、一貫して営業職に携わっています。学生時代はウィンドサーフィン部での活動に熱中し、副部長も務め上げました。夢中になると、とことんのめり込む性格だという平野は、就職活動も熱意を持って進めていきました。
地方の大学だったからか、周囲は地元の企業へ就職を考えている人が多かったように思います。一方、私は大きな企業で自分の力を試したいと考えていました。早めに就職活動をスタートさせ、いくつかの企業から内定を獲得しました。
その中からNTTデータを選んだのは将来性の高さだけでなく、プライベートも充実させられそうだと感じたことが理由です。当時まだ一般的でなかった育児休暇を取得している男性社員もいると聞きました。また、めまぐるしく変化していく世の中で、社会的にインパクトのあるシステムに携われるのはおもしろそうだと感じ、入社を決めました。
入社後は通信事業会社のお客様に対し、システムに関する顧客営業を担当しています。
入社して最初の5年ほどはオペレーターが使用する顧客管理システムを担当し、追加開発やシステム更改の案件に携わっていました。
その後から現在まで携わっているのは設備管理システムです。お客様が所有している設備をシステムで監視・管理し、故障時などにすぐ確認できる仕組みがあるのですが、その追加開発やシステム更改案件を担当しています。
入社して以来、長きにわたって同じお客様に関わっている平野。長年のキャリアを重ねた今でも、難しさを感じる場面はあると言います。
私が担当しているお客様の部署は、社内のシステム開発を統括する部署や、システム開発によりお客様社内のビジネスの変革を検討する部署であるため、お客様ご自身もシステムに関する知識が豊富です。そのため提案や見積説明において非常に専門的な説明が求められたり、思わぬリクエストをいただいたりすることがあります。
そんなとき平野が意識しているのはひとりで進めようとせず、周りを巻き込んでいくことです。
「Willをどうやって持つか」から学んだ──周りを巻き込む力の根源は自分自身の想い
私はシステムに関する専門的な知識が万全とは言えません。営業職一筋のキャリアなので、開発経験を通しての知見を得たことはないからです。
そんな私が自分ひとりで悩んでいても前に進むことができないので、上司、開発メンバーを巻き込んで提案内容の策定、課題解決をめざすようにしています。自分の意思や方向性といったWillをしっかりと持ちつつ、関係者の知識を拝借して進めていくようなイメージですね。
平野はWillを持った上で周囲を巻き込むことが大事だと強調します。
自分がどうしたいのかをまず示さなければ、相手から意見を引き出すことはできません。打ち合わせをするにしても、営業としてどう進めていきたいのかを明確にしていなければ、そもそも打ち合わせをやる意味がないでしょう。
とはいえ、経験がなければWillを持つことすら難しいものです。私は上司を真似ることで少しずつ自分に重ねていきました。まずは彼ら、彼女らがWillをどのように持ち、どう動いているのかを観察し、自分に落とし込んだ上でその考えが合っているのかを上司と話し合いました。
そうやってWillを持った立ち回りで周囲を巻き込みながら課題を解決していく力は、経験を重ねながら少しずつ身につけていったものだと平野は振り返ります。
営業のメンバーは、2〜3年目からひとりで立ち回れるように期待されて指導を受けます。そのころから私が意識するようにしていたのは、積極的な知識向上と、いろんなところへ顔を出すことでの人脈作りの2点です。
わからないことがある場合は、そのままにせず理解するまで有識者に確認をしたり、セミナーや研修、本での学習を実施したりしました。また、社内のイベントや懇親会などに積極的に出席して、顔を覚えてもらえるよう努めました。何度か話をするとすぐに仲良くなれるという生来の性格も手伝い、周囲からの信頼を得られました。この2点を意識することで巻き込む力も身につけられたように思います。
常に自分を客観視し、自分の特性を理解した上で確実に業務へ向き合う平野。その背景には、学生時代の苦い経験がありました。
部活に励むかたわら大学の体育会の会長も務めていた際、うまく立ち回れずにひとりで突っ走ってしまったことがありました。その経験から、周りに自分がどう映っているのか意識し、動くようにしています。
上司の教えが自分の働き方を変えた──ひとりで抱え込まず、協力を仰ぐことの大切さ
これまで順調にキャリアを歩んできたように見える平野ですが、失敗も少なくないと明かします。
2年目のころ、お客様へのシステム保守の提案時に提案内容の検討、資料作成がうまくいかず、何度も再説明を実施することになり、お客様側の決済スケジュールに影響を与え、お叱りを受けることがありました。お客様と最前線で相対する立場であることから、自分で抱え込んでしまったことが原因でした。
そんな平野が考え方を変えたのは、上司からの教えがきっかけです。
「無駄に悩むのはよくない。経験や知識がなく自分で答えが出ない状態で悩んで、時間が過ぎていくことは、プロジェクトとしても個人のストレス的にもよくない。自分に経験や知識がない場合は周囲を巻き込み、方針を決めていこう」と言われ、プレッシャーから開放されました。あわせて、周囲と一緒になって方針を決めていくために必要な情報や自分自身のWill、メリット・デメリットの整理はしておくべきだと指摘されたおかげで、自分がやるべきことも見えてきたんです。
それからは、自分だけでは解決できない課題が生じた場合は自分だけで抱え込まず、周囲を巻き込むことを意識しています。まず自分のWillを伝え、「こういうやり方がありますが、それに対してどう思いますか?」と判断を仰げるようになったことで、ストレスがなくなりました。チームとして腹がくくれるようになったとも思います。
そして現在、たくさんのステークホルダーと協力しながら仕事を進めている平野。周りを巻き込むこととは、コミュニケーションをとることだと認識し、打ち合わせの場を大事にしています。
時間内で何を話し、どう動きたいかを意識して準備するようにしています。箇条書きで今日話したいことやお客様からの情報をまとめておいたり、案を選ぶ際には資料に一覧を記載しておいたり、さまざまなステークホルダーがいるからこそ誰が見てもわかりやすい資料やスライドを用意することを心がけています。
一つひとつの経験を成長につなげ、めざすは価値を創出できるビジネスパーソン
現在チームメンバーのマネジメントも担っている平野。これまでと変わらず、巻き込み力を活かしながら推進していくことを大事にしている一方、周囲の動向に対するアンテナを鋭く張っていると言います。
たとえばお客様が新たに着任された際にはすぐ会いに行ったり、着任されてしばらくはとくにスピード感を持って対応したりすることを意識しています。そうすることでお客様からの信頼獲得につながり、一定の評価をいただけますから。お客様との関係性はプロジェクトの成功に影響するため、努力は惜しまないようにしています。
また、お客様に限らず、目の前の人が何を求めているのか察して動くことも重要です。仕事が回っていないようだったら、何かできることはないかと声をかける。こうすると相手が喜んでくれて良い関係性が築けることはもちろん、私自身も認められたと感じられて嬉しく思います。
そんな平野の胸にあるのは、NTTデータへの誇りです。
システムで日本を支えているNTTデータは、本当にかっこいいと思っています。IT業界では知られた存在ではあるものの、世間に対して大々的に広報活動をしているような企業ではありません。しかし、社会インフラに関するあらゆるシステムに関係していて、生活する中でNTTデータが作ったシステムに関わらないことはないだろうと思うほどです。そんな会社の一員として働いているんだという誇りは大きいですね。
今後平野がめざしたいのは、お客様のビジネスをゼロベースから理解・提案し、自らの発案で価値を生み出していける人財。一つひとつの経験を成長につなげていきたいと自らを鼓舞する日々です。
常に相手の一歩先を読み、先回りした対応でお客様や周囲の期待に応えてきた平野。スマートな立ち回りの裏には、たゆまぬ努力と冷静な自己分析の軌跡がありました。巻き込む力と上昇志向を武器に、平野はこれからのNTTデータをより高みへと導いていくでしょう。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2023年10月5日公開)より転載