医療系システムの開発・運用を通して、社会によい影響を与えられる仕事がしたい
木村は2018年にNTTデータへ入社後、一貫してヘルスインシュアランス事業部に所属し、医療保険システムの運用保守・追加開発に従事してきました。
大学時代は社会工学を専攻し、社会課題に対する工学的なアプローチやITの活用法、数理最適化の技術を学ぶかたわら、学生野球にも打ち込み、チームとして目標達成に向けて取り組みました。就職活動では、先端技術をいち早く取り入れられる環境で、社会により良い影響を与える意義のある仕事がしたいと考え、NTTデータへの就職を希望しました。
NTTデータは幅広い分野で大規模なシステムの構築を行っており、社会に大きなインパクトを与えられる仕事ができると考えたんです。希望職種はシステム開発で、とくに今後ますます重要な分野になってくるであろう医療系システムに携われたらいいなと思っていました。
入社後は医療保険システムの運用保守や追加開発をシステムエンジニアとして担い、2020年からはサブリーダー、2022年からはグループリーダーの任に就いています。現在は、チーム一丸となって運用保守を安定させながら、新入社員の育成にも尽力する日々です。
入社時の希望に近い領域のプロジェクトにずっと関わっていますが、1〜2年目はその中の一部の業務を受け持っていました。3年目からグループ全体を見て現場をリードしていく立場になり、5年目からは自身が携わる範囲がさらに広がって、大きな意思決定もしていくようになりました。
木村が担当している医療保険システムでは、日々の運用や保守対応を通年で行うのと並行して、追加で個別の開発案件が適宜入ってきます。そういった追加開発案件においても、確実に完了できるよう、起こりうるリスクを想定し、お客様の要求内容を洗い出してチームメンバーに共有して、各人のスキルを踏まえて作業の割り当てや指導を実施しています。
立ちはだかった壁──乗り越えられたのは実直に積み重ねてきた経験があったから
ヘルスインシュアランス事業部で着実に経験を積み重ね、周囲からの評価の高い木村ですが、決してここまでの道のりが平坦だったわけではありません。生来の真面目な性格で、頼まれたことは誰よりも早く丁寧に対応するところは木村の長所ですが、入社1〜2年目には当時の上司から「目立ちが足りない」とフィードバックを受け、悩んでいた時期があります。
自分としては目立たない業務をしっかりやっているつもりだったので、そう言われてもどうやって頑張ったらいいのかわからなかったんです。先輩のほうが知識も経験も豊富だったので、自分がそれを超えるものを出すのは難しいというマインドもあったのかもしれません。
なかなか突破口を見いだせず、方向性に迷っていた木村に変化が訪れたのは、3年目のことでした。当時の先輩が異動することになり、否応なく環境が変わったのです。「環境が人を育てる」という言葉があるように、木村が主体的に物事を推進していかないといけない状況になって、夢中で行動をするうちに知らず知らず壁を乗り越えていたのでしょう。
きっかけは環境の変化でしたが、立ちはだかる壁を突破することができたのは、木村がそれまで先輩の下で蓄積してきた経験という土台があったからにほかなりません。タイミングをしっかりと捉えて、それまで蓄えてきた力を発揮できた好事例といえます。
「どうしたら目立てるか」ではなく、そのプロジェクト、あるいは組織の発展のために自分には何ができるのかを自発的に考えられるマインドセットを持てるようになりました。
たとえ先輩や上司より知識・経験が少なかったとしても、今の立場、このレイヤーでできることは何かを考えて取り組めばいいんだと気づけて、一皮むけた気がします。
大事なのは、自分が目立つための正解ではなく、自分に何ができるかを考えること。その結果として成果に結びつくのだと気づいた木村は、より物事の本質に目を向けられるようになりました。
運用保守のプロフェッショナルとして、ミッション遂行のために「再現性の確保」も
3年目に先輩が抜けてから現在に至るまで、追加開発も含めて当該案件が安定稼働を実現し続けられたのは、木村がしっかりと現場を見ることができていたことが確かな支えとなっていたからです。
自分がプロジェクトに対して何ができるかを考えて課題抽出をし、プロセス改善などの施策を打って、より安定した運用に向けて活動できたことが、成長につながったと思っています。運用の自動化や集約化のための立案を行い、計画を立て取り組めたのも一つの成果です。
安定した運用保守と並行して追加開発も行い、さらに自動化というプロセスも進めるためには、手元の仕事だけを見るのではなく、未来に向けたビジョンも持つ必要があります。
自動化も含めて運用保守というプロジェクトには、一般的に「ITIL」と呼ばれているめざすべき姿が存在しており、研修で幅広い知識やノウハウを体系立てて学ぶことができました。また、私は運用をリードするITサービスマネージャーという社内資格も持っており、ITサービスマネージャーのあるべき姿とはどんなものかを日ごろから意識しています。
しかし、プロジェクトに向き合ったときは、いつも「こういうことをしたほうがいい」という一般論だけでなく、そのプロジェクトの特性を踏まえた判断、すなわち、知識に基づく理論と現場(お客様)の両方を見るようにしてきました。
木村は、安定した運用保守のために「再現性の確保」をとても大切にしています。安定したサービスを継続的に提供するというミッションを遂行するには、プロジェクトの管理者やメンバーが交代したとしても、問題なく運用保守が続いていくようにしなくてはなりません。
リーダーとして継続的な改善を推進するだけでなく、標準化・プロセス化といった意識をメンバー全員が持てるようなカルチャーを醸成することにも努める木村。属人化しない、再現性を持った運用や開発プロセスを作っていくことで、組織はより強くなっていくでしょう。
根拠に基づいた意思決定がチーム全体に浸透し、組織・会社への貢献につながっていく
グループリーダーになってから意思決定をする機会も増えてきました。リーダーとしての発言の重みを理解し、根拠に基づいた意思決定をするように心がけています。その時々で言っていることが違ったり、ブレていたりすると、メンバーとの信頼関係が崩れる原因になりかねません。そうならないよう、自分も納得し言語化できる理由を大切にしています。
こうした木村の姿勢は一貫しており、チーム外からの依頼でも、木村自身が納得できないことをメンバーに押し付けることはしません。依頼元に再確認し、「なぜそれをする必要があるか」をしっかり理解してから、合理的な指示をするようにしています。その行動が周囲からの信頼につながっているのは間違いないでしょう。
自分だけでなく、配下のメンバーにも根拠に基づいた仕事をしてほしいという木村の考えは、プロジェクトの方針としてチームに浸透しつつあり、メンバーの行動指針にもなっています。「こういうとき木村さんなら何を聞くだろうか」と一人ひとりが考えて動けるようになれば、再現性の確保につながり、プロジェクトの安定運用にも結びついていくはずです。
私はこれまで医療保険システムの運用保守・追加開発を幅広く経験してきました。 今後はそこからさらに領域を広げて、医療保険業界でニーズが高まっているデータの利活用を実現すべく、スキルアップに取り組んでいます。
中長期的には、医療保険系のドメインをベースに社会課題を解決できるような新しい仕組みづくりや、サービスの創出をしていくことで、キャリアを重ねられたらいいですね。
誠実さや責任感、新しいことへの探求心を持ち、社会によい影響を与えられる仕事がしたいという学生時代からの夢に向かって着実に歩みを進めてきた木村。これまで業務や研修を通じて培ってきた知見に加え、先端技術も柔軟に学び続け、さらなる挑戦をしていくのでしょう。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2023年9月20日公開)より転載