公共領域に強いNTTデータで、“社会の新しい当たり前”を作りたい
松田は2012年にNTTデータへ入社後、一貫してソーシャルセキュリティ事業部に所属し、年金に関する複数のシステムの開発に従事してきました。
大学時代は経済学部で文系の出身。テニスサークルの運営や団体戦の活動に打ち込み、チームとして目標に向かって頑張ることの楽しさをたくさん経験しました。
また、ITとはほとんど無縁の学生生活だったものの、当時交通系ICカードが広く普及し始め、デジタルの力で社会が大きく変わっていく瞬間を目の当たりにしたことでITの将来性を強く感じ、IT業界への就職を希望したと言います。
今後ITによって“新しい当たり前”が作られていくだろうと感じ、それなら大規模な企業で社会の仕組みづくりに携わりたいと思ったのがNTTデータを志望した理由です。公共領域に強いNTTデータなら、社会の“新しい当たり前”を作っていけると思いました。
また、あらゆる業種や業界と幅広く関わり、グローバルに展開していることも入社の決め手となりました。
入社後は年金に関わるシステムの要件定義から設計、試験までひと通りの開発工程を業務アプリケーションエンジニアとして担い、チームリーダーも経験してきました。現在は年金に関する業務支援システムの開発にまつわるプロジェクトのマネジメントを任されています。
担当システムにおける過去最大規模のシステム開発であり、総括担当として40名ほどの開発グループメンバーを率いています。社内はもちろん、お客様やステークホルダーとの調整窓口としてプロジェクトを成功へ導くことが現在の松田のミッション。現在のところ大きなトラブルもなく、プロジェクトは順調に進んでいます。
ここまで滞りなくプロジェクトを進めてこられているのは、開発の各工程においてどのようなリスクがあるか事前に抽出し、しっかりと対策がとれていたからだと思います。小さなトラブルが発生しても早い段階で報告・対処ができているので、大きな問題に発展することなく進めることができました。
また、各グループのリーダーからしっかりと報告が上がってくるというのも今回苦労が少ない理由のひとつかもしれません。報告してほしい内容や粒度についてあらかじめ各グループのリーダーと意識を合わせていたことが良かったと思います。
他にも、課題管理や品質管理等の各種管理運用についても開発着手時にきちんと整理し、周知・浸透を図っていたことが功を奏したのだと思います。
事前準備を徹底したことで、 今のプロジェクトでは円滑なマネジメントを実現できているという松田。しかし、過去には自身の未熟さに悩んだこともあったと振り返ります。
自らの力不足に焦り──業務グループでスキル習得したいと上司に直談判
入社して以来同じ事業部に所属し、年金に関連するシステム開発に従事していますが、システムは多様です。システムによってお客様の部署や開発手法が異なるため、スキルや知識を常にアップデートする必要があります。それを痛感したのが、入社して7年目に今と同じ総括担当として開発チームにアサインされたときのことです。
対象システムの開発手法がそれ以前に携わっていたものと大きく異なっていたため、これまでの開発経験を活かした調整対応がうまくできないと感じていました。メンバーが実施している具体的な作業内容がイメージできないため、踏み込んだ議論や調整によって課題解決に導いていく役割が果たせず、他のグループに頼らざるをえないことが多くありました。
自らの力不足を感じた松田がとった行動は、業務グループに入れてほしいという上司への直談判でした。
入社1年目から自分の手を動かし、開発の経験を積んできました。しかし、年次が上がるにつれてマネジメントの役割も求められるため、どうしても手を動かす機会は減ってきてしまいます。そのため、「今この開発で具体的な作業経験を積んでおかなければ、今後ますます経験を積むチャンスがなくなってしまう」という危機感を覚えるようになっていました。
そこで、上司にその課題感を伝え、サービス開始までの半年間は業務グループのチームリーダーとして知識やスキルを習得させてもらうことになりました。
わからないことはとにかく周囲に聞くように努め、100%の理解は難しかったものの要所をつかみながらやり遂げられたと松田は振り返ります。そして、この経験は確かな糧となり、現在の業務に活きています。
メンバーの業務内容に踏み込んだ具体的な議論や調整をしつつ、全体を引っ張っていけるようになったと感じています。複数システムの開発作業を経験したことで勘所をつかむことができ、新しいシステムにおいても一歩踏み込んで議論をリードできるようになりました。当時は非常に悩んでいて周囲の同僚にも相談した上での直談判でしたが、今となっては正解だったと思っています。
個人のwillに耳を傾けてくれる環境で、キャリアを自ら切り開いていける
これまでずっと年金に関わる領域で経験を積み重ねてきたことで、松田はあらゆる領域で活かせる強みを得られたと感じています。
年金システムは、ミッションクリティカルで非常に高い品質が求められるシステムです。ゆえに部署には大変多くのノウハウやプロセスが積み上げられています。そういった環境で開発の経験を積んできたことで、どこでも通用するスキルが得られたのではないかと自負しています。
高品質なシステムを開発できるノウハウやスキルがあれば、たとえば「コストを下げてほしい」、「早く作ってほしい」といった顧客要望に対して、品質確保のために必要な作業の全量は把握できているので、そこから要望を満たすために何を捨てればいいかという引き算の考え方で必要な作業を選定して対応することができると考えています。これまで培ってきた開発スキルは、年金のシステムだけでなく、その他の領域でも十分に活かせるはずです。
国民の生活基盤を支える重要なシステムの開発に携わり、やりがいを感じながらこれまで業務に向き合ってきた松田。長年にわたりキャリアを重ねてこられたのは、NTTデータの魅力的な風土も大きく影響していると話します。
まず、キャリア選択の幅広さという点が挙げられます。携われる業種や業界が数多くあるという点はもちろんですが、最近では「キャリアは会社から与えられるものではなく、自分で選ぶもの」という考え方が重視されるようになっています。
自分が望んでやりたいことをやれている人がいちばん成果を挙げられると思いますし、結果的に会社にも利益がもたらされることになりますから。そういった想いを支援する制度や仕組みがNTTデータでは多く整えられています。
また、「こんなことをやりたい」という個人のwillにしっかり耳を傾けてもらえる環境があることも魅力です。私自身、願い出てグループを異動させてもらいましたが、こういった例は社内でめずらしくはありません。チャレンジできる環境があり、誰もが等しく活躍のチャンスを与えられているのではないでしょうか。
他にも、コロナ禍において迅速にテレワーク環境の整備が進んだり、有志での勉強会が盛んに実施されていたりと社内のポジティブな風土について挙げる松田。ここまでの道のりは、業務内容の魅力だけでなく、企業風土にも支えられてきたものだったのでしょう。
めざすは提案から開発まで一気通貫で携われるPM
また、松田は「自らアクションする熱量の高い人が多いこともNTTデータらしさ」だと感じています。それは自身が挑んだある取り組みから感じられたことでした。
コロナ禍で社内のコミュニケーションが減っていたころ、有志メンバで社内ラジオをやってみようという企画があり、私も誘われたんです。台本を作り、新入社員や事業部長、経験者採用の人、裁判員を経験した人、副業をしている人などを毎回ゲストとして呼び、司会として番組の進行をしました。
週1回30分の番組として昼休みに放送し、BGMを流したり、放送中にリアルタイムでコメントやリアクションを募集したりして、双方向で楽しめるような工夫をしました。通常業務もありつつの活動でしたので、決して楽ではありませんでしたが、活動自体はとても楽しく息抜きにもなりましたし、毎週楽しみにしていますと応援してくれる方も多かったので、1年弱ほど継続することができました。
日々の業務だけでなく有志での活動にも注力するパワフルな松田の原動力は、「周囲からの気持ちに応えたい」という思い。自分の仕事ぶりを評価してもらえたり、周囲からの信頼を感じたりすることが意欲的な行動に変換されています。
そんな松田の現在の目標は、PM(プロジェクトマネージャー)として成長することです。
PMのスキルは、どんな領域でも通用するポータブルなスキルであると考えており、これまでの開発業務の経験も活かし、よりスキルアップしていきたいです。将来的には、お客様へ能動的に新しいサービスを提案し、開発まで一気通貫で携われるようなPM人財になることをめざしています。また、ひとつのシステムだけでなく、関連するシステムも含めて全体として最適な姿を提案できるような人財でもありたいと考えています。
目標の実現のため、将来的に重要なトレンドになると考えているUXや機械学習、セキュリティなどの入門的な資格を取得しました。今はプロジェクトマネジメントに関する資格取得に向けて勉強中です。また、周囲には尊敬すべきPMの先輩方が多くいるので、普段の業務を通して手法や視点を学びとりながら成長していきたいですね。
自らがめざす姿への道筋をしっかりと描き、時には別の道を選択しながらも松田は着実に歩みを進めてきました。そして、今ではプロジェクトを成功へと導くかけがえのない存在として周囲に良い影響を与えています。
ミッションクリティカルな領域で重ねた経験と積み上げたスキルを糧に、松田はこれからもNTTデータで“社会の新しい当たり前”づくりに挑んでいくでしょう。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2023年9月11日公開)より転載