「ものづくりが好き」という思いを胸に、公募制度を活用してNTTデータへ
2020年にNTTデータへ入社した久保は、公共・社会基盤事業推進部にて技術戦略を担当しています。前職は同じNTTグループ会社であるNTTコムウェアです。
学生時代には情報工学やシステム工学を学んでいました。所属していた軽音楽部で部室の予約ツールや部員同士のチャットツール、バンドのホームページなどITの技術を使ったものづくりの経験もあり、就職活動ではIT業界を希望していました。中でも、お客様へのヒアリングを通してより良いシステムを作っていく仕事に魅力を感じ、NTTグループのシステム開発を担うNTTコムウェアへ2011年に入社しました。
入社後はソフトウェアアーキテクトを軸として、中・大規模なシステムを中心に開発を担当。その後、社内のジョブローテーション制度にともなってソリューション営業にも従事します。上司や周囲にも恵まれ、これまでの技術職とは違った視座や視野を新たに獲得できる機会となりました。
とても良い経験だったのですが、根にあるのはものづくりが好きな気持ちなので、もう一度技術畑へ戻りたくなりました。そんなときに知ったのが、NTTグループ内で異動できるジョブチャレンジ制度です。現在所属している技術戦略を担う部署が公募していたので、思い切って挑戦してみることにしました。
その後、念願叶って久保はNTTデータへ転籍することになりました。最初の1年は公共領域のシステム開発において、ソフトウェアアーキテクトとして参画支援することに。そこで久保は最先端の技術に触れる機会を得ます。
当時まだ目新しかったマイクロサービスアーキテクチャを採用したクラウドネイティブなシステム開発の技術支援を担当することになりました。そのおかげで基盤や運用レイヤーの知識を得たり、開発をより正確に効率よく進めるCI/CDの手法について学んだりとこれまでにない経験を積むことができました。
新たな技術を手にし、広がった視野──より高みをめざし、上流工程に挑戦
もう一度技術分野に戻りたいという思いが満たされ、さらにトレンドの技術に触れられたことで自らの守備範囲も広がり、大満足だったと久保は振り返ります。さらに、これらの経験を経て、次は上流工程に関わってみたいと思うようになりました。
上司にその思いを伝えていたこともあり、2021年から住民参加型スマートシティの新規ビジネス開発プロジェクトに関わることになりました。ほぼ立ち上げ時期から携わり、現在も取り組んでいる最中です。
具体的には「みんなのスマートシティ」(以下、みんスマ)というスマホアプリを通して地域活性や環境配慮を促すしくみづくりを行っています。NTTデータだけでなく、自治体やインフラ企業、ディベロッパーなどと連携して実証実験を行っています。
みんスマは、燃えるゴミの量を減らしたり、省エネクッキングにチャレンジしたりといった様子の写真をアプリ内でシェアすることでポイントを獲得でき、インセンティブをもらえるアプリです。今年度の実証実験ではプロスポーツリーグと協業し、環境に配慮したスタジアムグルメを食べたり、試合後にゴミ拾いをしたりすることでポイントを獲得でき、そのポイントを使って好きなチームへの応援活動ができる機能を備えました。
久保は、みんスマ開発チームのリーダーとして、技術面から新規事業開発をサポートしています。それだけでなく、実証実験の企画から運営まで幅広く携わっています。
プロダクトオーナー(PO)と連携しながらアプリ開発を進めています。実証実験を実施する上で技術的なアドバイザーとして、今のリソースで開発できるのかといったことをPOと議論し、行動に移していきます。
また、参加している広告代理店や戦略コンサルタントの方々へ技術的なアドバイスをするとともに議論を深めながら実証実験の具体化を進めています。
新しい業務にもこれまでの経験を応用しながら向き合っているという久保。もちろん求められる新たなスキルや知識も多く、さまざまな努力を重ねてきました。
ポジティブな姿勢で自らの可能性を切り拓き、プロジェクトを加速していく
今回のプロジェクトは、2週間をスプリント周期とするアジャイル開発を採用しています。このような本格的なアジャイル開発は初めての経験なので勉強したり、スクラムマスターに徹底的に聞いたりしながら進めてきました。
また、あわせて久保が注力したのがリーダーシップです。ベテランや高いスキルを持つメンバーがいる中、どうすれば新参者である自分がリーダーとしてメンバーのモチベーションを高く保ち、生産性を上げられるのか必死に考えたと振り返ります。
意識したのはエンジニアから信頼してもらえる環境づくりです。たとえば、私を含めてエンジニアもリモートワークでしたが、常に音声をつなぎっぱなしにしていました。これは、エンジニアからの質問に対してすぐに答えられ、手を止めてしまうことがないようにするためです。作業しやすい環境をつくることで信頼関係の構築に努めました。また、2週間で作り込む機能や画面についてPOとしっかり決めることで無駄な工数を出さず、エンジニアの生産性が下がらないように努めました。
こういった工夫のおかげか、あるエンジニアの方からこれまでの仕事を振り返る機会に「久保さんは一緒に仕事がしやすいリーダーでした」と言ってもらえたんです。すごくうれしかったですね。
努力の甲斐あってチーム間の連携は円滑に進められたものの、苦労したのが企業間の関係性です。実証実験に一緒に取り組んでいる企業とは、対等に事業を進めていく関係であり、それは久保にとってこれまでにない経験でした。
中でも、それぞれにめざす方向性が異なる中、お互いの役割やスケジュールを決めながら進めていくことに非常に苦労したと話します。そこで久保が意識したのは、自ら提案する攻めの姿勢でした。
スケジュール、アーキテクチャの案、いずれも先んじて提案することで議論の主導権を握ろうと考えたんです。待ちの姿勢ではなく攻めの姿勢でどんどん提案し、話し合いをリードするように心がけました。
新規ビジネスは答えがない中で進めていかなければならず、先頭を切って意見を言うことはためらいがちです。しかし思い切って提案することで議論をリードできるだけでなく、プロジェクトの加速にもつながったと思っています。
選択肢の多さがNTTデータの魅力──やりたいことに挑戦できるチャンスがきっとある
新たな領域でも活躍を続ける久保ですが、自身の努力だけでなく周りのメンバーに恵まれたことも大きな要因だと話します。
とくにPOからは多くのことを学びました。先方に何か依頼する際に一方的にこちらの言い分を伝えるのではなく、相手の意図を汲み取りながら交渉するやり方には脱帽しました。相手に寄り添うことで心証を損ねず、かつ相手のモチベーションも上げられるようなやり方で、私もエンジニアの方と接する際の参考にさせてもらっています。
技術力やディレクションスキルに長けたメンバーとともに日々学びながら業務に向き合っているという久保。今後もNTTデータという魅力的な環境で、まだまだ前進していきたいと意気込んでいます。
流行り廃りに関係なく、ニッチな技術に対してもしっかりと投資してくれるのがNTTデータの良いところだと思っています。そういった技術要素でももちろん価値を生み出す必要はありますが、選択肢が多いという意味で魅力的です。
また、NTTグループ全体で考えると、チャレンジできないことはないと思っているんです。ITや通信の領域を担うNTTは、あらゆる業界とつながっていますから。私がNTTコムウェアから異動してきたように、スキルやチャンスがあればグループ間での行き来も可能です。やりたいことがある方にとっては、NTTデータはそれを叶えられる場になるのではないでしょうか。
今後めざしたいのは、新規ビジネスをより加速できる人財だと話す久保。技術力を軸に、ビジネスやサービスデザイン、マーケティングなど全方位からディレクションできるようなスキルを身につけたいと考えています。
オープンマインドな姿勢と強いリーダーシップを持つ久保は、確かな技術力を武器にNTTデータという土壌で自らの可能性をどこまでも広げていくでしょう。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2023年8月23日公開)より転載