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若手エンジニアが潜入!『CAMPFIRE』で見たコミュニティ活動への期待と広がる自律学習の輪

テクノロジーの進化や顧客ニーズの変化に応え続けるための学習手段の一つとして、いま社員の中で盛り上がりを見せているのがコミュニティ活動。画一的な研修ではなく、社員同士が興味の方向性に基づいてネットワークを形成し、ともに刺激を受けながら自律的に学ぶ活動です。
社員同士の新たな「つながり」の創出や、組織に新しいカルチャーを育むための取り組みとして開催されたイベント『CAMPFIRE』でも、コミュニティ活動に関するプログラムが賑わいを見せました。今回は、若手エンジニア・南の視点から、当日の様子をレポートします。

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個性豊かな100を超えるコミュニティ! 自分にマッチするものがきっと見つかる

2024年8月22日、NTTデータ品川ビル内「東京コンファレンスセンター・品川」にて朝10時から開催された本イベント。当日は一時小雨が降るやや不安定な天気でしたが、会場はたくさんのNTTデータグループ企業の社員たちで賑わいました。
会場内の3つのステージで、コミュニティ活動をはじめ「つながり」というテーマを軸としたさまざまなトークイベントが催されており、来場者は各ステージを自由に行き来できる仕組みです。目当てのテーマを聞き逃すまいと、パンフレットを片手にスケジュールを組みながら回遊する様子は、まるでフェスのよう。社員たちがワクワクした様子で行き来していました。

【Power of Community】

私はまず大ホールで実施された「Power of Community ~可能性が広がる場~」の講演を聴講しました。

パネリストは個性豊かな4つのコミュニティのリーダーたちと、C&A変革本部野崎副本部長。そして、活性施策の伴走支援を務めたPotage株式会社代表・河原あずさ氏がファシリテーターとして登壇しました。『CAMPFIRE』というイベントタイトルに合わせて、ハットやスニーカーなどキャンプ風の服装でそろえる凝りようで、この場を思い切り盛り上げようという熱を感じます。

トークセッションは、活性施策の歩みや成果、各コミュニティの活動内容や運営スタンスといったテーマに沿って展開されました。来場者は聞き手にまわるだけではなく、ステージからの投げかけに対してアプリ上でレスポンスをすることができます。システムのおかげで気軽に質問や感想を伝えられました。投稿したコメントはリアルタイムでスクリーンに投影され、登壇者のトークのきっかけになることも。ステージ上と会場との双方向コミュニケーションによって一体感が生まれ、時折笑い声が上がるような、和やかなセッションとなりました。

来場者のコメントはワードマッピングでスクリーンに投影。多くの共感の声も聞かれました。

現在、NTTデータ全体では100以上のコミュニティがあり、その半数以上が技術にまつわるものだそうです。参加者は延べ3万名超。これらの数値だけでも、活動の盛況ぶりがうかがえます。

登壇者がリーダーを務めるコミュニティは1000名を超える規模のものもあり、それだけの人数がいるからこそさまざまな情報がコミュニティに集まるのだとか。「情報のハブとなる場としてコミュニティを活用してほしい」と各リーダーが口をそろえる通り、社内外の枠にとらわれることなく鮮度の高い情報が活発にやり取りできるのもコミュニティの利点ですね。
加えて、コミュニティ活動をどのように活用しているのかについては、各リーダーによって方針にそれぞれのカラーが出ている点に多様性を感じさせられました。

「さまざまな情報が集まるので、スキルアップできるのはもちろん、コミュニティを活用すれば外部とのコラボレーションにもつなげやすいですね。カジュアルに横のつながりを持てる点がコミュニティ活動の良いところです」(小木曽信吾さん/BDS(Business Design Sprint)コミュニティ/テーマ:新規事業)

「私にとってコミュニティは“欲しい情報が集まる場”。知りたいことを質問すれば必ず誰かが答えてくれますし、今まで話したことがない方とも気軽にコミュニケーションが取れます。会話が盛り上がっているのを見ると“こんなに情報が集まっている”と達成感を感じたりもしますね」(宍戸りささん/デジタルアイデンティティコミュニティ/テーマ:技術情報キャッチアップ)

「私たちのコミュニティは“ビジネスを大きくしたい”という目的意識で活動しています。NTTデータ内でsalesforceビジネスに関わる方の価値を上げていく、そのための情報を発信していく……というのがモチベーションです」(森由梨香さん/Salesforce Trailblazers/テーマ:ソリューション・ビジネス活性化)

「私が運営しているコミュニティは、各コミュニティのリーダーたちが運営の悩みを率直に語れる場を作るために立ち上げました。リーダー同士がつながれる環境としてはもちろん、実は中途入社間もなかった私自身の人脈を広げる場にもなりました」(荒川和教さん/Community leader‘s community/テーマ:人材交流、ノウハウ共有)

気になるコミュニティを複数掛け持ちしている方も多いそうです。

来場者とのやり取りで印象的だったのは、「コミュニティへの参加で感じたメリットは?」という投げかけに対し、「社内コミュニケーションのハードルが無くなった」というコメントが共感を集めていたことです。確かに、コミュニティのチャットで名前を見かけたことがあるだけでも、協業するときに気軽に話し掛けられることは私も覚えがあります。そして、それは情報共有を滑らかにするためにも大切なこと。事業部や社を越えてカジュアルにつながることで、素早く必要な情報にアクセスでき、結果として組織全体の技術力向上につながる……といった話が展開されました。コミュニティ活動の目的の一つである事業部ごとの垣根の解消、「自分の限界を組織の限界にしない」状態づくりは、順調に達成されていると感じました。

ほかに挙がったのは、「コミュニティの看板を活用することで、社外を含めた人・他組織へのアクセスが気楽になる」「普段は遠慮して声をかけづらいベテラン社員を気軽に巻き込める」などの声。メンバー同士だけでなく、それ以外の人との交流・情報交換もしやすくなるんですね。
また、中には「コミュニティで発信するために、情報収集の精度が上がった」「アウトプットの質が向上した」との声も聞かれ、コミュニティ活動には人間関係が拡大することによる精神的なメリットと、スキルアップの上での実利的なメリットの双方を感じている方も多いのだということも感じられました。

セッションの最後には会社からの新しいコミュニティ支援制度の発表も行われ、会場は大いに盛り上がりました。
NTTデータグループ全体の約20万人もの社員の“個”の力が束になることで生まれるパワーは、自分自身と組織の可能性を拓いていくためにもより重要になっていきます。社内外のハブとなり組織を活性化させていく役割として、コミュニティの存在感はこれからもっと大きくなっていくはずです。

それぞれの学びへの姿勢や楽しそうなコミュニティの取り組みをたくさん知ることができ、あっという間に感じられた1時間半でした。

コミュニティをきっかけに、自分の可能性を広げるチャンスをつかむ

【Community Table】

コミュニティ参加への思いを新たにして大ホールを出ると、たくさんの来場者がテーブルを囲んで交流していました。初対面の人に話しかけるのはハードルが高い……という人のために、さまざまなツールや仕組みが用意されており、コミュニティ活性化への熱度の高さを感じます。
たとえば、そのうちの一つがノベルティ。来場者同士で会話することがポイントになり、点数に応じてノベルティと交換できる仕組みです。これなら、ぐんと気軽に声をかけられますね。私もたくさんのエンジニアの方とコミュニケーションができ、お目当てのノベルティと新しいつながりをゲットできました!

皆で使えるグッズがあると、コホート学習という輪でつながっている気持ちになれますよね。

私が所属するコミュニティ『GCA(Google Cloud Accelerators)』のパーカーを着て歩いていたところ、他のコミュニティの皆さんが「GCAさんですよね」と話しかけてくれました。最終的には10名ほどの輪に発展。個人だけでなく、コミュニティ同士での交流ができる貴重な機会でした。

【Lightning Talk】

午後に参加したのは、ライトニングトークというステージ。大ホールに比べると小さく客席は30席ほどですが、その分登壇者との距離が近く身近に感じられるうえ、途中からでもカジュアルに立ち寄れる雰囲気です。15分間~30分間という短い間隔で登壇者が入れ替わりながらさまざまなテーマが展開され、それに合わせて客席もめまぐるしく入れ替わります。お目当てのテーマに合わせて聞きに来る人、通りがかりに興味をもって立ち止まる人、スタンスはそれぞれですが、みんなうなずきながら意欲的に聞き入っていました。

さて、実はこのとき、午前とは違って少し緊張していた私。なぜなら、「GCA徹底解剖/PTE2025に向けて~PTE2024受賞者による成果とPTE 2025志望者による抱負~」というテーマで、GCAの一員として登壇することになっていたからです!
ここでのトークは、GCAの普段の活動内容と、その成果の一つであるPTE(Google Cloud Partner Top Engineer)の輩出について紹介するという内容でした。
GCAはGoogle社の方もメンバーになっている、外部とのつながりが強いコミュニティ。月ごとの勉強会やMeet Upで最新技術の情報共有を行っているほか、さまざまなイベントを通してGoogle社との交流を行っています。個人ではなかなかできないことでも組織単位でなら実現できるという点も、コミュニティに参加する大きなメリットですね。

トップエンジニアを目指す目標についても語らせていただきました。

コミュニティへの関わり方は人によってさまざま。一緒に登壇した先輩の近藤さんは、イベントでの登壇などGCAをアウトプットの機会として主に活用しているそう。私はというと、どちらかといえばインプット派。コミュニティで共有された情報に触れたり、勉強会に参加したり。技術ブログの書き方が共有されているのを見て、実際に書いてみたこともありました。
既にPTEに認定されている近藤さんは、上記のようなアウトプットの機会自体が、PTE認定のためのアピール材料になるということにも触れられていました。私も次回PTE2025の認定を目指しているので、今回の登壇を含め、アウトプットを増やしていきたいと思います!
人によってコミュニティに求めるものが違うからこそ、周囲の人に刺激を受けて自分の行動を変えるきっかけになることもあるかもしれません。普段の業務を越えて成長の機会をつかむこともできるはずです。

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今回は私・南の視点でレポートしましたが、当日は他にもたくさんのトークセッションが各ステージで展開されていました。当日別のセッションに登壇していた佐々木社長からは、「このようなイベントをきっかけに、新たなコミュニティが生まれ、そのコミュニティの中でさまざまな刺激を与えあい、新たな知恵を生み、お客様への提供価値を高められたらよいと考えている。多様性を総合力につなげ、より魅力的な企業グループとしてお客様・社会に貢献していきましょう」というコメントもありました。現場からボトムアップで盛り上げ、より魅力的な企業にしていこうという意気込みと期待が感じられるイベントで、登壇者も来場者も、前のめりな様子が印象的でした。

興味の方向性やスタンスがマッチする仲間と集まって、情報を共有し合い、刺激を与えあうことができるコミュニティ活動は、効率的・継続的な自律学習の助けになります。お客様のため、自分のスキル研鑽のため、そして何よりこれからも楽しんで学び続けるために、コミュニティを活用していきたいと感じました。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです