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かつての志望業界を、ITの力で変革する。NTTデータで知った社会を支える使命感と、人とつながる営業の楽しさ

「実を言うと、NTTデータという企業を初めて知ったのは就職活動も後半に差し掛かった頃。それまでは、自分がIT業界で働くとは思っていませんでした」
社会に絶対なくてはならないものを扱う使命感を持ちたいと、当初ユーティリティ業界をめざした学生時代の元山 渚は、ある偶然をきっかけにNTTデータへ入社。公共・社会基盤分野に配属され、電力自由化というかつてない変革期のなか、かつて志望したユーティリティ業界の経営課題に向き合う仕事に関わります。プロジェクトの成功も然り、その過程で育まれる人との信頼の構築こそが仕事の面白さと語る元山。彼女のここまでの道のりと、大切にする仕事観を紐解きます。

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“うっかり”から始まった、NTTデータとの出会い

学生時代は農学部で海洋生物環境学を専攻していた元山。特に、ジュゴンの鳴き声についての研究をしていました。

「将来はイルカのお姉さんになりたい!」と言っていたほど、子どもの頃から海の生き物が大好きでした。ジュゴンの研究が好きだったので大学院に進むことも考えたのですが、もっと自分の知らない世界に飛び込んでみたいという気持ちもあって。考えた末に就職活動をすることにしました。

研究していた海洋生物の環境保護に貢献できそうであること、生活に欠かせない社会インフラを担えば使命感を持ちながら仕事ができることを感じ、元山は電力・ガスといったユーティリティ業界を第一志望としていました。IT業界は特段考えていなかったといいますが、思いがけない出来事からNTTデータを知ることになります。

大学内を歩いているとNTTデータの企業説明会が開催されていて、ふらっと近づいてみると間違えて面談ブースに入ってしまったんです(笑)。慌てて出ようとしたのですが、社員の方に「来週も説明会をするので、よかったら来てください」と声をかけてもらって。それが当社との出会いでした。

不思議な縁を感じ、NTTデータについて調べ説明会にも参加したところ、当初は気付けなかった領域への視界が開けたと話します。エネルギーや交通が社会インフラといわれるように、現代ではITシステムも暮らしに欠かせない重要な要素のひとつです。元山が就職活動の軸としていた「使命感」を、NTTデータでも感じられると考えました。

NTTデータに強く魅力を感じた理由は2つあります。1つは、ビジネスの裾野の広さです。グローバル企業であるだけではなく、あらゆる業界を顧客にしていることを知りました。さらに自社の製品やサービスありきではなく、多種多様なソリューションを組み合わせながら顧客の求める最適解を実現することを価値とする考え方にも共感しました。もう1つは、人です。面談や選考を通じて多くの社員さんと話をするなかで、真面目そうでも堅苦しくはない。それでいて一人ひとりに熱意を感じる。そうした人柄から見える社風にも興味と期待感を持ちました。

業界というよりも、NTTデータに関心が湧いたと当時を語る元山。最終的にはIT業界で唯一エントリーした同社を、自分の会社に選びました。

再編に揺れる電力業界に、ITができること

公共・社会基盤分野内のビジネスプロデュース事業部は、電力・ガス・交通・通信業界の法人や関連する省庁を顧客に、ITを通じたビジネス変革を促す営業組織です。元山は入社から現在までこの組織に所属し、主に電力関連のお客様を担当してきました。なかでも、元山が2年目からフロントに立ち、長く関係を築いてきた某電力グループの小売部門のお客様には強い思い入れがあります。

このお客様にはこれまでさまざまな施策を提案し、実際に形にしてきました。例えばオンラインで行う引越し手続きや月々の料金確認システムのリニューアル、AIチャットボットやAmazon Connectを活用した受付領域の高度化・効率化などです。電力小売業ということでエンドユーザは、一般消費者様。そうしたユーザがどうすればサービスをより便利に、心地よく利用いただけるかをお客様とともに考えWeb領域でのタッチポイントを増やす施策を進めてきました。

2016年の電力自由化以降、大手電力各社にとって重要な経営課題はエリア内の既存顧客の堅守と、乗り換えによる新規顧客の獲得です。電力は社会インフラであるがゆえに供給やコストでの他社との明確な差異化は難しく、昨今ではUI/UXに優れたWebサイトやスマホアプリのリリースなど、エンドユーザの体験価値をいかに高めていくかが戦略の主流になりつつあります。

元山が初めてこのお客様の担当についたのは2016年。まさに業界全体が自由化で揺れる只中でした。今後は新規参入の他社にも劣らないスピード感で世の中に新しいサービスを届けていかなければならないと考えた元山は、まずNTTデータによるアジャイル開発の体制構築やクラウド環境への移行を提案しました。

「変わっていかなければならない」という意志をお客様と共有していたとはいえ、前例がない試みを促すこの提案は、一筋縄ではいきませんでした。

アップデートが前提とはいえ、社会インフラを扱う企業として開発手法を大きく変更して良いのか。これまで自社内管理を基本としていた大切な情報資産を、クラウドで運用しても問題ないのか。お客様の懸念や、検討すべき課題は少なくなかったと言います。

提案を前に進めるべく、他事業部とも連携して事例を集め、お客様の経営層向けの資料を自ら作り、説明に足を運びました。加えて、提案した体制がNTTデータ全社を見渡しても初の形だったため、財務・法務の面で自社内の調整もしました。1つのことの実現のために各所の関係者と目線を合わせていく仕事は時に苦労もありましたが、ユーティリティ業界の新しい一歩を伴走しながら支えられている手応えを感じることができました。

お客様の現場サイドと細かく合意形成を図りながら、提案は約1年をかけて締結に至りました。この体制の構築が、以降のさまざまなWebサービス開発に大きく貢献しています。

営業は、「人間関係の贅沢」を噛みしめられる仕事

フランスの作家、サン=テグジュペリの小説『人間の土地』のなかに、元山が座右の銘としている一節があります。

「真の贅沢とはひとつしかない。それは人間関係の贅沢である」
営業は人対人のやり取りの連続。多くの仲間やお客様と交流を図り、それぞれの信頼関係を構築しながら1つの大きな目標に向けて進んでゆくNTTデータの仕事に、元山はやりがいを感じています。

もともと営業の仕事には、自社製品を多く売ってくる、提案で多くの受注を獲得してくるといったような「数」が問われるイメージを持っていました。しかしNTTデータの営業はそのイメージとは異なります。1社1社との長いお付き合いのなかで、お客様のことを深く知る。そのうえで私たちに何ができるかを考えて提案し、ビジネスを前進させるのです。

もちろん、受注できたときやプロジェクトが完遂した瞬間はうれしいです。一方で、その過程で時に苦労もしながら築けた人間関係が私にとって何よりの喜びで、その先にも長くつながっていく自分の宝物になると感じます。

元山は、約1年間の産休と育休を経て今年5月に職場復帰しました。復帰後にお客様先へ訪問した際、自身がこれまで大切に積み上げてきたものの手応えを強く感じる出来事があったと言います。

かつてアジャイル開発の体制構築プロジェクトでご支援した電力グループの小売部門のお客様に、このあいだ訪問したときのことです。約3年ぶりにお会いしたのですが、当時の担当者様から「元山さんおかえり。戻ってきたんだね!」と声をかけてもらえて。何気ないひと言ではあるのですが、時間が経っても私のことを「NTTデータの営業さん」ではなく「元山さん」と認識してくださっていることがとてもうれしかったです。

お客様との交流だけではなく、同僚との信頼関係も元山にとって大きな支えとなっています。育休からの復帰後は裁量労働制を活用し、早朝出勤・夕方早くに退勤するワークスタイルをとっています。朝の時間帯に書類のレビューなどの個人作業が捗るよう、同僚たちは前日までに元山への依頼事項をまとめておいてくれるようになりました。

NTTデータの人財はとにかく「人が良い」に尽きると思っています。子どもがまだ1歳前という今からフルタイムで勤務できているのは、周囲の皆の協力や目立たない部分での細かい配慮があってこそです。新人時代も、メンターだった先輩社員が私の仕事が終わるまで帰らずにアドバイスをくれていました。一番忙しかった時期に、その先輩と終電めがけて一緒に走ったことは良い思い出です(笑)。

出会う人々との関係を大切に、入社から一貫して公共・社会基盤分野でのキャリアを積んできた元山。今後も培った知見やつながりを活かして、この分野のお客様に次の価値を届けたいと力を込めます。

学生の頃から志望していたユーティリティ業界を相手に、好きな営業の仕事を続けられていることが幸せです。今後はより一層、単にシステムを売る営業としてではなく、システムを活用したビジネスパートナーとお客様に捉えていただけるような人になりたいです。めざすのは、お客様がITを駆使して何かを変革したいとき、「まずは元山さんに相談してみよう」と頼っていただけるような人財です。しかし自分の理想と比べると、知識・経験両面でまだ足りていないことだらけ。一つひとつの仕事に丁寧に向き合い、お客様の課題を同じ目線に立って解決していきたいです。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです