キャリアを支えるスキルや知見を身につけた、大規模開発での経験
2011年にNTTデータへ入社した宮崎は大手通信会社をお客様として、キャッシュレス決済サービスの利用促進を目的としたプロダクトサービス開発を担当しています。
学生時代は商学部でITとビジネスの関係性について研究し、「今後ITは社会においてより必要性を増していくはずだ」という思いを胸に、就職活動に取り組みました。
社会をより便利に、暮らしやすくするのに役立つITの可能性を感じていたところ、まさにNTTデータの企業理念が“ITを使って社会課題解決をめざす”というものだったので、共感して入社を決めました。また、大きい会社ほど仕事の規模も大きくなり、チャレンジのしがいがあると考えたことも理由のひとつです。
入社後に配属されたのは、大手通信会社の顧客管理システムの開発プロジェクトでした。非常に規模が大きいミッションクリティカルなシステムで、右も左もわからない状態だったと当時を振り返ります。
社内や協力会社を含め、温かくサポートしてくれる方々が周囲にいたので、とにかくたくさん質問をして助けてもらいました。そうしているうちに、やれることが少しずつ増えていったんです。
また、開発における技術の基礎を叩き込まれた時期でもありました。先輩や上司からレビューをもらい、繰り返しながらスキルを自分の中に落とし込めたと思っています。現在の仕事でも活きている、自分の根幹となっているスキルです。
5年ほど開発を担当した後、宮崎は異動となります。そこでビジネスインテリジェンスツールの調査や営業支援業務を1年ほど経験した後、再度同じプロジェクトへ戻ることに。しかし以前とは違い、即戦力となることを期待されての異動です。
チームリーダーとしてメンバーを率いるポジションを任されました。以前に比べて担当範囲が広がり、これまでの経験や知見を活かしながら取り組めたと思います。
同じシステムに長きにわたって携わり、経験を重ねてきた宮崎。少しずつ胸に浮かぶようになってきたのは、新しいチャレンジをしてみたいという思いです。
自ら望んだ環境で新たな挑戦──感じたのは正解がない中で答えを導く難しさ
これまでバックエンドの開発に長く従事してきたので、エンドユーザーの目に見えるサービス開発に挑戦してみたいと思ったんです。上司に相談したところその思いを汲んでもらえて、現在のプロジェクトに参画することになりました。
異動した先のプロジェクトは、お客様は同じ大手通信会社だったものの、これまでとは規模や開発手法が異なるものでした。自ら望んだ環境でありましたが、やはり最初は戸惑うことが多かったと話します。
スピード感が大きく異なりました。これまでは半年かけて開発するようなプロジェクトでしたが、ここでは案件が入ったら3カ月でサービスインに漕ぎつけます。さらに、2週間ごとのサイクルを繰り返すアジャイル開発にも初めて携わり、わかってはいたものの、非常に大変でした。
研修などでアジャイル開発に関する知識はあったものの、実際に手を動かしながら少しずつスキルを身につけていった宮崎。現在は、お客様先に常駐しながら業務に取り組んでいます。
競合他社との差別化を図り、キャッシュレス決済サービスのユーザー獲得やサービス利用回数を促進していくことがミッションです。NTTデータとして10人のスクラムチームを組み、私はPOA(プロダクトオーナーアシスタント)を担っています。プロダクトバックログの作成や、ステークホルダーとの調整などが基本的な業務です。
アジャイル開発において難しいのは、正解がない中で取り組まなければならないことだと宮崎は感じています。
これまでの品質が重視されるミッションクリティカルなシステムと違ってスピードが求められるだけでなく、金融系のサービスであるために一定以上の品質を担保したうえで進めなければなりません。そのバランスをどう取るかという点で正解がなかなか見えないことがあります。
お客様との議論を踏まえたビジネス的な観点と、私がエンドユーザーだったらどう感じるかという視点、2つの落とし所を見つけてバランスを取るように心がけています。
オープンマインドで周囲を巻き込み、アドバイスを力に前進していく
ミッションクリティカルな大規模開発と、アジャイル開発のどちらも経験した宮崎が大切にしているのは、オープンマインドです。どんなときも素直に周囲と向き合って関係性を築き、前へ進んでいます。
自分のことをあまり隠さない方が良いと思っているんです。出し渋って、不信感を持たれてしまうくらいなら、はじめに自分から腹を割って話すことでお互いの考えを理解できるのではないかと考えています。プロジェクトを異動したばかりで環境に慣れないときも、お客様に素直に伝えて、フィードバックやアドバイスをいただきながら進めていました。
開発をする上でも、気になることをそのままにしておいて、もし問題が起きてしまった場合、数千万人のユーザーさんに影響を与えるかもしれないというリスクがあります。そうなると自分では取り返しがつきませんから、小さなことでもおろそかにせず先輩に相談するなどしていました。
豊富な開発経験を背景に、これまで身につけたスキルや知見を軸としながら、柔軟にチューニングしつつ前進し続ける宮崎。業務に向き合いながら、自分が関わっているからこそ提供できる価値は何かを常に考えています。
以前、面談のたびに上司から「君が提供できる付加価値は何ですか?」と聞かれていたんです。でも当時はそれがなんなのかわかりませんでした。それが、あるとき「ないなりに頑張りなさい」という意味なんだなと気づいたんです。それからは打合せで必ずひと言以上はコメントや質問をするようにしたり、できるだけ積極的に提案をしたりするようになりました。
キャリアを重ねた今でも、入社してすぐの時期に上司から投げかけられた問いを折に触れて思い出し、自らの指針としています。そして現在、また新たなチャレンジをしたい気持ちがふつふつと湧き上がっているという宮崎。しかし、まだ具体的には決まっていないのが正直なところだと言います。
自ら手を動かし、挑戦を重ねた先にこれからのキャリアを描いていきたい
まだ確固としたビジョンが描けているわけではなく、今は自分の引き出しを増やしたいと思っています。入社以来、ずっと同じお客様と向き合い、同じ業界にいるので、これまで自分が身につけたスキルを軸にして、新しい世界に飛び込んで経験を増やしていきたいと考えています。
加えて、後進の育成に貢献したいと考えているところです。コーチングの勉強などを通して、育成のスキルも身につけていけたらと思っています。
現在は新たなサービス開発に主体的に取り組み、周囲からの期待も大きい宮崎。これまでのキャリアは、NTTデータの根底に流れるお互いを助け合う文化に支えられてきたと感じています。
多くの人が、相談すると親身になってくれます。たとえば、チャットツールで社内に質問を投げかけると、忙しい中でも組織を越えて何人も反応があり、アイデアや意見をくれるんです。知識を出し惜しみせず、みんなで共有して進んでいこうとする文化があると感じています。
また、これまでを振り返って感じているのが、自らのキャリアの礎は入社後に携わったミッションクリティカルな大規模開発の経験だということです。
責任重大で、ひとつのミスが数千万人へ影響を与えてしまう可能性もあり、強いプレッシャーを感じていました。ときにはつらく感じることがありましたが、お客様からの依頼にしっかり対処できたり、それに対して感謝の言葉をいただけたりすることでモチベーションを感じて、乗り越えられたように思います。加えて、社会のインフラを支えているという自負もありました。
そして、当時の経験は確かなスキルや知識となり、今のキャリアへとつながっています。だからこそ、大変ではあったものの、先を見据えながら頑張れたのだと思っています。
常にオープンマインドで、宮崎は自らを柔軟に変化させながら歩みを進めてきました。同時にぶれない軸を持ち、周囲と真摯に向き合いつつ成長を続けています。自らの手で新たな未来をつかみ、NTTデータを牽引する存在となる日はそう遠くないはずです。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2023年11月6日公開)より転載