ボランティアからNPO法人へ──小さくとも踏み出す一歩が未来をつくる
大手旅行会社を経て、NTTデータへ入社した平山。第一公共事業本部パブリックサービスデザイン事業部に所属し、官公庁向け営業や自社サービス企画などに携わっています。学生時代は観光学を学ぶかたわら、NPO法人で精力的に活動していました。
大学に入学する直前の3月に東日本大震災が発生し、大きな衝撃を受けました。身動きが取りやすい学生という立場を活かして何かできることはないかと復興ボランティアに参加したんです。
はじめは学生団体として活動し、その後岩手県でNPO法人を立ち上げることに。当初は主に復興支援に携わっていたのですが、徐々に地域活性化に取り組むようになっていきました。そのころから私自身もまちづくりに興味を持ち始めました。
平山は月に一度のペースで岩手県へ足を運び、学生時代から2019年まで、さまざまな活動に従事してきました。NPO法人での取り組みを通して学んだのは、小さくてもまずはアクションを起こすことの大切さです。
地域の中高生を対象に未来を描くワークショップを企画したのですが、はじめは参加者がなかなか集まりませんでした。しかし、続けているうちに地域の方々からの共感を得られるようになり、規模も大きくなっていったのです。まずは想いを持って、アクションすることが大切だと感じました。
ボランティアとして踏み出した一歩が、新たな道を切り開いた学生時代。そのままNPO法人で働くという選択肢もありましたが、平山は企業の一員としてまちづくりや地域活性に携わり、日本の未来を明るくしたいと考え、就職することを決めます。
ITには社会を変える力がある──想いを実現できる新天地を求めて旅行会社から転職
就職にあたってはさまざまな企業を検討しましたが、NPO法人での活動を通した経験が最終的な決め手となりました。「この町には何もない」と言っていた地域の方たちが、外部からやってきた人々との交流を通して地域への誇りを取り戻していく瞬間を数多く目の当たりにしたからです。
そういった機会が増えれば、日本の未来に良い変化が生まれるのではないかと思い、人々の交流を生み出す国内旅行の企画に携われる会社を選びました。
念願かなって国内旅行を企画する部署に配属された平山は、業務に取り組むなかで、エンドユーザーである旅行者の視点の重要性を認識する出来事を経験します。
旅行を企画するにあたってホテルの仕入を行う際に、はじめは価格に焦点を当てて仕入業務を行っていました。しかし、価格以外の価値を求めているお客様もいることを認識してからは、ホテルのロビーでお客様の動きを観察したり、私自身も旅行者になってみることでニーズを探ったりと、価格以外の価値でも喜んでもらえることを提案するようになりました。
なかでも夜景の見える客室だけを扱った旅行商品を提案し、実際に販売したところ、大きな反響をいただけたことは強く印象に残っています。
その後、RPAを活用した業務改革を行う部署の立上げメンバーとして異動した平山。業務に携わるなかで、ITには世の中を変えられる力があると強く感じるようになりました。
当時はコロナ禍にさしかかり、当たり前のことが変わっていくころで、自分のキャリアを見つめ直すきっかけにもなりました。改めて自身のやりたいことを考えたときに、日本の未来を明るくするために、ITを通して地域の活性化に携わりたいと強く思うようになったのです。
新たなキャリアを実現するために転職を決め、さまざまな企業を検討するなかで平山がNTTデータを選んだのは、自分のやりたいことや想いとNTTデータのビジョンが重なったからでした。
NTTデータの持つ技術力で中小企業を支援し、地域活性化につなげたい
NTTデータを選んだ理由は3つあります。まずは、仕事内容として「中小企業の支援サービス」が挙げられていたことです。中小企業は国内企業の99.7%を占めています。そのため、中小企業の課題解決に携われるということは、すなわち地域の活性化につながるという確信がありました。
次に、公共分野の案件に従事できることが挙げられます。地域活性を実現し日本の未来に良い変化を起こしていくためには、世の中の仕組みを大きく変えていく必要があります。公共分野でNTTデータの高い技術力を活用すれば、それが実現できるのではないかと考えました。
最後に、お客様第一を掲げていることです。私もこれまでお客様を大切にしながら働いてきたので、企業文化の面でも自身と合うのではないかと思い、入社を決めました。
採用面接の際に人を大切にする会社だという印象を受けたことも、NTTデータを選ぶ後押しになりました。
面接では実際の仕事内容について複数の例の説明があり、希望や興味のある業務を尋ねられ会話をしました。会話を通して、社員のやりたいことを重視し、人を大切にしてくれる会社なのだろうと感じました。
NTTデータ入社後、平山は中央省庁の案件に携わるようになります。営業として新規提案などに奔走するかたわら、プロジェクトメンバーとして中小企業支援施策に関するサービスデザインプロジェクトにも参加しました。
そのプロジェクトは、データ利活用によって中小企業の課題を解決するシステムを実現していくためのサービスデザインを実施するものでした。しかし、いざプロジェクトが始まると自身がエンドユーザーについて理解していないことに気づかされました。
そこで、中小企業の経営者や中小企業の支援にかかわる方々などにインタビューを行うことにしたんです。自分の知人やつながりも含めて関係者を探し、約40名の方からお話を聞かせていただきました。
ITや中小企業支援に関する知識はまだ十分でないからこそ、これまでの経験を通して学んだことや人とのつながりを活かし、自分の価値を考えて動くようにしているという平山。その姿勢は、企業文化や業種が大きく変わったなかでも地域活性化に向けた仕組みづくりに活かされています。
異業種からの転職でも活躍できる風土がNTTデータにはある
プロジェクトでワークショップを開催する機会があり、パッケージデザインの工夫によりヒットしたとある中小企業のお菓子を提供しました。このお菓子をきっかけとして参加者間のコミュニケーション活性化を図れたようにも感じました。
業務の本筋とは直接関係ありませんが、会話が生まれたり、場が和んだりするきっかけになってほしいと思って準備したものだったので、嬉しかったですね。前職が旅行会社ということもあり、おもてなしを大切にしてきた経験も活きたのかもしれません。
何事にも臆することなく行動力を発揮する平山ですが、NTTデータに入社した当初は戸惑うことも多かったと言いますます。
はじめの頃はこれまでと全く異なる環境でわからないことが多く、主体的に発言ができませんでした。しかし、自分の価値を少しでも出していきたいと意見を言ってみたところ、他のメンバーから共感してもらい、私のアイデアが採用されたことがありました。まずは発信することが大事なのだと気づき、背中を押されました。
少しずつ業務に慣れ、平山は会社の研修や外部セミナーを受講したり、本やウェブで情報収集をしたり、新天地で必要な知見を日々学んでいます。NTTデータでは、誰もが日々勉強していて、新たな技術を一緒に学んでいく取り組みもあります。その環境から刺激を受けつつ、個人を大切にする文化にも支えられています。
NTTデータには「なりたい自分」をめざせる環境があります。私が所属する事業部では、なりたい自分(キャリアビジョン)を描き、なりたい自分や実現ステップについて上長や事業部長と対話する機会が設けられています。人を大切にして、それぞれのキャリアを応援してくれる会社だなと感じますね。私自身も対話によって入社前よりさらになりたい自分が明確になりました。なりたい自分と実現したい社会に向かって、そこに結びつく営業やサービス企画の仕事に今とても楽しく取り組むことができています。
また、フラットな組織なので、役職にかかわらず意見を言える文化もあります。だからこそ、異業種からの転職でもこれまで培ってきた強みを活かせているような気がします。
きめ細かな心配りと行動力で、自分なりの価値を常に考えながら真摯に日々の業務に向き合う平山。異業種からの転職をマイナスの要素とせず、経験を糧に突き進むその姿勢は、NTTデータへ新たな風を吹き込み、自身がめざす豊かな地域づくりの実現へと結びつくでしょう。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2022年10月26日公開)より転載