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自信は後からついてくる。AWS Jr. Championsに選出された文系出身者が、ゼロから成長し続けられる理由とは

新卒入社社員の文系出身者が全体の4割を占めるほど、非情報系学部の出身者も多く活躍しているNTTデータ。今回紹介する長澤も、文系の学部を卒業してNTTデータに入社したエンジニアの一人です。しかし、実践経験がない状態で入社した長澤は、コロナ禍という特殊な環境も相まってなかなか自信が持てず、壁を乗り越えられずにいました。そんな長澤がどのように知識・スキルを磨き、成長を遂げていったのか。長澤の成長の軌跡をたどります。

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日常生活を大きく変えるITの可能性に惹かれて、エンジニアの道へ

大学では行政学を通じて、行政の仕組みや活動などを学んでいた長澤。そんな長澤がITの世界に興味を持つようになったのは、学生時代に多種多様な社会変化に触れたことがきっかけでした。

ガラケーがスマホに変わったり、電車の切符がICカードになったり、自動販売機で電子マネーが使えるようになったり。学生時代にIT技術が進歩して、色々なものが変わっていきました。もともと好奇心旺盛な性格ということもあって、新しい技術には興味津々で。これってどんな感じなんだろうと体験していく中で、IT分野って面白そうと思うようになったんです。

当時の日本では、ネットワークを軸に人々の生活をより豊かにするIT技術の活用が活発化していました。そんな時代背景もあり、長澤の学生時代は変化の連続で、生活基盤を劇的に変えていくIT技術の存在は非常に興味深いものだったようです。

その後、長澤はITビジネスコンテストへの参加やオンラインプログラミング学習サービスの活用など、積極的にITとの接点をつくっていくのですが、その一方では文系の学部からIT企業に就職する難しさを感じていました。

同級生でIT企業を就職先として考えている人が少ないことから、ハードルが高いんじゃないかと感じていて、文系出身の方がどのくらい活躍しているのかを調べた時期もありました。NTTデータは文系出身者が多く、ビジネスフィールドの広さからIT技術を使って色々な生活基盤をつくることができそうと感じて志望しました。

NTTデータにおける新卒入社社員の文系出身者の割合は4割を占めており、さまざまな学問を勉強した方が活躍しています。そのうえでNTTデータに対する長澤の入社意欲が高まったのは、社員訪問や面接などでのコミュニケーションがきっかけでした。

物事を順序立てて話すのはもちろん、構造を理解して足りない部分を質問するなど、ロジカルな方が多かったですが、圧迫感みたいなものはなくて。話し方も穏やかでしたし、何より私の話に共感してくれたのがうれしかったのを覚えています。

周囲にIT企業を志望する人がおらず、知識やスキル面で不安を抱えていた長澤にとって、自身の考えに寄り添って話してくれる社員の存在は非常に頼もしく、「ここなら私を受け入れてくれそう」と感じたことが入社の決め手になったようです。

不安で負けそうなときも、頼れる仲間がいるから頑張れた

オンラインプログラミング学習サービスで自主的にプログラミングを勉強していたものの、実践経験がなかった長澤にとって、入社後のエンジニア人生は不安との戦いでもありました。

最初は何をやるにしても自信が湧かなくて、特にお客様に技術的な話をする際は「ひとつでも間違ったことを言ったら信頼してもらえないんじゃないか」という思いがありました。打ち合わせに出ても外国語で会話しているのかと思うくらい理解が追い付かず、先輩たちの知識やスキルのレベルに自分が及んでいないことを強く感じていました。

NTTデータでは、新入社員に先輩社員が専任トレーナーとしてつくスタイルを採用していますが、コロナ禍でテレワーク主体の働き方に変わったことで、従来の観察学習や観察育成の機会も限定され、非対面のコミュニケーションが中心でした。長澤自身も、言われたことは1回で覚えないといけないと思い込んでいたと明かしています。そんな長澤が不安を乗り越える最初のきっかけとなったのが、トレーナーのある一言でした。

トレーナーの先輩から、「何回でも聞いていいよ。いつでも遠慮なく電話かけて」と声をかけていただいたことで分からないって言って良いんだと感じて、気持ちが楽になりました。それからは分からないことを周囲に打ち明けることの抵抗感が和らいで、トレーナーの先輩に積極的に声をかけるだけじゃなくて、チームミーティングの場やチャットコミュニケーションを活用して質問を行い、疑問を解消していきました。

その後、長澤は順調に経験を積み、2023年にはデジタル地図基盤システム構築案件におけるクラウド基盤のチームリーダを担当。10数名ほどのメンバーが所属するクラウド基盤チームをまとめるうえで、長澤は自分自身が思い描くリーダ像を体現できずに悩んでいたと言います。

前案件のリーダの方が幅広い技術に精通していて、タスクの管理能力やプロジェクト推進力も高く、周りから慕われていました。私にとってまさに理想のリーダ像を体現していた方だったんです。でも、いざ同じようにやってみたら、全然上手くできなくて。そんなときに上司から「色んなリーダのかたちがある」と言われたんですが、その言葉を聞いて「私は全部一人でやろうとしていたんだ」と気づきました。この出来事が、リーダとしての在り方を考え直すきっかけになったんです。

もともと長澤がめざしていたのは、自分自身が主体的に舵を取ってチームを動かすリーダシップスタイルでした。しかし、自身の性格やNTTデータに所属するエンジニアの専門性の高さから、プロジェクトメンバーで意見を出し合いながら、プロジェクト推進の精度を高めていくリーダシップスタイルのほうが向いていると長澤は感じました。それからは一人で抱え込むことをやめ、悩んだことは積極的に相談し、「こうしたほうが良いですよ」というメンバーの声を柔軟に取り入れることで、一人では解決が難しかった大きな課題を乗り越えられています。

次はもっと挑戦できる。積み上げてきた自信が、私の背中を押してくれる

長澤は入社1年目より一貫してクラウド基盤を扱うプロジェクトを歴任しつつ、AWSやGoogle Cloudの認定資格を取得し、クラウド領域の知見を深めていきました。資格を取得した理由として、長澤は「自分自身の知識やスキルに対して、自信を持っていいんだと客観的に証明してくれるものが欲しかった」と語ります。

資格はエンジニアとしての知識レベルを可視化でき、お客様の視点ではどこまで任せて大丈夫なのかという判断の指標にもなります。そのうえで私にとって資格は自信の裏付けのようなもので、「このレベルの知識・スキルをちゃんと手に入れた」と証明されることで初めて安心できるんです。

そのように資格勉強をしながら自信をつけていった長澤が部署を飛び越え、社内外のコミュニティでの活動に興味を持ち始めたのは、先輩の社員から学習定着率を示すラーニングピラミッドの話を聞いたことがきっかけだと言います。

今まで私が実践してきたのはインプット学習でしたが、もっと自信をつけていくにはアウトプットが重要で、他の人に説明できるようになると自分自身の理解も深まると教えていただいたことで、社内外のエンジニアとの交流に興味を持つようになり、コミュニティでの活動を行うようになりました。

長澤はNTTデータグループのクラウド技術者が集まるCloud Architect Communityに属しつつ、複数企業のAWSエンジニアが集まる勉強会に参加し、英語でのプレゼン方法や資料の作り方などを学んでいきました。そのときの交流でさまざまなエンジニアの活躍を知ったことで、イベント登壇や原稿の寄稿にも興味が湧いてきたと長澤は振り返ります。

そんな長澤にとって、社会人歴1~3年目の優秀な若手エンジニアを表彰する2023 Japan AWS Jr. Championsへの応募は、ワンランク上の自信につなげるための第一歩となりました。

この表彰プログラムでは、エンジニアとしての技術力だけでなく、アウトプットによる周囲への貢献も求められます。社内向けにAWSニュースを毎日配信したり、事業部内で発表したものを別の事業部でも発表したりと、精力的に活動していきました。その努力が実を結んで、2023 Japan AWS Jr. Championsに選ばれたときは家族にプレスリリースを見せて一緒に喜びました。同時にAWS有識者として見られることへのプレッシャーも生まれたのですが、受賞を機に社外のイベントに登壇したり、メディアに記事を寄稿したり、AWSの資格学習書の執筆に携わったりと、貴重な経験を積めたことで今まで以上に自信がついたと感じています。

自信をつけたいという一途な想いが原動力となり、大きな成長を遂げた長澤。現在は後輩にAWSのベストプラクティスを教えるほど、クラウド領域の知識に自信をつけています。今後は培ってきた経験を活かして防災などの新たな案件にも挑戦しながら、安全で便利な生活ができる日本をつくっていきたいと長澤は語ります。積み上げてきた自信が、より大きな挑戦へとつながっていく。そんなサイクルを、長澤自身も楽しんでいるようです。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです