営業から開発へ、キャリアチェンジを決意した理由とは
――前職では異なる業界で活躍していた皆さん。IT業界に興味を持ったきっかけを教えてください。
大手生命保険会社での営業時代、企業経営者の方と商談を進めていくと、事業成長への想いや課題解決の悩みについて話が及ぶことが多かったんです。「では、どんな解決策があるか」となったときに、キーワードとして登場するのがITの活用やDXの推進でした。それがITに興味を持つきっかけでしたね。
もともと情報系を専攻していたなど、ITの素養はあったんですか?
いえいえ、大学では経営、社会、商学など“ド”文系の勉強ばかり(笑)。「お客様の事業を進化させるお手伝いがしたい」という気持ちが強くなったことと、これまで得た経験と知識にITを組み合わせることができたら、保険業界にインパクトを与えるような新たなサービスの創出・浸透にも取り組めるのではないかと考えたのが転職の動機でした。
私も玉川さんと同じく保険会社の出身で、ITに興味を持った理由も似ています。あるお客様からの「一部の保険の申し込みをオンラインで完結できるようにしたい」というご相談をきっかけに、外部のシステムベンダーなどと直接やりとりするようになり、「ITでビジネスの仕組みづくりをしたり、お客様の役に立つのは面白いな」と思ったことがIT業界に興味を抱くきっかけとなりました。
――IT業界の中でもNTTデータを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
一番は規模の大きな仕事に携わりたかったからです。例えば、地震保険の補償は国と保険会社が連携して行いますが、各保険会社で手続きの仕組みが違うため、どうしても給付のスピードに違いが出てしまいます。こうした課題も、保険業界全体で共通の仕組みづくりができれば改善できると思いますし、より良い保険サービスの提供にもつながるはずです。NTTデータなら、こうした大きな構想の実現を目指せると考えました。
――岡本さんの転職のきっかけは何でしたか?
新卒で金融機関の営業を経験し、自分には多くのお客様と同時並行で接して、短いスパンでの成果を追うスタイルは向いていないと気づきました。そして、ある程度の期間をかけてひとつのお客様、ひとつの仕事に向き合える環境を探すようになりました。
その中でもIT業界に目を向けた理由が気になります。
どんな仕事でも新しい分野に挑むなら、必ず勉強が必要になりますよね。IT業界は先進的な技術知見を持っている人ほど重宝されるイメージがあり、努力して身につけたものをフルに活かせそうだと思ったのが大きいです。
それにNTTデータは、面接してくださった方々が私のことを知ろうと熱心に対話してくれたのが印象的でした。よく覚えているのが、「お客様とコミュニケーションを重ねて自分のアイデアも反映させながら、新たなサービスやシステムを創出する仕事がしたい」と話すと、「システムの中身を知るためにも、開発からスタートしてはどうか」と提案してくれたこと。あの会話がなかったら、システム開発の道に踏み出すことはなかったと思います。
実は私も面接の時点では営業志望でした。ですが、IT完全未経験という点が不安だと伝えたら「まずは開発を経験して知識を深めて、その上で営業に進むか、開発を続けるか選べば良い」と選択肢を提示してもらえました。こうしたキャリア形成の仕組みが整っていることもNTTデータに入社する決め手のひとつでしたね。
――皆さん、現在はどのような業務を担当しているのでしょうか?
入社時は二人と同じく開発でしたが、今年の夏に営業に異動しました。所属する保険ITビジネス事業部が主に担当しているのは、大手生損保会社様や共済団体様。私はアカウント営業として顧客のさまざまな課題をヒアリングし、開発部門と連携しながら、解決策となる新規ソリューションの企画提案や既存システムのさらなる高付加価値化に向けた提案に取り組んでいます。
私は保険ITビジネス事業部で開発業務に励んでいます。入社後から現在まで一貫して損害保険会社様のデータ活用基盤の導入や追加機能の開発などに携わり、設計から構築、テスト、リリースまでトータルに手掛けています。
――開発の仕事を実際にやってみていかがですか?
「これからも開発を続けたいな」と思うぐらい面白いです。想像以上に業務の幅が広く、お客様と打ち合わせを重ねて仕様を提案したり、お客様向けにシステムの利用法に関するセミナーを開催したりと、私が入社前に「IT営業としてこういうことがしたい」と考えていたことが、開発の立場でも実現できるのだと知りました。
たしかに開発の仕事、面白いですよね。私が所属する保険ITサービス事業部は生保、損保に加えて銀行やクレジットカードなど幅広い顧客に向き合い、NTTデータ独自のアセットを活用してシステムの開発・保守から新規ビジネスの創出まで伴走するのが特徴のひとつ。その中で私は保険デジタルサービスプラットフォーム「InsureMO」をベースに、通信会社様が提供する保険管理サービスの開発に携わっています。岡本さんがおっしゃる通り、営業的な側面も持ちながらプロジェクトに臨めていて、そこに大きなやりがいを感じています。
泥臭い努力を重ねた先で実感した、「ITは面白い」
――「開発は面白い」というお話も出ましたが、未経験入社からすぐに活躍できたのでしょうか?
いえいえ、最初はとてもとても大変でした(苦笑)。
――“とても”が2回つくレベルだったのですね(笑)。玉川さんはいかがでしたか?
もちろん上司や先輩はしっかりフォローしてくれますし、研修なども整ってはいます。でも、いざ業務に入ると、単語やキーワードの意味がまったく分からなくて……。なので、最初は会議に参加しては議事録を取り、先輩にレビューをお願いしていました。知らない言葉は箇条書きでまとめて自分用の単語帳を作っていましたね。
それ、私もやりました!というか、現在進行形で今も続けています。
単語自体を知っていても、オンライン会議だと音声でしか情報を拾えないので難易度が上がりますよね!一度、オンライン会議でクラウドサービスの「Azure(アジュール)」の話が出てきたときに、上手く聞き取れずに「ビジネスパートナーの社名かな」と思って議事録に記載してしまい、先輩から「まったく理解してないな」と苦笑されたことがあります。とにかく新人に戻ったつもりで頑張っていましたね。
――岡本さんはどうでしたか?
今思い返すと、そこまででもなかったかなと……。
すごい!
いや、分からないことはもちろんたくさんありましたよ!私の場合は、先輩が学びにつながる業務を用意してくれたのが大きかったと思います。最初に担当したのがデータ活用基盤のマニュアル作成で、先輩から「システムのことを知らないお客様に一番近い存在だと思うから、まずはその感覚のまま試験用のシステムを触ってみてほしい」と依頼されたんです。
そこから毎日、システムをひたすら触って、動きを確かめて、分からないことは調べ、かみ砕いて説明文にまとめる、という作業を繰り返すうちにシステムに対する理解が深まっていきました。
――玉川さんと笹本さんがスキルアップのためにどんな努力をしたのかも知りたいです。
一番役立ったのは、「基本情報技術者試験」の資格勉強でした。最初はテキストを見ても「何が何だか……」という状態でしたが、読み進めていくうちに業務で触れる専門用語が多いことに気づき、「この知識を業務とリンクさせれば、絶対に活かせるな」と感じました。そこからは一層力を入れて、仕事終わりにカフェに行っては単語帳の暗記と過去問をひたすら繰り返しました。
私もスキマ時間を全部勉強に使って、入社後半年で取得しました。実際、資格取得後は分かる領域も増えましたし、業務における理解度も違ったので早めに取得してよかったです。
――スキルアップの他に、大変だったことや壁にぶつかったことはありましたか?
入社1年目に、限られた期間で複数のタスクを同時進行で試験する総合テストを初めて担当したときに壁にぶつかりました。当時は自分なりに必死で、とにかく内容が理解できて期限が近い項目から手を付けていたのですが、振り返ってみるとすごく非効率でしたし、案の定確認漏れが発生してスケジュールが遅延してしまったんです。
初めて経験した仕事で、当時の自分のキャパシティを超えてしまったんですね。
そうですね。先輩にフォローしていただき、何がいけなかったのか指導していただきましたが、本当に視野が狭かったなと思います。ただあの失敗をしたおかげで事前にトラブルを防ぐ術を身につけることができました。
私も営業に異動してすぐの頃、キャパシティを見誤ってしまいました。複数社によるコンペの案件だったのですが、私はまずお客様が持つ漠然としたビジョンの解像度を高め、その上でNTTデータの独自性やそれによる実績をアピールし、我々だからこそできるご支援のあり方を訴求しようと、大型の提案内容を考えました。しかし、期日までにこれだけの内容を提案資料にまとめるのは簡単ではありません。
かと言って、お客様の期待を超えるためには提案内容のレベルを落とすわけにはいかないですよね。
そうなんです。そこで上司や開発メンバーにも協力を仰ぎ、チーム全体を巻き込んで提案内容のすり合わせや資料レビューを適宜行うことで資料作成のスピード感を高めていきました。同じ営業でも前職時代は個人で動くケースが多かったので、チームワークでより良い顧客提案を目指す経験ができたことは大きな成長につながったと感じています。
――笹本さんも、成長につながった経験はありますか?
今年4月から担当プロジェクトでフロント開発のチームリーダーを担うようになったことです。それだけでも大きな変化なのに、そのタイミングでお客様のご担当者やビジネスパートナーのリーダーの異動がちょうど重なり……。初めてのマネジメントで緊張する上に、急な人員変更でさまざまな調整が進めにくくなり、とても焦りました。ただ、チームメンバーが頼りになる方ばかりだったので本当に救われました。分からないことにぶつかったときは遠慮なく周囲に相談していました。
何事も1人で抱え込まないことが大事ですよね。
チーム一丸となって最終成果物を目指す、という意識が大事だと学びました。それにどんなときも周囲へのフォローを欠かさない上司や先輩の姿を目の当たりにすることで、私自身の責任感も一層強くなったなと感じています。
未経験の壁を越えて見つけた、自分らしい目標
――さまざまな苦労や壁を乗り越えた皆さんが、今感じているこの仕事の面白さとは?
私が現在担当しているお客様は、事業規模も事業領域も非常に広大。まさに入社前に希望していた「規模の大きな仕事」ができているなと感じています。私が所属する部署は、お客様の新規ビジネスを創出するところから一緒に考える、超上流の要件調整から開発・実装まで一貫して行うので、余計にそう感じます。開発もさまざまなフェーズに主体的に携われるので、色々な面白さがありますね。
例え小規模でも自分の意見がシステムに反映されてお客様に好評をいただけたときはすごく嬉しいです。それに入社半年でお客様向けのハンズオンセミナーの企画・提案・実施を全般的に任せてもらうなど、早い段階から責任ある仕事に挑戦できるので手ごたえを感じています。
2年間の開発経験も活かしながら、お客様のビジョンに応えた上で実現性の高い企画をまとめ、自信を持って提案する瞬間が一番楽しいです。いわゆる「絵に描いた餅」に近い理想像であっても、信頼できる開発の方とディスカッションして「これは難しい」「これならいけそうだ」といった議論を深めることで、実現性の高い提案内容に落とし込めるのは、NTTデータならではの醍醐味だと思います。
――皆さんの今後の目標を教えてください。
入社3年目に突入し、ひとつのプロジェクトに携わりながらAWS関連の資格やデータ活用基盤の知識を習得してきました。そして資格勉強だけでは得られない、実際にプロジェクトで経験しなければ学べない領域がたくさんあることも実感しています。そこで、今後は開発プロセスや開発スタイルの異なるプロジェクトの経験を積み重ねて、新たな技術やスキルの習得に励んでいきたいです。NTTデータであれば、自分次第でチャンスはいくらでもあると思うので、どんな可能性を拓いていけるか楽しみです。
私はAIなどの最新技術を活用した新規ビジネスに携わるのが目標です。最近はDXの文脈の中でAIを活用した業務効率化を進める企業の事例も増えていますし、そうしたニュースを読むたびに「自分のお客様の事業成長にも活かせないか」と想像するんです。
しかし、知識を深めなければ良い企画もできません。生成AIに詳しい開発時代の上司に協力を仰ぎ、サンプル用のAIシステムを触らせてもらったり、最新の情報を共有してもらったりして知見を蓄えています。いつかは具体的な提案に落とし込み、担当顧客への貢献はもちろん、業界全体の発展に寄与するような大規模プロジェクトにも携われたら嬉しいですね。
私は新規プロジェクトの立ち上げに参画したいです。また、UI・UXの専門知識を身につけ、スマートフォンのアプリケーション開発に活かしたいですね。
実際、お客様や社内の関連部署、外部のデザイン会社などと「どこにボタンを配置したらクリック数が増えるか」「どうすればエンドユーザーの利便性が上がるか」といった打ち合わせをすることも多く、開発担当の自分もUI・UXの設計ができるようになれば、より良い選択、より良い要件調整ができるのではと感じています。まだ始めたばかりですが、時間を見つけては専門書を読んだり、外部セミナーに参加してみたりと、新たな勉強を始めています。
――皆さんのように異業界からチャレンジする方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
私が壁を乗り越えられた理由でもある「チームワーク」は、NTTデータが大切にしている価値観のひとつです。実際、社内の風通しは本当に良いと思いますし、周囲とのコミュニケーションを大事にできる方ならのびのびと活躍できると思います。
管理職を含めてフラットにコミュニケーションが取れる組織文化がありますよね。未経験入社の場合は新入社員に戻ったつもりで勉強に励む必要がありますが、分からないことは何でも相談できる職場です。その点は安心してほしいですね。
システムに関する専門知識を学習する努力は必ず求められますが、その先で自分の考えたことを周りに広めたり、目に見える形で実現させたりしたい方には向いている会社だと思います。新卒半年で転職してきた私でも活躍できているので、恐れずにご応募いただければと思います。
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異業界からのIT業界へのチャレンジ。入社後には専門知識を学べる研修なども充実していますが、新たな成長を実現するためには自己研鑽や努力が欠かせません。しかし、その先では大規模なプロジェクトや自分のアイデアを活かした開発など、思い描いたことを実現できる環境が待っています。今回の座談会に登場してくれた3人をはじめ、未経験入社から飛躍的な成長を遂げた先輩社員が多数活躍していることが、その証と言えるでしょう。