学生時代のバンド活動が原点──チームでつくり上げる喜びを感じたい
2010年にNTTデータへ入社した金島は、第二公共事業本部ヘルスインシュアランス事業部に所属し、健康保険にまつわるシステム開発に従事しています。
学生時代は工学部で医療精密機器の研究に携わり、卒業後は研究職を志望していましたが、キャリア検討の道程でIT業界に惹かれたことがNTTデータへの入社につながりました。
研究にはプログラミングの要素もあったことから、SEという道も視野に入れつつさまざまな話を聞いていくうちに、IT業界に興味が出てきたんです。とくにチームで協力しながらしくみをつくり上げていくことに惹かれました。もともと学生時代はバンド活動に夢中だったこともあり、みんなで試行錯誤することが好きでした。
数あるIT企業の中でもNTTデータを選んだ理由はふたつあります。まず公共領域に幅広く関わっており、社会貢献に携われることです。学生時代から医療分野を通して人々の幸せに寄与したいという想いがあったため、NTTデータの事業領域に共感しました。
次に、リクルーターとして対応してもらった人に惹かれたことが挙げられます。頭の回転の速さや人となりが印象に残りました。
NTTデータ入社後、最初に携わったのは健康保険に関わるシステムです。この案件を通じ、金島は徐々に仕事における守備範囲を広げていきました。
最初に取り組んだのはアプリ開発や運用保守です。その中で業務システムのサーバー構築に携わる機会があり、興味を持ったことからシステム基盤の業務へとシフトさせてもらいました。
しばらくはそのままシステム基盤に関わっていたのですが、徐々に視点がお客様へと向くようになって、今度は案件全体を任されるように。その後は開発をやりながら、営業折衝や提案に挑戦し、徐々に上流工程にも関わっていくようになりました。
興味や関心を軸にアンテナを広げながら前進を続けた金島は、やがてリーダーとしてチームを率いることになります。
チームビルディングの要は、メンバーの小さな声にも耳をすますこと
大きなプロジェクトを任されたタイミングで、チーム内の多くの有識者が異動してしまったことがありました。メンバーの士気低下やチーム全体のスキルの弱体化が危惧され、ピンチだと思ったのを覚えています。
そこで、まずはメンバーのベクトルをそろえることに重きを置き、チーム力の向上に努めました。プロジェクトのミッションは何か、それを踏まえてチームとしては何をすべきかという点をミーティングで繰り返し伝え、少しずつみんなの意識を深めていったんです。
チームを率いるリーダーとして全体に号令をかける一方で、金島が重視していたのは個々人との会話です。
意識的に雑談を増やし、フランクな会話でコミュニケーションのハードルを下げることを心がけました。また、その中から一人ひとりの想いをすくい上げることも大切です。それぞれのやりたいことや本音を聞くよう努めました。
こういったチームビルディングのスタイルも、かつてのバンド活動から学んだことで、みんなで同じ方向を向いて取り組むことが成功につながっていくという経験があったからこそできたことです。
地道な関係構築への努力が実を結び、徐々にチームは一体化していきました。目標に向けてひたむきに進んでいると、やがて周りもついてきてくれるようになることに、金島は気づいていきます。メンバーが同じ目線で業務に向き合えるようになったことで、チームは自走するようになりました。
その後、2020年から2023年現在にかけて、金島はより規模の大きなクラウド技術を使った健康保険関連のシステム開発に従事することに。さまざまな経験を積んできた金島にとっても、新たな挑戦でした。
もともとクラウド技術に興味があり、社内研修を受け、チャレンジしてみたいと周囲にアピールしていました。そのかいあって、本プロジェクトには提案活動の初期段階からアサインしてもらえました。クラウド技術への挑戦は初めてでしたが、“習うより慣れろ”の信条に従い、新たな世界へ飛び込みました。
ひたむきな姿勢で周囲を巻き込み、乗り越えたピンチ
社会課題である医療費抑制に向けたお客様の取り組みのひとつとして、金島はクラウド上のデータ分析プラットフォームの開発に携わることになりました。
2023年3月現在はチームリーダーとして20名ほどのメンバーを率いています。開発に2年の歳月をかけて品質を上げていったのですが、システムの規模が大きいことから、壁にぶつかることもありました。
中でもデータを蓄積する処理において手強い性能問題が発生し、チームみんなで頭を抱えたことが印象に残っています。メンバーだけでは限界があると判断し、社内の他組織の力を借りることに。専門部隊の協力を仰ぐだけでなく、同プロジェクトの別グループをも巻き込み、なりふり構わず話を聞いて回りました。
技術に対する理解の浅さも、問題を大きくした要因だったと金島は振り返ります。しかし、さまざまな人から話を聞くうちに、リーダーシップを発揮できるようになっていきました。また、これまでの経験があったからこそうまく立ちまわれた部分もあります。
業務に取り組む中で出てくる懸念材料を見逃さないようにしました。火種が大きくなる前に火を消すことを意識し、「たぶん大丈夫だろう」などと思わず、一つひとつやれることをやった上で次のステップへ進むよう心がけていました。
以前お客様のシステムの安定稼働に携わっていたとき、小さな見落としが後々の大きな問題につながることを身をもって経験しています。そのため、同じような失敗は繰り返さないという意識が強く芽生えました。
結果として、先に挙げた性能問題以外に大きな問題は発生せず、無事にシステムを更改することができました。
NTTデータには困っている人や組織を助け合う文化があり、親身になってサポートしてくれたと語る金島。周囲の力を借りて成功した経験を通して、さまざまな人の価値観に触れ、金島の視野は一段と広がりました。
さまざまなことができるからこそ、やりたいことを自ら発信することが大事
入社から13年を迎えますが、就職活動のときに抱いたイメージとのギャップは今もありません。回転が速くておもしろく、エネルギッシュな人の多い環境だと感じています。
また、協力会社と連携する機会が多く、さまざまなバックボーンを持つ人たちとの出会いもあるため、幅広い価値観に触れることが自身の成長にもつながっています。
そんなNTTデータの環境で活躍できる人財は、自分のWillをしっかり発信できる人だと金島は考えています。
幅広い業界や技術領域に携わり、さまざまな仕事ができる会社だからこそ、自分の軸を持ってやりたいことを発信し続けることが大事です。どこかでチャンスが巡ってきますし、次のキャリアにもつながっていくはずですから。
私も折に触れて自分のWillをアピールし続けたことで、ずっと興味のあったクラウド技術の案件に関わることができました。自分の想いを上長にフラットに伝えられる機会も多く、周囲がやりたいことを後押ししてくれます。
現在関わるプロジェクトにおいて、金島は今後よりお客様と近い距離で仕事をしていきたいと考えています。その背景にあるのは、より良い未来を本質的に実現したいという想いです。
めざしているのは、コンサルタントのような役割を担うことです。お客様と向き合いながら、新しい未来を描いていきたいと思っています。
具体的には、何を大事にしていて、どんなシステムをなぜつくるのかという定義段階からお客様と向き合い、NTTデータが持つさまざまなユースケースとかけ合わせ、一緒に議論していくことで、医療費削減や健康増進などに根本から寄与できるようなしくみを創出できたらと考えています。
実践こそが最大の成長の場である。金島は自身の経験からその言葉を胸に刻み、ためらうことなく新たな世界で自身の可能性を広げ、同時にチームを力強く率いています。その先には、本質的な課題解決につながるしくみづくりという壮大な夢の実現が待っているはずです。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2023年3月31日公開)より転載