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公共・社会基盤領域の高難度案件をリードする「技術戦略担当」とは

国内最大規模のIT企業であり、あらゆる分野のDX実現を支援するNTTデータ。なかでも中央省庁や地方自治体、社会インフラ領域に特化して事業を展開する公共・社会基盤事業推進部では、技術に特化した横断組織が活躍しています。その名は「プロジェクト推進統括部 技術戦略担当」。トップエンジニアを多く輩出し、高難度のプロジェクトを次々と解決に導く同部門で働く魅力、描けるキャリアについて、技術戦略担当の技術者3名に伺いました。

目次

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前例のない大規模・高難度案件に挑む「プロジェクト推進統括部の技戦」とは

NTTデータの公共・社会基盤事業推進部は、中央省庁や地方自治体、医療・ヘルスケアから、通信・電力に至るまで、社会インフラを担う様々なお客様に高付加価値なITサービスやソリューションを提供することをミッションとしています。その横断組織として各プロジェクトをプロジェクトマネジメントと技術の両面でサポートするのが私たち「プロジェクト推進統括部」であり、なかでも技術の専門家としてプロジェクトを最上流からリードする役割を担っているのが「技術戦略担当」です。組織内では「技戦」と呼ばれ頼りにされています。

私たちの組織の特徴を一言でいうと「技術集約組織」です。クラウド、インフラといった汎用性の高い技術を有し、難度の高いプロジェクトの課題解決に特化して活動しています。活動の形は、顧客とのコミュニケーションを通しシステムの仕様を決定し、開発をリードする立場で活動することもあれば、後方支援のような形で技術領域の深い部分をサポートすることもあり、案件に応じて様々です。

参画するプロジェクトは、社会インフラを支える巨大かつ社会インパクトのあるものばかりで、先行事例のない国内初の試みが大半です。そうした公共・社会基盤の課題に向き合い、プロジェクトごとに必要とされる技術領域に秀でたメンバーでチームを組成し、解決に向けて邁進しています。

技術研鑽、技術の幅出しができる組織運営

技術戦略担当には、アマゾン ウェブ サービス(AWS)やマイクロソフト(Microsoft)のアワードを受賞したトップエンジニアが多くいます。こうした高い技術力を養える背景には、OJT、Off-JT、そして技術コミュニティの活動等、当部門ならではの成長環境があります。

具体的には、業種・利用技術の異なる様々な高難度のプロジェクトに参画することで幅広い技術領域をOJTで習得できるほか、Off-JTとしての資格取得支援制度、上位技術者が同じカテゴリーの技術者を支援するメンタリング制度などを設けています。そして技術コミュニティは、プラットフォーム領域、ネットワーク領域、データベース領域、クラウド領域、生成AI領域等、技術領域ごとに構成され、その技術領域のトップエンジニアから、これから新しくその技術領域を学びたい初学者まで、幅広く知見やスキルを共有できる場があります。各コミュニティでは自由に利用可能な機器やクラウド等の環境も整備されており、検証や自学自習に活用されています。

トップエンジニアを目指せる人財育成体制

当社には、プロジェクトマネージャや営業などと並び、ITアーキテクト、ITスペシャリストといった技術者の人財像と、アソシエイト、シニア、エグゼクティブといったレベルを定義し、各人財とレベルに応じた育成と人財レベルの認定と仕事のアサインを行うという社員のキャリア形成の仕組みがあります。

技術戦略担当では、「技術集約組織」としてのミッションの達成とそこで働く技術者の成長やキャリア形成を両立するため、この仕組みを取り込んで3種類の活躍タイプで育成を考えています。タイプの1つ目が特定の分野の深い知識が求められる「スペシャリスト」、2つ目は複数の領域におけるスペシャリティが必要になる「フルスタック」、3つ目は抽象度の高い技術が求められる「アーキテクト」です。これらのタイプとレベルに応じて育成施策を設け、推進しています。

「スペシャリスト」として得意な分野を作ったのち、幅を広げて「フルスタック」になる、広げた分野の知見から抽象度を上げて「アーキテクト」になる、あるいは得意分野をさらに研鑽し「スペシャリスト」として先鋭化するなど、技術者本人の希望や志向、モチベーションに沿ったキャリアを築いていけるのが特徴です。

複雑化・多様化する社会課題に「技術戦略担当」として挑む

昨今、人々の暮らしを支える公共・社会基盤分野では、デジタル技術の活用が喫緊の課題となっており、当部門への要請が年々増加しています。そこで組織のケイパビリティを拡大すべく、育成や採用を強化しています。

私たちの仕事の醍醐味は、複雑化・多様化する社会課題に真正面から向き合い、技術力をもって解決に導けることです。ご自身の技術力で社会に貢献したい、社会をよい方向に変えていきたいという思いを持っている方にとって、絶好のフィールドだとお約束します。

「社会を豊かにする仕事」公共・社会基盤領域ならではの魅力

──はじめに、入社された動機とご担当業務についてお聞かせください。

大森 正也 大森

私は2010年にNTTデータに入社しました。大規模かつ自分の生活に関わるシステムの設計に関われることを魅力に感じたのが決め手です。入社以来、公共系システムに携わっており、設計や要件定義など上流工程を経験した後、上流から下流まで全体に関わるプロジェクトにも携わり、今はクラウドの基盤構築チームのリーダーや技術課題の検討支援といった立場で複数の案件を支援しています。

守屋 統 守屋

私が入社したのは2016年です。もともと公共や教育の分野に興味があり、システムを通して社会を豊かにする仕事に共感して入社を決めました。現在はオンプレミスからクラウドにシステムを移行するプロジェクトなどを担当しています。

西川

私は2021年に入社以来、技戦でクラウド案件に携わっています。公共分野のシステム開発におけるノウハウやアセットを作る施策活動や案件支援に携わっています。支援先としてはヘルスケアや決済関連、直近では地方公共団体のシステム開発に携わっています。

大学では情報系の学部に所属し、業界を絞らずスタートアップなども含めて就職先を探していました。当時NTTデータの社員複数名と会話する機会をもらったのですが、課題ドリブンで働けること、多様なキャリアパスがあることに魅力を感じて入社しました。

──印象に残っているプロジェクトにはどのようなものがありますか。

大森 正也 大森

特に印象に残っているのは、ある通信領域のお客様のシステム仮想化プロジェクトです。要件定義からサービス開始まで約1年半をかけたもので、OSやアプリケーションを変えられないなど制約も多いほか、高いセキュリティを担保しなければならないなど非常に難度の高いものでした。

なかでも一番の難所だったのは性能試験のフェーズです。サービス開始時を想定した業務量を走らせ、負荷をかける試験を実施するのですが、どこが遅いのか、その原因は何かなど、限られたスケジュールのなかで一つ一つ解決していきました。この案件を経験したことでシニアITスペシャリストの社内認定を受けたこともあり、自分を成長させてくれた思い出深いプロジェクトとなっています。

守屋 統 守屋

私は、大森と一緒に参画した行政のお客様のプロジェクトが印象に残っています。お客様のオンプレミスのデータをクラウドに移行させる際にトラブルが発生し、私たちがアサインされました。そして現場ヒアリングを始めたところ、移行予定だったクラウドサービスではお客様のご要望にお応えできないことが判明し、再度、要件の整理やクラウドサービスの選定から行いました。ベンダーと密に連携して最終的に解決策が見つかったときは達成感がありましたね。私がマイクロソフトのトップエンジニア認定を受けることができたのも、この案件がきっかけです。

西川

私は現在、地方公共団体の基幹業務システムの標準化に取り組んでいます。扱うデータは膨大かつセンシティブなものも含まれ、国内では前例のないプロジェクトです。私が所属する技術コミュニティのエンジニアはもちろん、他部門の有識者にもアドバイスをもらいながら進めているところです。

大森 正也 大森

私たちが手掛けるシステムはどれも巨大で難度も高いので、一人では太刀打ちできず、チームワークが不可欠です。そうした連携に長けているのは、NTTデータの強みだと思います。

コミュニティ活動を通じ、切磋琢磨しながら技術を磨く

──プロジェクト推進統括部だからこそ得られる経験やスキルとして、どんなものがありますか。

大森 正也 大森

先ほど西川が話した技術コミュニティは、日々の課題解決はもちろん、技術レベルを上げるのに非常に有用ですね。私自身、専門領域ではない課題に直面したときによくアドバイスをもらっています。私たちは、長期間特定の案件にかかりきりになり、担当領域以外の知見を習得する時間を取れない場面もあります。そうしたとき、様々な領域の専門家が集まるコミュニティを活用することで、最新の技術や知識をキャッチアップできています。

守屋 統 守屋

この組織には教え合うカルチャーが根付いていますよね。入社当時、私は右も左もわからない状態でしたが、周囲の先輩に何度も助けてもらいました。自分なりに考えて、仮説を立てたうえでアドバイスを求めれば、必ず適切なフィードバックやレビューをもらえます。

他にも、コミュニティ内でテーマを設定して技術勉強会を行うこともあります。技術戦略担当に所属するトップエンジニアから学び、切磋琢磨できるのは恵まれているなと思います。

西川

先日は、プラットフォーム分野のコミュニティで大森が主導してトラブルシューティングの勉強会をしていましたよね。

大森 正也 大森

はい。本番でトラブルが発生すると焦ってしまいがちなので、事前にトラブルが仕込まれた環境で練習する機会があるとよいと考え、実施しました。

西川

社内には大森のようなトップエンジニアが何人もいて、一緒にプロジェクトに入っていなくても、上司部下の関係性でなくても、多方面からアドバイスをもらえます。技術者としてのロールモデルが身近にこれだけ多くいるというのも、技術戦略担当ならではですね。

──特にやりがいを感じるのは、どんなときですか。

守屋 統 守屋

テーマやお客様を限定することなく、様々な難度のプロジェクトを担当できることです。また、繰り返しにはなりますが、コミュニティ内で学びが得られること。これらはこの部門ならではのやりがいだと思います。

西川

公共・社会基盤の多岐にわたる課題に向き合える点です。「国内初」といえるようなプロジェクトばかりなので、そのなかで課題を発見する能力、解決策を見出す思考力が養われていると感じます。

──今後のキャリアビジョンを教えてください。

大森 正也 大森

私は引き続きプラットフォーム領域のスペシャリストとして技術を磨きたいと考えています。現在は社内でシニアITスペシャリストの認定を受けているので、エグゼクティブ認定を目指しているところです。

そのうえでは、他のメンバーを育成する役割も求められてきます。日々の業務はもちろん、コミュニティ活動にも一層力を入れていきたいですね。

守屋 統 守屋

私が目指すのは、自分の技術力で公共のシステムをより良くすることにあります。そのためにはクラウドエンジニアとしてまだ修行が必要だと考えています。クラウドネイティブ案件、基盤のコンテナ化案件など、新しい経験をどんどん積んでいきたいです。

西川

私が興味を持って取り組んでいるテーマは、「人口動態が変わる日本においていかに社会インフラをより良くできるか、維持していくか」です。これまで手掛けたプロジェクトもこのテーマに関わるものでしたが、今後も挑戦し続けます。いずれはマネジメント領域にも手を広げていきたいですね。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです