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直近2年間で離職ゼロ。クラウドエンジニアがのびのびと働ける組織とは

あらゆる分野のお客様に対して、事業成長に不可欠なITプラットフォームを提供するクラウドインテグレーション統括部。データセンタからパブリッククラウドまでインフラ領域のプラットフォーム全般を事業領域とする事業部の中で、パブリッククラウドを軸にお客様の戦略的なクラウド活用を支援しています。統括部内の数あるグループの中で、クラウド開発グループは坂本が着任してから2年間、退職者ゼロを維持しています。人材の流動性が高いと言われるクラウド領域で、エンジニアが定着している背景には何があるのか。働く魅力や、坂本が描く組織のあり方に迫ります。

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戦略的なインフラ設計で、業界のリーディングカンパニーを支える

公共、金融、法人という幅広い分野のお客様に対して、クラウド利用に関する提案・コンサルティングからシステム構築を行うクラウドインテグレーション統括部。なかでも坂本がマネジメントするクラウド開発グループは、法人分野(製造業、流通業、小売業など)のお客様を中心にパブリッククラウドを活用したシステムや共通基盤の提案・構築・運用を行っています。

法人分野のお客様は、公共や金融分野のお客様よりもスピード感を重視する傾向にあります。これは顧客の期待に応える製品やサービスをより早く生み出すことが競合他社との差異化となり、企業の成長につながるためです。このような状況下では、エンドユーザーの体験価値のアップデートが何よりも重要になります。そのため、お客様が競合他社よりも先に新たな価値を提供できるように、市場の要求に対して迅速かつ柔軟に対応できるクラウド技術を提供することが、私たちに求められています。

例えば、小売業界においては、DXの加速により、迅速な製品・サービスの投入が競争優位の要になっています。小売業では、顧客データを活用したパーソナライズドマーケティングや、需要予測の精度向上といった取組が重視されており、クラウド技術を活用したデータ分析基盤の整備も進んでいます。これにより、リアルタイムでの顧客ニーズへの対応や、迅速な体験価値の提供が可能になっています。このような背景のもと、市場のニーズに応えるためのクラウド基盤を提供し、お客様の成長を支えることが私たちのミッションです。

一般的なクラウドインテグレーションは特定の事業課題に対して行われますが、私たちの組織はCCoE (Cloud Center of Excellence)としてお客様のクラウド活用を戦略的に推進する領域も手がけていることに特色があります。私たちが支援するお客様は、業界のリーディングカンパニーで規模が大きく、抱えている課題が複雑です。そのため、単発のソリューションを導入するだけでは、いざ全社的にクラウド活用を推進しようとした際にさまざまな制約事項が生まれてしまいます。だからこそ、私たちはお客様のシステム全体像だけでなく、経営戦略やビジネスモデルなども踏まえて社内外の豊富なアセットから最適な組み合わせを模索し、お客様が全社的にクラウドを活用するための共通基盤を提供しています。

ハイブリッドクラウドやマルチクラウドなど、複数のクラウド技術を組み合わせる企業が増えている現在では、お客様ごとに最適なインフラ基盤をデザインすることが重要です。業界のリーディングカンパニーが社会に対してより良い価値を届けられるよう、お客様の経営戦略という最上流からクラウドの導入・活用を考え、多種多様なアセットから最適解を導き出していく魅力がクラウド開発グループにはあります。

制約に縛られず、幅広い分野で最適なインフラを追求していく

クラウド開発グループにはCCoEだけでなく、システムの信頼性を追求するSRE(Site Reliability Engineering)としての役割もあります。

特に法人分野のビジネスモデルは、エンドユーザーとの間にシステムが介在することでカスタマーエクスペリエンス(CX)を高めているケースが多いです。そのため、システムの開発と運用の両方を効率化し、カスタマーエクスペリエンスを持続的にアップデートすることが求められます。このニーズに応えるために、クラウド開発グループが取り組んでいるのがエンタープライズSREです。

クラウドアーキテクチャを設計した後も、ビジネスの競争環境は変化していきます。そのような状況下でもお客様がビジネスの競争力を維持できるように、クラウド運用の自動化などによってビジネスの信頼性や変化への対応力を高めていく。それがSREとしての私たちの役割です。このことから、エンタープライズ領域の複雑で多層的なクラウドインフラを設計する高度な技術と、社会的影響力の強いビジネスのサービスレベルを高める運用スキルの両方を得られるのが、クラウド開発グループで働く魅力でもあります。

エンジニアのキャリア形成において、NTTデータならではの魅力を坂本に尋ねると、「オンリーワンの環境を追求できることにある」という見解を示しました。

今ではハイブリッドクラウドやマルチクラウドを採用する企業が増えていますが、それらを戦略的に上手く扱えている企業はまだ多くないと考えています。ただつながっていてデータのやり取りができるレベルに留まってしまうなど、クラウドの真価が引き出せていないのです。そのうえで最適なインフラ環境を突き詰めていくと、お客様の経営戦略や組織形態などによって理想のかたちは異なります。NTTデータなら、特定のクラウドサービスの制約に左右されることはありません。パブリッククラウドとプライベートクラウドをはじめとした、豊富なアセットを自由に組み合わせてアーキテクチャを描けるからこそ、お客様が会社全体でクラウドを戦略的に活用するためのオンリーワンの環境を提供できるのです。

さらにクラウド開発グループは法人分野のお客様が多いものの、他にも公共や金融などの分野にとらわれないプロジェクト参画が可能です。「色々な企業に転職しているような感覚があって楽しい」と坂本は言います。

分野をまたいでみると、お客様が社会に与えている価値の違いがはっきりと分かります。プロジェクトを通じてさまざまなビジネスに触れながら、エンジニアとしてスキルを磨いていけるのは分野横断組織ならではの魅力です。私は飽き性で同じことを繰り返すことがあまり好きではないのですが、分野の制限がないことはビジネスの考え方や技術の扱い方にも違いが出てくるので、刺激が多くて飽きないと思います。

一人ひとりが裁量を持ちながらも、安心して働ける。そんな組織をつくりたい

NTTデータに入社後、金融分野でエンジニアとしてのスキルを磨いてきた坂本。2024年に部長に就任してからは、「技術支援組織での経験が活きている」と言います。

技術支援組織は、金融分野全般のトラブルシューティングを行う側面があって、色々な課題に悩まされているエンジニアを助けにいく日々を過ごしていました。そのときに物事を俯瞰的に見ることが習慣化し、どのように課題解決をサポートすれば良いかを考えて実行する経験が、今のチームビルディングに役立っていると思います。私自身、これまで自分の好きなように働かせていただいたので、チームメンバーにもやりたいことをやってもらいたいと考えていて。そのうえで適切なタイミングでフォローできるように、プロジェクトごとの状況を追うようにしています。

そう語りながら、「特別なことは何もしていませんよ」と笑う坂本。しかし、部下のエンジニアに話を聞いてみると、クラウド開発グループが2年もの間、離職者が一人も出ていない理由が見えてきました。

「フラットに接してくれるので、ついつい相談してしまう」という坂本の人柄を表すコメントだけでなく、「坂本さんが上司になってから仕事のモチベーションが上がり、よりお客様に価値を提供できるようになった」というコメントからも、任せることと支えることのバランス感覚の絶妙さが伺えます。この根底には、「任せっきりにならないようにしたい」という考えがあるようです。

上司が仕事を丸投げしてしまうと、エンジニアはここにいる意味が分からなくなります。だからこそ、課長たちには部下の仕事としっかり向き合うように伝えていて、仕事は任せられているけど何をしているかを理解してくれている、適切なサポートやフィードバックが受けられると思える関係性をつくることが大事だと考えています。チームビルディングをしているという特別な意識はありませんが、みんながのびのびと働ける環境をつくっていきたいですね。

組織としての今後の目標を尋ねてみると、「パブリッククラウドだけでなく、OpenCanvas®やオンプレミスなど、社内で担当が分かれているインフラ領域で人財や知見を横断化した組織を目指したい」と思いを語りました。Newオンプレミスなど、クラウド技術が新たな可能性を見せる中で、お客様に対して今まで以上に価値を発揮できるように組織をつくっていく。その実現に向けて、坂本の挑戦は続いていきます。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです