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舞台は「防衛×IT」の最前線。文系出身の私が大規模プロジェクトの推進役になるまで

さまざまな社会課題の解決に取り組む公共・社会基盤分野の中でも、航空、自動車、防衛などの領域に特化し、テクノロジーの力で人々の安心・安全な「移動」と「暮らし」という社会基盤を守ることをミッションに掲げるのがモビリティ&レジリエンス事業部です。入社5年目の松永みなみは、この事業部で防衛担当の営業として活躍しています。しかし、学生時代は文系出身で、ITとも国防とも縁遠い暮らしをしてきたと言います。そんな松永が、どのような経験と努力を重ねて、お客様に信頼される存在へと成長したのでしょうか。キャリアの軌跡を紐解きます。

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世の中に広く価値提供できる会社を求めNTTデータへ

法学部の政治学科出身で、学生時代に熱中したことはテニスサークルの活動。松永は当時について、「ITとは全く無縁の世界にいましたね」とはにかむように笑います。テニス経験者だった松永は、新人のコーチ役を買って出たり、試合の申請手続きを担当したりと、サークルの運営業務にも積極的に取り組んでいました。

子どもの頃から人に頼られることや求められることに重圧を感じることはなかったですね。むしろ、頑張ってやりきった方が自分も気持ちいいし、得られるものがある!と前向きに捉えるタイプでした。

責任感の強い松永は、就職活動でも「自分が心から“価値があるな”と思えるものを提供できる仕事は何か」を軸に企業リサーチを行いました。そして業界や職種を絞らず、さまざまな企業の話を聞くうちにひとつの共通点を見出します。

航空、金融、不動産など幅広い企業のセミナーに参加しましたが、どの会社も事業変革のキーワードとしてITの活用やDXを掲げていました。そこでどこかひとつの業界に身を置かなくても、ITを提供する企業に進めば世の中に広く価値提供できるなと思ったんです。

進むべき道は見出したものの、その後の就職活動は順風満帆とはいきません。特に苦労したのが面接でのやりとり。原因は「嘘や取り繕うのが苦手」という自身の性格ゆえでした。

その点、価値観が合うと感じたのがNTTデータでした。セミナーで会う社員の方々は、自分が頑張っていることや成功体験だけでなく、大変さも含めて誠実に話してくれました。それに面接の際も、私が伝えたいことを上手くまとめられずに終わってしまったときは、日を改めてもう一度お話しする機会を設けてくれて。時間をかけてでも、きちんと相手と向き合ったうえで判断しようとする姿勢を実感して「いい会社だな」と思ったんです。

入社後にキャリアの可能性を拓きたいと考えていた松永にとっては、ビジネス領域や職域の広さもポイントでした。まずは広く社会に貢献するような大規模なシステム開発に携わりたいと考え、最初の配属先として公共・社会基盤分野を希望。それは叶ったものの、まさか自分が「防衛担当」に就くとは想像もしていなかったそうです。

最初は、「そんな部署があるんだ!」とただただ驚きました。そして漠然と、防衛担当の営業ってかっこいいなとうれしくなりました。仕事の中身はまだ何も分かっていませんでしたが、飛行機好きの父の影響もありましたし、防衛省や宇宙事業などと関わるスケールの大きさもやりがいがあると思ったんです。

尊敬できる上司の一挙手一投足が、大きな学びに

前向きな意欲を持って飛び込んだ「防衛×IT」の世界。そんな松永にこの仕事のイロハを教えてくれたのは、15年以上の経験を持つ女性上司でした。一緒に取り組んだ最初のプロジェクトは、海上自衛隊に情報連携システムをレンタルする事業です。

その上司は官公庁特有の規則や文化は尊重したうえで、お客様との柔和なコミュニケーションやさりげない気配りなど、人と人との関係性を大事にされていました。さらに、防衛分野の知識やチームマネジメントに精通していて、当社だけでなくお客様も困ることがないように考え、必要に応じて上層部を巻き込みながら、物事を進める方でした。そうした仕事ぶりを身近に感じ吸収でき、今の私のベースになっていると感じます。

そんな松永に転機が訪れたのは、入社3年目の終わり。精神的支柱とも言える上司の異動が決まったのです。さらに松永自身がメイン担当を引き継ぐことになった矢先、プロジェクト自体も重要な方向転換を迫られることになります。

自衛隊ネットワークシステムについて、急遽、数年先の更改のタイミングを予定していたセキュリティ要件のアップデートを今年度中に前倒しすることになったのです。

最初は情報が錯綜し、お客様の上層部を巻き込んだ動きも増え、営業だけでは判断できない問題にいくつも直面しました。それでもこのプロジェクトのメイン担当は私です。「自分が進めるしかない」と懸命に奔走しました。

当初は分からないことも多く、上司、開発チーム、お客様に質問を重ねる日々。しかし、臆することなくコミュニケーションを重ねる中で次第に専門知識が高まり、自ら判断できることが増えていきます。その変化は周囲にも伝わり、お客様や開発チームからの信頼獲得へつながりました。そうした中、さらに松永にとっての大きなモチベーションになったことがあります。

実は同時期に新入社員がチームに配属され、私がトレーニーを務めることになったんです。自分がそうしてもらったように、新しい仲間のこともしっかり育ててあげたいと思ったときに、「だったら泣き言は言っていられないな」と気持ちが固まりました。

約1年に及んだこのプロジェクトを振り返って、松永は「大変でしたが、それ以上に自信と成長を得ることができました。それに新人の子も頑張ってくれましたから」と微笑みます。持ち前の責任感と、尊敬する上司に学んだ立ち振る舞い、そして仲間の惜しみない協力。その一つひとつが、難局を乗り越える力となったのです。

この仕事の誇りを感じた、「一緒に立ち向かってほしい」の言葉

少数精鋭の組織で、若手のうちから一人称で業務に取り組めることは、防衛担当ならではのやりがいだと松永は話します。この環境だからこそ、営業はお客様のパートナーであり、プロジェクトの推進役でもあるという意識が強くなっています。

プロジェクトマネージャーとは違う立場で現場の状況を捉え、いい意味で感情的にならずに「このマイルストーンがあるから、そこに間に合うようにどう動くべきか」を考え、社内に提案するのも大事な仕事のひとつだと思っています。

これも開発メンバーの方々が、私のような若手社員の声も聞いてくれるフラットな雰囲気があるからできることだと思いますし、その結果、お客様や開発現場の役に立てたときはうれしいですね。

自分主体で仕事に邁進する日々を通して、国防に対する想いにも変化が生まれました。

お客様の現場に近い方から「NTTデータも一緒に立ち向かっているつもりで取り組んでほしい」という言葉をいただいたことがあります。入社当初は単純にかっこいいイメージだけでしたが、サイバーディフェンスが重要課題となる中、自分事として国防に取り組む方々と接することで、今は私自身も防衛に携わる仕事に誇りを感じています。

キャリアの第一歩を、「防衛」という国家規模のテーマで踏み出した松永。将来は「お客様のためにもっと役立ちたい」「より良い方向に進むような提案がしたい」と、自分らしい視点でプロジェクトに臨んできた経験を持って、他の領域にもチャレンジしていきたいと言います。

モビリティ&レジリエンス事業部では、空の安全を守る航空管制システムなども手掛けていますし、ゆくゆくはそうした国防とは違う面から社会貢献に携わってみたい気持ちもあります。

また、官公庁と民間ビジネスではプロジェクトに関する制約やプロセス、スピード感なども変わってくると思うんですよね。ですから、いつかは法人のお客様も経験して引き出しを増やし、お客様のことをお客様以上に理解して深い提案ができる営業をめざしたいと思います。

IT未経験でのスタートながら、大規模プロジェクトに自発的に取り組むことで、自身の可能性を切り拓いてきた松永。NTTデータというどのようなチャレンジもめざせる舞台で、そのキャリアはさらに輝きを増していきます。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです