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「しくみ×IT」の乗算によって新規事業を生み出し、社会をデザインする

公共統括本部の社会DX推進室にて防災・レジリエンス推進を担当する岡田 裕介。年々複雑化する社会課題に対し、官民双方との連携を通じたソリューション提供ができるNTTデータだからこそ挑めることとは。社会の新たなしくみをつくることを志す岡田が、18年間のキャリアで得た経験や学びについて振り返ります。

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「IT領域×社会のしくみづくり」が入社の決め手に

▲隠岐空港にて。日本全国をまわり営業活動していました

公共統括本部の社会DX推進室に所属し、防災・レジリエンス推進を担当する岡田は、これまで多様な領域の課題解決に関わる事業戦略の構築や、新規事業創出といった領域を担ってきました。岡田が重視する“社会デザイン”の視座の源流は、学生時代にさかのぼります。

大学で都市計画について学び、より良いまちづくりのための規制やインセンティブといったしくみに興味を持ったことから、「社会のしくみづくりに関わりたい」という思いを就職活動の軸にしました。さまざまな業界や職種を検討しましたが、その中で特に私の胸に残ったのは、「未来のしくみを、ITでつくる」というスローガンを掲げていたNTTデータです。 さまざまな業界を支えるIT企業であり、かつ国のしくみづくりに携われる土壌もあったことが、入社の決め手となりました。

希望通り公共系の部署に配属された岡田は、入社後、幅広い領域の新規事業や営業活動に携わることになります。キャリアスタート時はインバウンドの観光サービスを企画する部署に所属し、その次は衛星画像販売ビジネスの営業活動を経験しました。いずれも試験的に始まった新規事業であったことが、岡田に多くの学びをもたらします。

衛星画像の販売では、まだどこに売れるかすらわからないところから国道事務所や河川事務所などに対して、仮説を立てては顧客にあたって答え合わせをしていました。訪問した顧客の数だけ売れる確度が上がっていき、「答えは顧客が持っている」 といった営業の“いろは”を学べたと思います。

仕事の基礎を学んで迎えた2008年、岡田に大きな転機が訪れます。日本の交通政策や気象業務などを一手に担う国土交通省への出向の話が舞い込んだのです。これは社会のしくみづくりに関われる好機かもしれない。そう考えた岡田は、それまでやってきた業務内容とは一転することに不安な気持ちを抱えつつも、挑戦の一歩を踏み出しました。

国土交通省で体感した「しくみ」がもたらす力と重要性

私が国土交通省で担当していたのは、安全かつ効率的な自動車運行のためのIT活用やテクノロジー周辺のITSプロジェクトです。事故を防ぐための自動車の機能や、カーナビなどの機器を介した情報通信技術をもとに、道路交通に関わる社会課題解決をめざしていました。

一例を挙げると、当時ガソリンの高騰が深刻化した時期があり、とくにトラックなどの大型車はその打撃を受けました。私は流通コスト削減のために効率的な運行が必要と考え、街中を走るタクシーの走行データを活用し、空いている道へとトラックを誘導して効率的な運行を実現する実証事業などに携わりました。

岡田は国土交通省で自動車運行に関わる課題の最先端を見つめ、何が社会にとって最適なしくみかを考え、施策に落とし込み、実行に移していきました。その中でも岡田の印象に強く残っているのは、ある制度が誕生する瞬間を目の当たりにしたことです。

リーマンショックによって経済活動が打撃を受けた際、国土交通省が経済産業省とともに緊急対策として打ち出したのがエコカー補助金制度です。国民に環境性能の良い新車購入を喚起し、環境対策に貢献するとともに、自動車産業等の国内市場活性化も実現する、まさに“三方良し”のしくみでした。

省庁は基本スタンスとして門戸を広げてさまざまな意見を集め、世の中の動向を踏まえて政策を検討しています。この制度は海外事例や、政策提言を鑑みて検討を重ね、生まれたものです。社会課題解決に向けて官民連携し、流れを変えるしくみが生まれる瞬間に携われたことは、とても貴重な経験でした。

この経験から、岡田は改めて情報システムの前提としてのしくみの重要さに気づきました。

エコカー補助金制度ができたことで、申請を受け付け、審査し、補助金を交付するまでのシステムを急遽一人で作り上げました。新たなしくみができたので、新たなシステムのニーズが生まれたのです。

システムはしくみを実現するためのひとつの手段に過ぎません。当社はシステムありきで考えてしまうところがありますが、一番大事なのはしくみそのものであり、それが社会にとってより良いものであるか考え、そこから逆算して最適な形を模索することが重要なのです。

社会デザイン活動を通じ、新規事業に関わるステークホルダーをまとめる

2年間の出向を終えてNTTデータに戻ってきた岡田は、省庁などへの営業活動、地籍調査DXや不動産登記の海外展開といった新規事業を担当した後、2017年から現在の社会DX推進室の前身組織に異動しました。

現在、私は社会課題を起点とした新規ビジネス創出を図る「社会デザイン活動」に注力しています。

その中で、現在とくに注力しているのは防災分野です。昨今深刻化している自然災害について、中長期戦略を検討しています。デジタル庁が今後注力するテーマのひとつとしても防災が挙げられており、そこに対してNTTデータがどのような政策提言を打ち出すか検討するのも、私の仕事のひとつです。

また、これまで個別に行われてきた災害関連の取り組みを統合・設立したデジタル防災プラットフォーム「D-Resilio®」は、その戦略の一環です。

社内外の関係組織を巻き込み、その双方でリーダーシップを発揮するとともに、ビジョン達成へのベクトルをそろえて事業化を推進する岡田。その根底にあるのは、学生時代から一貫した、社会をより良くするしくみづくりに対する熱い思いです。

システム改善だけでなく、人の働きや意識改革なども含めた全体設計を考えなければ、企業や国の本質的な課題解決やDX推進は成功しません。まずは優先的に防災に注力していますが、今後は高齢化社会など他の社会テーマにも取り組んでいく予定です。私はその中で、各ステークホルダーの利害や立場を鑑みつつ一同にまとめ、垣根なく一緒に取り組む基盤を作っていきたいですね。

ポテンシャルが高いNTTデータで、より良い社会デザインをめざす

▲より良い社会づくりのため、地域活動にも参画しています

岡田がNTTデータに入社して、2022年6月現在で18年。この間、NTTデータもまた、目まぐるしい社会変動の中で企業として提供できる価値は何かを模索してきました。そして今、NTTデータは変革期を迎えています。社会貢献の手段としてのシステムを提供し、それを事業化することをめざし、さまざまな挑戦を始めています。

岡田はそういったNTTデータの変革をリードする一人です。あらゆるお客様や社会課題と向き合い、新規事業創出や未踏の施策実行に奮闘してきた岡田の働きは、まさに社会をデザインすることへと直結しています。

これまでNTTデータでさまざまな案件に取り組んできましたが、最終的には何かしらの形で社会デザインに関わってきたな、と感じます。私にとっての社会デザインとは、新たなしくみをつくることです。やはりこれが自分のやりたかったことなのだと、振り返って改めて感じますね。

インパクトの大きなしくみづくりに挑むために選んだ、公共分野でのキャリア。ここで岡田は、官公庁にとどまらず、あらゆるステークホルダーとの協働を通じ、挑戦を続けてきました。その挑戦の先にめざすのは、“三方良し”といえる制度を作ることです。

自治体・企業やエンドユーザー、社会といったあらゆる立場にいるなるべく多くの人が喜べる状況を実現することが、私の目標です。NTTデータには政策提言のみにとどまらず、ITサービスとしてそれを社会実装できるケイパビリティがあります。その強みを活かし、今後も社会デザイン活動を続けていきたいです。

私にとってNTTデータは、一言でいえばポテンシャルの高い企業です。自分の企画次第では世の中を変えられる可能性がある、と思います。柔軟でフラットなカルチャーや培われてきた実績、お客様との幅広いネットワークがあるからこそ、私はNTTデータに魅力を感じ続けているのでしょう。

社内部門や官公庁と民間企業の間を結び、ITソリューションとの乗算によって新しいしくみを生み出す岡田。そのビジョナリーな働きを原動力に、岡田は今後も社会のしくみそのものをアップデートし、運用可能なシステムとして実装し続けていきます。

出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2022年7月20日公開)より転載

※掲載記事の内容は、取材当時のものです