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社会課題起点でゼロから事業を生み出すコンサルティングの魅力

2024年7月、NTTデータの公共・社会基盤領域において、新たに「社会DX&コンサルティング事業部」が立ち上がりました。一つの中央省庁・地方自治体の悩み解決にとどまらず、さまざまな社会課題の本質的な解決を実現するべく、新たな仲間を募集しています。新事業部立ち上げの経緯やミッション、そして今参画する醍醐味について、事業部門長の藤本氏と、新規事業開発コンサルタントとして活躍するメンバー2人に伺いました。

目次

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100年先、日本を豊かにするために何ができるか──NTTデータの使命感

──社会DX&コンサルティング事業部が設立された経緯を教えてください。

藤本 洋史 藤本

NTTデータではこれまで、公共・社会基盤分野のあらゆる課題をITの力で解決してきました。この点には、大きな自負を持っていますが、改めて見つめ直すと、一部の中央省庁や地方自治体、事業者の悩みに個別に対応してきたのが実情です。そこで、公共・社会基盤分野が掲げる「国民・地域住民の目線に立った課題解決」という原点に立ち戻り、これからの50年、100年、日本が豊かな国としてさらに成長するために私たちは何ができるか、何をすべきかをゼロから考えたのです。そうして、ITだけでなく「non-IT」領域にも手を広げて新たな事業を生み出していく新組織、社会DX&コンサルティング事業部を立ち上げるに至りました。

大きなきっかけとなったのは、公共・社会基盤分野の長であり国内事業会社の副社長である園田の「本気で社会課題解決をしたい」という強い思いです。私もその熱い思いに共感し、共に走ろうと覚悟を決めました。

──社会DX&コンサルティング事業部は、どういったミッションを持ち、どのような事業を展開していくのでしょうか。

藤本 洋史 藤本

ミッションは大きく2つあります。1つはNTTデータの次の事業の柱として、社会課題解決に資する新規事業を立ち上げること。もう1つは、社長の佐々木がスローガンとして掲げる「提言・実装・成果」を体現するコンサルタントを、公共・社会基盤領域で育成することです。

会社からも大きな期待を掛けられ重責を担っているわけですが、だからこそ私は「いかに楽しくやるか」を主眼に置いています。当然、社会課題を解決する新事業を生み出し成果を挙げることを目指しますが、それには膨大な時間がかかりますし、数多くの困難があるはずです。たとえ成果に結びつかない施策であっても、そのプロセスにおいて新しいビジネスの種を見つけられるでしょう。長く困難な道のりだからこそ、プロセス自体もみんなで楽しみながらやりたいと思っています。

──まだ発足したばかりではありますが、現段階でどのような取り組みをされていますか。

藤本 洋史 藤本

まだ検討段階ではありますが、解決すべきテーマとして考えているのは環境問題、子育て世代の抱える問題、健康・医療・介護の問題、食の農業の問題などさまざまです。一部の領域ではすでにサービス企画を進めていますし、既存部門から引き継ぐ形ですでに商用化している事業もあります。

私たちは「0→1」のチャレンジを行っていきますが、時にNTTデータのすでにアセットとして持つ「0.3」や「0.5」の種を事業化し、大きく育てることも手掛けます。社会課題を解決するには数十年といった長いスパンがかかることが往々にしてありますが、すでにある事業の種を活用することによって数年で形にできるものもあるでしょう。

私たちの組織が目指すのは、必ずしも売り上げや利益だけではありません。社会課題に真正面から向き合う以上、さまざまなプレーヤーを巻き込んで課題解決に向けて協業する仲間が必要です。そうしたコンソーシアムを作り上げることも重要な指標の一つになると考えています。

──社会課題解決において、NTTデータが発揮できる強みは何ですか。

藤本 洋史 藤本

まず、長年の実績と、それに伴う多種多様な業種の知見です。また、システムの開発や保守運用などを通じて、それぞれのお客様の現場についても深く理解し知識を培ってきました。加えて、多くのお客様の課題に寄り添い、根気強く向き合い続けてきた経験から、NTTデータとお客様との間には強固な信頼関係が築かれています。

こうした強みが、私たちコンサルタントの課題発掘、解決策の模索、そして業務改革から課題解決に至るまでのすべての活動に生かされています。また、最後までやり抜く「完遂力」「折れない心」もまた、社会課題に向き合ううえで大きな推進力となっています。

「non-IT」にも踏み込み、未知の領域に果敢にチャレンジする

──中長期を見据えた今後の事業展望をお聞かせください。

藤本 洋史 藤本

全社方針にもあるように、私たちは「ITのパートナー」から「ビジネスパートナー」へ、一段高い視座でお客様に伴走する立ち位置を目指しています。だからこそITにとどまらずnon-IT領域にも踏み出しますし、戦略コンサルティングやBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)なども視野に入れ、事業領域を拡大していきます。

ですから、長期的な展望は未知数です。例えば、カーボンニュートラルの実現に向けてCO2削減のための植林事業に参画することがあってもいいですし、そこで得た知見を以って排出権取引を円滑化するプラットフォームを構築する事業を行うといった構想もあり得ます。従来のNTTデータでは考えられなかった新しいアイデアも積極的に取り入れながら、新事業を模索していきます。

──そうした展望の実現に向け、どういった方に仲間になってほしいですか。

藤本 洋史 藤本

組織名の頭文字「S(Social)」「D(DX)」「C(Consulting)」になぞらえ、「スピード(Speed)」と「情熱(Devotion)」「チャレンジ(Challenge)」の3つの要素を兼ね揃えた方にぜひ仲間になっていただきたいです。自ら社会課題を見い出し、それを「解決したい」という強い思いを持っていること、そして熱量を高く、あきらめない心を持った方を求めています。なお、業界・業種は問いません。多岐にわたるテーマを扱う組織なので、幅広い知見を生かしていただけます。

採用面接に私自身が参加することも多いのですが、そのなかでは候補者の方の本質を知ることを心掛けています。「この方が入社されたらどんな活躍フィールドを提供できるか」「どんな夢を共に実現していけるか」そんなことを考えながら対話させていただくので、ぜひ皆様の思いや夢を熱く語ってください。

社会課題解決に、先例はない。だからこそ自分の意志が重視される

──お二人はこれまでどんなキャリアを歩んできましたか。

梅田 学 梅田

新卒でNTTデータに入社し、県税システムやマイナンバー関連システムの開発、マイナポータル周辺案件の営業に携わってきました。この1年ほどは、マイナンバーカードに関連する新規サービスの企画・提案活動に従事しています。

神農 明里 神農

私は新卒で自動車部品メーカーに入社し商品企画や広報業務に携わった後、専門商社で公共事業にかかわる事務や営業を経験してきました。

その後NTTデータに転職したのは、ビジネスパーソンとしてもう一段レベルアップしたいと考えたからです。現代において、ITはすべての産業、生活に欠かせないものです。そのIT業界において、日本はもちろん世界でも知名度の高いNTTデータに対して、純粋に「かっこいい」という印象を抱いていました。入社後はマイナンバーカードを活用した新規サービス企画を行うチームに配属され、サービスの企画開発からデリバリーまでを幅広く手掛けてきました。

──現在担当されている業務について詳しく教えてください。

神農 明里 神農

私は、引越しに伴う行政・民間手続きのワンストップサービスを担当しています。これは、転出・転入に関わる行政手続きに加えて、電気・ガス・水道などの事業者への手続きをオンラインで一括して行えるもので、国内で初めてNTTデータが実現させました。一部の地方自治体や中央省庁の協力のもと、PoCを経て商用化に至っています。現在はサービスの全国展開を目指すとともに、利便性を高めるオプションサービスの企画や、それを通じたマネタイズを模索しているところです。

梅田 学 梅田

私が取り組んでいるのは、マイナンバーカード利活用ビジネスです。マイナンバーカードが保有するデータを用いて個々人の社会的信用を証明することで、新しいサービスにつなげようとしています。例えばマイナンバーカードでローンを組めたり、婚活や転職活動の場での自己証明に使えたりなど、考えられるユースケースはさまざまあります。安心安全な仕組みを構築すべく、社内の技術専門組織とも連携し、ブロックチェーンなど新しい技術も活用しながらサービス検討を進めています。

──いずれも公共性が高く、社会インパクトの大きなプロジェクトですね。どういった立場で推進されているのでしょうか。

梅田 学 梅田

部長直下の組織で、私はチームリーダーの役割を担っています。企画構想に始まり提案するお客様の選定、社内外の調整など、自分で考えて進めていけます。裁量は大きいと感じますね。

神農 明里 神農

私も同じく部長直下のポジションです。立場も梅田さんと同じで、本当に自由に動き回っています。目指すべきゴールは提示されますが、進め方は自分次第です。上司から指示を受けて動くのではなく、自分で考えて自ら行動し、それに対して上司からフィードバックをもらいながら進めるという感じです。

梅田 学 梅田

そうですね。私たちの仕事はまだ世の中にない新しいサービスを生み出していくものなので、たとえマネージャー層であっても「正解」は知り得ません。だからか、役職や年次にとらわれずに「自分はこう思う」「自分はこうしたい」とフラットに意見を出し合う雰囲気が醸成されていると感じます。

神農 明里 神農

同感です。手順書やルールがある仕事ではないので、メンバー一人一人が自発的に動いてそれぞれの強みを発揮するほうが、より高い成果が得られるのだと思います。

自らのアイデアが事業に吸収、反映されていく、その「冒険」を楽しむ

──仕事のなかで特にやりがいを感じるのはどんなときですか。

神農 明里 神農

社会課題に向き合い、自らの仕事を通して解決に導けること、その成果を出していけることが、非常にエキサイティングです。「こうなればいいのに」というアイデアが次々と事業に吸収・反映され、そしてサービスとして形にしていけることに大きなやりがいを感じています。

現在は、自らの希望でとある新しいサービス企画にも参画しています。アウトプットする機会が豊富で刺激的ですし、毎日がまるで冒険のようです。

梅田 学 梅田

「冒険」という感覚、よくわかります。その通りですね。

加えて、私はさまざまな人と協働して新しいものを生み出すことに面白さを感じています。現在進めるマイナンバー利活用ビジネスもコンソーシアムがあり、私の提案や考えに賛同してくれる人が徐々に増えているのがうれしいです。事業者側も、「こんなサービスがあったらどうですか」と提案すると「いつでもやりますよ」と言ってくださる方がいて、心強いですね。多くの方が真摯に耳を傾けてくれるのは、「NTTデータ」という看板があってこそなので、ありがたく思っています。

神農 明里 神農

もう一つ、私たちの事業部には多種多様な領域のプロジェクトがあるため、日々のインプットの量がとても多いです。事業部内での情報共有によって、本来であればそのプロジェクトにしっかりと取り組まなければ知り得ない深い情報に触れられる機会が多く、シナジーを生む源泉になっていると思います。成長意欲のある方にとって魅力的な場ではないでしょうか。

──組織カルチャーや働き方についてどんな魅力がありますか。

神農 明里 神農

私はIT業界未経験で入社したわけですが、育成体制が整っているのは期待通りで、チャレンジングな案件にも早々にアサインしてもらいOJTでスキルを磨けるのはうれしい驚きでした。

入社前と大きくイメージが違ったのは、部門を超えてのコラボレーションが活発な点です。大きな企業では、個々の役割が固定され、決められた範囲内で仕事をすることになるのではと危惧していましたが、まったくそんなことはなかったです。

梅田 学 梅田

確かに部門横断のコミュニケーションは多いですね。企画面であれ、技術面であれ、何かわからないことがあると、その領域の専門部隊に相談することができます。快く相談に乗ってくれる人が多いのもNTTデータの魅力です。

また、幅広いアセットを持ち、かつ多種多様なプロジェクトを扱うNTTデータでは、自分が本当にやりたい仕事をつかむチャンスがあります。私は今11年目ですが、入社5年目のころに「コンサルティング業務にチャレンジしたい」と転職を含めてキャリアチェンジを考えたことがありました。それを上司に相談したところ、現在につながるコンサルティング領域に移ることができたんです。転職せずとも社内でさまざまなキャリアを模索できるのは恵まれていると思います。

──今後チャレンジしたいこと、解決したい社会課題を教えてください。

神農 明里 神農

社会課題を解決するために、より多くの方に影響するサービスを作りたいという思いがあるので、いつか自身が手掛けたサービスを海外でも展開したいと思っています。また、あらゆる社会課題のなかでも特に環境問題に関心があるので、自然環境を守る事業にもチャレンジしていきます。

梅田 学 梅田

私は人口動態に関心を持っています。日本において人口減少・労働力減少の流れは止められません。人口動態が変化した社会においても人々が豊かに暮らせるためにはどうすればいいのか、それを考え続けています。

現在担当しているマイナンバー利活用ビジネスもその一つです。個々の職務経歴やスキルが可視化され、最適な仕事とマッチングできるようになれば、少ない労働力人口でも生産性を維持できるのではと考えています。ほかにも教育の問題、地域社会の問題などさまざま手を広げながら、ITもnon-ITも活用し、人々の豊かに暮らしに貢献していきます。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです