成長の場に飛び込み、キャリアを確立した前職時代
2019年、経験者採用としてNTTデータに入社した川上は、2022年現在、公共・社会基盤事業推進部のプロジェクト推進統括部に在籍し、公共分野の事業部に対して技術支援を行っています。
前職は家電メーカー系。「グローバルに働きたい」という想いを軸に就職活動を行い、国外と関われる可能性がある部署があったことから入社を決めました。
将来的にグローバルな仕事ができる可能性があるため前職に入社し、会社にもその気持ちを伝えていたのですが、配属されたのはグローバルとはあまり関係のない部署でした。実際、グローバルに仕事をするためにはまだ自分の力が足りないと感じていました。そこで、知識やスキルを伸ばせる部署に行かせてほしいと伝えた結果、その部署に配属されたという経緯です。
配属先では仕事のサイクルが非常に早く、スタートアップのようだったと振り返る川上。入社後1〜2年はとにかく言われたことをやるのに精いっぱいでした。
当時は自分で考えて動くことができず、このままでは思い描くキャリアパスを描けないのではないかと焦りを感じていました。そこで、2年目の終わりごろ、自分の市場価値を確認しようと転職エージェントに相談してみたんです。
その際に言われたのは、「会社に依存したスキルであり、市場から見た場合はスキル不足」という一言。このままではグローバルな働き方はいつまでも実現しないと危機感を覚え、スキル獲得を目標に動き始めました。
川上が次のステップとして選んだのは、社内の仲間が新しく立ち上げようとしていたビジネスに、自ら売り込んで参画することでした。そして飛び込んだ新たな環境で、エンジニアリングのスキルを身につけることを決めます。
事業の立ち上げ期だったので、プリセールス、コンサル、設計開発、運営、サポートなど、未経験ながら何でもやりました。期せずしてエンジニアだけでなく対顧客対応のスキルも身につけることができ、ビジネスパーソンとして飛躍的に成長できたと思います。
あらゆる側面からビジネスに携わり実りを得た5年間を終え、30歳を目前に控えた川上は転職を考えるようになります。
新たなフェーズへ歩を進めるため転職──NTTデータには夢を叶えられる場所がある
前職の職場では転職を経験した方が多く、「一度は転職を経験しておいた方がいい」とずっと言われていたんです。キャリアを棚卸しする機会になるし、自分のやりたいことが見えてくる良い経験だから、と。だから常に転職のことが頭にありました。
また、グローバルで働きたいという想いが変わらずあったことも理由です。前職で携わったプロジェクトはいずれも国内向けで、自分がめざすキャリアとは距離がありました。転職エージェントに言われた「会社に依存したスキルであり、市場から見た場合はスキル不足」という点も改善されたと考えたため、新たなフェーズへ向けて飛び立ちたいと転職に踏み切りました。
転職活動時は受けた企業すべてからオファーを勝ち取ったという川上ですが、その中からNTTデータを選んだのは、戦略の明確さに惹かれたからです。
漠然と国外展開するのではなく、グローバルに対して明確なビジョンやポートフォリオをもってビジネス戦略を打ち出している印象がありました。NTTデータなら自分のやりたいことをやれるチャンスがあるかもしれない。今すぐは難しくても、数十年後にチャンスが巡ってくるかもしれない、と感じました。
そしてNTTデータに転職後、川上は官公庁のプロジェクトにて、クラウドエンジニアとして技術支援に参画します。前職と環境が大きく変わり、求められる役割も異なりますが、仕事に対する姿勢は変わりません。
言いたいことは全部伝えて、自分の想いや考えをしっかり主張するようにしています。そのうえで、別の意見があれば話し合い、進めていこうというスタンスです。
一方で、前職に比べてチームで仕事をする機会が増え、チームワークをより意識するようになりました。NTTデータの場合は初期のフェーズから複数人で取り組んでいくため、認識のすり合わせが非常に重要です。チームで仕事を進めるために、情報共有のためのドキュメントを細かく作成するなど工夫するようになりましたね。
「個人の成長は事業の成長」を信条に、失敗を恐れずチャレンジし続ける
チームだからこそ作り出せる成果の最大値は大きく、やりがいがあると話す川上。現在はパブリッククラウドのアーキテクチャ全般を一貫して担い、視座を上げる必要性も新たに感じ始めています。
NTTデータは人財の力が大きく、しっかりとチームに分割されていることもあって、情報共有やお互いの理解が欠かせません。そのため、自分の領域外にも目を配る必要があります。
とくに私は、パブリッククラウド環境を活用するプロジェクトに支援参画するクラウドエンジニアという立場です。モダンアーキ構成でパブリッククラウドを活用する場合、今までのようなインフラ、AP(アプリケーション)のような境界線は薄くなってきます。そのため、全体を俯瞰する役割も強く求められています。
NTTデータで新たなキャリアを築き始めた川上は、改めてNTTデータには多くの選択肢があることを知りました。
自分の専門性や軸……。たとえるなら木の“幹”を太くしていきたい人に合ったポジションがある。一方、幹ではなく“葉”を広げていきたいタイプの人にも合ったポジションがある。NTTデータは、どんな人にもしっくり来るポジションがある会社だと思います。今の私はまさに後者で、葉を広げていきたいと考えているところです。
やりたいことをやれるチャンスが巡ってくる環境だからこそ、川上は自身の成長軸を見出しました。そんな川上が仕事と向き合うときに大切にしているマインドセットは、「とりあえずやってみる」精神です。
前職時代、尊敬する先輩からもらった「俺たちの仕事は、月に家を建てろと言われているわけじゃない。失敗してもどうにかなる。とりあえずやってみよう」という言葉を胸に、仕事に向き合っています。
ビジネスパーソンである以上、会社に対して利益の観点で貢献しなければなりません。これも尊敬する先輩からの言葉ですが、私は個人の成長こそが会社の利益につながると考えています。そして、チャレンジなくして個人が成長することはできません。だからこそ、挑戦することを大事にしています。
グローバルへと足を踏み出し、24時間開発を実現したい──未来を見据えて今を駆ける
モチベーションが高いだけでなく、周囲から高い評価を受ける技術力も持ち合わせている川上ですが、めざす夢があるからこそさらなるレベルアップをめざしています。
周囲に技術力が高い方、さまざまな知見を持つ方がたくさんいることもあり、まだまだ自信は持てません。それでも今以上にスキルを磨き、エンジニアとしてレベルを上げた暁には、グローバルの世界へ踏み出していきたいと考えています。
最終的にはNTTデータのグローバル網を活かし、「高アジリティの24時間開発」をやってみたいんです。これは日本で9時から18時まで開発し、時差を活かして18時以降は別の国で開発するといった具合に、国をまたいでバトンタッチしながらひとつのシステムを作り上げていく体制です。パブリッククラウドやモダンアーキとも親和性が高くこの体制が実現すれば、これまでより開発のアジリティが上がり、お客様への訴求ポイントにもなります。また、このような開発体制を組める会社は多くないと思いますので、会社としてのストロングポイントにもなりえます。
キャリアスタート当初から掲げていた「グローバルで働きたい」という想いは今もぶれていません。まだ道半ばではあるものの、川上は夢に向けて着実に前進しています。
「高アジリティの24時間開発」という大きな夢を叶えるためには、まず国外での基盤を整えたいと考えています。エンジニアとしてある程度キャリアを確立できたら、次は2〜3カ国でそれぞれ3〜4年ほど働いて人脈の土壌や私の夢をおもしろいと思ってくれる仲間を色々な場所に作りたいです。こういったことにチャレンジできたら、最高におもしろいですね。
一心に自分の夢へと向かっていく川上。これからキャリアをスタートさせる人や、キャリアの転機にいる人に向けて伝えたいメッセージには、自身のそのまっすぐな視線が反映されています。
自分がやりたいことを軸にして、とにかくチャレンジしてほしい。それだけです。とはいえ、軸がなければチャレンジもうまくいきません。軸が見つからない人は、まず自分の市場価値を意識し、キャリアやスキルの棚卸しや考えの整理を試してみることをおすすめします。
同じ場所で足踏みしていても成長しないし、会社の事業も大きくなりません。事業が大きくならないということは、会社の利益が上がらず、自分たちの利益も上がらないということ。だからみんなで成長し、事業成長していけたら楽しいはずです。
高い技術力とモチベーションを携え、自らの立場を冷静に見極めながら、戦略的にビジョンを描く川上。挑戦し続ける姿勢でNTTデータを力強く牽引する彼がグローバルに活躍する日はそう遠くないはずです。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2022年12月12日公開)より転載