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誇りと使命感を胸に、日本最大級のシステム刷新に挑む

日本最大級の社会保障システムを手掛ける、株式会社NTTデータの第二ソーシャルセキュリティ事業部。同事業部が今まさに手掛けている日本社会を支える大型プロジェクトは、事務処理業務全般のデジタル化・ペーパーレス化を行う、第一弾のシステム刷新を経て、第二弾として社会保障の基幹系システムの刷新プロジェクトが始動しています。国内最大級、前例のないプロジェクトを推進するにあたり、どのような困難に向き合い、どう乗り越えてきたのか、今後どのようなチャレンジが待っているのか──。中核メンバーの3名にお話を伺いました。

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国民の暮らしを支える社会保障システムを手掛ける使命感、そして誇り

──まず、NTTデータ第二ソーシャルセキュリティ事業部の事業概要と、その社会的意義についてお聞かせください。

松本 一隆 松本

事業内容を一言でいうと、社会保障システムの開発、保守・運用です。お客様は主に中央省庁で、いずれもミッションクリティカルなシステムを手掛けています。高い信頼性やセキュリティが求められ、ミスや失敗は許されない、そういったプロジェクトばかりです。国民の社会保障に直結しているので、われわれが国民の暮らしを支えている、そういう自負を持っています。

安永 章太郎 安永

現在私が担当しているのは社会保障に関わるシステムです。本領域は、国民全体の生活の基盤であり、どんな小さなミスも許されませんし、当社として細部まで点検しきれていない状態は我々自身も許せないですね。もしお客様にご承認いただけたとしても、私たちがその品質に納得していなければ、そのまま納品することはありえません。それだけの使命感を持ってこの仕事に臨んでいます。

福田 修之 福田

そうですね。逆を言えば、そうした気概を持っていないとやり切れない仕事かもしれません。メンバー皆が使命感を持って取り組んでいるからこそ、自分たち自身で合格ラインを高く設定し、高い品質につなげています。

会社としても、創業時から手掛けてきた領域の一つであり、会社の存在意義にも関わる重要な立ち位置を占めた事業だと感じています。

──そうした社会的意義の強い事業を手掛けるなかで、組織運営やマネジメント面で大切にしていることはありますか。

松本 一隆 松本

例えば現在進めている社会保障領域のプロジェクトでいえば、関わるメンバーは社外パートナーを含めると2,000人以上に上ります。これだけの規模のプロジェクトを推進していくには、そもそもの開発プロセスの設計や計画作りが重要な鍵を握ります。当初は100人程度の少数精鋭で、密にコミュニケーションを取って丁寧に設計していきました。このときのコア人財が現在も各領域のチームを引っ張ってくれています。安永や福田もその一員で、この2人がいなければこの事業はとても成り立たなかっただろうと思います。

福田 修之 福田

事業部長である松本が目指すべき方向性、指針を明確に打ち出してくれるので、各人が自身の役割を理解し、自身の技術力や知見に基づいてバリューを発揮しやすい組織と環境であると感じますね。

また、年齢や役職に関係なく、意思と能力がある人には責任ある仕事をどんどん渡していく、そうした信頼関係があるのも特徴です。

安永 章太郎 安永

加えて、当事業部の特徴として、日々の業務のなかで生まれる「はざま」のような仕事を、誰ともなく拾い合うカルチャーがありますよね。自分の仕事はしっかりこなしつつ、プロジェクトとシステムの両面の全体像を把握したうえで、周りの状況も見ているからこそ、役割分担のなかでこぼれ落ちやすいタスクに気づけるのだと思います。自立的なメンバーがそろっていますね。

2,000人超と連携し、社会インフラを刷新するプロフェッショナルたち

──第二ソーシャルセキュリティ事業部が現在担っている社会保障システムのプロジェクトについて、具体的に教えてください。

松本 一隆 松本

10年以上の月日をかけて取り組んでいる非常に大規模なプロジェクトです。国民生活をより豊かにするためには必要不可欠なシステム刷新であり、さまざまな困難にぶつかりながらも「やるべきだ」という信念をもって取り組んできました。

安永 章太郎 安永

システム刷新の第一弾は主に業務のデジタル化を手掛けました。今回はいよいよ本丸といえる基幹系システムの刷新開発に着手しています。日本国内において最大級の社会インフラを作り直すというわけです。

福田 修之 福田

今までの刷新プロジェクトも非常に複雑でしたが、基幹系システムを刷新するには次元の異なる難しさがあります。仮に1日でもシステムが止まったら社会に与える影響は計り知れません。それほど重要な国家プロジェクトだと認識しています。

──そのなかで皆さんはそれぞれどのような役割を担っているのでしょうか。

松本 一隆 松本

私はプロジェクト全体を統括、指揮を執る立場です。福田は基盤領域担当を、安永は業務・移行領域担当をそれぞれ部長として率いています。

安永 章太郎 安永

私はシステム刷新の第一弾が始まったときに当プロジェクトに参画し、一貫して業務領域を担当しています。業務のデジタル化にあたっては、システムを使う方々が混乱しないよう細心の配慮が必要で、多くの困難がありました。ですから、業務や基盤といった役割分担こそあれ皆が一丸となって取り組みましたし、メンバー同士には戦友のような仲間意識を感じますね。お客様からも高い評価をいただき、大きな達成感がありました。

福田 修之 福田

私は第一弾のシステム刷新ではプロジェクト推進という立場で参画していました。一度はプロジェクトを離れたのですが、いよいよ基幹系システムの刷新が本格稼働するタイミングでこのプロジェクトに戻り、基盤の構築を担っています。数年以上をかける、巨大プロジェクトであり、そのぶん難度もケタ違いだといえます。

──その難しさとは、具体的にどういったものですか。

福田 修之 福田

社会保障というのは日本国民すべてに関わる枠組みですし、とにかくシステムで扱うデータ量、情報量というところが文字通りケタ違いです。通常のシステムであれば問題なく機能する仕組みでも、処理データ量が多すぎて時間内に終えられなかったり、エラーが起きてしまったりということが往々にしてあります。

安永 章太郎 安永

社会保障のシステムはピーク性が強いのも特徴です。例えば期末に処理が一極集中するため、それらを考慮したシステム設計や負荷分散の対応が必要になります。しかし、そこに何か不具合が起きれば、国民生活に与える影響は大きく、絶対にミスは許されない、そういう緊張感が常にありますね。

松本 一隆 松本

そこにどう立ち向かうのかというと、「とにかく粘り強くシステムと向き合う」。これしかないんです。一度作った仕組みを、本当に問題なく機能するのかと何度も何度も検証する。そして、なぜ機能しているのか、その理屈を明確にしてチームで共有する、これを欠かしません。「理屈はいえないが動いているからこれでいい」という状況はわれわれの仕事においては絶対に許されないですね。

福田 修之 福田

そうですね。基幹系システムのシステム刷新では、新しいシステムの技術領域だけでなく、現行システムがどのような仕組みで動いているのかまで理解する必要があります。社会保障の基礎を支えてきた当時の技術の結晶といえるシステムですから、これを理解しきるのは容易ではありません。NTTデータ内の技術専門部門にヒアリングしたり、外部パートナーに検証を手伝ってもらったりしながら進めており、社内外のメンバーが総出になって取り組まなければ乗り越えられないプロジェクトであります。

どの業界、どの領域でも通用する「究極のポータブルスキル」とは

──今、第二ソーシャルセキュリティ事業部で働くことでどのような経験値やスキルを得られますか。

福田 修之 福田

日本最大級のシステム構築に挑むわけですから、いちエンジニアとして他でなかなか得られない貴重な経験ができるといえます。具体的には、システムの全体像をデザインするシステムアーキテクトの能力や、データベースやアプリケーションフレームワーク等の専門性を、存分に活かせるミッションが多く存在します。これをやり終えたあかつきには、ほかのどんなシステムアーキテクチャにも通ずる汎用的なスキルが身につきますし、何より圧倒的な達成感を味わえるはずです。

また、2,000人以上が関わるプロジェクトとあって、NTTデータの社員は皆、相応のマネジメントスキルが求められます。これほど多くのメンバーを取りまとめる機会はそうないはずで、プロジェクトをリードする能力も大きく伸ばせるでしょう。

安永 章太郎 安永

ここで養えるエンジニアリング力やプロジェクトマネジメント力というのは、どの業界でも、どの領域でも通用するものであり、このプロジェクトを完遂したあかつきにはキャリアの幅がぐっと広がるはずです。私自身、人事本部に異動した時期もありましたが、第二ソーシャルセキュリティ事業部での経験をそのまま活かすことができました。ここで身につくのはビジネスパーソンとしての基礎スキルであり、「究極のポータブルスキル」といえるかもしれません。

松本 一隆 松本

たしかに、先に安永が言っていた「周囲にこぼれ落ちた『はざま』の仕事を拾える」人財は、どんな組織でも重宝される存在ですよね。ただ、そうした人財に育てようと意識したわけではないんです。この環境と使命感に代表される組織文化が人財を育てていくのかもしれません。エンジニアやプロジェクトマネージャーとしてさらなる高みを目指せるとともに、人間としても成長できるフィールドが、ここにはあります。

──第二ソーシャルセキュリティ事業部で活躍するには技術力とプロジェクトマネジメント力の双方が必要なのですね。マインドセットとしては何を求めますか。

松本 一隆 松本

今活躍している社員に共通するのは、自分の軸を持って仕事している点です。何か専門技術を持っていることももちろん大切ですが、それ以上に大きなシステムに向き合う粘り強さを求めます。確固たる仕事観を持ち、どんな困難にも粘り強く立ち向かう、そうした方と一緒に働きたいですね。

安永 章太郎 安永

同感です。私たちの仕事には、技術力や経験をもとに、大きな目標に向き合う気概、挑戦心が不可欠です。ただ、大変な仕事に一人で立ち向かえと言うようなことはありません。周囲のメンバーがしっかりサポートするので安心してください。

福田 修之 福田

われわれが挑むプロジェクトは前例がないものなので、これまでどんな経験やスキルを積み上げてきた方であっても未知の領域に立ち向かう場面が必ずあるでしょう。そのとき、周囲のメンバーと協力しながら自ら道を切り開いていく姿勢が求められます。大きな壁や困難があっても、前向きに取り組み、自分を成長させていくことができる、そんな方にぜひ来ていただきたいです。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです