社会人として現場でスキルを磨きたい──入社後すぐ任されたリーダー
社会基盤ソリューション事業本部にて、大規模なシステムの維持管理チームを率い、プロジェクトマネジメントを務める請川。高い品質維持を求められる高レベルな案件をとりまとめる手腕に、多くの信頼が寄せられています。
チームを良い方向へと導き、着実にプロジェクトを進行する請川は、学生時代から社会人経験の中で学べることの重要性を強く意識していました。進路として高専(高等専門学校)を選んだのも、少しでも早く社会人になりたかったことが大きな理由だったと振り返ります。
高専ではプログラミングやハードウエア系の技術など、情報技術領域の一連の知識を学び、自分の手で一からモノを作るところにおもしろさを感じていました。早めに就職し、社会人として手を動かしながら学びたいという意志が強かったので、大学進学は選択せず、就職活動をしました。
NTTデータに興味を抱いたのは、私と同じ高専出身の先輩が入社していると知ったのがきっかけです。説明会で話を聞き、幅広い分野を経験できそうであることと、社会の基盤になるような大きなシステムに携われることに惹かれました。
実は高専の卒業研究で地図に関連するプログラムを組んだので、さまざまな人が利用する大規模なシステム、できれば地図に関わるシステムに携わりたいという思いが強まっていました。
NTTデータに入社後、請川は希望通り大規模なシステム、しかも地図に関わる案件に携わることになります。
入社後に初めて携わったのは、電柱や光ケーブルなどを地図上で管理するためのシステムです。ちょうどエリアごとに分かれていたシステムを全国で共同利用化する大きなプロジェクトが始まった時期で、すぐ維持管理チームのリーダーと、開発チームにおける1機能のグループリーダーの2つを任されることとなりました。
こうして請川の社会人としての学びは始まりました。学生時代に得られることのなかった経験を、その後さまざまな案件を通じて積み重ねていくことになります。
大規模プロジェクトをリリースに導く過程での苦悩と学び
本プロジェクトの維持管理チーム、開発チームにおけるリーダー業務を通じ、請川はビジネスにおける基礎的なコミュニケーションや案件管理の術を学んでいきました。
各ステークホルダーとのやりとりについては、システムの話やお客様の相談など、領域の異なる一つひとつの情報を自身の中で噛み砕き、理解してから相手に話すよう心がけていました。また、プロジェクトは一人で進めるものではないので、一方的な押し付けにならないよう、それぞれの立場を考えてコミュニケーションを取ることも大切です。
スケジュールの調整には長らく苦戦しました。システムの維持管理業務と共同利用化開発という2つの並行しているプロジェクトに携わっていたので、期限を超過してしまったり、自分がタスクを止めてしまったりといった失敗を重ねました。新入社員のよくある話かもしれませんが、自分のキャパシティの限界がわからず……そんなときに助けてくれたのは、社内の先輩方でした。
当プロジェクトのリリースが完了した後、2021年からは空港の警備システムのプロジェクトに参画することに。空港に監視カメラやレーダーを設置し、外部からの侵入を検知するシステムの開発に携わりました。そこでも請川は開発のリーダーを担うことになります。
このプロジェクトでも、お客様の課題整理や解決策の提案、スケジュール調整などを主に行いました。ステークホルダーとのコミュニケーションについては前回の経験が活きたと思います。
一方で、今回だからこそ起こる問題もありました。別の工事業者の作業遅れや現場に設置した機器の故障など外的要因によるトラブルが発生するため、工期やリスク管理が一層難しかったです。一方でその課題を一人称で把握し、どう対処していくか考えられたことは、自身の大きな成長につながりました。
侵入シミュレーションや警備業務などを現場で身をもって経験するなど、一貫して現場の視点に立ったプロジェクト進行を続けた請川。数々の困難を乗り越え、サービスは無事リリースされました。
より広い視野でリーダーシップを取り、先輩から学んだ姿勢を貫く
無事空港のシステムがリリースされた後の2022年7月現在、請川は再び地図関連の新規システム開発に従事しています。
以前関わった際は一機能のリーダーでしたが、今回はプロジェクト全体のリーダーになりました。複数機能それぞれの開発スケジュールのすり合わせや、その先にある次のステップの想定など、全体のリーダーになったことでさらに視野が広がりました。ステークホルダーが多い中で自身が主担当として調整や管理をしていくのは、難しいことも多い一方で、学ぶことがたくさんあります。
これまでもたくさんの困難がありましたが、最終的にそのサービスがリリースされたり、無事に成功させられたりする瞬間に、大きなやりがいを感じますね。それを初めて携わったプロジェクトで体感できたことは、私のキャリアにとって良い経験だったかもしれません。
高専時代に思い描いていた大規模な地図システムに関わり、自ら手を動かし、学べることを着々と身につけている請川。入社して間もなく得たチャレンジングな役割にもしっかり向き合い、一つひとつのプロジェクトを成功させてきたことが、現在の仕事へとつながっています。
そんな請川のロールモデルとなっているのは、入社当初の請川を支えたトレーナーや上司の姿です。プロジェクトメンバーが仕事をしやすい環境を整え、仲間と一緒に仕事を進めていく姿勢は、請川の現在に大きな影響を与えました。
これまで先輩たちのやり方を見て真似をし、自分のやり方を見つけ出していくことを繰り返してきました。先々のことを見据えてお客様に期限や準備のための作業を明示していくことについては、今後より精度を高めていきたいところです。今後も周囲の先輩方からスキルやマインドを吸収していきたいと思います。
粘り強く自分ごととして課題を解決すること、それを重ねること
大規模なプロジェクトでチームを率いる経験を重ねることは、請川個人の成長にも影響を与えています。幼少期からスポーツを通じてチームプレーを学び、キャプテンとしてチームを率いる経験を積んできたという請川ですが、NTTデータで得られたリーダー経験は自身の強みをさらに自覚する機会になりました。
振り返れば、仕事を通じてたくさんの方とコミュニケーションを取り、物事を自分ごととして捉え、理解しつつ、物事を推進していけるようになったと思います。“何事も本質を理解するために考え抜く”ところが、自分の強みだと自覚するようになりました。
プロジェクトを推進すると、次々と課題が出てきます。たとえ予想外の課題が見つかったとしても、取り乱さず周囲と協力しながら解決策を見出していくところは、ずいぶんと力量が上がったと思います。そこに対する粘り強さもまた、自身の強みかもしれません。
そんな強みを持つ請川のまわりには、軸となる考えを持ち、業務に励む仲間がいます。
こうしていきたい、こんな未来を描きたいなど、自身の根幹となるような考え方を持っているメンバーが多いですね。お客様と調整しながらプロジェクトを推進し、やり抜くことにおもしろさを感じている人が多い印象です。
NTTデータではさまざまな人が働いているので、私自身も良いところを取り入れ吸収することができます。幅広い業務の中で、基幹となるような大きなシステムに関わることができるのも、NTTデータで働く魅力ですね。
強みを自覚する一方、束ねる領域が広がったからこそ見えた課題もあります。請川は、さらなる高みを目指し、次のフェーズへと歩みを進めています。
直近だけでなく、より先々のことまで見据え、全体を俯瞰した計画を立てていくことが、今後の目標です。いつまでに何をやるべきかという部分を一から整理し、周囲の人にアドバイスをもらいつつ、今向き合っているプロジェクトを成功へと導きたいです。
ぶれない軸を持ち、目の前のプロジェクトに対して静かな熱意を燃やし続ける請川。社会人となり、社会の基盤となるシステムの開発や運用保守を経験したからこそ得られたスキルを伸ばしつつ、大規模なプロジェクトを通じた社会貢献を続ける請川の挑戦は、これからも続きます。
出典:talentbook「株式会社NTTデータ」(2022年8月30日公開)より転載