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NTTデータのクラウド技術を集結。部門横断でエンジニアの可能性を広げる

Foresight起点のコンサルティング力とアセットベースのビジネスモデルにより、企業・業界の枠を超えた新たな社会プラットフォームや革新的なサービスの創出を目指すテクノロジーコンサルティング&ソリューション(TC&S)分野。2024年7月の組織再編により、TC&S分野に新たに誕生したクラウドインテグレーション統括部は、クラウド技術を中心としたソリューション提供を行う組織です。新たに始動した組織では、どのような価値観のもと、エンジニアが活躍しているのか。クラウドインテグレーション統括部の誕生の経緯と、組織づくりに対する想いを部長の嘉藤が語ります。

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技術ごとの結びつきを見直し、より機動的な価値提供ができる組織へ

SDGsに代表される多様な社会課題の解決が世界的に推進され、技術の進歩により人とモノのつながりが急速に拡大している現在。企業は経営戦略をより効果的に推し進めるために、企業・業界の枠を超えたデータ活用に注力しています。

このような情勢に適応するべく、事業別組織から機能別組織への転換を図ったNTTデータ。当時の状況について、嘉藤は「これまで別々の技術だと思われていたテーマに結びつきが生まれるようになった」のが大きなきっかけだと言います。

これまでパブリッククラウドとプライベートクラウド、データセンタはそれぞれ別々のものとして考えていました。しかし、自社のデータセンタ上でパブリッククラウドのサービスを提供するNewオンプレミスのような新技術の登場によって従来の常識が覆り、クラウドとデータセンタを一緒に扱ったほうが良いんじゃないかという考えが出てくるようになったんです。このような事象が増えていくと、事業部ごとに営業・開発体制を敷いていた当時の組織では、意思決定プロセスが複雑化してしまってお客様に最適な提案ができなくなるリスクがありました。

かつてはクラウドの拡張機能のひとつとして考えられていた仮想デスクトップ技術が、ゼロトラストやテレワークなどのテーマと親和性を高めていくなど、現在ではさまざまな技術がテーマを横断して組み合わせて活用されています。技術の進化に伴い、親和性の高い技術の組合せが変わってきたようです。

技術の幅出しが進む中でお客様に最適なソリューションを提案するためには、NTTデータグループ内の技術、知見、経験などをアセット化し、労働集約型から知識集約型のビジネスモデルに進化させる必要があります。その役割を担う存在として2024年にテクノロジーコンサルティング&ソリューション分野(TC&S)の組織再編が行われ、数ある技術の中でもクラウド領域を中心に担当するクラウドインテグレーション統括部が発足しました。

このような経緯を経て、クラウドインテグレーション統括部はパブリッククラウドやプライベートクラウドの導入コンサルティングをはじめ、VDIのサービスやOA環境を個別にインテグレーションする組織として活動を始めました。

エンジニアがやりたいことで価値を発揮していける。そんな組織を目指したい

クラウドインテグレーション統括部の部長に就任した嘉藤は、事例共有会やクラウドベンダ主催の勉強会を実施するなど、スキルアップ支援の施策を数多く立ち上げています。この背景には、嘉藤が課長としてチームを率いていたときの苦い経験が関係しているようです。

私が課長のときは自分のチームを大事にしすぎるあまり、他のチームとの距離が生まれてしまっていました。それがエンジニアの成長の妨げになっていると気づいたのは、しばらくの年月が経ってからのことでした。当時はどうにか機能していましたが、幅広い技術がテーマをまたいで結びついていく中で、エンジニアもまたチームの垣根を越えて色々なアイデアや工夫に触れていったほうが良いのは間違いありません。特に今は組織が発足したばかりで、隣のチームが何をしているのか分からないという課題もあります。そのような課題を解決するためにも、各チームの成功体験を共有する機会を設けたり、新技術の説明会を開いたりと、積極的に情報を流通させることを心がけています。

一度エンジニアのチームから離れ、事業戦略や事業計画を通じて役員クラスの目線に触れた嘉藤だからこそ、経営と現場の両方の視点を持って 施策を進められているようです。

そのうえで部長になった今、エンジニアの成長に対してどのような考えを持っているのかと尋ねると、「やりたいことができる環境をつくりたい」と嘉藤は答えました。

エンジニアが輝ける組織って何だろうと考えたとき、この答えにたどり着きました。外部の方が見たときにNTTデータのエンジニアは技術力があると思っていただきたいですし、そのようなエンジニアが会社に貢献したいと思える組織にしたい。そのためにはエンジニアが自分のやりたいことでスキルを磨いて、それが結果としてビジネスにつながり、会社にも還元される。そんな良い循環が回る組織をつくって いくのが、私の役目だと考えています。

特にクラウドの領域は人財の流動性が激しいからこそ、嘉藤はTG制度を用いてマネジメント以外のキャリアを描けるように支援するだけでなく、チームを離れたエンジニアとの交流も大切にしています。ネクストステップとしてクラウドベンダに転職したエンジニアから最新動向を聞いたり、ユーザー企業に転職したエンジニアが新たなお客様になったり。そのように社外でのコラボレーションも視野に入れながら、エンジニアの成長を後押ししていきたいと嘉藤は語ります。

組織の仕組みを活かしながら、高難易度の案件で大きな達成感を味わってほしい

2024年7月の発足以降、社員同士で助け合いながら成長しているクラウドインテグレーション統括部。エンジニアが輝ける組織を目指すうえで、チーム間でのナレッジ共有を推し進める以外に、個人のナレッジ共有も積極的に行われています。

個人のナレッジ共有では、エンジニア全員が見える場所に情報を置く仕組みと、困ったときに気軽に相談できる仕組みの2つを用意しています。前者は生成AIを使って社内ナレッジを検索するもので、後者はスレッド形式で相談事が投稿された際に先輩エンジニアがアドバイスするかたちを採用しています。経験の浅いエンジニアにとって、相談事が適切に解決されることは極めて重要なので、アドバイスが絶対に返ってくる環境をつくるために管理職が積極的にフォローするように心がけています。

入社して間もない時期は右も左も分からないことから、エンジニアが安心して業務に取り組むためにも、些細なことでも気兼ねなく相談できる心理的安全性の確保が欠かせません。その方法として、管理職が相談事に対して具体的なアドバイスができる先輩エンジニアを育てるなど 、率先してフォローを行っているようです。

そんなクラウドインテグレーション統括部に適した人財イメージとして、嘉藤は「困難を楽しめる方」を挙げました。

私たちの顧客となるエンタープライズ領域はシステムの規模感が大きいため、難易度の高い条件下でお客様の期待に応えられるアーキテクチャをいかに設計できるかが重要です。そのためには特定のクラウドの知見があるだけでは不十分で、さまざまな方式・手段の選択肢から最適なものを選ぶことが求められます。これは頭を悩ませるほど難しい業務ではあるのですが、一人で抱え込む必要はありません。どのようなプロジェクトも一人では完結しないので、課題を整理してどのように解決するかを考えながら、幅広いステークホルダーと連携して着実に解決に近づけていく。そんな困難を乗り越えるプロセスを楽しめる方なら、きっと得られるものも多いと感じています。

マルチクラウドやハイブリッドクラウドの需要が高まる現在は、お客様の要望が複雑化しています。そのうえでシステムの質は、非機能要求(可用性、性能・拡張性、運用・保守性、移行性、セキュリティ、環境・エコロジー)によって左右されますが、全ての項目を闇雲に高くすれば良いわけではありません。非機能要求における各項目の水準をあげつつ、コストとのバランスを取る必要があります。

そのような大規模で複雑性の高いプロジェクトを通じて、非機能要求の水準が高いクラウド環境の設計・構築にチャレンジできるのがクラウドインテグレーション統括部の魅力です。公共、金融、法人などの業界を問わず、多種多様なお客様に最適なITインフラを提供する。クラウドインテグレーション統括部なら、そのような働き方が実現できます。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです