「チーム一丸となって新しい価値を生み出す」仕事に惹かれた
大学時代は動物学を専攻し、就職活動では食品系や化学系のメーカーを検討していた須谷。研究職としての未来を見据えていたものの、チームで力を合わせて物事を成し遂げたいと考えていたため、孤独な環境で研究を続けられるイメージが湧かなかったと言います。そんなとき、エンジニアとして活躍する大学時代の先輩から「NTTデータの社員に会ってみないか」と声をかけられたことが、人生の転機になりました。
当時の私にとってエンジニアは、パソコンに向かって黙々と作業をしているイメージだったので、研究職との違いがよく分かっていませんでした。でも、実際に社員の方々とお会いしてみると話し上手な方が多くて、IT業界の知識がなかった私の悩みにも優しく答えてくれたんです。また、会話をする中でエンジニアは新しい価値を生み出す点が研究職と同じで、その成果をチームで追い求めていく点が違うことが分かり、私がやりたかった仕事のイメージに近いと感じたのが、入社の決め手でした。
NTTデータに入社後、エンジニアとして担当することになったのはクレジットカードに関するシステム開発。割賦販売法の改正に伴うプロジェクトでした。専門用語や法律に関する用語を読み解くことに苦戦しつつも、分からない単語のライブラリ化などを通じて理解を深めたと話します。
そんな須谷がエンジニアから営業へのジョブチェンジを決断したのは、上司のある一言がきっかけでした。
法改正に伴うシステム開発プロジェクトでの立ち回りなどを見ていたのか、上司から「営業が向いているんじゃないか」と言われたんです。当時はプロジェクトが終わって解散となり、メンバー全員が次のプロジェクトに向かっていく時期だったので、新しいことにチャレンジしてみようと思い、営業組織への異動を決めました。
異動して間もない頃は、「そもそも営業の仕事がよく分かっていなかった」と打ち明けます。クレジットカード会員向けのアプリクーポンを導入するための開発プロジェクトや、会員の満足度向上を目的としたUI/UX改善プロジェクトなどに取り組みましたが、悩むシーンも多かったそう。お客様の想いと会社の想いで板挟みになりやすく、最初の1年間は苦労の時期が続きました。そのような状況下でも先輩社員のフォローを受けながら、より良い着地点を見極めていく中で着実に営業スキルが磨かれていき、成長実感を得られたと言います。
NTTデータに浸透する文化が、復職後の不安を取り払ってくれた
第一子を授かり、ライフステージに変化が訪れたのは、営業への異動から5年ほどの月日が流れた頃でした。当時の心境について、不安や心配は少なからずあったようですが、「就労環境に恵まれていたおかげで少しずつ解消できた」と振り返ります。
職場にワーキングマザーが多かったのもあり、産休・育休を取得する前に相談に乗ってもらって。職場復帰を考えたタイミングや、育児との両立で気を付けたほうが良いことを事前に聞けたことで、安心して休職できました。「ベビーシッターの補助券は使ったほうが良いよ」など、会社の子育て支援制度の情報も得られて、上手く活用できています。
不安や心配の解消については、復職前の人事面談もプラスに働きました。復職直後からフルタイムで働く先輩たちもいる中で、保育園の送迎や働くリズムを取り戻すことに懸念があったことから、人事面談でこれから取り組みたい仕事や働き方の不安を相談し、時短勤務制度の活用を決めました。
業務量を調整したうえで休職前と同じお客様を担当させてもらえたのは良かったんですが、いざやってみると業務が時間内に終わらないことも多くて。このとき、私は時短勤務を活用していることに負い目を感じていて、もっと頑張らないといけないと自分を追い込んでいました。でも、そんな私を見た先輩たちが「そのタスクまでやっていたら終わらないでしょ。分担させて」と積極的に声をかけてくれて。人事の方にも、「自分がサポートしてもらった分は、子どもが大きくなったときに返していけばいい」と言われたことで、もっと周りを頼って良いんだと気づきました。それからは自分でやらないといけない業務を優先して取り組み、溢れた業務への対応はチームメンバーに積極的に頼るようにしました。
過去に自分が助けてもらった分を後輩に返す。そのバトンが脈々と受け継がれているNTTデータでは、子育て支援制度が充実しているだけでなく、子育てと両立しながら働く社員を積極的にサポートする文化が根付いています。
諦めなくていい。子育てとキャリアは両立できる
子育てとの両立が軌道に乗り、心に余裕ができてきた頃、営業としての新たなチャレンジを考えるようになったと言います。
担当顧客への営業活動を一通り経験できた感覚があって、別のお客様を担当することで営業としてのスキルの幅を広げられないかと考えていました。時短勤務や子育てがキャリアプランを閉ざす要因にならないか不安でしたが、上司が私の将来と真摯に向き合ってくれて、「須谷さんならできる」と背中を押してもらえたのはうれしかったです。
部署を異動した須谷はメガバンクグループのクレジットカード会社の営業担当として、お客様との共創による新規サービスの開発に取り組んでいます。
私が取り組んでいるプロジェクトでは、お客様の経済圏をいかに活性化させていくかが鍵になります。そのために消費者行動を分析し、クレジットカードの加盟店を巻き込みながら、どのようなタイミングで何をレコメンドすれば決済につなげることができるのかをお客様と一緒に模索し、サービスをデザインしています。既製品を売るのではなく、コンサルティングフェーズからお客様の将来像を描き、事業成長につながるサービス開発までを一気通貫で担当できるのがこの仕事の醍醐味です。その分、アイデアを具体化する難しさはありますが、NTTデータ内にあるサービスデザイン領域の専門部隊「Tangity」と連携しながら進める仕事は刺激にあふれています。
営業のコア業務となる提案活動に従事しながら、マーケティングやサービスデザインの領域にも進出していく中で、「キャリアの選択肢の広がりを感じている」と話します。
NTTデータ内の色々な専門部隊とコラボレーションすることで、「こんな仕事もあるんだ」と知ることができ、キャリアを見つめなおす良いきっかけになっています。サービスデザインをこのまま極めたり、お客様の構想を実現するための概念実証(PoC)に進出したり、いろんなキャリアの選択肢があり、そして子育てをしながらでも幅広い可能性を追求できるのは、NTTデータならではの魅力だと思います。
上司や人事とやりたいことを話し合い、子育てと両立しながら着実に成長していく須谷。さまざまな人財とのコラボレーションによる挑戦の日々を楽しみながら、前向きにキャリアを歩んでいます。