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時代の先端で課題解決に挑むデータサイエンティスト。成長の鍵は「自身の幅を広げる経験」にある

解決したい課題の難易度に応じて高まっていく、データ利活用の重要性。世の中のニーズに応えるため、NTTデータは、業界横断のデータ&アナリティクス案件を担当する専門組織を設立しました。データサイエンスとデータエンジニアリングの領域で、約80名ものプロフェッショナルが在籍しています。
今回、話を伺うのはデータサイエンティストの3名です。課長の平井は、お客様のご要望をもとに真の課題を特定し、解決策を示すことを得意とします。寄崎、小林は、プランの実現方法を検討しプロジェクトを先導する役割を主に担っています。それぞれの成長の軌跡について語ってもらいました。

目次

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多様なビジネスを動かすプロジェクトで、働きがいと経験値を手に入れる

NTTデータは、企業のビジネス課題や日本の社会課題の解決へ向けて、最上流のコンサルティングからプランの実行、運用まで一貫して対応しています。データサイエンティストは、その中でどのような経験を得られるのでしょうか。案件の傾向を含め、平井が特徴を話します。

例えばサプライチェーンの構造改革や、先進技術を用いた自動車の新事業など、案件はどれもダイナミック。データの利活用なしでは成立しないような課題に向き合い、社内外から多くの協力者や専門家を集めて解決策を形にしていきます。業界横断で担当を「機械学習」「デジタルマーケティング」などの技術軸で振り分け、顧客と対話して「顧客の課題に対して本当に必要なこと」を整理、適切な技術を提案します。特定の技術・課題に閉じることなく柔軟に策を講じるため、広く経験を積めます。

この環境に惹かれ、経験者採用で入社した寄崎と小林。前職時代、データサイエンティストとして第一線にいた二人には、共通して「幅を広げたい」という想いがありました。食品メーカー出身の小林は「影響範囲の幅」について言及します。

前職では、データサイエンスや統計解析の技術を用いて「自社商品を摂取し続けて得られる健康効果」を分析する研究を行っていました。商品価値が革新的に高まることにもつながるため、データ活用のすごさを日々実感できる仕事でした。だからこそ、特定の商品を手に取る消費者だけではなく、幅広い案件を通して「より多くの消費者に価値を提供したい」という想いも育まれていったのです。

寄崎は電機メーカーで約10年間、社内のDXを推進する立場にいました。転職を検討したのは、社内の複数部署のデータサイエンス案件を経験した頃。長期的な目線でキャリアを考え、「自身の土台の強化」をテーマに、広く案件に関われる環境へ移る決意をしました。

手に入れたかったのは、経験値です。今後は、周囲をリードしつつ新しい挑戦をする機会も増えると思います。どんな場面でも対応できるよう、業界を限定しない広い知見を基盤に持っておきたいなと思いました。業界の幅に加えて、仕事の範囲も最上流から下流まで広げたかったです。

入社後、小林は製薬会社との生成AIを活用して文書作成を効率化する案件に挑戦。アーキテクチャの検討から検証、文章精度を高めるチューニングなどを担当しました。
寄崎は、酪農家の働き方を変革する、生産性向上プロジェクトに参画しています。動画データをもとに家畜の行動を分析し、長年の勘に頼らない生産を実現します。少子高齢化が進む今、社会的意義のある案件です。
希望通り「幅を広げる」案件を担当し、論文からアイデアを採用したり、社内メンバーに相談したりしながら切磋琢磨していると嬉しそうに語ります。

同志のサポートが新たな挑戦を可能にし、チームは個の成長を加速させる

多様な性質の案件で成長を遂げるために、具体的には「自分の強みを軸にやりたいことへ挑戦」していくそうです。それは助け合いがあってこそできることだと小林は言います。

生成AIが作る文章の精度向上のためにデータ分析や改善を行った場面では、前職の経験を存分に活かせました。しかし、生成AIの扱い自体は初めて。世の中の情報をキャッチアップし、社内の有識者が発信するナレッジ情報を活用しつつ、メンバーにたくさん教えてもらいながら半年でスキルを身につけました。結果的に自身の強みをさらに強化できたと思います。生成AIの知見が得られ、業界知識の得意領域も「食品」から「ヘルスケア」に拡大できています。

寄崎と平井は違う角度から「挑戦」と「助け合い」のつながりについて話してくれました。寄崎の強みの一つは「論文を読めること」。難しい案件で論文を参考にする場面でも、大学時代に数学を専攻していたため抵抗なく詳細を理解できます。一方、論文からキーワードを拾い、寄崎へ連携するのは平井。研究内容を実案件に活かすアイデア出しが得意で、寄崎と力を合わせて難易度の高い作業を円滑に進めます。

このように相互に助け合えるからこそ、難しい挑戦を通して個の能力を伸ばすことができ、チームの総合力も高まる好循環が生まれています。組織全体では約80名分の強みが存在しており、この規模感の魅力について寄崎が語ります。

誰かにもらえる「最初の一言」ってすごく大きいと思うんです。一人でどれだけ考え尽くしても、それは自分の経験や知見の範疇を出ません。誰かの一言で、仕事の進め方も変わり、視野も広がる。本当にありがたいです。人数が多い分「詳しい人」の水準も上がり、色々な知見を持った人が揃うので、きっかけを掴みやすくなると感じています。

個人の成長において「やりたいことに挑戦できる」点で、平井が自身のキャリアを振り返り、付け加えます。

私は肩書きにとらわれずに、常にやりたいことへ挑戦してきました。結果、特定の業界に軸足を置きつつ、業界横断でのデータ活用案件に携われています。具体的には、営業として自動車事業部に所属し、車にまつわるデータ&アナリティクスビジネスや、それを用いた事業創出活動を行いながら、データ&アナリティクスユニットでさまざまな案件を推進している形です。当社には、こういう働き方も許容される懐の深さがあります。

経験が生む新たな気づきが、想像以上のキャリアにつながっていく

自身の幅を広げてきた結果、それぞれが手に入れたものは何だったのでしょうか。まずは小林が、初めて挑戦した生成AI案件を通して振り返ります。

知識だけでなく、新たな観点も習得できました。例えば生成AIは、リリース後も使用モデルが更新されていくため「リリースして終わり」ではないのですが、当時の私はその考えがありませんでした。生成AIのような新しい技術をお客様の業務に適用していく場面で、周囲の有識者とも議論しつつ、これまで私が持てていなかった新しい観点を習得できたと感じています。このような観点は、今後に活かせると思います。

続いて、寄崎が自分の現在地について、課題も踏まえて話します。

今までは馴染みのある技術ベースで思考してきましたが、最近は使用する技術のエビデンスを、論文や社会実装されたものから採用することが増えてきました。周りを頼り、世の中に目を向けられている自分に、広がりを感じます。今は実行部隊の推進役がメインですが、今後はもっと提案に挑戦したいです。お客様にお金を出す価値があると思ってもらえる提案にするために、提案内容や伝え方の質を数段階上げていきたいですね。

これまで提案活動をしたことがなかった寄崎ですが、経験を増やしていけば問題なく挑戦可能だと、平井がエールを送ります。平井はお客様の相談内容を聞き、その場でマッチする技術を想起し、頭の中で設計が完了することもあると言います。ただし、それらも自身の知識や経験がポイントになっていると話します。

全てにおいて専門家レベルに詳しい必要はないと感じています。実際、私は各領域を広く浅く、キーワードレベルで知るようにしているだけ。あとは、公共、通信、小売など、色々な業界の過去の経験が脳内でつながり、アイデアが生まれていきます。その先は論文などで最新情報を調べて具体化していけば大丈夫です。

最上流の他にも挑戦できる領域は広がっていると続ける平井。事実、平井は最上流の他、自社サービス開発にも挑戦中です。キャリアの選択肢をいかに増やせるか、体現しています。

交通事故のない世の中を目指して、モビリティのデータを活用し脳の健康状態を推定するテーマに挑戦しています。最近はこういった難易度が高く、かつ社会貢献度の高い仕事が多く、自身のモチベーションにつながっています。きちんと実現できる形で誠実に提案し、実行までやり遂げることがこだわりであり、やりがいです。

寄崎・小林もそれぞれの強みをさらに磨き、仲間とともに難しい課題をクリアしながら、世の中と、自分の未来を切り拓いていきます。

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※掲載記事の内容は、取材当時のものです