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交通渋滞を切り口に社会課題群に挑む。官民連携で新たな価値の共創を

NTTデータは、50年以上の長きにわたり、日本の社会基盤となるITサービスを支えてきました。時代が変わり社会課題が複雑化していく昨今、公共・社会基盤分野では、官公庁や民間企業、地域住民と連携しながら社会課題の解決に挑んでいます。新たな試みが続き、正解の見えない環境下で試行錯誤を繰り返す中、どのように社会課題解決の道筋を描くのか。今回は「ICT交通マネジメント」プロジェクトに参画する二名の対談をお届けします。開発責任者である古旗とサービス企画担当者の杉谷が、挑戦の軌跡と今後の展望を語ります。

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インタビュー動画

社会の期待に応えたい。社会課題と向き合う中、芽生えた想い

ITシステムの全体最適化よりも、顧客の依頼に基づく局所的な対応が優先されてきた従来のSIビジネス。NTTデータで複数の官公庁プロジェクトを担当してきた古旗は、従来のSIビジネスの中でも特に開発モデルの課題を肌で感じていたと言います。

公共・社会基盤分野のプロジェクトでは、ウォーターフォール型の開発モデルが主流でした。しかし、ウォーターフォール型はロングスパンで順次進行する性質が強く、要件定義フェーズで決まった仕様を後から現場の意見で覆すことが難しい。社会の変化や技術の進歩が激しくなるほど、この課題の深刻さは増していくのではないかと感じていました。

半世紀以上にわたって日本の重要なITインフラを開発・運用してきた公共・社会基盤分野は、社会課題と向き合う頻度も非常に多いです。このことからも、従来のSIビジネスで案件を請け負うことに留まらず、マーケットインの発想を持ってエンドユーザーにも目を向けていくことが求められていました。

エンドユーザーの視点で考えることで、社会課題の複雑さを改めて実感しました。例えば、日本が直面している社会課題として少子高齢化がありますが、その悩みや困りごとは人によって異なり、一概に言い表すことは非常に難しい。「こんなことができれば解決に近づくんじゃないか」というアイデアが出ても、前例がないことで効果が仮説の域を出ませんでした。

日本の全国民がユーザーとなる社会生活を支えるITサービスの開発なら、年齢差や地域差など、考慮すべき要素は多岐にわたります。このような中でまだ言語化されていない解決策を模索すべく、NTTデータは社会課題の解決を目的とした官民連携による共同検討をスタートしました。

NTTデータではいま、Foresight(あるべき姿)起点での「提言、実装、成果」に取り組んでいます。これは、私たちのプロジェクトも同様です。世の中の動向から社会課題の深掘りを行い、真に解決すべき課題を明らかにしたうえで方策を持ち「提言」する。そして、従来のSIビジネスのような個社の力ではなく、官公庁や民間企業と力を合わせ、共創パートナーの集合体として実現(=「成果」)に向け、高い技術力で「実装」に伴走する。長い歴史の中で日本の社会を支え続けてきたNTTデータだからこそ、官公庁と民間企業をつなぎ、オーナーシップを持って「提言、実装、成果」ができると考えています。

挑戦的な試みの連続。交通渋滞から、社会課題群に切り込む

二人が現在取り組んでいるのは、都市交通の渋滞解消に向けた新たなICT交通マネジメントの実装。本プロジェクトにおいて、古旗は開発責任者を、杉谷はサービス・実証企画や契約業務をそれぞれ担っています。

交通渋滞が問題視される背景にあるのは、労働人口の減少による物流への影響や、社会インフラの老朽化といった社会課題群です。交通渋滞は年間で数兆円規模の経済的損失につながると試算されていることからも、改善は急務と考えています。特に都心部では日常的に渋滞が起きているため、新たな交通マネジメントを優先的に検討していく必要がありました。

本プロジェクトでは、主に2つのテーマに取り組んでいます。1つめがデジタルツイン技術を活用した渋滞シミュレーションシステムの実装、2つめが多様な移動ニーズに対応した個人向け移動支援サービスの実装です。NTTグループの通信技術や共創パートナーの交通マネジメントのノウハウ、知見などをかけ合わせながら、具体的な要件の調整やサービス内容の企画を進めていきました。

サービスのアイデアは、渋滞シミュレーションの結果を踏まえた移動提案を行い、渋滞を解消するという考えから生まれたもの。しかし、多種多様な目的を持ち移動している人に賛同いただくのは容易ではありません。どのような機能があれば渋滞解消に協力してもらえるのか、ユーザー視点に立ち返りながら、検討を重ねました。

共創パートナーとの議論を重ねながらサービスの詳細を固め、プロジェクトは現在、2025年度の実証に向けて準備を進めています。試したいことは沢山ある反面、実験期間などの制約が数多くあります。その中で要件の価値や実現可能性を踏まえて、より良いアイデアへと昇華させていく。そんなアジャイル的な取り組みでプロジェクトを推進している現状も、これまでのSIビジネスとは大きな違いがあると二人は感じているようです。

目下の課題は、これらの取り組みをエンドユーザーに対してどのように伝えるかということです。本サービスがどのような未来をめざしているのか、エンドユーザーの皆さんの行動が日本をどのように変えていくのかなど、世界観や価値を適切に伝えていくために模索を続けています。

インフラと文化。その両輪が社会の変革を推し進める

新たなICT交通マネジメントの実装というプロジェクトに取り組む中で、古旗はこれまで公共・社会基盤分野で手がけていた従来のSIビジネスにはなかった壁に直面したと打ち明けます。

技術要件やゴールイメージが明確だったこれまでのプロジェクトと異なり、社会課題をテーマにしたプロジェクトは最適解がまだ確立されていません。暗闇で答えを探すような手探り感がある中でプロジェクトを推進していくためには、業界やエンドユーザーの思考・行動の原理に関する知見がまだまだ足りていないと感じました。この領域を伸ばしていくことは、お客様と深い議論をするうえで欠かせないものです。官公庁や民間企業を巻き込み、大きな共同体として社会課題を解決していくためにも、生活者視点を持ちながら業界への知見をさらに深めることが大切だと考えています。

交通領域で社会課題の解決策を模索した二人に今後の展望を尋ねると、「新しい価値を共創したい」と答えます。これからのビジョンを杉谷に聞きました。

私たちが思い描いているものは、移動に新しい価値を生み出すこと。そのためには、さまざまな事業者やエンドユーザーと一体になりながら、文化を育むことが重要だと考えています。あわせて、新たなエコシステムの形成も欠かせません。共感を生み、共創につなげ、社会課題を解決していきたい。それが私たちの想いです。

ICT交通マネジメントにより交通渋滞の解消ができれば、利便性を高めるだけではなく、交通事故や大気汚染、人口過密など、さまざまな社会課題解決の糸口になるはずです。社会・経済・環境の側面から課題を解決し、新たな移動体験を追求していくうえで、NTTデータのビジネスのあり方は大きな変革の渦を生むでしょう。自動運転、ドローン、AIなどの先進技術も活用しながら、二人の挑戦は続いていきます。

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※掲載記事の内容は、取材当時のものです