データドリブン経営の実現が私たちのミッション
――まずITMはどんな役割を担う組織か教えてください。
山本
ITMは社内システムの開発・運用を担うコーポレート組織です。ITMのなかでもチームによって担当が分かれており、社内システムをより快適に使うための改善を行うチームや、システムを長期的に稼働させていくための運用を担うチームもあります。私と久保田さん、依田さんが所属するのは、社内のデータ活用基盤を開発・運用するチームで、そのなかでも主に財務に関するシステムのデータ活用基盤の開発・刷新・運用を担っています。
久保田
私たちのミッションは、データ活用基盤の開発・運用を通じたデータドリブン経営の実現です。国内のNTTデータグループ企業だけでなく、海外のグループ企業のデータも連携して活用するための基盤を整備しており、グローバルな視点を持って経営に貢献することができます。
依田
具体的な取り組みとしては、重要な経営指標や経営課題を可視化するためのTableauのダッシュボード構築や、それを支えるための基盤の開発・運用などです。さらに社内のユーザにデータ活用基盤を活用してもらうため、ポータルサイト上に利用ガイド、分析Tips、自主学習用動画なども掲載しています。
――みなさんの具体的な業務内容について教えてください。
山本
私はデータ活用基盤開発のなかでも、主にBI（Business Intelligence）領域を担当しており、数千人の社員が利活用するダッシュボードやデータマートの開発を行うチームにてリーダーを務めています。業務内容としては、開発業務だけでなくチームリーダーとしてプロジェクトの進捗管理、タスク管理、成果物レビュー、品質向上のためのプロセス整備などがあります。また10名ほどのチームメンバーと日々コミュニケーションを取りながら、業務で困っていることはないかなどを把握し、メンバーがしっかりとパフォーマンスを発揮できるようマネジメントしています。
久保田
現在、Tableauのダッシュボード開発とユーザからの問い合わせ対応を担っています。ダッシュボード開発で取り組んでいることは、現場の業務を効率的に管理するためのダッシュボードやデータマートの作成業務です。また、経営層向けに国内外のデータを統合し、戦略的な意思決定を支援するためのダッシュボードも開発しています。問い合わせ対応業務としては、ユーザがダッシュボードやデータマートを利用する際の不明点を解消し、追加の要望を整理して反映させる役割を担っています。これらの業務を通じて目指すのは、国内外でのデータ活用を促進し、全社の意思決定の質を高めることです。
依田
私の業務ミッションは、経営ダッシュボードのユーザエクスペリエンスを高めることです。主にデータ活用基盤活用に関する問い合わせへの対応や、システム稼働状況を掲載するポータルの開発に従事しています。ダッシュボードの見方や活用方法、データの中身に関する問い合わせへの対応を通じて、ユーザがデータ分析を滞りなく行えるようサポートしています。またダッシュボードに新しく実装された生成AI機能をどのように活用するかの検証業務も担うようになりました。
山本
業務の特徴として、NTTデータの社員が使用する大規模なシステムを開発・運用する部署であるため、継続的・安定的な運用ができるシステム開発を行っています。現在担当しているデータ活用基盤で利用しているのは、ダッシュボードにはTableau、データベースにはSnowflake、処理にはInformaticaです。リリース後も自分たちで開発・維持していかなければならないシステムなので、長期的なメンテナンス性も踏まえて設計・開発を行う必要があります。システム要件を満たすだけではなく、維持体制からマニュアル整備まで、将来の維持・運用を見据えて整えられるのが大変さでもあり、面白い部分ですね。
――みなさんはITMの仕事に、どんなやりがいを感じていますか？
山本
開発に携わったシステムが、現場で継続的に活用されているという声が聞けたときにやりがいを感じますね。データ分析やデータ活用から得られた成果物は、その場限りの改善に利用するだけではなく、長期的に活用されることで本質的な改善に繋がるものだと考えています。私たちが開発した基盤を活用したデータ分析手法が現場の業務に組み込まれ、継続的に運用されることで、その効果は何倍にも大きくなってくるはずです。
依田
経営指標のデータ活用基盤開発は、経営に直結する責任の大きな仕事です。若手のうちからこのような重要な仕事を担えることにやりがいを感じています。また問い合わせに回答したユーザから、「おかげで使えるようになりました。ありがとうございます」と御礼の言葉をいただけたときも嬉しく思います。社内向けシステムに携わる部署なので、ユーザと顔が見える距離でやり取りができ、身近な存在からフィードバックをもらえるため、自分自身の成長にも繋がっています。
久保田
高度な技術と専門知識が必要とされるプロジェクトに携わることで、新しい視点や知識、アイディアを得ることができ、スキルを磨き続けられることが大きなモチベーションです。入社して3カ月ですが、データ活用基盤の導入説明会の資料作成やプレゼンも任せてもらい、経験の幅を広げられたと感じています。また周囲で働いている同僚や先輩方のレベルが高く、常に多くの刺激を受けられる環境も魅力です。求められるアウトプットの質は高いですが、日々多くの学びを得られることにやりがいを感じます。
依田
久保田さんの言う通り、周囲の方々からいろんな知見や事例を吸収しやすい環境だと思います。私も前職でTableauを使ったデータ分析を行っていましたが、山本さんから前職やNTTデータでのTableauの活用事例を教えてもらって、さらに視野が広がりました。上司や周囲のメンバーと距離が近く、わからないことをすぐに聞けるので、安心してキャッチアップを進めることができます。その他にも、生成AI活用の検証業務のように、従来のシステムを運用するだけでなく、活用促進に向けた新たな取り組みにチャレンジさせてもらえることも良い刺激になっていますね。
久保田
私たちのチームは経験者採用で入社している方も多く、さまざまな開発経験や業務・現場の経験を吸収させてもらっています。また勉強会も積極的に開催されており、部長自らがTableauの資格を率先して取得するなど、積極的に技術力を高めようとしている方が多いですね。私個人としても、最新のAIの動向をキャッチして、チームにフィードバックすることを目標として掲げています。
経営に寄与できるデータ活用基盤開発に携われるのがITMの魅力
――みなさんはそれぞれ経験者採用で入社していますが、改めてNTTデータに転職した理由を教えてください。
山本
前職でのデータ活用の経験を活かせると思ったこと、そしてソフトウェアという私にとって新しい領域で多くの学びを得られると考えたためです。前職はメーカーで、ハードウェアを軸としたデータ分析・活用支援に従事していました。国内外10以上の工場を巡り、さまざまな製品や生産現場でのデータ活用推進を行うなか、ハードウェア以外の分野でデータ分析・活用に挑戦してみたいと感じたことが転職の理由です。NTTデータを選んだのは、NTTデータグループという大きな母体があり、大規模な仕事に携われると思ったからです。データ分析のバックグラウンドを活かして、幅広い仕事に挑戦することで、さらに視野が広がるのではないかと考えて入社を決めました。
また異なる観点ですが、柔軟な働き方ができる環境が整っていることも魅力的でしたね。実際に休暇も取得しやすいですし、育児など家庭の事情に合わせた働き方ができています。
依田
私が転職を考えたのは、今後データ分析を軸にしたキャリアを築きたいという気持ちからでした。新卒で入社したメーカーでは、3年半ほどソフトウェアの品質向上に従事し、標準的な設計手法の導入支援や、データ収集・分析などを経験しました。その後に、新規事業開発部門に異動してWebサービスのフロントエンド開発を担うことになりました。開発エンジニアとして業務を続けながら改めてキャリアを考え直すタイミングがあったときに、自分が本当にやりたいのはデータ分析だと気づきました。戦略立案のためのデータ分析を行った経験がとても楽しく、印象に残っていたんです。そこでデータ活用による迅速な意思決定を支援できる仕事がしたいと思い、転職を決意しました。NTTデータにはデータ分析の環境が整っており、自分のやりたいことができると思い入社を決めました。
また私も山本さんの言うように、福利厚生が充実しており、働きやすい会社であることもNTTデータを選んだ理由の一つですね。
久保田
私は、より経営に貢献できるプロジェクトに関わりたいと強く感じたためです。前職では営業向けのダッシュボード開発に従事していましたが、在職中に中小企業診断士の資格を取得したことで単なる技術者としてではなく、経営戦略や意思決定に直接関わる役割を果たしたいという目標が生まれました。転職において重要視していたことは二つあります。一つは、前職で培ったダッシュボードの開発スキルを最大限に活かせる環境であること。もう一つは、より経営に貢献できる仕事に携われることです。NTTデータを選んだのは、転職において重要視していたこれらの理由にマッチする環境だったからです。NTTデータは、多様な業界のクライアントとともに大規模なプロジェクトを手がけ、最新の技術に触れる機会が豊富です。そのためダッシュボードのスキルを活かしながら、常に成長し続けられると感じました。加えてグローバルなネットワークを持ち、多国籍なプロジェクトに参画する機会が多いことも魅力でした。
――NTTデータのなかでも、特にITMに魅力を感じた理由を教えてください。
依田
転職活動中は、「データ分析業務に携わりたい」という思いで、営業関連のデータ分析などいろいろなデータ分析業務の求人を見ていました。さまざまな募集があるなかで、ITMの「経営指標のデータ分析」という仕事に目が留まり、「会社を動かせる重要なデータ分析に携われるんじゃないか」と興味を持ちました。前職でデータ分析にやりがいを感じたのも、データ分析の結果が上層部の意思決定を促すことができたという経験からでした。データを可視化することが重要な意思決定を促し、人を動かせるということに魅力を感じていたので、大きな影響力のあるデータ分析に携われるITMなら、やりたいことができると感じて入社を決めました。
久保田
全社の戦略的な意思決定や、経営改善に直接関与できるシステムを手がけられると思ったことが理由です。私は前職時代から、全社の事業や仕組みの方向性に影響を与えられる仕事がしたいと思っていました。中小企業診断士の資格を取得したのも、経営に関する仕事がしたいと強く志向していたからです。選考で話を聞くなかで、ITMが開発・運用し、経営に寄与するためのデータ活用基盤を扱うと聞いて、まさに自分がやりたいことだと思いましたね。また現在財務データを中心に扱っていますが、今後は財務以外のデータにも幅を広げられるという拡張性にも魅力を感じました。「経営に関する意思決定を担える仕事がしたい」という希望が叶う部署だと感じましたし、実際に入社してからも経営に直結する、希望通りの仕事を担えていると実感しています。
山本
前職でも社内インフラを扱う部署に所属していたので、社内の情報システム部門であるITMの業務とは親和性を感じていました。ITMに感じた魅力の一つは、これまで経験した以上に多岐にわたるシステムを扱えることでした。事業を支えるあらゆるシステムのデータ活用を担い、経営に影響を与えられることが面白そうだなと感じました。また入社してから感じたことですが、社内のシステム管理者の方々と連携して、より良いシステムを一緒につくっていけることもやりがいに繋がっています。現在開発しているシステムと近い規模の既存システムは、どのように開発し、品質を向上させていたのかなどを深く知ることができました。開発のキーマンも社内にいるためコミュニケーションが取りやすく、何を実現するかという目標を一緒に持ちながら開発を進めることができるのは非常に良い点だと思っています。
幅広い知識の吸収、PM力強化、先進技術活用によりデータ利活用をリードする人財へ
――ITMでの経験を通じて、それぞれどのような成長を感じましたか？
依田
私はまだ入社して1カ月ですが、日々さまざまな知識をキャッチアップしながら成長できていると実感しています。そして周囲の方々がそれを支えてくれることに、大きな安心感があります。先輩方はみんな自身の業務を抱えていて忙しいにもかかわらず、質問への回答に優先的に時間を取ってくれます。「有識者に質問して解決に導くことも、立派な仕事のひとつだよ」と先輩にアドバイスをいただいたおかげで、臆せず質問ができるようになり、知識が深まってきていることを実感しています。
入社当初は、前職の開発経験で培った開発プロセスや品質担保観点の知識については、活用しながらポータルの開発を推進できていますが、社内の経営指標や業務フローや社内ルールについては不明点が多い状況でした。ただ、先輩方に教えていただいたり、社内に蓄積されている過去のドキュメントを閲覧したりして理解が徐々に進み、わからないことが一つずつクリアになってきています 。
山本
私も依田さんと同じく、入社当初は自分にとって未知のドメイン知識を吸収することに苦戦していました。用語一つとっても、一般的な用語なのかNTTデータの社内用語なのか、判断するのが難しかったですね。そこで状況を打開するため、開発におけるキーマンを見つけてリレーションシップを構築することに注力しました。横の繋がりが強く、プロジェクトについてフランクに聞ける文化があるので、キーマンには積極的に実現したいことや分析すべきことを聞き、財務のドメイン知識を短期間で習得し、ダッシュボードの開発を完遂することができました。またNTTデータは一つひとつの開発プロジェクトにおいて品質を高めていこうという取り組みを行っているため、高い品質を実現するためのプロジェクトマネジメントの方法を、周囲の方々から日々学ぶことができています。
久保田
先輩方のプロジェクト推進力、問題解決力の高さは、私も強く感じています。あるプロジェクトでトラブルが発生したときにもそれらを実感しました。トラブルが発生すると、関係者全員が即座に集まり、チームリーダーを中心に対応に当たります。そこでチームリーダーがホワイトボードを使用して状況を可視化し、問題の根本原因を探るために活発な議論が行われました。そしてその日のうちに解決策の優先順位が迅速に決定され、チームリーダーの明確なリーダーシップと、メンバーの緊密な連携で、当初の予定を大きく変えることなく問題を解決することができました。チーム全体が一丸となり、高い密度のコミュニケーションを保ちながら協力し合う姿勢は、私にとって大きな学びとなりましたし、これからも大切にしていきたいと思います。
――これから挑戦したいことは何ですか？
依田
まずは経営ダッシュボードの拡大に取り組んでいきたいです。現在携わっているのは財務に関するダッシュボードのみですが、それ以外の領域にもどんどん幅を広げて開発していくことで、より適切な意思決定をグループ会社全体が行っていけるようにしていきたいです。そのためには財務以外の幅広い領域の知識をキャッチアップしながら、他の事業部が何に困っているかという課題感も知識として身につけていきたいと思います。
また生成AIといった先進技術の活用もさらに推進していきたいですね。現在は先輩社員と二人で役割分担をしながら検証を進めています。先輩社員が環境構築面を担ってくれており、私は機能面の検証に注力しています。このようにメンバーの個々のスキルを活かしながら、強力なチームワークを発揮して業務を推進できることもITMの魅力です。何より高いスキルを持った方々の側で日々刺激を受けられるので、大きな自己成長に繋がる環境だと思います。
久保田
大きくは三つあります。一つ目は、さらなるデータドリブンな経営推進プロジェクトへ参画すること。二つ目はAIと機械学習を活用した新規プロジェクトの立ち上げに携わること。三つ目はグローバルプロジェクトへの積極的な参加です。このようにさまざまなビジョンを描くことができるのは、ITMに幅広い挑戦機会があるおかげです。さまざまな分野のプロジェクトに挑戦でき、最新の技術やトレンドに触れることでスキルを向上させることができます。そして高度な専門知識やスキルを持つ同僚と切磋琢磨できることも魅力です。異なる視点や経験を持つメンバーが協力し合うことで、より効果的なソリューションを提供できるだけでなく、創造性や革新性を発揮し合えることがNTTデータの強みです。将来的にはエンジニアリングだけでなく、プロジェクト管理やチームマネジメントのスキルも磨くことで、NTTデータ内外でリーダーシップを発揮し、組織全体の成長を促進できる人財になることを目指しています。
山本
目先の目標としては、2024年6月にリリースしたデータ活用基盤を通じた経営貢献を推進していくことです。高品質な基盤が完成し、社内のデータを貯められるようになってきたので、今後はそれを活用するところにより注力したいと思っています。私自身はシステムのつくり手として、中身を一番知っている自負がありますが、まだまだそのすべてをユーザに知ってもらえているわけではありません。私自身もこの基盤を活用しながらより良いシステムへと改善していくと同時に、より多くのユーザに活用いただけるようなプロモーション活動（例：事例紹介の情報発信、得られたノウハウの対外発表）を行うことで、事業貢献、経営貢献を推進していきたいと考えています。また、社内外のまだ利活用できていないデータまで扱える基盤をつくっていくことで、新しい知見やインサイトを見つけ、経営に貢献していくこと、そして社内で働く人たちの日々の業務がより良くなっていくことを目指していきたいと思います。
――
システム開発やデータ分析経験など、さまざまなバックグラウンドを活かして、経営に携わる大きな影響力ある仕事に取り組めるITM。今後もデータドリブンな経営変革を主導する組織として、さらなる飛躍を遂げていくことでしょう。
