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DEIインタビュー チームでサポートしあい、ワークインライフを実現する組織に

NTTデータではDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を推進しており、社員が活躍できるカルチャーの醸成や「自律的なキャリア形成」、「男性育休の推奨」等を組織として実施しています。

法人分野におけるDEIの情報を発信していく連載第3弾のテーマは、男性社員の育休取得を中心に、育児や介護などに向き合う社員のワークインライフ。育児や介護に直面する世代が安心して休職や休暇を取得し、ワークインライフを実現しながら働ける環境をつくるために、組織として、職場の一員としてどのようなことが必要なのか。事業部長の徳永裕幸さんにお話をお聞きしました。

目次

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男性の育児休職は年々増え、過半数超に

――まずは、法人分野、システムインテグレーション本部(以降SI本部)における現在の育児休職の取得状況について教えてください。

当社は女性/男性ともに育児休職の取得率が日本の平均と比べて高く、特に法人分野、SI本部では男性の育休の取得率が非常に高くなっています(厚生労働省「雇用均等基本調査」による2023年度の男性育休率は約3割。それに対して法人分野は約5割、SI本部は約6割[FY2023実績])。女性が育休を取得することはすでに一般的になっていますが、男性の育休も年々増えており過半数を超えました(FY2020は約2割でしたが、FY2023年には約6割と3年で3倍以上になりました)。また、その休職期間も長く、社員がワークインライフを実現しやすい環境だと思います。休職しない場合も、ライフプラン休暇(※)制度を活用している社員も増えています。

(※)年次有給休暇を毎年最大3日まで積立可能な制度

――男性の育休が増えている背景について、どのようにお考えになっていますか?

毎年多くの方が育休を取ることで「取得することが当たり前」の雰囲気になったことが一番大きいと思います。以前に取得した方から、期間中の過ごし方や職場復帰後の話を聞くことで育休を取得することに対する不安を払拭できるとともに、同じチームの方が期間中にしっかりとサポートしていただいていることも、取得が年々増えている理由だと思います。

自分自身やパートナーの妊娠・出産はその時にしか経験できないライフイベントであり、子どもは誕生直後からあっという間に成長していきます。その貴重な時間を家族とともに過ごすことは、その後の人生を考えても、とても大切な経験です。

「お互い様の循環」をつくり、休職・休暇を取りやすい環境に

――男性育休をはじめ、家族の介護などプライベートの事情により休職や休暇をとりたいと希望する方が、休みやすい環境をつくるためにどんなことが必要だと思われますか。

職場全体で支えることがとても重要です。ある人が休職する際は周囲が業務をサポートする必要がありますが、休職した人が職場に戻ってきたら、次は支える側に回ることでお互いが助け合う環境にすることができます。当社の「Values」の1つであるTeamworkは、日々の業務においてチームで協力しあう大切さについて触れたものですが、同じように育児や家族の介護が必要な時にも支えあうことが望まれるのではないでしょうか。チームの中で「お互い様の循環」をつくっていくことが休みやすい環境につながっていくと思います。

育休を取得する方にお願いしていること

――休職や休暇を取得する方にどんなことを期待しますか。

休職申請は私が決裁するのですが、その時に必ず「育児と家事を頑張ってください!」と伝えています。世間では男性の「とるだけ育休」が話題になることもありますが、休職期間中はパートナーと2人で力を合わせて育児をすることが大切です。組織長としてだけでなく、子育ての先輩としても、妊娠・出産、育児という限られた時間をぜひ楽しんで大切に使ってほしいと思っています。

そして、期間中サポートしてくれる周囲の方への事前引継ぎと感謝は必ずお願いしています。休職・休暇を取得するのは事前に分かっていることなので、自分の担当業務を可視化しドキュメントを作成するなどの引継ぎ準備は必ずしてほしいと思います。

育休社員のサポートをする方にとっても良い経験に

――休職や休暇を取得する人を送り出す周囲の社員が取るべき行動や心構えとして、どんなことが必要でしょうか。

休職・休暇期間中は一時的に周囲の方の負担が増えると思いますが、上司の方にはチーム全体を俯瞰してプロジェクトアサインや分担をしっかりとマネジメントしていただくとともに、サポートする方は、いつかは自分が助けてもらう時が来るかもしれないと思って前向きにとらえてもらいたいと考えています。それでも案件の状況によっては現場だけでは解決できない要員調整や業務調整が必要になる場合もあるかもしれません。その場合はエスカレしてもらい、事業部としてもできる限りの調整をするようにしています。

また、休職・休暇者のサポートは、サポートする方の成長機会にもなります。実務のリーダーであり、お客様のフロントに立つ中堅世代が一定期間、職場を離れるのですから業務にまったく影響がないわけがありません。しかし、他の人の業務を担うことで、育休中の人の日々の苦労や工夫を知ることができると思います。そうした気づきはスキルとチームワークを高めることができます。単にサポートをするだけでなく、「自分自身の成長につながる機会」としてぜひポジティブにとらえてもらえたらと思い声掛けをしています。

多様性、流動性の高まりを前提とした組織、仕組み作り

法人分野では育休の取得率上昇に加えて、経験者採用入社の方や他分野からの転入者が増え人材の多様性、流動性も高まっています。育休中のサポートのためだけではなく、職場のみんなが同じ情報の下でプロジェクトを進められる環境づくりも組織として必要だと考えています。例えば、AIを活用してプロジェクトの進捗状況や課題をリアルタイムに可視化する仕組みや、みんなで協調して仕事をしていくためのプロセス改善に取り組んでいます。

ライフの充実をワークの成長につなげて

――SI本部全体、法人分野全体として、ワークインライフのあるべき姿をどう描いていらっしゃいますか。

SI本部はシステム開発、運用が主な業務ですが、社員が多様な経験や興味・関心を持っていることは、よりよいシステムを開発していく上で必ずプラスになります。DEIな組織であることはよいシステム作りに、ひいてはお客様の事業成長や社会課題解決につながっていくと考えています。

現在、当社全体で多様な人財活躍を目指してさまざまな取り組みが進められています。社員それぞれのライフステージに合った働き方や休職・休暇取得をすることで、よりよい生活環境を整えることは、当社の事業成長にとっても非常に重要です。これからも社員一人ひとりが経験やスキルを最大限に発揮して活躍し続ける組織を目指していきたいと思います。

組織全体でよい循環をつくり、それぞれのワークインライフを実現

――最後に、改めてメッセージをお願いします。

今回は主に男性の育休をテーマにお話させていただきましたが、誰しも人生の中でその時にしかできないことに全力で向き合いたいというタイミングがあると思います。1日は24時間しかない中で、今は家族のために時間を使いたい。そんなときは、会社の制度を活用して一定期間休職し、その時にしかできないことに集中して全力で取り組み、職場に戻ってきたら次は支える側に回ってほしいと考えています。育児だけではなく家族の介護なども含めて職場のみんなが⽀えあい、感謝しあうことで、組織全体でよい循環をつくり、それぞれのワークインライフが実現できるよう取り組んでいきます。

※NTTデータ法人分野におけるDEI情報発信の取り組みについて

DEIをCSR(企業の社会的責任)としてだけでなく、多様な人財を活かしてイノベーションを生み出し、価値創造につなげる取組として捉えています。(参考:ダイバーシティ経営の推進 (METI/経済産業省)
DEIには性別・年齢・人種や国籍など様々なテーマがありますが、今年度は全社一体となって進めているキャリア自律や働き方の柔軟性、また近年増加している経験者採用にフォーカスして情報発信します。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです