保険業界から転職し、大手生命保険会社グループの課題解決に挑戦

「真に人が困った時に力になれる仕事」に意義を感じて新卒で大手生命保険会社に就職した長岡。当時、大きな変革期にあった会社ということもあり、新しい船出の環境で自分も挑戦したいという想いも持っていたそうです。
入社後、長岡はまず支店で販売代理店向けの支援業務を担当。日本全国の幅広い場所で保険を販売している会社だったため、人と人とのつながりの中で保険商品を届けていく重要性を知ることができたと長岡は語ります。
そして入社3年目からは本社の営業企画部門に異動し、現場の営業とは一転して販売システムの導入に従事。自分のアウトプットがシステムの利用者に大きな影響を及ぼしうるという責任の重さを感じながら、ITの価値や可能性についても実感しました。
その時の気づきが、新天地に飛び出す決断へとつながっていきます。
人のつながりの重要性はよく理解していた一方で、デジタルの意義や今後の成長性も感じていました。営業企画部門の後には再び営業現場で仕事をするという選択肢もあったのですが、システム導入の経験を活かして、さらに専門性を磨ける環境に挑戦したいと考えるようになりました。
そこで長岡はNTTデータの保険業界向けの顧客営業に応募します。IT業界自体は未経験だったとはいえ、保険業界を対象にした事業部であれば自分の強みも活かせるだろうと考えたのです。
前職では保険会社の立場でIT企業と接していたので、けっして甘くない仕事だということはもとから理解していました。それでもチャレンジしてみたいと思っていました。
その後、2020年の入社から現在に至るまで、長岡は顧客営業として大手生命保険会社グループの課題解決に挑戦しています。担当しているお客様はNTTデータと長年の取引実績がある企業。長岡のメインミッションは、先人たちが築いてきた強固な信頼関係を受け継ぎ、より良い関係性を築きながらお客様の課題解決に貢献していくことです。
ですが、単にこれまでのやり方を踏襲しているわけではありません。保険業界では少子高齢化や人口減少によってビジネス環境が大きく変わりつつあり、新しい営業スタイル・付加価値創出が求められています。そこで長岡たちは近年のテクノロジートレンドを紹介して意見交換を行ったり、仮説ベースで想定課題を投げかけたりして、お客様の課題の深掘りや課題解決の提案などを行っています。
特に今注力しているのは、テクノロジーを活用した営業活動の効率化・高度化や、デジタルを活用した新しいサービスの創出など。具体的な事例としては、従来、セールスの方々が地道にお客様を訪問していたリアルな活動に加えて、デジタルを活用して新たな顧客接点・付加価値を創出しようというプロジェクトが挙げられます。これは単にデジタルのサービスを導入するという話に留まらず、お客様の業務のあり方も含めて変えていこうというスケールの大きな試みです。
まさしくお客様の事業パートナーとして変革を支援している長岡。しかし、異業界から転職し、入社早々にコロナ禍を経験した長岡にとって、これまでの歩みはけっして平坦なものではありませんでした。
コロナ禍で業界が一変、「今の自分にできること」を考え抜いた

長岡の入社は2020年1月。まさにコロナ禍が始まる直前でした。前職の経験を活かそうと意気込んで入社したものの、コロナ禍によってお客様のビジネスモデルが大きく変わってしまいます。それと同時に長岡の経験や知識も突如として過去のものになってしまったのです。
ただし、インパクトのある環境変化によって、今までのやり方が通用しなくなってしまったのは誰にとっても同じです。その頃は、お客様に対してどんな貢献ができるのかをチーム内でも議論していましたね。最終的に着地したところは、お客様の声を真摯に聞くということ。何にお困りかを議論し、その解決策を一緒に考えるという本質に立ち返りました。
過去の成功体験を手放し、ある意味でゼロからのスタートを切ることになった長岡。さらには業界の激変期において、長岡たちが取り組むプロジェクトの意義も変わっていきました。
当時、長岡の入社以前からデジタル化・データ活用といった取り組みが徐々に拡大していましたが、コロナ禍を契機にお客様の事業におけるデジタル化・データ活用の重要性が飛躍的に高まり、お客様の経営戦略に紐づく重要プロジェクトに引き上げられることに。
その結果、当初に想定していた体制では対応が難しい要件が次々と出てきましたが、長岡は顧客営業としてお客様からの期待に応えるべく、社内に対応できる解決策があるか、前例や参考になる事例はあるのかなど、社内を奔走して回りました。
社内の関係者に相談して回り、お客様にご提案しては意見を持ち帰って、また社内で検討して。それを何度も、何度も繰り返しましたね。
入社早々にリモートワークに突入し、社内の人間関係が十分には構築できていない状態でプロジェクトに参画した長岡でしたが、それでも立ち止まるわけにはいきませんでした。
顧客営業は社内の他組織の方に手を貸してもらうシチュエーションも多いのですが、入社したばかりの私が相談しても前向きに協力してくれる人ばかりなのが印象的でした。思いがけない状況でしたが、このような姿勢の人が多いことがNTTデータの強みだと実感できました。
その一方で、長岡は自分の価値について悩むことも多かったと当時の胸の内を明かします。
NTTデータの中で特筆すべきスキルや経験がなく、ITの経験も浅くて、お客様との関係性もまだまだ短い。そんな私がどこで力を活かせるのか、すごく考えましたね。それから視点が変わってきたと思います。特にNTTデータはチームで活動していくので、チームに貢献できる”何か”にアンテナを張って行動していくことで、その先のお客様への貢献につなげていこう、と。
「一人でできること」の限界に早い段階で気づけたのは幸運なことだったと語る長岡。チームメンバーができていないことを自分が率先して実行する、ある分野で得意な人を社内で見つけてくるなど、「自分にできること」をひたすら探して泥臭く動き回りました。
こうした歩みの中で長岡は、仕事の大変さや難しさに直面しつつも、NTTデータの人財の多様性に触れ、自分ならではの価値を追い求めることの重要性を知っていきました。
NTTデータとして貢献できることを考え抜き、届ける。それが顧客営業の存在意義

保険ITビジネス事業部では多数の経験者採用の社員が活躍していますが、必ずしもIT業界や保険業界の出身者だけではなく、まったくの異業界からの転職者も少なくないそうです。
経験者採用で異業界からチャレンジする際には、どのような心構えを持っておくべきなのでしょうか。長岡はIT業界未経験から入社した自身の経験から、「ITやシステム開発などに関する基本的な知識は学ぶ必要があります」と語ります。ただし知識習得はあくまで前提条件であり、お客様も非常に熱心に勉強、情報収集されているので、お客様の期待を上回る提案をするためには、最新の技術トレンドや業界動向なども含めて自己研鑽は継続的に行っていく必要があるとも語ってくれました。
もう一つ知っておくべき重要なポイントは、テクノロジーを使ってお客様の課題を解決するのは、けっして簡単な道のりではないということ。
表面的なところだけを見て華々しい仕事に見えたとしても、その裏側には多数の障壁や苦労があります。「IT企業というと綺麗に聞こえるかもしれないが、NTTデータの仕事は泥臭く何度もお客様に提案し続けていくこと」という言葉を投げかけたのは長岡の上司でした。
私自身、お客様へのヒアリングや提案が一度で自分の思った通りにいくことはまずありませんでした。何度でもお客様のもとに通うことが大切だという上司からの言葉は、お客様との向き合い方を考え直すきっかけになりましたね。
長岡の話からは、テクノロジーだけではお客様の課題を本当に解決することはできない、という事実が浮かび上がってきます。実際のところ、NTTデータにはさまざまな技術やサービスがありますが、「それらは手段に過ぎない」といった言葉も会話の中でよく出てくるそうです。そして、その手段を使って課題を解決しようという時に必要な存在こそが顧客営業です。
お客様がどうありたいのか、何を実現したいのかを正しく理解しないと、どんなに優れた技術やサービスがあっても適切にお届けすることはできません。お客様の声に耳を傾け、お客様のありたい姿を実現するために社内を巻き込み、NTTデータとして貢献できることをお届けするのが顧客営業の存在意義だと考えています。
お客様の課題も高度化、複雑化しているので、単純に何かしらのサービスを導入すれば解決できるというものではありません。NTTグループ、NTTデータグループのケイパビリティを総動員しながら、お客様が実現したいことを深く理解したうえで、最適な組み合わせや構想を描いて提案することが求められています。
保険業界自体が変革期にあり、多くの保険会社が新しい事業領域に挑戦している中、NTTデータの顧客営業が担う役割もますます重要になってきました。「テクノロジーの活用を通じてお客様が志す変革をともに推進する。そんな姿勢を大切にしながら、保険業界の発展により貢献するため、顧客営業としてもっと成長したいと思います」と長岡。
長岡は新卒で保険会社に就職した時から、「真に困った人の助けになれる」保険の力を信じ続けています。そんな保険業界の発展に貢献できる人財になりたいと長岡は語ります。
保険業界に対する根本的な想いは前職の時も今も変わりません。NTTデータであれば、さまざまな技術やサービス、そして他の業界の知見も活かしながら、保険業界の発展に貢献できると考えています。
自らの成長が保険業界の発展につながるという信念を持ちながら、長岡はお客様の未来に想いを馳せ、挑戦を続けています。