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考える人が主役になれる会社へ。営業社員が挑むNTTデータの変革

NTTデータという名前を聞いて、どのような印象を持つでしょうか。前職も同業界で営業として活躍していた高島大輔は、率直に言って、「堅い組織」「スピードが遅い」「営業は脇役」といった印象を持っていたそうです。しかし今、高島は営業主導で担当事業を数倍に成長させ、組織自体も変えていこうとしています。今回は、営業の視点から見たNTTデータの変革について紹介します。

目次

仕事と顧客に、長期的に向き合いたい

高島 大輔
ITサービス・ペイメント事業本部
スマートライフシステム事業部 情報ビジネス統括部 
情報ビジネス営業担当 兼 事業推進担当

「前職は猛烈な環境でした」と、笑いながら過去を振り返る高島大輔。高島の前職は外資系のITベンダーで、国内の大手電機メーカーの営業を担当していました。コンサルティング、システム開発、BPOなど、ありとあらゆるサービスの提供を経験してきたと語ります。

高島 「20代のうちにできるだけ成長したいと考えて入社したこともあり、自ら望んだ環境ではありました。ですが、前職は“売上を上げろ”という空気が圧倒的に強い社風で、当時はいかに月の利益を稼ぐかばかりを考えていましたね。セールスプロセスやメソッドは確立されていましたし、たしかに成長できている実感はあったのですが、顧客のためになっているのかと考えると悩ましい面もあって。30歳を機に転職を考え始めました。」

担当していた電機メーカーのクライアントについては、最終的に大規模なグローバルプロジェクトにも携わったのですが、高島はもっと長い目線で顧客と向き合える環境で着実に規模を広げていく仕事がしたいと考えるようになり、同業他社への転職を決意。そして2013年にNTTデータに転職しました。

高島 「NTTデータは商品の選択肢が幅広く、良いものをマルチに届けられる会社だという印象を持っていました。自社プロダクトを持ったベンダーを選ばなかったのは、それでは前職と同じく、最終的に製品ありきの提案になってしまうと考えたから。NTTデータなら自社のプロダクトにこだわらず、自分の想いを形にしながら世界観を作っていけると思いました。」

仕事や顧客とロングタームで向き合いたい、という高島の想いの裏側には、公私のバランスを取りたいという考えもありました。

高島 「正直なところ、NTTデータは前職よりは緩やかな会社だろうという期待もあったんです。前職ほど激しい環境ではなく、スピード感もそれほど早くないのだろう、と思い込んでいました。そんな思い込みは、やがて良い意味で裏切られることになるのですが(笑)。」

NTTデータに入社した高島は、その後、組織の風土自体を変えるミッションへと踏み出していくことになります。

営業のあり方を変え、事業を数倍に成長させてきた

現在、高島は人材サービス業界の大手企業の営業チームをまとめる責任者を任されています。営業戦略の策定に始まり、新規サービスの企画・立ち上げ、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓などが高島の主なミッションです。

現在でこそ大手人材サービス企業の多くと取引実績のあるNTTデータ。ここまで事業を成長させてきた立役者は高島でした。

そんな高島によれば、今の事業においてもっともチャレンジングだった点は、営業主導で事業をコントロールしていける組織に変えることだったそうです。

高島 「転職当初、私から見ると組織の営業プロセスはあまり整っておらず、開発側に対して営業の存在感も薄かったと感じました。そこで、私は前職の経験とNTTデータの良さをハイブリッドで活かしながら、営業と開発が一体となって事業を推進していけるように取り組み始めました。」

高島は既存顧客の深耕を進める一方で、新規顧客の開拓に向けた地道な営業活動にも奔走しました。営業チームに対する社内の見方が変わってきたのは、大手人材サービス企業の新規顧客開拓に成功してからのことです。

高島 「一定の信頼を得るまでには苦労がありました。ですが、実績が伴ってくれば風向きは変わります。新規顧客の開拓が転機になって、社内における営業の存在感が大きく高まりました。現在では営業が主導権をもって動かすプロジェクトがいくつも生まれてきています。」

事実、高島が関わり始めてから事業自体も大きく成長しています。既存顧客に関しては、着任当初の倍程度にまで売上が拡大。数多くの新規顧客を開拓し、事業全体の売上規模も3〜4倍にまで成長しました。

高島 「当社ほどの規模で同じ事業を行っている競合企業はほかにありません。つまり、人材サービス業界で事業化するのがそれだけ難しい領域とも言えます。お客様内では人手に頼っている業務も多く、法改正などの細かな点にも対応し続けていく必要があり、まさにロングタームできっちりと対応していく信用力が求められます。社会や業界に貢献しようという、NTTデータらしい使命感があらわれている事業のひとつです。」

会社を変え、営業としてのロールモデルになる

転職活動時、NTTデータのことを「緩やかな会社」だと考えていた高島でしたが、現在は当時とは違った印象を持っています。

高島 「不要なプレッシャーがないのは想像通りで、前職よりも働きやすさを感じるところです。また、予想外だったこととしては、一人ひとりが高いモチベーションを持ち、自主的に行動している点です。“社会のため”といった使命感を持っている人も多いですね。」

今の高島にとっての働くモチベーションは、やりたいことをやらせてもらえる環境にあるそうです。NTTデータにおける営業の存在感をさらに高めていくために、高島は自ら手を挙げて新しいミッションにも挑戦しています。

高島 「2019年に新たな事業部へと再編され、私は自ら志願して300名以上の組織の事業運営に携われることになりました。新しい事業体では既存の事業にとらわれず、デジタルでこれから社会がどう変わっていくかを考えながら、より広い業界の顧客に向けて影響を及ぼしていきます。」

もはや「緩やか」とは到底言えない環境で、責任の重いミッションに奔走している高島。「想像していた環境とはまったく違う」と高島は苦笑しますが、これもすべて「やれることは全部やらせてくれ」と主体的に行動し続けた結果です。自分がやりたくてやっている仕事だからこそ、嫌なプレッシャーはまったく感じないと高島は語ります。

高島 「NTTデータは営業のロールモデルが少ない会社なので、これから私がロールモデルになりたいと考えています。職種を問わず、考える人が主役になれる会社にしていきたいですね。また、当社はNTTという看板から重厚長大なイメージを持たれがちですが、そのイメージも変えていきたい。社会性や公共性といった従来の印象は残しながらも、先進的なチャレンジを行う会社だという印象を広めていきたいです。」

高島によれば、現在のNTTデータは変革期にあるといいます。巨大な組織でありながら硬直的でなく、柔軟に変えていける可能性がある、ということ自体がNTTデータの魅力でもあります。これから高島は、NTTデータという会社をどのように変えていくのでしょうか。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです