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副業はキャリアの幅を広げるチャンス。本業×副業で社会を動かす力を養う

コロナ禍による雇用不安やテレワークの拡大などを背景に、「副業」がいま大きな注目を浴びています。副業を積極的に認める企業も増え始め、働き方の多様性は今後一層進んでいくことが予想されています。あまり知られていませんが、実はNTTデータにも副業(兼業)を認める制度が存在します。実際に、本業と両立しながら自分らしい働き方を実現している社員がたくさんいます。今回のインタビューは、公共分野で大規模プロジェクト開発と2つの副業を両立させながら相乗効果を出している陣出が、担当プロジェクトの醍醐味や副業から得た経験について語ります。

目次

官公庁系プロジェクトの専門家として、本業のキャリアを極めたい

陣出 勇人
第二公共事業本部
社会保障事業部 社保第三統括部
第七システム担当 課長代理

国を動かすような社会的影響力のある仕事に関わることができるー。

NTTデータで働く醍醐味をそう語る陣出は、入社当初から当時のNTTデータで最も多くの実績を備え、また大きな社会的影響力を持つ公共分野を配属先として希望していました。希望が叶って第二公共事業本部に配属されてからは、年金、国防、交通など、まさに日本を支える重要な官公庁のシステム開発を通してキャリアを積んでいます。

現在陣出は、大手SIerが複数社共同で進める医療系公共団体のクラウド化に関するプロジェクトで、担当する機能開発のプロジェクトマネジャーを担っています。

陣出「システム刷新と業務刷新の2つのプロジェクトを遂行しており、私は業務刷新のプロジェクトを担当しています。それぞれ当社だけでも約200名規模の体制で臨むプロジェクトで、私のチームには約20名のメンバーがいます。このプロジェクトの難しいところはその規模感だけでなく、一社がプライムで進めるプロジェクトではなく、当社を含む大手SIer6社が対等な立場で動く点にあります。」

船頭が多いプロジェクトを円滑に進めながら、契約業務範囲を超えることなくNTTデータの強みであるお客様の業務理解の深さを生かし、NTTデータの存在価値を発揮するー。陣出がこの難しい舵取りのために特に意識したことは「真摯さ」であると言います。この「真摯さ」を前提とし、お客様やチームメンバーとのコミュニケーションを密に取ってプロジェクトの成功をゴールに置いた行動を徹底しました。プロジェクトにアサインされてから数カ月でお客様からの信頼を得られたのも、陣出の地道な取り組みが影響していることでしょう。

陣出「このプロジェクトは、2018年に政府が発表した『政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針』を受け、他官庁や公共団体に先駆けて進んでいる大規模クラウド化案件です。ここでの経験は今後さまざまなお客様でも活用ができることでしょう。公共分野のプロジェクトは特に規模が大きく、最適化/刷新化/新たなサービス構築など、まだまだやれることがたくさんあります。今後も公共分野で経験を積み、専門家としてのスキルを磨いていきたいですね。」

副業のきっかけは、妻を“起業家”にすることだった

本業でも多忙でありながら、家に帰ると三人の未就学児の父親へと立場を変える。普段から料理をしたり、子どもをお風呂に入れたり、寝かしつけたりと家族との時間を大切にしている陣出は、一体どのように副業に取り組んでいるのでしょうか。

陣出「休日は何よりも家族との時間を優先しています。その中で空いた時間や通勤中の時間を、個人事業主の創業支援、経営支援ビジネスの構想に当てています。」

ビジネスを始めたきっかけは、自身の奥さんが趣味で続けていた食器の絵付け(陶絵付け)をビジネスにできないかと考えたことにあると陣出は語ります。

陣出「妻は陶絵付けを10年ほど続けていまして、専門の資格を取得するほどの実力があります。自慢ではないですが今では日本でも有数のトップペインターです。趣味だけで終わらせるにはもったいないレベルですし、そのスキルを社会で生かすことができれば専業主婦とはまた別のやりがいが得られるのではないか、と思ったのです。」

陣出はまず絵付け教室の開校を進めましたが、当然奥さんには教室を開設する方法も運営のノウハウもありません。そこでビジネスモデルづくりから二人三脚で進めることになったと言います。

長年積み重ねてきた実績で大手顧客を相手にビジネスをするNTTデータにおいて、未経験の個人が失敗をしながらビジネスを学び、事業を作っていく生の現場に携われる機会は非常に貴重なものです。家族の、しかもスモールビジネスだから得ることができた機会だとも言えます。しかし陣出はこの小さくも挑戦的な取り組みを失敗させないために隙間時間を活用し、収益を出す仕組みを独自に構築していきました。奇しくも教室の開設がコロナウイルスに端を発した外出自粛期間と重なってしまいましたが、その期間にInstagram等のSNSを活用するなどしてファンを獲得し、2020年7月から無事に陶絵付教室「Salon de Maiko」をスタート。滑り出しは好調だと言います。

彼がこれだけ本気で取り組んでいる副業で、得られたものとは一体何だったのでしょうか。

陣出「副業をして一番良かったことは、サービスの利用者であるエンドユーザの生の声を直接聞く機会に恵まれたことです。NTTデータでの仕事は、どうしても企業や自治体を対象とした大規模なB to B to Cのビジネスが中心になります。そのため、よほど意識しない限りエンドユーザの声を聞く機会は限られてしまいます。

一方、インターネットやSNSの普及によって個のスキルやアセットでビジネスが成立しやすくなった今の時代、マーケティング観点でサービスの利用者のいまの声を知ることは、非常に重要だと考えています。」

公共分野の事業は、サービスを利用する対象者が多く利用者も多様なことから、今後はさらにユーザ目線に立ったサービスの提供が求められます。陣出は副業を通して見えてきたノウハウを積極的に本業に生かすことで、よりエンドユーザにとって便利で、役に立つサービス提供を実現していきたいと言います。

本業と副業のシナジー効果で、彩り鮮やかなキャリアを描く

陣出の携わっている某政令指定都市の「文化芸術都市創造計画」。自治体の地方創生プロジェクトにも積極的に参加しています

陣出は2つ目の副業として、某政令指定都市の文化芸術委員を担っています。年数回開催される「文化芸術に関する意見交換会」に出席し、市民と役所の職員と一緒になって文化芸術都市として世界にどのように発信していくかの計画立案に携わっています。

陣出「市民の声を参考意見で終わらせないためには、行動方針を考え、実施計画まで落とし込む必要があります。私は自分自身の意見を提言することに加え、メンバーの意見をかみ砕いて職員の方へ伝えつつ、目指すゴールを達成できるように情報を整理し、計画策定の支援を行っています。これは普段のプロジェクトマネジャー業務と通ずる部分があり、貢献ができていると感じています。」

陣出は文化芸術都市を定義づけるアンケート項目の見直し、観光大使によるSNS発信などさまざまな提案を行っており、計画の各所に盛り込まれています。このような副業活動を所属部署の上司が積極的に組織内で発信した結果、触発されて自分の地元での取り組みに参加する後輩もいたそうです。

コロナウイルスの影響もあり、政府・自治体の役割が見直されている今、本業と副業のシナジーを最大限発揮して自分らしく働く、陣出のような人財の活躍の場はどんどん広がっていくことでしょう。NTTデータは、このような社員の多様な働き方を認め、後押しできるようこれからも副業の取り組みを推進していきます。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです