建築系エンジニアとして「建築×ビジネス×IT」の世界で成長したい
前職では研究所や病院、オフィスなどの設備設計担当として、基本設計・実施設計、積算、設計監理を経験してきた相場。元々建築の世界に進んだのは「建物が好き」という理由でしたが、次第にその興味の対象は、建物自体から企画・運営など建物のライフサイクル全体へと移っていきました。
デベロッパーや設計事務所など多くの転職の選択肢があったなか、大きく環境を変え、転職先にNTTデータを選んだ相場。その一番の理由をこう語ります。
「設計事務所での業務を通じて、徐々に建築というものをビジネスの一環と捉えるようになったこともあり、自分のなかでファシリティ・マネジメントへの興味が強くなりました。
また前職で、研究所をはじめとした先端技術やIT業界の進化スピードを体感する設計案件に関わる機会があったのですが、一般的な建築の世界とは比較にならないスピードで進化していくITの世界に自分もチャレンジしたい、と感じるようになっていました。
NTTデータへの転職を決めたのは、『建築×ビジネス×IT』の世界で成長できると思えたことが大きかったですね。
IT業界でファシリティ・マネジメントというと、一般的に子会社などの別会社が担うことが多いのですが、NTTデータは本体がその機能を担っています。また建築・設備・電気までオールラウンドに担当するので、幅広い業務に携わることができる環境にも惹かれました」
相場が入社後すぐに携わることになったのは、データセンターの法定点検業務でした。前職でも大人数でプロジェクトを進める経験を積んできた相場でしたが、NTTデータの社内外を含めた強いチームワークには驚きを隠せなかったと言います。
「定期的に行う法定点検では、電源切り替えテストなど大掛かりな試験も行います。本番環境で行うので間違いは許されず、グループ会社や施工会社、メーカーなど100人以上が一丸となって実施している姿がとても印象的で、社会インフラを守るため、こうした試験を何十年間も続けているNTTグループの凄みを感じた瞬間でした。
社員にはチームワークを重視する、バランス感覚に優れた人が多いと感じています。特にこの事業部はその傾向が強いかもしれません。建築の仕事は1人ではできないですからね」
新しい資材の性能確認のため、入社4ヵ月で台湾・シンガポールへ
相場が所属するのは、オフィスなどのワークプレイスの最適化からデータセンターの設計・運用、デベロッパーのような不動産戦略までを手掛けるファシリティマネジメント事業部。相場が入社した2019年は、NTTデータとして初となる、外資系ハイパースケーラーの誘致活動が始まった頃でした。
入社後すぐにこのプロジェクトの最重要拠点「三鷹データセンターEAST」の担当を任された相場は、いきなり大きな壁に直面します。
「さすがハイパースケーラーと呼ばれるお客様はデータセンターに求める要件のレベルが非常に高く、特に工期については私たちが想定していた半分ほどしかありませんでした。お客様でさえ『本当にできるのかな?』というご様子で、スタンダードなやり方では到底間に合わないことは明らかでした」
最も大きなネックとなっていたのが資材調達でした。そこで相場が思いついたのが、調達先を国内から海外へシフトするという方法。これなら工期を大幅に短縮できます。しかしこれまで扱ったことのない海外製資材には、品質面の問題が残ります。相場は海外の現地工場へ直接訪れ品質管理を実施、日本のJIS規格と海外のIEC規格の差分も徹底的に調べ、差があるところについては、海外では行っていない検査を独自に行い、品質を担保しました。入社からわずか4カ月後のことです。
「結果、予定通りの工期を実現できお客様にも満足いただけたのは、関係各所の迅速な協力・連携があったからこそだと思います。
入社後すぐにハイパースケーラーと呼ばれるお客様に出向き、プロジェクトを進める裁量を任されたと思ったら4ヵ月後には海外で資材の選定をしているなんて……入社前には想像もしていないスピード感でした(笑)」
良い意味でNTTデータの印象が変わったと、相場は語ります。
“不易”と“流行”の両立で「温室効果ガス排出量60%削減」を目指す
入社から1年半。現在、三鷹データセンターEAST 2期棟の建設プロジェクトを担当する相場は、「NTTデータらしさとは?」の問いにこう答えます。
「不易流行(※)です。前述の法定点検やハイパースケーラー誘致プロジェクトのように、社会インフラを支え安定的にサービスを提供してきた知見を持ちつつ、外部環境の変化や顧客・ユーザーのニーズに対し、組織として変化しようとする姿勢・チャレンジ精神を持っていると感じるからです。
建築基準法の遵守など、”不易”の部分は前職でしっかり学んできたと自負していましたが、実際に社会インフラを支える仕事に就いてみて、まだまだ学ぶことが多いと実感しています」
※
松尾芭蕉とその一門によって確立された、蕉風俳諧の理念である不易流行(ふえきりゅうこう)。「決して変わることのない不易性と、絶えず変化し続ける流行性は、本質的に同じである」という意味。
2030年までに温室効果ガス排出量60%削減を目指しているNTTデータ。数ある事業部の中でも、ファシリティマネジメント事業部はその中心的な役割を担っています。
「近年、データセンターの選定理由に“どれだけ環境に対して配慮されているか”をあげるお客様が多くなっています。温室効果ガス削減の目標達成はデータセンターの競争力を高めることにもつながるので、NTTデータの、自分の責務として主体的に取り組んでいきたいと思っています。
そして何よりも、建築をビジネスの一部として大きくとらえ、成熟した施設としてより安心・安定した運用を行うことができるデータセンターを目指していきたいですね」
相場の「建築×ビジネス×IT」の世界での挑戦は、まだ始まったばかりです。
【参考】ビジネスソリューション事業本部とは?
相場の所属するファシリティマネジメント事業部は、NTTデータのなかのビジネスソリューション事業本部に属しています。ビジネスソリューション事業本部は、デジタル変革のためのソリューションやサービスによって、お客様の事業発展を支えるミッションを担う全社横断組織です。さまざまな業界のお客様に対して、ビジネス観点と磨き上げたソリューションで課題解決にアプローチし、お客様と共に、経営環境にイノベーションを起こします。