複数企業間のデータ連携で注目される「コネクタ技術」の最新動向を公開
2022年7月27日
株式会社NTTデータ
社会全体のデジタル化の実現に向けては多様なステークホルダーが業界や地域、世代を超えてつながる仕組みが必要で、不特定多数の企業や組織が安心安全にデータを連携できる技術が重要で、コネクタ技術が世界的に注目されています。さまざまな企業や研究機関を含むコミュニティーで議論や情報公開が進んでおり、特に欧州では実用化に向けた取り組みが加速しています。また、近年ではオープンソースソフトウエアとして実用に向けた開発が進んでいます。
今後、NTTデータとNTTデータ先端技術は、コネクタ技術や関連技術の調査・開発から得られた知見や取り組みについて順次情報公開し、当該技術を用いた実証も行っていきます。
背景
近年、社会全体のデジタル化の実現に向け、多様なステークホルダーが業界や地域、世代を超えてつながる仕組みが必要となってきています。社会の一部である企業活動のデジタル化も同様であり、企業同士がつながる仕組みが検討されています。特に欧州ではデータを安心安全に連携するプラットフォームを目指した「データスペース」という概念が知られるようになり、さまざまな研究機関や企業を含むコミュニティーで活発に議論されています。
従来のデータ連携では、確実に信頼できる相手同士で、事前に決められた種類のデータを取り扱うのが一般的でした。一方データスペースでは、不特定多数の企業がさまざまな種類のデータを取り扱うことになるため、やりとりされるデータの所有企業がどこで、どのように利用されるのかといった権利関係を明確にし、安心安全な共通のルールやプロトコルが必要です。また、多数の企業が参画するデータスペースを迅速に実現するためには、個々の企業が個別に仕組みを作るのではなく、各社協力して技術開発することが重要です。コネクタ技術は、企業がデータスペースにつながるために共通的に用いることのできるソフトウエアのひとつです。
なお欧州ではIDSA(International Data Spaces Association)注1のような団体を中心にデータスペースを実現するためのリファレンスアーキテクチャモデル注2が提言されており、一部は既にオープンソースとして開発されています。このモデルにおける「コネクタ」は企業がデータスペースにてデータ本体を扱うための仕組みとして位置づけられています。注3
本ホワイトペーパーでは、オープンソースソフトウエアとして実装されたEclipse Dataspace Connector注4や関連する取り組みを中心に、コネクタ技術の最新動向や概要を紹介します。
図:IDSAが提唱するリファレンスアーキテクチャモデル内のコネクタの位置づけ注5
ホワイトペーパー掲載
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今後について
今後、NTTデータとNTTデータ先端技術は、不特定多数の企業がさまざまなデータを安心安全にデータ連携するための技術の調査・開発を実施し、得られた知見や取り組みについて順次公開する予定です。また、コネクタ技術等オープンソースソフトウエアを中心にエネルギー産業などのさまざまな業界向けの実証を行い、オープンな技術で企業の枠を超えたデータ連携の仕組みを実現します。注6
関連リンク
NTT DATAのデータスペースに関する取り組み
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/dataspace/
注釈
- 注1IDSAとは、参加者同士がデータの価値を最大化しグローバルなデジタル経済の未来を創造することを使命とした団体です。
https://internationaldataspaces.org/(英語) - 注2IDSAのリファレンスアーキテクチャモデルは、データ駆動型のエコシステム、製品、サービスを構築するためのモデルを示します。
https://internationaldataspaces.org/use/reference-architecture/(英語) - 注3IDSAによるリファレンスアーキテクチャモデルはISO42010や4+1ビューモデルといった考え方を参考に、システムの各ステークホルダー視点を考慮して設計できるようにレイヤ定義しています
- 注4https://projects.eclipse.org/projects/technology.dataspaceconnector/
- 注5IDSAによるリファレンスアーキテクチャモデルのレイヤ定義を基にNTTデータで一部単純化して作図、翻訳
- 注6関連するニュースリリース
データ主権を保護できるデータ流通プラットフォームの実現に向けた共同開発
~自動車、航空、エネルギーなどのグローバルバリューチェーンを構成する企業間でデータを安全に共有~
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2022/042701/
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本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
技術革新統括本部
角井、岩崎、土橋、金子
E-mail:trusted-ds@kits.nttdata.co.jp