NTTドコモの新規iモードゲートウェイシステム「CiRCUS」の構築完了

ニュースリリース/NTTデータ

2003年4月28日

株式会社NTTデータ
日本電気株式会社

 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:青木 利晴、以下 NTTデータ)および日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:金杉 明信、以下 NEC)はこのたび、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:立川 敬二、以下 NTTドコモ)の新規iモード(注1)ゲートウェイシステム「CiRCUS(サーカス)」(注2)を構築し、完成いたしました。

 iモードゲートウェイシステム「CiRCUS」は、3700万人を超えるiモード加入者に対して、携帯電話端末を活用したメールサービスやWebアクセスサービスなどを提供するプラットフォームであり、最先端のオープンアーキテクチャで構築された世界最大規模のミッションクリティカルシステムです。
 プロジェクトはNTTドコモの世界に類を見ない先進的なシステム構想の下で、NTTドコモとともに、NTTデータとNECが協力し遂行しました。システムの構築にあたっては、NECのUNIX(注3)サーバ「NX7000」約400台をはじめとするグローバルスタンダード製品を活用し、NTTデータがプロジェクトの全体統括およびポータルやバックオフィスなどのアプリケーション開発を、また、NECが製品ベンダとの戦略的パートナーシップに基づくシステム基盤の構築およびメールや運用監視などのアプリケーションの開発を担当し、1. Webサイト閲覧:毎秒5万アクセス、メール送受信:毎秒2万5千件の処理が可能な高性能、2. 24時間365日のシステム稼動が可能な高信頼性、3. サービス無停止でのシステム拡張が可能な優れた拡張性等を実現しました。

本システムの主な特長等は以下のとおりです。

1. オープンアーキテクチャを採用した世界最大規模のミッションクリティカルシステムの実現
 ハードウェア基盤およびソフトウェア基盤にオープン製品を採用し、性能設計・業務設計・運用設計・高可用性設計の最適化を徹底することにより、以下のようなシステム要件を満たす高性能・高信頼性のシステム構築を実現しました。

  1. Webサイト閲覧:毎秒5万アクセス、メール送受信:毎秒2万5千件の処理が可能な高トランザクション処理の実現
     「CiRCUS」構築にあたり、同時に数千件の並列処理を可能とする「マルチスレッド制御ミドルウェア」を新たに開発すると同時に、徹底した負荷試験を行うことにより、Webサイト閲覧:毎秒5万アクセス、メール送受信:毎秒2万5千件の処理が可能な高性能を実現しました。また、ハードウェア基盤として、NECのUNIXサーバ「NX7000シリーズ」等で約400台、EMC社のストレージ 約400テラバイト、Cisco社やFoundry社のネットワーク機器約600台を活用し、高トランザクション処理を実現しました。


  2. 24時間365日のシステム稼動の実現
     ソフトウェア基盤に統合システム運用管理「WebSAM(ウェブサム)」や業務構築運用基盤「DiosaGlobe(ディオサグローブ)」をはじめとするNECのミドルウェア製品群「VALUMO(バルモ)ウェア」を採用し、24時間365日のシステム稼動を実現しました。


  3. サービス無停止でのシステム拡張の実現
     サービスの継続性を最優先としながら、柔軟なシステム拡張を実現するため、システムアーキテクチャとして、1. システム全体を3グループに分割した「セグメント構成」、2. 通信網とのインターフェース機能・サービス提供機能・サービス共通基盤機能の機能特性に応じて階層化した「3層レイヤ構成」、3. 各レイヤの業務単位にコンポーネント化する「業務分散構成」を採用し、システム全体における機能分散、負荷分散及び故障の局所化による高信頼性を図りました。さらに、各コンポーネントレベルにおいて、ネットワーク4重化、サーバハイアベイラビリティ設計などの冗長構成を採用し、徹底した高信頼性設計を実現しました。
     これらのシステムアーキテクチャにより、サービス無停止でのシステム拡張・サービス追加を実現しています。


2. 製品ベンダとのパートナーシップに基づく24時間365日のサポート提供
 システムを構成する主要製品の開発元である、HP社、Oracle社、EMC社、Cisco社、Foundry社とのアメリカにおける本社を含むパートナーシップ関係に基づき、システムの設計・構築段階から製品ベンダとの共同サポート体制を構築し、各社製品の組み合わせ検証や、検証結果に基づくシステム性能の最大化などを図っています。また、システムの運用段階においては、製品ベンダと「CiRCUS」専任のサポート共同体「MCATSS」(注4)を編成して、予防保守や24時間365日の障害対応を複数製品の開発元と直接連携して行なっています。これらにより、24時間365日稼動を可能とした高信頼性・高可用性システムの構築および運用を実現しています。

 NTTデータは、「Insight for the New Paradigm -未来のしくみを、ITでつくる。」というコンセプトのもと、常に時代の先を読み、最新の技術・サービスの動向はもちろん、市場環境の変化やお客様のニーズに迅速・的確に対応し、複数ベンダの製品を組み合わせた最適なシステムを提供しています。
 このたびの「CiRCUS」構築は、こうした超大規模なミッションクリティカルシステムのシステムインテグレーション力を実証するものであり、このような大規模システムを短期間で構築できたのは、システム構築からシステム移行、運用に至る徹底したプロジェクト管理とシステム化技術力の成果であると自負しております。
 NTTデータは、今後もメインフレーム、クライアントサーバシステム等のシステム方式にとらわれず、市場の変化やお客様のニーズに的確に対応し、お客様の企業価値を高めるための最適なシステムを提供していきます。

 NECでは、「IT・NW統合ソリューションカンパニー」を目指しており、バリューチェーンを構成する取引企業とのブロードバンドを活用したコラボレーション型システム、VoIPに帯域管理や負荷分散機能などを付加したVoIP付加価値サービス基盤、BIGLOBE・PC・モバイルを組み合わせたユビキタスソリューションなどの実現を推進しております。このたびのシステム構築は、携帯電話端末からネットワーク網、サービス基盤システムまでをトータルに提供可能な、NECが有する高度な「IT・NW統合ソリューション」提供力を実証するものであります。
 また、NECでは、「IT・NW統合ソリューション」のひとつとして、24時間365日の業務運用を実現する「堅牢性」と、市場の変化にすばやく対応できるスピードと拡張性を実現する「柔軟性」の両立を可能とする「オープンミッションクリティカルシステム」(注5)の提供を他社に先駆けて推進してきており、高度な技術の蓄積を有しております。このたびのシステム構築において新たに開発した、プラットフォーム構築技術・アプリケーション開発技術・プロジェクト管理技術などを活用することで、こうした取り組みをさらに拡大してまいります。

以上


(注1) iモードは、NTTドコモの登録商標です。
(注2) 「CiRCUS」は、iモードサービスのシステムの名称です。
(注3) UNIXは、The Open Groupの登録商標です。
(注4) MCATSSは、Mission Critical Alliance Team for System Supportの略。
(注5) UNIXをはじめとするオープン技術を活用した基幹業務システムのこと。
    24時間365日の業務運用を実現する「堅牢性」と、市場の変化にすばやく対応できるスピードと拡張性を実現する「柔軟性」の
    両立を可能とする。

その他、文中に記載している社名、商品名は各社の商標または登録商標です。


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株式会社NTTデータ
広報室 宗像
TEL:03-5546-8051


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NEC
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