国内初のPCグリッドコンピューティング『cell computing® 』大規模実証実験の最終報告について
ニュースリリース/NTTデータ
2003年6月26日
株式会社NTTデータ
(株)NTTデータ(江東区 社長:浜口 友一)は日本IBM(港区 社長:大歳 卓麻)、インテル(株)(千代田区 代表取締役共同社長:吉田 和正)、東日本電信電話(株)(NTT東日本 新宿区 社長:三浦 惺)、マイクロソフト(株)(渋谷区 社長:阿多 親市)の協力の元に実施した、日本国内初のPCグリッドコンピューティングcell
computing® の大規模実証実験の結果を公開します。
【計算結果の概要】
H14年12月20日よりH15年4月30日までの約4ヶ月間に、12,000台を超える多くのPCユーザの参加により、ピーク時の性能が3T Flops超、時間にして約611年162日13時間分という膨大な計算を行うことができました。これは、平均的なPC1台で処理する場合に611年かかる計算を約4ヶ月で実施したことになります。
実験期間:平成14年12月20日(木)〜平成15年4月30日(水)の132日間
参加台数:12,206台
トータルCPU時間*1:611年162日13時間24分23秒
最大時性能:3T flops*2 超(実測数値)
【解析結果の概要】
今回はUnited Devices社(米国テキサス州 CEO:Ed Hubbard)のミドルウェアベースに開発したプラットフォームを用い、2種類のアプリケーション(プロジェクト)を実行しました。
1つは、東亞合成株式会社(港区 社長:山寺 炳彦)が行う研究の一環として開発されたアプリケーションを用いた、遺伝子病研究にもつながる『ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見』プロジェクト『BOLERO(ボレロ)』、もう1つは、NTT物性科学基礎研究所(神奈川県厚木市 所長:石原 直)が行う研究の一環である『光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成』プロジェクト『OPAL(オパル)』です。
『ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見』(BOLERO)
当初予定していた20番、21番染色体の解析を約1.5ヶ月で終え、その他3つの染色体の解析を行い計5つの染色体(13、14、20、21、22番染色体)の解析を約4ヶ月で終了しました。これにより、周期性をもつ領域が多数存在することを2D色彩パターン*3を用いて確認することができました。この周期性領域のもつ意味については、今後東亞合成にて研究を継続し、論文発表等を行う予定です。
『光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成』(OPAL)
13万個の光学的に新たな特徴をもつ材質(フォトニック結晶*4)候補について約4ヶ月の間に解析を終了し、その結果どんな方向からでも光を反射する結晶構造を持つ新しい材質の候補として116個の結晶構造を発見することができました。
現在、大規模実証実験の結果をうけ、NTT物性科学基礎研究所にて2次解析へ進んでいます。
どちらの計算も平均的なPC1台では数百年かかる計算を約4ヶ月で終了したことになります。
NTTデータでは、この大規模実証実験での実験成果をもとに、企業内のPCのCPUを統合するイントラネット型のcell computingの今年度下半期からの販売開始、常時接続環境のPCを対象としたインターネット型のcell computingの事業化に向けての検討を進めていきます。
*cell computing®は株式会社NTTデータの登録商標です。
*その他、文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。
BOLERO最終報告(2003年6月26日)
OPAL(2003年6月26日)
【計算結果の概要】
H14年12月20日よりH15年4月30日までの約4ヶ月間に、12,000台を超える多くのPCユーザの参加により、ピーク時の性能が3T Flops超、時間にして約611年162日13時間分という膨大な計算を行うことができました。これは、平均的なPC1台で処理する場合に611年かかる計算を約4ヶ月で実施したことになります。
実験期間:平成14年12月20日(木)〜平成15年4月30日(水)の132日間
参加台数:12,206台
トータルCPU時間*1:611年162日13時間24分23秒
最大時性能:3T flops*2 超(実測数値)
【解析結果の概要】
今回はUnited Devices社(米国テキサス州 CEO:Ed Hubbard)のミドルウェアベースに開発したプラットフォームを用い、2種類のアプリケーション(プロジェクト)を実行しました。
1つは、東亞合成株式会社(港区 社長:山寺 炳彦)が行う研究の一環として開発されたアプリケーションを用いた、遺伝子病研究にもつながる『ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見』プロジェクト『BOLERO(ボレロ)』、もう1つは、NTT物性科学基礎研究所(神奈川県厚木市 所長:石原 直)が行う研究の一環である『光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成』プロジェクト『OPAL(オパル)』です。
『ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見』(BOLERO)
当初予定していた20番、21番染色体の解析を約1.5ヶ月で終え、その他3つの染色体の解析を行い計5つの染色体(13、14、20、21、22番染色体)の解析を約4ヶ月で終了しました。これにより、周期性をもつ領域が多数存在することを2D色彩パターン*3を用いて確認することができました。この周期性領域のもつ意味については、今後東亞合成にて研究を継続し、論文発表等を行う予定です。
『光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成』(OPAL)
13万個の光学的に新たな特徴をもつ材質(フォトニック結晶*4)候補について約4ヶ月の間に解析を終了し、その結果どんな方向からでも光を反射する結晶構造を持つ新しい材質の候補として116個の結晶構造を発見することができました。
現在、大規模実証実験の結果をうけ、NTT物性科学基礎研究所にて2次解析へ進んでいます。
どちらの計算も平均的なPC1台では数百年かかる計算を約4ヶ月で終了したことになります。
NTTデータでは、この大規模実証実験での実験成果をもとに、企業内のPCのCPUを統合するイントラネット型のcell computingの今年度下半期からの販売開始、常時接続環境のPCを対象としたインターネット型のcell computingの事業化に向けての検討を進めていきます。
*1 | トータルCPU時間 : | 各PCのCPUが計算した計算時間の総和 |
*2 | T Flops(テラ・フロップス) : | 一秒間に一兆回の浮動小数点演算命令を行う計算速度。 スーパーコンピュータなどの計算速度の尺度として利用される。 |
*3 | 2D色彩パターン : | 1次元配列(例えば塩基配列など)を一定の単位で折り返して2次元的な行列に変換し、それぞれを並列に配置、彩色する処理。それにより配列情報構造の変化を、色彩情報構造の変化として解析することが可能となり、人間の視覚能力を通して配列の特徴を解析を可能とするもの。 |
*4 | フォトニック結晶 : | 屈折率の高い物質と低いものを交互に並べることにより、ある特定の波長で光が伝搬できない絶縁状態となる人工的な物質(結晶)のこと。 |
*cell computing®は株式会社NTTデータの登録商標です。
*その他、文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。
BOLERO最終報告(2003年6月26日)
OPAL(2003年6月26日)