緊急地震速報と連動させたビル管理装置について 〜NTTデータ駒場研修センターで公開実験〜

ニュースリリース/NTTデータ

2004年3月19日

特定非営利活動法人 リアルタイム地震情報利用協議会
株式会社 NTTデータ

特定非営利活動法人(NPO法人)リアルタイム地震情報利用協議会注1(略称REIC 東京都新宿区 有馬朗人会長)と株式会社NTTデータ(東京都江東区 浜口友一代表取締役社長)は、NTTデータ駒場研修センターで、3月23日10時30分から、緊急地震速報注2と連動させた災害防止用ビル設備中央集中監視装置およびシステム(以下、緊急地震速報連動ビル管理システム)の公開実験を行います。
同システムは、文部科学省が実施しているリーディングプロジェクト「高度即時的地震情報伝達網実用化プロジェクト」の一環として、独立行政法人防災科学技術研究所から委託を受けたREICがNTTデータと共同で開発しました。全国の地震計(高感度地震観測網)が捉えた地震の初期微動(P波)データから即時に計算された震源位置とマグニチュード情報から、地震の主要動(S波)到達時間と予測震度を即座に計算し、ビル設備の管理に反映させるものです。具体的には、予測結果が一定以上の震度の場合、警告を発信すると同時に照明、バルブ、電気錠、エレベータなどビル設備の自動制御を行います。REICとNTTデータは本システムを実際に使用した実証実験を平成16年1月中旬より約2ヶ月間実施しました。

実用段階ではビル設備の自動制御によりビル内にいる人の安全確保をして地震被害を軽減することを目指しています。震源位置とマグニチュードの情報は気象庁からREICを経由して配信されます。
実験では高速デジタル専用線を使用して、REICに設置した緊急地震速報配信装置より配信される模擬的な緊急地震速報を、NTTデータ駒場研修センターに設置した地震情報受信装置で受信します。受信した地震情報は直ちに地震直前情報演算兼ビル設備管理装置へ送信され、地震直前情報の演算および結果出力が行われます。この結果を基に対象の既存ビル設備および新規製作したデモンストレーション用ビル設備疑似装置の緊急制御を行います。

今回公開実験の場となるNTTデータ駒場研修センターは、LONWORKS注3とTCP/IPでビル全体をネットワーク化した知的分散型自動制御ビルで、警告の配信やビル設備・機器を制御する各種情報はこのネットワークを介して伝達されます。

注1: リアルタイム地震情報利用協議会
特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会(略称:REIC)は、国内外の関係機関と協力し、リアルタイム地震情報の活用によって、国内外の地震災害軽減に貢献することを目的としており、研究開発・広報などの活動・事業を行っています。

注2: 緊急地震速報
地震が発生するとまずP波が到着し、その後、P波に比べ振幅が数倍大きい主要動が到着します。地震による被害の大半は主要動到着以降に引き起こされることから、震源の近くでP波を検知して、地震の規模や位置を即時的に求め、それを広く伝達するシステムが構築できれば、地震による大きな揺れの前に防災対策が可能となります。

注3: LONWORKS
エシェロン社が開発した知的分散ネットワークのことです。ニューロンチップと呼ばれるLSIが設備装置の通信・制御を行います。規格がオープンであり、容易にネットワークを構築できることから、現在の自動制御ネットワーク技術におけるデファクト・スタンダードとなっています。


以上



【別紙】 ハードウェア・ネットワーク構成図
本件に関するお問い合わせ先

NPO法人・リアルタイム地震情報利用協議会
研究部 上席研究員 山口 耕作
〒160-0004
東京都新宿区四谷2-14-4
TEL:03-5366-2720
FAX:03-5366-27401

株式会社NTTデータ
広報室 塩手
〒135-6033
東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
TEL:03-5546-8051
FAX:03-5546-24051