ユビキタスビジネス市場への取り組みの中核となる「ユビキタス・サービス・プラットフォーム」と「ユビキタス・ソリューション」の確立について

ニュースリリース/NTTデータ

2004年12月 6日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、あらゆる情報が繋がり、新たな価値連鎖を実現するユビキタス社会の到来に向けて、RFIDタグなどの情報格納デバイスを利用し、さまざまな情報に安全にアクセスするためのインフラ構築に取り組んでいます。
 今回、NTTデータのユビキタスビジネスへの取り組みの中核として、RFIDタグやセンサーを活用したユビキタスシステム構築をトータルに提供するための基盤システムである「ユビキタス・サービス・プラットフォーム」およびソリューション群としての「ユビキタス・ソリューション」を確立しました。(図1を参照ください)
 すでに、「ユビキタス・サービス・プラットフォーム」のうち、RFIDプラットフォームについては、ユビキタスIDセンタ仕様への対応を開始しており、また他のプラットフォームについても実証実験等を通じて、鋭意実用化を進めております。また「ユビキタス・ソリューション」については、当社がこれまでに取り組んできた実証実験や個別のシステム開発を通じて蓄積される業務ノウハウおよび技術ノウハウを集積し、業際および分野別ソリューションとして提供していきます。

【NTTデータのユビキタスビジネスへの取り組み】
 当社では、ユビキタス分野の事業を成長施策の取組の1つとして位置づけ、食品流通や生産管理、航空手荷物などにおいて先導的実証実験を実施するとともに、顧客の個別のニーズに応じたシステム開発に積極的に取り組んでいます。先日も、ユビキタス・ソリューションの1つとして「物品管理ソリューション」を提供開始するなど、研究開発から実証実験およびビジネスシーンへの展開など幅広く推進しています。

【概要】
 NTTデータは、ユビキタスシステムを構築する際に必要となる機能・サービスを3つのレイヤーに分けて体系化し、各レイヤーの機能・サービスを組み合わせることにより、最適なソリューションを提供します。具体的には、(1)セキュア・ネットワーク、(2)ユビキタス・サービス・プラットフォーム、(3)ユビキタス・ソリューションの3つのレイヤーに区分しています。セキュアなネットワーク接続から分野別ソリューションまでの各レイヤーを一貫したユビキタス・ソリューションを広範かつ必要に応じて柔軟に提供することで、顧客のユビキタスシステム構築をトータルにサポートします。
 各レイヤーの詳細は次のとおりです。
  1. セキュア・ネットワーク
    -オンデマンドVPN

    RFIDタグやセンサーの所有者、情報の提供者、管理者といったサービスプレーヤーがオープンなネットワーク上でID情報を流通する際に必要なオンデマンドVPNを提供します。具体的にはe-Key(電子鍵)技術を利用することで、高セキュリティを担保しつつ、ユーザをオンデマンドに認証できるVPNを構築します。


  2. ユビキタス・サービス・プラットフォーム
    NTTデータのユビキタス・サービス・プラットフォームは、「RFIDプラットフォーム」、「センサーネットワークプラットフォーム」、「CAM(コンテクスト・アウェアネス・マネジメント)・プラットフォーム」、「サービス連携プラットフォーム」およびこれらをシームレスに結ぶ「異種PF相互運用プラットフォーム」から構成されます。
    (主な特徴)
    1. RFIDタグに閉じたソリューションではなく、センサーネットワークやコンテクストアウェアネスといった今後のユビキタスサービスにおいて注目される要素を統合したトータルなプラットフォームとして提供

    2. 利用者および端末認証、アクセス権管理、およびセキュア・ネットワークへの対応など、将来のオープンかつアドホックなユビキタスコンピューティング環境に対応するセキュリティ技術を実装

    -RFIDプラットフォーム・センサーネットワークプラットフォーム
    RFIDリーダライタや各種センサーからのID情報や属性情報の収集管理、リーダライタやセンサーおよび利用者の認証やアクセス制御を行います。

    -CAM(コンテクスト・アウェアネス・マネジメント)プラットフォーム
    コンテクスト・アウェアネス・マネジメントとは、ネットワーク上に点在する環境情報(人・モノ・空間等の状態:Context)の変化を、システムが自動的に検知、認識(Awareness)し、その状況に応じた最適なアクションをアプリケーションや制御機器などに実行させるというものです。具体的には、RFIDリーダライタや各種センサーで収集されるID情報やデータ等を元に、以下の機能を提供します
    • 情報の収集・蓄積

    • 情報分析によるコンテキスト把握(RFIDやセンサーからの単独もしくは複数データを解析することにより、人やモノの存在や移動といった単純な状態だけでなく、例えば会議中であるといった状況を把握)

    • 把握されたコンテキストに基づいたアクションの実行および実行の管理

    -サービス連携プラットフォーム
    RFIDタグやセンサーの情報に連動してビジネスプロセスを管理し、このビジネスプロセスに従って、決済システムや販売管理システムなど他の情報システムとの連携を、WEBサービスなどの標準技術を用いて実現します。

    -異種PF相互運用プラットフォーム
    さまざまな業種、業務分野で構築された個別システムのプラットフォーム間の相互接続を実現します。具体的には、プラットフォーム間の認証、ID情報や、属性情報の相互連携により、それぞれのプラットフォームをシームレスに連携させることができます。


  3. ユビキタス・ソリューション
    -IDキャリアサービス

    IDキャリアサービスは、多数のプレイヤーとの情報共有が必要な業務(サービス)や、独自にRFIDシステム構築が困難な企業および一般家庭向けにRFIDタグ(将来的にはセンサーも対象)による情報共有の仕組みを共同利用型サービスにより提供します(図2参照)

    -分野別ソリューション
    NTTデータのユビキタス・サービス・プラットフォームを基盤として、これまで当社が実証実験や個別システム開発を通じて得た、RFIDタグやセンサーなどを利用したシステム構築ノウハウをソリューション化して、提供します。具体的には、生産、物流、流通、保守・メンテナンス、リサイクル・廃棄、資産管理、セキュリティといった分野を対象としています。(図3参照)

 今後、NTTデータでは、「ユビキタス・サービス・プラットフォーム」および「ユビキタス・ソリューション」によるソリューションの提供を順次進めていくとともに、ユビキタス分野における各種標準化の推進や、センサーネットワーキング等の将来技術へも積極的に取り組み、ユビキタス環境の実現に貢献していきます。

 なお、本件については、今月7日より東京国際フォーラムにて開催される「TRONSHOW2005」のシアターセッションにて、当社ビジネスイノベーション本部 ユビキタス推進室長 山本修一郎のプレゼンテーション(12月7日15:30〜16:00)の中でご紹介するとともに、RFIDプラットフォームおよびCAMプラットフォームを活用したデモ展示を行います。


図1:ユビキタス・サービス・プラットフォームとユビキタス・ソリューション
図2:IDキャリアサービス
図3:ユビキタス・ソリューションの概要
本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報室 龍
TEL:03-5546-8051