川崎市の電子行政サービスを支えるIT基盤を構築 〜SOAを実装したシステム連携基盤の運用を開始〜
2007年1月22日
株式会社NTTデータ
(株)NTTデータは、川崎市からの受託事業として、同市の行政サービスを支えるシステム連携基盤を構築し、本日1月22日に運用を開始しました。今回構築したシステム連携基盤は、川崎市の各業務システムを一体的に機能させるためのシステムで、同市が推進する電子行政サービス充実のため、SOA注(サービス指向アーキテクチャ)の考え方に基づき全体最適の観点から業務システム間の柔軟な機能連携・情報連携を提供するものです。
注 SOA…業務を共通的に利用できる「サービス」として切り出し、複数のサービスを連携させていくことでシステムを構築する手法。
【背景】
川崎市では、市民満足度の高い電子行政サービスを展開していくため、庁内の情報共有が図られる情報システム等の整備を目指しています。その実現にあたっては、業務毎に個別に構築されてきた従来の情報システムでは、業務間での機能やデータの重複、システム連携やデータ連携の制約などが課題となっていました。川崎市ではこれらの課題を解決するために、個別の業務要件を主体とした従来型のシステムから、全体最適の観点で機能と情報を整備したシステムへの転換を進めています。
【システム連携基盤の位置づけと導入効果】
今回NTTデータが構築したシステム連携基盤は、SOAの考え方に基づき、個別の業務システムの持つ機能やデータを切り出し、情報システム全体として共通的に利用できる環境を提供することで、業務システム間の柔軟な機能連携・情報連携を実現します。
システム連携基盤の導入効果は以下の通りです。
- 機能・データの共通化による効率化
共通的に利用すべき機能やデータをシステム連携基盤上に整備することで、これまで個別業務システム内での利用に閉じられていた機能やデータを全庁で利活用することができるとともに、従来のシステムで発生していた機能・データの重複をなくし、保守・運用業務の効率化を実現します。 - 行政サービスの変更等に柔軟かつ効率的に対応
システム間の連携方式の差異を吸収する機能を、システム連携基盤上で提供します。これにより、各種電子行政サービスの追加などの際、各業務システムに影響を与えることなく、システム連携基盤上で影響を吸収することが可能になり、柔軟かつ効率的なシステム対応を可能にします。 - 特定のベンダに依存しないシステム運用
システム連携基盤は、オープンソースや標準技術を活用して構築しているため、システムの保守・運用や追加・変更に際し、特定のベンダに依存することがなくなります。
【今後の展開】
NTTデータでは、今回の川崎市によるSOAの考え方に基づくシステム連携基盤の導入は、自治体の情報システム再整備における先進的事例として位置づけており、今後本システムをベースとしてSOAを実装したシステム連携基盤を商品化し、自治体を中心に展開していく予定です。