「IDコマース基盤」の実証実験を開始 〜JALと共同で、航空手荷物業務(JAL手ぶらサービス)の効率化を検証〜
2007年2月 1日
株式会社NTTデータ
富士通株式会社
日本電気株式会社
株式会社日立製作所
東芝テック株式会社
(株)NTTデータ(代表取締役社長:浜口 友一、本社:東京都江東区、以下NTTデータ)と富士通(株)(代表取締役社長:黒川 博昭、本社:東京都港区、以下富士通)、日本電気(株)(代表取締役 執行役員社長:矢野 薫、本社:東京都港区、以下NEC)、(株)日立製作所(執行役社長:古川 一夫、本社:東京都千代田区、以下日立)、東芝テック(株)(取締役社長:前田 義廣、本社:東京都品川区、以下東芝テック)は、これまでIDをキーとして様々な情報システムや機器をシームレスに連携できるIDコマース基盤®の仕様を共同で策定してきました。
このたび、5社は(株)日本航空(代表取締役社長:西松 遙、本社:東京都品川区、以下JAL)の協力のもと、IDコマース基盤の航空手荷物業務(「JAL手ぶらサービス」)の適用効果に関する実証実験を本日から開始します。
【IDコマース基盤検討会の活動の経緯】
NTTデータ、富士通、NEC、日立、東芝テックの5社で活動している「IDコマース基盤検討会」では、2005年4月の設立以来、IDコマース基盤のコンセプトや機能要件、アーキテクチャ、処理方式などの定義、各機能やインターフェース仕様の実装規約の策定を共同で行ってきました。検討会では、このIDコマース基盤が普及することによって、新規・既存を問わずに、どのITベンダーが構築した業務システム間であっても相互の連携を促進し、企業や業界を超えたユビキタスサービスの提供が可能になることを目指しています。
現在、検討の成果は、「機能ガイドライン」、「機能仕様書」、「実装規約仕様書」として文書化しており、2006年6月19日から公開しています。また、IDコマース基盤の仕様に基づく実装も各社分担して実施しており、各社が開発したコンポーネントの相互接続確認が完了しています。
(IDコマース基盤の特徴については、別紙を参照願います。)
【実証実験の概要】
- 実施予定時期:2007年2月1日から2月28日(1ヶ月)
- 実験場所:成田国際空港 第2旅客ターミナルビル3F Mカウンタ
- 実験の目的:
今回の実験では、IDコマース基盤の相互接続性を以下の3つの点から検証・評価します。- 複数企業・複数システムにまたがるID情報流通の検証
- IDコマース基盤と既存の業務サービスとの連携の検証
- 端末管理の一元化の検証
- 実験の内容:
実験対象である「JAL手ぶらサービス」では、航空手荷物を宅配会社、空港宅配会社や航空会社など、複数の企業を経由して搬送していますが、各社が独自の管理コード体系を採用していることから、一つの手荷物に複数の異なる管理IDが付与されます。しかし企業の間で複数のID情報を連携し、管理する仕組みがないため、異なるIDを相互に紐付ける作業を手作業で行うなど煩雑な業務が発生していました。- 「JAL手ぶらサービス」は、旅客が自宅等から配送した手荷物を、出発空港で引き取らずにそのまま飛行機に搭乗し、海外到着空港で直接受け取るサービスです。
図:「JAL手ぶらサービス」の流れ
今回の実験では、これらの企業がIDコマース基盤を利用することで、同一の手荷物に付与された複数の異なるIDを相互に連携し、自動認識させることができるため、航空手荷物管理業務の効率化が期待されます。あわせて、旅客への手荷物チェックイン情報の開示により、手荷物のチェックイン状況をパソコンや携帯電話から確認できるなど、旅客の利便性向上についても期待されます。
図:実証実験のシステム構成イメージ
【実験後について】
実験システムの構築や実験で得た結果をIDコマース基盤の実装規約にフィードバックし、ユビキタスサービス基盤としての完成度を高めていきます。
また、検討会の目的である「ユビキタスネットワーク社会の早期実現」に向け、IDコマース基盤の各仕様書等の成果を標準化団体等を通じて広く公開すると同時に、参加各社からIDコマース基盤を適用したシステムの実用化に向けて活動を継続していきます。
注 「IDコマース基盤®」は、(株)NTTデータの登録商標です。
注 「JAL手ぶらサービス」の概要については、下記をご覧ください。
注 各仕様書は配布しておりますので、IDコマース基盤検討会事務局のNTTデータまでお問い合わせください。ただし、各仕様書は今後実証実験での成果を反映して修正を行う見込みです。